• 更新日 : 2023年3月27日

個人事業主が保育園の申請で必要な書類は?就労証明書や開業届について解説!

子どもを保育園に預ける場合には種々の書類の提出が求められます。個人事業主の場合には、会社から証明をもらう代わりにどのような準備が必要なのでしょうか?

この記事では、個人事業主やフリーランスが子どもを保育園に入れるための手続きについて記載します。

個人事業主・フリーランスは子どもを保育園に預けられる?

もともと保育園(保育所)は、児童福祉法に定められた「児童福祉施設」にあたり、厚生労働省が管轄しています。保育を必要とする子どもに対して「養護」と「教育」の面から保育する施設です。

したがって、個人事業主、フリーランスの子どもが保育を必要とすれば、原則として子どもを保育園に預けることができます。

ひと口に保育園といっても、いろいろな種類があります。
主なものとして次のような施設があります。

  • 認可保育園
  • 地域型保育園(小規模保育事業、事業所内保育事業、家庭的保育事業、居宅訪問型保育事業
  • 認定こども園(幼稚園と保育園の機能を併せ持つ)
  • 企業型保育園
  • 院内保育所 など

このうち、認可保育園は下のように2つに分けられます。
認可保育園とは、国の定める認可基準を満たしているため、国から補助金の出る施設です。

認可保育園の種類
経営主体
許可について
公営保育園都道府県や市区町村など子ども一人あたりの施設の広さや職員数などの基準をクリアし、知事による認可が必要
私立保育園社会福祉法人など

なお、法律上は「保育所」とされますが、自治体により「保育園」とされるところもあります。この記事ではすべて「保育園」として記載しています。

以下では、主として認可保育園のうち、主として公営保育園に入園するための手続きについて見ていきます。

保育園の入園審査は点数制

認可保育園に入るためには、原則として家庭状況をポイント化した「点数制」によって行われます。

例えば、東京都港区(令和5年度)においては、まず、お子さんの保育が必要であることの認定を受ける必要があります。

子どもの保護者の仕事が入所要件の場合には、就労日数や時間数を区の基準で指数化して、世帯の状況、子どもの状況などの事情を考慮して、入園を決定します。

父の基準指数+母の基準指数+調整指数(世帯や子どもの状況)=世帯の合計指数

例えば、週5日以上の就労を常態とする場合は、週3日以上の就労を常態とする場合よりポイントは高く設定されています。また、ひとり親世帯には別の加算方法があります。

参考:港区ホームページ/保育園「保育園入園のご案内 令和5年度版」

同条件でも自治体の基準により差があると言えます。また、このポイントについては入園案内などに詳細が書かれていますので、各自治体の入園案内などでご確認ください。

個人事業主の保育園申請に必要な書類

個人事業主に限りませんが、保育園への入園に際して必要な主な書類を解説します。多くの自治体では必要書類を自治体のホームページからダウンロードできるため、まずはチェックしてみましょう。ここでは東京都港区の例を参考にしました。

就労証明書

保育園入園の申込みに際し、家庭の状況に応じた就労証明書の提出が求められます。就労証明書は、勤務している場合は勤務先が作成しますが、自営業の場合には、自筆の上、タイムスケジュールや仕事の実態がわかる資料を求められる場合があります。

また、自治体によっては自営者用には次項のように、別書式にて就労状況証明を求めることがあります。いずれの場合においても、直近の就労の状況を正確に、そして詳細に記載する必要があります。

【就労証明書の例(部分)】

就労証明書の例

引用:入園申込みに必要な書類(令和5年度入園申込み)|港区「就労証明書」

就労状況申告書(自営業者用)

自営業者や自営専従者用の就労状況報告書が必要な自治体もあります。この場合には、次項にあるように開業届の控えや確定申告書や青色決算申告書(収支内訳書)の控えも添付が必要です。

自営業開始予定の場合には、店舗の賃貸借契約書や、開業費に係る支出明細など、今後自営業を開始することが確認できる資料と整合性のとれた就労状況申告書が必要となります。

開業届のコピー

自営の実態がわかる資料として、開業届の控えが求められることがあります。業種や業態などにより、登記事項証明、営業許可書などにより個人事業主であることを証明します。

所得税の申告関係書類のコピー

現在の就労から収入を得ていることの証明として、直近の確定申告書や青色決算申告書(収支内訳書)などの控えなどが求められます。確定申告書は税務署の受付印また電子申告の場合は受信記録などを確認しておきましょう。

クライアントとの仕事のやり取りを証明する書類

開業届を出していない場合、まだ確定申告をしていない場合などでは、クライアントとの事業取引を証明する書類を添付することも想定されます。
この場合は、勝手に判断せずに自治体窓口にどのような書類を提出すればよいかを確認しましょう。

例えば、取引先から受領した請求書、発行した請求書の控えなどとともに、売掛金の入金が確認できる預金通帳のコピーなどです。これらはいくつか組み合わせて取引の証明になるので、関連性のあるものを準備しましょう。取引先との請負契約書、業務委託契約書などがあれば自営の証明として利用できる可能性があります。

いずれにしても、自営であることが客観的に証明でき、提出する書類の整合性が取れていることが大切です。自治体へ事前に確認しましょう。

個人事業主が入園審査に通過するためのポイント

入園審査に通過するかどうかは、「保護者の保育が必要な理由」によります。

生活保護や両親がいない家庭などの場合はポイントが高くなりますが、自宅での自営で子どもをある程度看ることができる場合などではポイントが低くなります。また、両親がフルタイムでの就労であっても、保育することが可能な祖父母が同居している場合にもポイントは低くなってしまいます。

自治体にもよりますが、保育施設の保育士や看護師はポイントが加算されるところもあります。

個人事業主が保育園の利用を継続させるためのポイントは?

保育園は保護者と子ども、そして保育園のスタッフなどがうまくかみ合ってこそ継続できるものです。特に、子どもの病気やケガで保育園に預けられない時の体制は予め考えておきましょう。保育園は集団生活の場でもあり、感染性の病気をもらうこともありますが、免疫力を高めるのに役立つかもしれないという割り切りも必要です。

子どもが家庭にいる時であっても、夜更かしなど子どもに負担をかけ、翌日の保育園の活動に影響の出ることは控えるべきです。それぞれの保育園のルールを守るだけでなく、子どもの状況を保育園に連絡し、預ける側も預かる側も安心できるように努めましょう。

また、休業などで事業の状況が変更した場合には、変更の都度、保育園に正しい報告をしておきましょう。

個人事業主の就労証明を提出できるよう準備しておきましょう

保育園にはいろいろな種類がありますが、認可保育園に入園する際には就労証明書が必要です。家庭の状況を正しく記載し、変更があれば連絡することで信頼性を高めておきましょう。また、細かなことも記載するため、時間がかかりますので早めに準備しておきましょう。

よくある質問

自営業は子どもを保育園に預けられる?

もともと保育園は、児童福祉法に定められた「児童福祉施設」にあたり、厚生労働省が管轄しており、個人事業主、フリーランスの子どもが保育を必要とすれば、原則として子どもを保育園に預けることができます。詳しくはこちらをご覧ください。

保育園申請に必要な書類とは?

自治体によってさまざまですが、就労証明書または、就労状況申告書(自営業者用)をはじめ、種々の書類が必要となるため、早めに取寄せて準備をしたほうがよいでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。

保育園の入園審査は点数制?

自治体によって異なりますが、家庭状況をポイント化した「点数制」を導入し、就労日数や時間数を自治体の基準で点数化して、世帯の状況、子どもの状況などの事情を調整して考慮する形式が多く見られます。詳しくはこちらをご覧ください。


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