- 作成日 : 2024年6月27日
サウナ開業の事業計画書の書き方とは?ひな形を基に成功のコツを解説
サウナ開業で作成する事業計画書は、ひな形やテンプレートを利用すると便利です。今回は、サウナ経営におすすめの事業計画書のテンプレートや記載する項目、書き方のポイントを紹介します。
目次
サウナ開業の事業計画書とは?
サウナの開業において、事業計画書が必要になるのは、経営者が事業の見通しを立てる場面や融資を受ける場面です。
ここで、サウナ業界の近年の動向を簡単に紹介します。
日本サウナ総研の「日本のサウナ実態調査2023」によると、新型コロナウイルス感染症の影響が色濃かった2022年度の調査と比べて、2023年度の調査では利用が回復傾向にあることがわかりました。
コロナ前後では、一般層の利用が大きく減少しましたが、ヘビーユーザーとミドルユーザーの利用は大きく落ち込んではいませんでした。回復の兆しがあることから、まだまだサウナの需要は望めます。調査によると、2022年度のサウナ愛好家の人口は、全体で約1682万人と推計されています。
なお、温浴業界全体では、サウナに特化した施設の出店が増えている状況です。サウナ利用者は今後増えるものと見込まれています。
サウナ開業にもチャンスがあるといえるのではないでしょうか。事業計画書に記載する項目でも、こうした市場の見通しや現状に触れるため、業界全体の動向を把握しておくことも重要です。
出典:【日本のサウナ実態調査2023】/Japan Sauna Survey 2023 Sauna enthusiast population is on a rise.|KYODO NEWS PRWIRE
事業の見通しを立てる
気軽に利用できるサウナ特化の施設も増えていますが、アイデアを具体化しないことには実現できるかわかりません。事業計画書は、事業の見通しを立てて、サウナが十分に運営できるかどうか確かめるために作成します。
金融機関からの融資を受ける
サウナを開業するには、必要な設備の導入や整備など、まとまった額の初期投資が必要です。自己資金では不足するため、金融機関からの融資を検討する場面もあります。事業計画書は、事業者に返済能力があるか、判断材料のひとつとして、金融機関から提出を求められることがあります。
サウナ開業の事業計画書のひな形、テンプレート
サウナを開業する方向けに、マネーフォワード クラウド会社設立では、サウナ向けの事業計画書のテンプレートを用意しています。必要に応じてご活用ください。
サウナ開業の事業計画書の書き方・記入例
サウナを経営する場合の、事業計画書に記載する主な項目や書き方を紹介します。
創業の動機・目的
創業のきっかけや目的、例えば、サウナに関する経営のノウハウやサウナへの情熱、サウナを経営することで達成したいことなどを記載します。
職歴・事業実績
経営者個人の経歴や事業実績を記載する項目です。サウナのある入浴施設への勤務経験、サウナコンサルティングの経験など、関連する経験があれば詳しく記載します。サウナに関連する経験がなくても、会社経営の経験などがあれば、融資の際にはプラスに働く可能性があります。
取扱商品・サービス
取扱商品・サービス、セールスポイント、競合・市場分析などを記載します。
取扱商品・サービスに記載するのは、主なサービスと料金についてです。サウナの場合、サウナ料金のほか、施設でレンタルする物品(タオルなど)のレンタル料、施設で販売する物品や価格を大まかに整理して記載します。
セールスポイント・販売ターゲット・戦略に記載するのは、自社がアピールできる特徴や開業後の戦略などです。ターゲットにリーチするために、どこでどのようなサービスを展開するか、エステなどの付帯サービスを導入するかどうかを記載します。
競合・市場などの分析欄に記載するのは、業界全体の動向や商圏の競合他社の状況です。他社のサウナ施設では、どのようなサービスが提供されているかなどを記載します。
取引先・取引関係
販売先、仕入れ先、外注先について記載します。サウナは、施設を運営する業態のため、通常は仕入れが発生しません。販売先も、基本は一般消費者になります。
従業員
従業員数と常勤役員数(法人の場合)を記載します。採用見込みのある人数で構いません。サウナ経営は、設備次第で無人での運営もできます。
借入の状況
経営者個人に関する項目です。事業資金のほか、住宅ローンやカードローンなど、経営者が個人で利用している借入金の残額や返済額などを記載します。
