- 更新日 : 2023年9月27日
会社設立時に利用できる助成金・補助金まとめ – 起業家必見!
業種によっても異なりますが、事務所を用意したり、機械や備品を購入したり、販売するための商品を仕入れたり、会社設立から営業開始までにはまとまった資金が必要になります。
会社設立や運営に関わる費用の一部をサポートしてくれる助成金や補助金は、特に開業を考えている起業家にとって恩恵の多い制度といえるでしょう。
今回は、会社設立時に焦点を当てて、会社設立時に活用できる助成金や補助金の種類、申請方法、相談窓口や利用時の注意点を紹介していきます。
目次
そもそも助成金・補助金とは?
補助金や助成金は、国や地方自治体などが、技術開発や事業の発展などを目的に、事業者などの特定の支出を補助する制度です。補助金も助成金も本来の意味は同じで、どちらも基本的に返済の必要はありませんが、受給のハードルなどの面で違いがあります。
助成金とは?
助成金は、労働環境の整備や雇用の確保などを支援する目的などで支給が行われます。代表的なのが、厚生労働省の事業主を対象にした雇用関係助成金です。一定の要件を満たした雇用維持や雇い入れなどに関して助成金が支給される制度になります。
助成金の1回あたりの助成金額は10万円前後から100万円前後が多いです。多額ではないものの、要件を満たして申請すれば受給できることがほとんどです。
補助金とは?
補助金は、国や地方自治体の政策目的のための制度です。二酸化炭素排出量の削減や商店街の活性化などを目的とした経済産業省の実施する補助金などがあります。
補助金額は100万円単位から億単位にのぼることもあり、魅力的な制度となっていますが、助成金よりも受給のハードルは高めです。理由は、予算や採択件数があらかじめ決まっている補助金が多いためです。補助金は、要件を満たして申請していても審査に落ちて受けられないことも多いです。
会社設立時に活用できる助成金・補助金の種類は?
会社設立時に活用できる助成金や補助金の種類をいくつか取り上げます。
地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)
地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)は、中小機構と地方自治体、金融機関などが共同で出資して組織されたファンドです。
「地域中小企業応援ファンド」と「農商工連携型地域中小企業応援ファンド」の2区分があり、地域独自の取り組みとして、さまざまな地域中小企業応援ファンドが全国にあります。特定の費用についてファンドから助成を行う仕組みで、助成金に該当するため、事業者は返済の必要はありません。
地域中小企業応援ファンドの概要と対象者
地域中小企業応援ファンドは、企業の商品開発や需要開拓などの支援を目的に、各都道府県で中小企業を助成金によって支援しています。助成金の対象は、中小企業者や創業者などです。創業に重点を置いたファンドもあります。
具体的な支援対象者や支援対象分野、助成金の上限額や助成期間はファンドによってさまざまです。助成額が高く、複数年にわたって助成を受けられるものもありますので、まずは自治体に地域中小企業応援ファンドがないか確認してみると良いでしょう。
地域中小企業応援ファンドの一覧は以下中小機構のサイトより確認できます。
参照:地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)|中小機構
研究開発型スタートアップ支援事業
新エネルギー・産業技術総合開発機構の研究開発型スタートアップ支援事業は、地域の技術シーズを活用する事業、エネルギーや環境といった社会問題解決に役立つ事業計画を持ったスタートアップ企業を対象にした助成事業です。
2022年度の助成の内容
2022年度の研究開発型スタートアップ支援事業は2コース設けられています。事業1コースは2,000万円以下の定額補助を行うコースです。事業2コースは助成対象費用(事業化に必要な経費)について最大2億円、3分の2以下の助成率で助成を行うコースになります。
対象者は、地域の技術シーズ活用、エネルギーや環境分野など社会問題の解決に資する鉱工業技術の開発を行う事業者です。鉱工業系の会社を設立して、AI、IoT、クリーンテクノロジー、医療機器、バイオテクノロジーなどの分野で新しく技術を開発していこうと考えている場合に活用できる助成金になります。
参照:研究開発型スタートアップ支援事業|新エネルギー・産業技術総合開発機構
