- 更新日 : 2023年12月5日
キャンプ場の経営は儲かる?許可や資格、運営課題などを確認しよう
脱サラでキャンプ場経営をはじめて、儲かることもあります。ただし、運営に必要な資格がある点や、初期費用がかかる点などに注意しなければなりません。
また、得られる収入は施設形態(グランピング施設・オートキャンプ場など)によっても異なります。キャンプ場経営で失敗しないため、本記事でコストや課題などについて理解しておきましょう。
目次
最近アウトドアが流行してるけど、キャンプ場経営って実際どうなの?
キャンプ場経営とは、主に大自然に囲まれた土地をキャンプ場として貸し出し、利用料や売店の売り上げから収益をあげる土地活用方法です。キャンプ場経営の特徴として、以下の点が挙げられます。
- アウトドアブームに伴い需要は増加中
- 新規開業だけでなく、既存のキャンプ場を引き継ぐ人も
- 保守や修繕など自分でできることも多い
ここから、キャンプ場経営の特徴を詳しく確認していきましょう。
アウトドアブームに伴い需要は増加中
コロナ禍をきっかけとしたアウトドアブームの到来に伴い、キャンプ場利用の需要が増加しています。観光庁によると、2017年7〜9月に国内宿泊施設としてキャンプ場・オートキャンプ場を利用した人が約250万人に対し、5年後の2022年同時期にキャンプ場を利用した人は約300万人でした。
キャンプ場を利用する人が増えている分、キャンプ場経営の魅力も高まりつつあるといえるでしょう。
新規開業だけでなく、既存のキャンプ場を引き継ぐ人も
所有している土地をキャンプ場にして新規開業するだけでなく、既存のキャンプ場を引き継いで経営をはじめる人もいます。キャンプ場を引き継ぐ方法ではじめることのメリットは、主に以下のとおりです。
- 初期投資費用を軽減できる
- キャンプ場経営のノウハウを取得できる
- 固定客をあらかじめ確保できる
なお、引き継ぐキャンプ場物件は、M&Aのマッチングサイトや日本オートキャンプ協会などのサイトで見つけられます。
参考:一般社団法人 日本オートキャンプ協会 キャンプ場公募物件お探しの方
保守や修繕など自分でできることも多い
キャンプ場経営では、保守や修繕などのように自分でできることも多いです。自分で修繕すればコストを抑えられるでしょう。ただし、材料費がかかる点に注意が必要です。
キャンプ場の種類は?
キャンプ場経営をはじめるにあたって、あらかじめ種類を把握しておくことが大切です。キャンプ場には、1組ごとに区画を確保する区画サイトの他に、主に以下の3種類があります。
- 野営のキャンプ場
- グランピング施設
- オートキャンプ場
それぞれの特徴を確認していきましょう。
野営のキャンプ場
野営のキャンプ場とは、管理が徹底されていないキャンプ場のことです。火事や事故があった場合も、基本的にキャンパーがすべて責任を負うなど、キャンパーに課される責任が重いです。経営者側は土地を貸し出すだけで時間や労力がかからない点は、野営キャンプ場を経営するメリットです。ただし、その分収益性は低い傾向にあります。
グランピング施設
グランピング施設とは、さまざまな施設や設備が充実したキャンプ場のことです。一般的に、常設されたテントの中には寝具、外にも椅子やテーブルが用意されています。
グランピング施設でキャンプする場合、キャンパーが必要な持ち物はほとんどありません。また、初心者でも楽しみやすい点がグランピング施設を利用する魅力です。
グランピング施設を経営するメリットとして、収益性は高い点が挙げられます。ただし、許認可を取得したり、設備の維持・管理の手間がかかります。
オートキャンプ場
オートキャンプ場とは、車ごと乗り入れできるキャンプ場のことです。テントのそばに駐車できるため、キャンパーは手軽に車からテントまで荷物を運べます。テント設営前に雨が降った場合でも、一時的に車に避難できるでしょう。
オートキャンプ場を経営する場合、手間をかけずスペースを貸し出せる点が主なメリットとして挙げられます。
キャンプ場経営に必要な資格や費用の目安
キャンプ場経営には、必要な資格があったり、費用がかかったりします。必要なものを把握してから、新規開業までの流れと期間を確認しましょう。
許認可や資格で必要なもの・役立つものは何?
