• 更新日 : 2024年6月19日

学習塾開業の事業計画書の書き方は?テンプレートを基に記入例を解説

学習塾経営を始めるときには、事業計画書の作成が必要です。事業計画書を丁寧に作成することで、目的を見失わず、計画的に経営を進めていけます。また、融資を受けるときや補助金・助成金事業に申請するときにも、事業計画書を求められることが一般的です。事業計画書のひな形と書き方を紹介するので、ぜひテンプレートとして活用してください。

※事業計画書のテンプレートをお探しで当記事を訪れられた方は、こちらをご活用ください▼

学習塾開業向けの事業計画書・創業計画書テンプレート・作成例のダウンロード方法

事業計画書_テンプレート

学習塾開業に必要な事業計画書とは?

事業計画書とは、事業内容や目的、見通しなどを網羅的に記載したもので、事業の成功率を高めるために必要な書類です。事業計画書は、創業者自身が事業の目的を理解し、計画的に事業を進めていくために欠かせません。開業後も折に触れ事業計画書を見返し、事業の進め方や方針がぶれていないかチェックするようにしてください。

また、資金調達の際にも事業計画書の提出を求められます。必要なときにすぐに提出できるよう、事業を開始する前に丁寧に事業計画書を作成しておきましょう。

学習塾の事業計画書のひな形、テンプレート

学習塾開業の事業計画書の書き方は?テンプレートを基に記入例を解説

学習塾の事業計画書には、決まったフォームはありません。必要と思われる項目をリストアップし、適切に詳細を書き込めば完成します。

しかし、資金調達の際に求められる事業計画書は、記載すべき項目が決まっていることが一般的です。学習塾経営向けのひな形を紹介するので、ぜひテンプレートとして活用してください。

無料登録後のページにある「会社設立ナビ」にて、70種類以上の事業計画書をダウンロードしていただけますので、ぜひお気軽にご利用ください。

学習塾の事業計画書の書き方・記入例

事業計画書には、次の項目が含まれていることが一般的です。

  • 創業の動機・目的
  • 職歴・事業実績
  • 取扱商品・サービス
  • 取引先・取引関係
  • 従業員
  • 借入の状況
  • 必要な資金と調達方法
  • 事業の見通し

項目ごとに例を挙げて書き方を紹介します。

創業の動機・目的

学習塾を創業する理由を明確に記載します。学校外教育の重要性についての理想を述べるのも悪いことではありませんが、理想だけでは経営が成り立たないのも事実です。事業の見通しが明るいことがわかるように動機・目的を記載してください。

創業の動機・目的

学習塾に通う子どもは増えている。少子化は進んでいるが、学習塾の利用率は高まっているため、今後も利用者は右肩上がりと推測できる。〇〇はマンションが多く、小学生が多いと思われる。中学受験に特化した学習塾を開設し、受験サポートに取り組みたい。

職歴・事業実績

学習塾経営に関連する職歴や事業実績があれば、記載します。学歴や研修歴も、学習塾経営に関連するなら含めておくほうがよいでしょう。

職歴・事業実績
年次内容
2010年4月〇〇中学(事業のターゲットが第一志望にすることが多い)入学
2016年4月△△大学(〇〇中学から△△大学を目指す子どもが多い)入学
2018年4月〇〇塾講師アルバイト(2年間)
2020年4月〇〇塾本部入社(2024年7月退職予定)

取扱商品・サービス

学習塾で提供するサービス、販売アイテム(独自の参考書・プリント)などがあれば記載します。

取扱商品・サービス
商品・サービスの内容〇〇中学受験講座(週4日×1日3時間)月30,000円
〇〇中学特訓(教科ごと。1教科週1日×1時間)月10,000円
セールスポイント・販売ターゲット・戦略〇〇中学に特化したコースを提案することで、地域のニーズに応える。また、苦手科目がある子ども向けに、特訓講座も紹介する。特訓講座は独自教材を使い、差別化を図る。