事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は、事業承継を機に経営革新などに取り組む中小企業や小規模事業者を支援する制度です。「経営革新」「専門家活用」「廃業・再チャレンジ」の3つのタイプがあります。
会社設立時に活用できる経営革新類型
事業承継・引継ぎ補助金のうち、創業者を支援する制度に該当するのが経営革新型です。事業承継やM&Aを機に経営革新などに取り組む中小企業、小規模事業者、個人事業主が対象になります。
要件になる経営革新とは、新規サービスや商品の開発、新規顧客の開拓、新規事業の開拓などです。すでに存在している会社を事業承継により存続させるだけでなく、新しい取り組みを行う事業者を補助金でサポートしています。
2022年度の経営革新類型の補助概要
経営革新型の補助対象になる費用は、経営革新に伴う設備投資費用、人件費、販路開拓のための費用、店舗や事務所などの改築工事費用などです。600万円を上限に、費用の3分の2までを補助する内容になっています。
参照:令和3年度 補正予算 事業承継・引継ぎ補助金|事業承継・引継ぎ補助金
小規模事業者持続化補助金
近年、雇用や消費税関係で大きな制度変更が行われました。働き方改革や賃上げ、インボイス制度といった制度の変更です。中にはまだ施行されていないものもありますが、いずれは小規模事業者も制度変更に対応していかなくてはなりません。
小規模事業者持続化補助金は、地域産業を支える小規模事業者が、このような制度変更に対応し、持続的に発展できるようにすることを目的としています。
2022年度は通常枠に加え特別枠が新設
小規模事業者持続化補助金は通常枠として上限50万円、補助率3分の2までの補助金が現行型として存在しています。これに加え、2022年度は特別枠として、賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業支援枠、インボイス枠が設けられました。小規模事業者持続化補助金の要件を満たす事業者は、通常枠と特別枠のうちいずれかひとつを申請できます。
創業枠の概要と補助内容
会社設立時の補助金に関連性が高いのが、特別枠として設けられた「創業枠」です。認定市区町村などが実施する特定創業支援等事業による支援を過去3年の間に受けて創業した小規模事業者が補助の対象になります。補助上限は200万円、補助率3分の2までで、通常枠よりも充実した補助が受けられます。補助対象になる経費は、機械装置の購入費用、新サービスの広報費、新商品やシステムの開発費などです。
参照:令和元年度補正予算・令和3年度補正予算 小規模事業者持続化補助金|商工会議所地区
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、中小企業や小規模事業者のグリーン化やデジタル化、雇用拡大や生産性向上をサポートする補助金です。ものづくり補助金と言われることもあります。
小規模事業者持続化補助金と同じように、賃上げやインボイス制度など中小企業者などが今後の制度変更に対応できるように設けられました。
小規模事業者持続化補助金とものづくり補助金の違いは、ものづくり補助金のほうが補助対象の範囲が広く、補助額も高額に設定されていることです。小規模事業者持続化補助金は少数の従業員で事業を営んでいる事業者のみが対象ですが、ものづくり補助金は小規模事業者だけでなく中小企業者まで範囲が拡大されています。
2022年度のものづくり補助金の特徴
ものづくり補助金は、一般型、グローバル展開型、ビジネスモデル構築型の3つに区分されます。一般型については、従来からの新製品や新サービスの開発や生産プロセスの改善に取り組み企業を支援する「通常枠」に加え、2022年度は「回復型賃上げ・雇用拡大枠」「デジタル枠」「グリーン枠」が新設されました。
会社設立時におすすめなのは、「通常枠」「デジタル枠」「グリーン枠」です。通常枠は新製品開発や新サービスを開発して事業を開始したい場合に、デジタル枠はDXに資する開発やDX投資をして事業を開始したい場合に、グリーン枠は温室効果ガス削減に資する開発やグリーン投資をして事業を開始したい場合に役立ちます。
それぞれの補助金の上限と補助率は、通常枠が750万円~1,250万円(補助率2分の1または3分の2まで)、デジタル枠が750万円~1,250万円(補助率3分の2まで)、グリーン枠が1,000万円~2,000万円(補助率3分の2まで)です。補助対象費用は、機械装置やシステム構築費、技術導入費などです。
参照:ものづくり補助金総合サイト|ものづくり補助事業公式ホームページ
IT導入補助金