必要な資金と調達方法
設備資金の見積額と運転資金の予想額、資金調達の方法と資金調達予想額の項目です。
サウナは、初期投資(設備投資)が高額になりやすい業態です。サウナを開業するには、サウナ設備のほか、標準設備として、シャワースペースや脱衣所、ロッカー、トイレ、休憩スペースなども考慮して設計する必要があります。規模によるものの、初期費用として数千万円以上かかる可能性もあるでしょう。
設備の建設費用や内装工事などは、依頼する業者から見積もりをとって、必要な資金を項目別に記載します。
運転資金は、開業から数カ月程度のランニングコストの目安です。サウナでは、水道光熱費や人件費などが発生します。
事業の見通し(月平均)
月の売上見込額、人件費や家賃、水道光熱費などの費用の見込額を計算して、創業当初の予測と1年後(または軌道に乗った後)の予測額を記載します。サウナの場合は、サウナ料金、平均利用客数の予想値を用いることで、大まかな売上見込額を計算できます。
サウナ開業の事業計画書成功のポイント
サウナ開業で必要な事業計画書の作成を成功させる五つのポイントを紹介します。
コンセプトを明確にする
コンセプトとは、どのようなサウナにしていきたいかの方向性を表します。入浴施設に併設されたサウナが従来の形でしたが、サウナ専用施設など、サウナの形態は多様化しています。顧客から選ばれる施設にするには、ほかと差別化を図り、顧客にとって居心地のよい場所にすることが重要です。
事業計画書に落とし込む際には、具体的な言葉で、どのようなサウナにしていくか明らかにしましょう。コンセプトがしっかりした特徴的なサウナの例として、健康志向のお客様向けのハーブサウナ、ゲストハウス併設で旅行客向けのサウナなどがあります。
経験や資格をアピールする
金融機関に提出する事業計画書では、事業の実現可能性や返済可能性などがチェックされます。実現可能性を高める面で、サウナの経営などに関わる経験や関連する資格はプラスになるでしょう。サウナ関連の資格には、日本サウナ・スパ協会主催、厚生労働省後援の、サウナ・スパプロフェッショナル、サウナ・スパ健康アドバイザーなどがあります。
立地調査を行い商圏や競合を把握する
サウナの運営を安定的なものにするには、固定客をつけることが重要です。そのためには、アクセスがしやすい場所、駐車スペースが広くとれる場所など、利便性の高い立地を選択する必要があります。
立地の良し悪しを測るのに重要なのが、立地調査です。立地調査では、商圏(集客できる範囲)、商圏に存在する競合他社の数と動向、候補地周辺の交通状況や地形などの特性を確認します。
事業計画書の欄にも、市場分析や競合分析に関する項目があります。計画書の内容が納得のいくものにするためにも、立地調査により得た情報はしっかり反映させるようにしましょう。
客観的な売り上げ予測・価格設定をする
事業計画書に記載する収支計画の金額は、客観的なものである必要があります。売り上げの予測値は、サウナの利用料金、収容可能人数、稼働率などから、現実的な根拠のある数値を設定しましょう。ランニングコストも同様です。水道光熱費や貸し出し用品のメンテナンス費用など、必要な項目を洗い出して細かく試算します。価格も、利益を圧迫しすぎない範囲で、エリアの特性や利用者層なども考慮しつつ設定するようにします。
損益分岐点を想定する
損益分岐点とは、収支がちょうど0円になる売上高のことです。サウナの施設設置には多額の初期投資を必要とすることがあります。融資を受ける場合は返済が必要となるほか、水道光熱費などのランニングコストも発生するため、月々に換算すると思った以上に利益にならないこともあります。目標の売上高を設定するためにも、利益を下回らない適正な額に利用料金を設定するためにも、損益分岐点を知っておくことは大切です。
サウナ経営のための事業計画書を作成しよう
サウナ経営の方向性を確定させるためにも、事業計画書は作成するのがおすすめです。立地調査の結果や損益分岐点を意識して、意味のある事業計画書の作成を心がけましょう。
サウナの開業に必要な営業許可や資金、開業の流れについては下記の記事で詳しく説明しています。
サウナ業向けの定款(事業目的)のテンプレートも用意していますので、ご活用ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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