• 更新日 : 2023年8月29日

経営にCSRは必要?取り組むメリット・デメリットをわかりやすく解説

経営にCSRは必要?取り組むメリット・デメリットをわかりやすく解説

現在、社会的貢献を積極的に行う企業が増えています。企業が行うこれらの活動のことを「CSR活動」と呼びますが、国内に限らず世界中の企業がこのCSR活動に取り組んでいます。今回は企業がSCR活動を行う理由やメリット・デメリットについて、具体的な事例を挙げながら解説していきます。

CSRとは何か?

はじめに「CSR・CSR活動とは何か?」「企業がCSRに取り組むようになった背景は?」などについて解説します。

CSR=企業の社会的責任のこと

CSRとは「Corporate Social Responsibility」の略で、企業が果たすべき社会的責任のことです。「法人」という言葉があるように、企業とはいえ社会の中で活動していくうえで法的に認められた一つの人格を有することになります。

企業を取り巻く環境問題や人権問題などをより良い方向に進めるため、社会の一員として積極的に活動していくことが求められています。そのような背景もあり、現在ではCSR活動に取り組む企業が増加しているのです。

CSRを通じて取り組むこと

商取引に限らず、企業が営業活動を行っていくうえで関わってくる項目は実に様々です。

CSRが必要な背景

例えば、製造業を営む企業であれば、生産活動に伴い排出される工業用水やスモッグ、騒音などは周辺の環境に影響を与えます。操業当初は周辺のみに影響を与えるだけですが、長い目で見れば汚染された工業用水はやがて企業が使用する工業用水自体の水質を悪化させるでしょう。また、スモッグは大気を汚染し周辺住民のみならず従業員の健康にも悪影響を与える可能性さえあります。

このように、企業活動が生み出す公害はやがて企業自身を苦しめることにも繋がりかねません。CSRが必要とされるのは、企業が周辺の環境保全について社会的責任を果たすことで、結果的には企業自体の活動を保全することにもなるからです。

国際規格ISO26000について

スイスに本部がある国際標準化機構(ISO)は、世界共通で使える規格「国際規格」を公的に認証するための機構です。

ISOが認証する規格には「ISO9001」「ISO14001」といったように番号が付けられます。例えば、「ISO9001」は品質マネジメントに関する国際規格、「ISO14001」は環境マネジメントに関する国際規格、といった具合です。

その中の一つである「ISO26000」がCSR活動に関する国際規格です。企業が取り組むCSR活動についても国際的な標準規格が必要であるとの観点から、企業の社会的責任についての指針を決めたのが「ISO26000」です。

経営にCSRを取り入れるメリット・デメリット

次に、企業がCSR活動を積極的に行うことについてのメリットやデメリットについて解説しましょう。

社会貢献を通じて企業イメージアップ

例えば、地域住民が取り組んでいるゴミ拾いにCSRの一環として企業が出資し、従業員も参加したとしましょう。地域住民にしてみれば、自分たちの活動を財務的、人員的に支援してくれる企業ですから当然企業のイメージアップが期待できます。

適正な情報発信によりガバナンスを強化

企業を統治管理していくことを「ガバナンス」あるいは「コーポレートガバナンス」と呼びます。企業内において正確かつタイムリーな情報発信を行うことで、自社のガバナンス(統治)がより強化されることになります。

社員一人ひとりの意識を向上

企業が行うCSRを通じて社会貢献活動に参加する従業員も、決して悪い気持ちにはなりません。活動により周囲から感謝されれば、社員も「より社会に貢献したい」という意識が芽生えます。社員一人ひとりの意識が向上すれば、最終的には企業のCSR活動をより進めるための原動力となるでしょう。

活動は長期に渡りコストもかかる

CSR活動で大切なのは「サステナビリティ(継続可能性)」です。いくら良い活動を行ったとしても、その活動が継続しなければその貢献は一時的なものでしかありません。反復継続することで企業のCSR活動が初めて意味を持ちます。ただし、活動が長期間に渡りますので、その間発生するコストと時間が必要になるのはやむを得ないケースでしょう。

CSRの取り組み方や活動事例

では、企業が実際どのようなCSRに取り組んでいるのか、具体的な活動事例を挙げて解説しましょう。

CSRの進め方やポイント

一言でCSRといっても、環境問題やエネルギー問題といったような目に見えるものに対してアプローチする方法もあります。また、従業員や周辺住民とのコミュニケーションやメンタル問題など、目に見えないものにアプローチする方法もあります。

CSRを進める際は、「その活動が企業にとって最終的にメリットがあること」、さらに「その活動が持続可能であること」などを視野に検討すべきです。

日本企業での活動事例

国内企業として、日本を代表する企業であるトヨタ自動車のCSR活動事例を紹介しましょう。トヨタ自動車ではCSRの取り組みとして「サステナビリティ(持続可能性)」の基本方針で「社会や地球の持続可能な発展への貢献」を理念に掲げています。

地域コミュニティの成長や豊かな発展に寄与し、人間性を尊重する(基本理念2)、あらゆる事業活動において環境保全に努め、そのための技術を追求する(基本理念3)などを基本理念としているのです。

  • 「健康経営」を行い、従業員がいきいきと仕事ができる環境づくりに取り組む
  • スポーツイベントを主催し、地域住民との交流を図る
  • インドの工場で使用する電力を、100%再生可能エネルギーに代替する

など、実に多種多様な取り組みを行っています。

参考:サステナビリティ | トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト

海外企業での活動事例

海外企業のCSR活動は日本より歴史が長く、現在でも多くの企業がCSR活動に積極的に取り組んでいます。今回は世界的な企業であるコカ・コーラ社の取り組みを紹介します。

欧米では早くから女性が積極的に社会進出を果たしていることもあり、ビジネスに参加するための支援をすることもCSR活動の一つとして挙げられています。コカ・コーラ社では「ファイブバイトゥエンティ(5by20)」という活動を通じて、女性の起業を積極的に支援しています。

  • ビジネスに関する知識や技術習得をサポートする
  • 女性起業家どうしの情報交換やコミュニケーションの機会を作る
  • 起業に関する相談窓口を設置する

これらのCSR活動により、コカ・コーラ社では最終的にコカ・コーラシステムのバリューチェーンに関わる女性500万人を支援することを目指しています。

参考:米国The Coca-Cola Foundation、 NPO法人日本ららばい協会に35万ドル(約4千万円)を助成 | プレスセンター | 日本コカ・コーラ株式会社

中小企業にも社会的責任が求められる時代、CSRにも目を向けてみよう

現在行われている様々な社会貢献活動に、企業が参加してくるケースが非常に増えてきたように思われます。企業のイメージアップは勿論のこと、長い目で見ればその活動が結果的にプラスになって返ってくることを考えると、企業にも社会的な責任が求められるのは時代の流れといえるでしょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事