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者が生産性向上に役立つITツールを導入する際に役立つ補助金です。2023年10月から始まるインボイス制度への対応などを見据え、企業間取引のデジタル化の推進を目的にしています。会社設立に伴い、ITツールの導入を考えている事業者におすすめの補助金です。
2022年度のIT補助金の特徴
2022年度は、従来からの通常枠(A・B類型)に加え、デジタル化基盤導入類型と複数社連携IT導入類型が創設されました。通常型とデジタル化基盤導入類型は中小企業や小規模事業者向け、複数社連携IT導入類型は複数社から成る組織向けの補助金です。いずれも、ソフトウェア購入費やクラウド利用料などのITツールの導入にかかった費用を補助対象としています。
通常枠とデジタル化基盤導入類型
会社設立時に活用できるのは、通常枠とデジタル化基盤導入類型です。通常枠は労働生産性の向上に役立つITツールが対象で1プロセス以上の生産性向上で30万円~150万円未満の補助(補助率2分の1まで)、4プロセス以上の生産性向上で150万円~450万円未満の補助(補助率2分の1まで)が受けられます。
デジタル化基盤導入類型の対象は、会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフト、ECソフトの4つです。このうち1機能以上を導入する場合の補助額は5万円~50万円以下(補助率4分の3まで)、2機能以上を導入する場合の補助額は50万円~350万円(補助率3分の2まで)となります。これに加え、補助額の上限内で、通常枠では認められなかったパソコンやタブレットなどのハードウェア購入費も補助の対象になります。
参照:IT導入補助金2022|一般社団法人 サービスデザイン推進協議会
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金は、厚生労働省による事業主向けの雇用関係助成金のひとつです。
非正規雇用からの正社員化や処遇改善の促進を目的としたもので、正社員化支援と処遇改善支援の2つの支援に区分されます。
会社設立後に活用できる正社員化コース
キャリアアップ助成金の中でも、会社設立から経営が安定してきた段階で活用できるのが正社員化コースです。有期雇用労働者など(契約社員、パート社員、派遣社員など)を正規雇用の労働者に転用したとき、または直接雇用したときに助成金を受けられます。設立時の社員を正規雇用にする場合などに活用できるでしょう。
中小企業の場合、有期雇用から正規雇用にした場合、1人あたりの助成額は57万円(生産性の向上が認められるときは72万円)です。有期雇用から無期雇用、無期雇用から正規雇用に転換したときも助成がありますが、助成額は28.5万円(生産性の向上が認められるときは36万円)になります。
このほか、派遣労働者を派遣先で正規に雇用した場合、母子家庭や父子家庭の労働者を転用した場合などのケースでは、さらに助成金の加算があります。1年度1事業所あたり20人まで申請が可能です。
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)も、キャリアアップ助成金と同じく厚生労働省による事業主向けの雇用関係助成金のひとつです。
雇用機会が特に不足しているとされる地域で、事業所の設置や整備を行い、その地域に居住する人を雇い入れた場合に助成が行われます。地域での雇用を促進するための制度で、雇用機会が不足しているとされる地方での会社設立に活用できます。
対象になる地域
2022年5月1日時点で雇用機会が不足しているとされ、対象になるのが、北海道の函館地域、宮城県の県南地域、栃木県の佐野地域、兵庫県の明石地域、福岡県の福岡南地域、鹿児島県の奄美地域、沖縄県の多数の地域などです。
助成の対象と条件
地域雇用開発助成金を受給するためには、まず、対象の地域に事業所を設置して、そのエリアに居住する求職者を雇い入れる必要があります。設置設備や整備費用、労働者の増加数に応じて助成金が支給される仕組みです。対象労働者や被保険者数などの維持など要件を満たせば、2回目、3回目と助成金を受給できます。
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)の特例
大規模雇用開発を行う場合、地域活性化雇用創造プロジェクトに参加した事業者が対象地域で従業員を雇い入れる場合、企業版ふるさと納税で寄付を行った事業者が対象地域で従業員を雇い入れる場合は、特例措置により、さらに助成金が加算されます。
会社設立時に助成金・補助金を申請する方法は?