キャンプ場の形態によって、許認可が必要なケースはあります。
たとえば、ロッジやコテージなどの施設を設けて、宿泊料を受ける場合は旅館業法上の許可が必要です。また、キャンプ場で食材や料理を提供する場合に飲食店の食品衛生法に基づく許可、アルコールを提供する場合に酒税法に基づく酒類の販売業免許を取得しなければなりません。
そのほか、キャンプ経営に必須ではないですが、キャンプインストラクターやキャンプディレクターのようにキャンプの専門家としての資格を取得していれば、お客さんが安心して来場できるでしょう。
新規開業に必要な資金の目安は?
キャンプ場の種類や取得する土地の広さによっても異なりますが、新規開業には800万円前後の費用がかかります。主な内訳は以下のとおりです。
- 不動産(土地)の取得代
- 建設費(コテージ・バンガロー・管理棟など)
- 備品購入費
- 整地費用
すでに開けた土地で、手作業で整地可能であれば数十万円の整地費用ですみます。しかし、重機を投入して大規模な伐採が必要な際は、1,000万円以上の費用がかかるでしょう。
新規開業までの流れと期間
キャンプ場経営で新規開業に必要な作業の流れは、以下のとおりです。
- キャンプ場のイメージやターゲットにするキャンパーの層を決める
- 運営するパートナーを探す
- 開業までのスケジュールを立てる
- 経営方法を決める
- 不動産会社か、地域住民の協力を得ながら土地を探し、購入する
- 建設が必要な場合は建築会社と契約する
- 許認可を取得する
- SNSなどで集客をはかる
- 開業する
なお、キャンプ場経営にかかる期間は種類や規模によってさまざまです。開けていない土地を購入した場合、整備だけで半年以上かかります。
主な収入源やランニングコスト
キャンプ場経営の主な収入源やランニングコストを説明してから、売り上げアップのコツなどを解説します。
主な売上・収入
キャンプ場経営で主な売上(収入源)となるのは、場所を貸し出すことで受け取るサイト利用料や駐車料です。そのほかにも、キャンプ場の種類によって以下の収入を得られます。
- 備品・器具のレンタル料
- 売店売上
- 体験料
グランピングの場合、数万円の宿泊料を得られるケースもあるでしょう。
なお、集客できるかによって売上は大きく異なります。
必要になるコスト
キャンプ場経営では、初期費用以外にランニングコスト(運転費用・維持費用)もかかります。ランニングコストの内訳は、以下のとおりです。
キャンプ場経営は、ひとりでは困難なためスタッフを雇わなければなりません。規模が大きければ、一般的に人件費も高くなるでしょう。
そのほか、オンライン上での予約受付を可能にする場合に、システム料などがかかることもあります。
売上を上げる方法、コストを抑える方法
キャンプ場経営で売上を上げるためには、初心者向けの施策を考えることがポイントです。設備を充実させる、清潔感ある雰囲気を作り出すなど、初心者にアピールして裾野を広げれば、売上増につながります。
一方、コストを抑えるためには、集客にお金をかけすぎないことも大切です。ターゲットを絞らずにとりあえず設備だけを導入しても、収益率が下がってしまいます。
ターゲットやキャンプ場のコンセプトを踏まえ、売上アップやコスト軽減の方法を考えましょう。
実際の年収は?収益化は可能?
キャンプ場経営で得られる実際の年収は公開されていません。集客の工夫をして売上を上げて、コストを抑えて収益化すれば、高年収も期待できるでしょう。
ただし、キャンプ場の稼働できる期間が限定される点を理解した上で、経営計画を立てることが大切です。エリアによっても異なりますが、冬季(12〜3月)は稼働が見込めません。
冬季の稼働も検討する場合は、グランピングの建設を検討しましょう。
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工夫次第で売上アップも!人気のキャンプ場を始めてみよう
キャンプ場経営とは、所有する土地をキャンプ場として貸し出し、主に利用料から収益をあげる土地活用方法です。キャンプ場経営には、土地購入などの初期費用のほかに、人件費や水道光熱費などのランニングコストがかかります。
初心者にアピールして売上アップさせれば、キャンプ場経営で収益化も可能です。気になる方は、土地探しからはじめてみましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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