取引先・取引関係

学習塾経営に関連する取引先があれば記載します。代金を受け取るタイミングについて記載しておくと、資金の流れがわかりやすくなります。

取引先・取引関係
取引先名シェア回収・支払条件
販売先小学3年~6年生の保護者100%学期ごとに前払い(現金のみ)
仕入先

従業員

従業員が多すぎると人件費は増えますが、少なすぎると顧客に適切なサービスを提供できません。また、学習塾は講師の質に左右されるため、従業員の質についても記載しておきましょう。

従業員
常勤役員 1人従業員 10人(△△大学の現役学生8人、専任講師2人)うち家族従業者

うちパート従業員 8人

借入の状況

資金を借りている場合は、正直に記載しましょう。

借入の状況
借入先名使途借入残高年間返済額
〇〇信用金庫〇〇支店改装費800万円100万円
〇〇銀行△△支店運営費300万円30万円

必要な資金と調達方法

開業資金、運転資金にそれぞれいくら必要か、どのように調達するかを記載します。学習塾は人件費の割合が高くなるため、予定される金額と調達方法を明確にしておきましょう。

必要な資金と調達方法
必要な資金金額調達方法金額
設備資金改装費1,000万円自己資金700万円
運転資金家賃(契約時+6ヶ月分)200万円融資1,100万円
人件費(6ヶ月分)600万円
合計1,800万円合計1,800万円

事業の見通し

妥当性のある収支の見通しを立てて記載しましょう。黒字化するタイミングもわかるときは記載してください。

事業の見通し
創業当初軌道に乗った後見通しの根拠
売上高(A)30万円300万円創業当初は受験講座が10人、軌道に乗った後は受験講座80人、特訓60単位で試算。その他には清掃費や光熱費が含まれる。
仕入高(B)
経費人件費100万円150万円
家賃20万円20万円
支払利息11万円11万円
その他9万円9万円
合計(C)140万円190万円
利益(A-B-C)-110万円110万円

学習塾の事業計画書を作成する際の留意点

学習塾の事業計画書を作成するときは、次のポイントに注意が必要です。

  • 妥当性のある収支の見通しを記載する
  • 収益が少ない場合についても記載する
  • 差別化ポイントを記載する

それぞれのポイントを解説します。

妥当性のある収支の見通しを記載する

希望的観測を含めず、妥当性のある収支の見通しを記載してください。数字の根拠として、地域の対象学生数や、学習塾の数と通学人数も調査しておくことをおすすめします。次の記事も参考にしてください。

収益が少ない場合についても記載する

収益が少ない場合の補填方法についても記載します。講師を減らす、料金設定を変更するなど、検討できる案を記載しておきましょう。

差別化ポイントを記載する

大手塾も多いなか、どのようにアピールするのか、差別化ポイントも記載してください。特定の科目や学校に注力したり、複数の塾に通うターゲットに向けて時間を調整したりできます。次の記事もぜひ参考にしてください。

学習塾の開業に活用できる助成金・補助金

学習塾の開業に利用できる助成金制度・補助金制度を紹介します。いずれも申請時期が決まっているため、該当するときは早めに申し込むようにしてください。

事業再構築補助金 成長枠

成長枠は、学習塾も対象としています。何度も募集を実施しているため、もし申請時期を過ぎても次回に応募できるかもしれません。こまめに公式サイトをチェックしてください。

参考:事業再構築補助金

小規模事業者持続化補助金(一般型)

小規模事業者持続化補助金の一般枠も、学習塾経営の対象です。こちらも何度も募集を実施しているため、今後もスケジュールをチェックしておきましょう。

参考:小規模事業者持続化補助金(一般型)

IT導入補助金(通常枠)

オンライン授業を行うときやパソコンを使う場合などは、IT導入補助金に申し込めることがあります。該当する場合は申請手続きをしましょう。

参考:IT導入補助金2024

丁寧な事業計画書の作成で学習塾経営を成功させよう

学習塾経営を成功させるためには、丁寧かつ妥当性のある事業計画書の作成が必要です。ひな形を活用して、事業内容や今後の見通しがよくわかる事業計画書を作成してください。

また、丁寧に資金計画を立てることも大切です。学習塾は人件費の負担が大きいため、軌道に乗るまで無理なく支払えるように前もって準備しておきましょう。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事