上の章で取り上げた助成金や補助金について、それぞれの申請方法を簡単に紹介していきます。
地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)
地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)は、都道府県によっては実施されていないところもあります。まずは、中小機構のサイトで実施の有無を確認しましょう。
また、ファンドによって問い合わせ先や応募要項、申請方法はさまざまです。こちらも、中小機構に掲載されているファンドの一覧から問い合わせ先や概要を確認するのが確実です。問い合わせ先で申請方法を確認したのちに、申請受付を行っている公益財団法人などで申請を行います。
以下は、創業支援事業を実施している「とちぎ未来チャレンジファンド」の申請方法の例です。
- 公益財団法人栃木県産業振興センターの窓口か公式サイトで「事業計画書」を取得する
- 事業計画書を作成する
- 応募者の確認ができる定款や登記事項証明書、会社の事業案内書、創業予定者は今期の予算書と決算見込み、助成を受ける経費の金額や内容が分かる書類など所定の書類を用意する
- 必要書類を応募期間内に公益財団法人栃木県産業振興センターへ提出する
- 採否の決定を待つ
- 決定を受けたら交付申請書を提出する
- 助成金の交付を受ける
研究開発型スタートアップ支援事業
研究開発型スタートアップ支援事業の2022年度の申請手続きは、次のような手順で行います。研究開発スタートアップ支援事業では、認定VCから出資を受けることが応募要件になっている点に注意が必要です。
- NEDOの公式サイトから提案書の様式を取得する
- e-Radに登録をする
- 認定VCから所定の出資または出資の意向を受ける
- NEDOのWeb入力フォームに必要事項を入力し、提案書や必要な添付資料と一緒に受付期間までに提出する
- 外部有識者による書面審査(一次審査)
- プレゼンテーション審査(二次審査)
- 採否決定の通知
- 事業年度ごとに実績報告書を提出する
- 実績報告書をもとに助成金が精算払いされる
事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金(経営革新類型)の申請手続きの手順は次の通りです。
- 補助対象事業を確認する
- 支援機関に相談をする
- gBizIDプライムアカウントを取得する
- 認定経営革新等支援機関から確認書を取得する
- 履歴事項全部証明書(個人事業主の場合は住民票)や直近3期の確定申告書や決算書(設立前の場合はその旨を記載)などの必要書類を準備する
- jGrantsのオンライン申請フォームに必要事項を記入し必要書類を添付したうえで交付申請をする
- 交付決定通知を受ける
- 補助対象事業を実施し実績報告を行う
- 実績報告などをもとに確定検査が行われ補助金が交付される
- 後年報告を行う
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、以下のような流れで申請手続きを行います。
- 経営計画書や補助事業計画書などの必要書類を準備し作成する
(※創業枠申請の場合は共通の書類に加え、特定創業支援等事業の支援を受けたことを証明する書類の写し、法人の場合は現在事項全部証明書か履歴事項全部証明書、個人事業主の場合は開業届が必要) - 商工会、商工会議所に必要書類を提出する
(※電子申請の場合はgBizIDプライムアカウントを取得しjGrantsを利用して申請する) - 審査と採択・交付決定の通知
- 補助事業を実施し実績報告書を提出する
- 確定検査と補助金額の決定
- 事務局に補助金の請求を行う
- 補助金の入金
- 補助事業完了から1年後に事業効果報告を行う
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
ものづくり補助金の申請手順は以下の通りです。事業承継・引継ぎ補助金や小規模事業者持続化補助金と同じ中小企業庁による中小企業生産性革命推進事業に分類されるため、基本的な申請の流れは同じです。
- .応募要項を確認して事業計画書などの必要な書類を準備する
- gBizIDプライムアカウントを取得する
- 申請受付期間内にjGrantsのオンライン申請フォームに必要事項を記入し、必要書類を添付したうえで電子申請を行う
- 採択可否の通知が届く
- 補助対象経費を精査して補助金の交付申請を行う
- 補助事業の実施
- 交付額を確定するための確定検査が行われる
- 補助金を請求する
- 補助金の支払い
- 事業化状況報告・知的財産権等報告を行う
IT導入補助金
IT導入補助金の申請手続きは次のような流れで行います。IT導入補助金の申請にあたっては、IT導入支援事業者であるベンダーなどとの共同での作業が必要になりますので確認しておきましょう。
- 公募要領などから補助事業について確認しておく
- 導入するITツールやIT導入支援事業者を選定する
- gBizIDプライムアカウントを取得する
- IPAが実施するSECURITY ACTIONの宣言を行う
- IT導入支援事業者と必要書類を共同で作成する
- 募集期間内にIT導入支援事業者から申請マイページに招待してもらい交付申請を行う
- 交付決定の通知を受ける
- 交付申請したITツールの発注や契約、支払いを行う
- 事業実績報告を行う(ITツールの契約や支払いに関する証憑を提出)
- 補助金額が確定する
- 申請マイページで補助金の額を確認後補助金が交付される
- 事業実施効果報告を行う
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金の正社員化支援コースは、以下のような流れで支給申請を行います。
- キャリアアップ計画書の作成を行う
- 取り組みの前日までに労働局にキャリアアップ計画書を提出して認定を受ける
- 正社員への転換規定など就業規則などの改定を行う
- 就業規則に基づいて正社員への転換や直接雇用を行う
- 転換後、継続して6ヵ月賃金の支払いを行う
(※転換前と比べ3%以上賃金が増額している必要がある) - 転換後6ヵ月の賃金を支払った翌日から2ヵ月以内に支給申請書などの必要書類を準備して支給申請を行う
- 支給審査が行われる
- 支給が決定し支払われる
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)
地域雇用開発助成金の申請手続きの流れは次の通りです。2回目と3回目の支給申請は、1回目から1年経過ごとに申請を行います。
- 計画書を作成する
- 計画書のほか、事業所状況等申立書、事業所概要が分かる資料、申請事業主の職歴書(※創業の追加助成希望の場合)を添付して労働局に提出する
- 計画書に従って雇用計画を実施する(※最長18ヵ月)
- 完了後に1回目支給申請書を労働局に提出する
- 事務所の実地調査が行われる
- 助成金が支給される
- 2回目支給申請書を労働局に提出する
- 事務所の実地調査が行われる
- 助成金が支給される
- 3回目支給申請書を労働局に提出する
- 事務所の実地調査が行われる
- 助成金が支給される
会社設立時に助成金・補助金を利用する際の注意点は?
会社設立時に助成金や補助金を利用する際、注意しておきたい6つのポイントを紹介します。
今後も実施されるとは限らない
国が実施している補助金などに関しては、毎年度の補正予算案によって予算が決定します。補正予算案によって割り振られた予算、政策によって補助金や助成金の内容は変更されることもありますので、前年にあったものが翌年以降も継続するとは限りません。補助金や助成金については、常に新しい情報を取得するようにしましょう。
要件をクリアすることと必要書類の準備が必要
補助金や助成金は、その制度ごとに細かく要件が定められています。申請するには、まず必要な要件をすべて満たさなければなりません。また、申請にあたっては、事業計画書などさまざまな書類の提出が求められます。一つひとつ確認して申請を行うには手間も時間もかかりますので、申請可能期間から遡ってできるだけ早い段階で準備を進めておくと良いでしょう。
申請しても必ずしも受給できないものもある
必要要件をすべてクリアして、苦労して必要書類を集めて作成したとしても、必ずしもその申請が通るとは限りません。助成金や補助金の違いでも触れたように、特に補助金は申請しても採択されない可能性があります。はじめから助成金や補助金をあてにするのではなく、会社設立後の資金繰りにも余裕を持たせたうえで申請することをおすすめします。
受給までに時間がかかる
助成金や補助金が支払われるのは、要件に沿った費用の支出など取り組みが行われた後です。また、補助金など、費用の一部を支給するような制度は、取り組みを行い、支給申請を行った後にさらに確定検査などが行われるため、受給までに時間がかかることがあります。採択を受けても受給までに時間がかかることを考慮して資金繰りなどの事業計画を立てる必要があります。
あくまでもサポートという位置付け
キャリアアップ助成金や地域雇用開発助成金などのように、正社員化した従業員の数や雇用した従業員数などに応じて支給される助成金もありますが、一般的な補助金は支出した費用に対しての補助であり、満額を支給するようなものは少ないです。多くは、支出した費用のうちの半分や3分の2など、補助額は一部になります。
すべてをカバーしてもらえるわけではないため、位置付けとしてはあくまでもサポートです。助成金や補助金を受給したいあまりに、関連する費用の支出が資金繰りを悪くしてしまっては本末転倒です。必要に応じて助成金や補助金を活用するようにしましょう。
種類が多いため公的窓口や専門家に相談したほうが良い
会社設立時に活用できる補助金や助成金を紹介してきましたが、今回取り上げた補助金や助成金のほかにもさまざまなものが存在しています。種類が多く、すべてを検索して適したものを探すのは大変ですので、公的な窓口や専門家などに相談するのがおすすめです。
代表的なのが、中小機構の経営相談、認定経営革新等支援機関(税理士や公認会計士、商工会など国が認定した機関)です。経済産業省のミラサポplusのサイトなどで、補助金や助成金の相談を受け付けている支援機関を確認できます。補助金や助成金の利用を考えているなら、まずは支援者や支援機関とコンタクトをとってみると良いでしょう。
会社設立時に使える助成金・補助金は情報を集めることから始めよう
地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)や事業承継・引継ぎ補助金など、会社設立時に活用できる助成金や補助金もさまざまです。それぞれ対象者や内容、申請方法が異なりますので、ひとつひとつ細かく確認する必要があります。
しかし、数も多いですので、自社に合った助成金や補助金をピンポイントで見つけるのはなかなか厳しいかもしれません。助成金や補助金を活用したいとお考えなら、公的な窓口のほか、支援機関や窓口に相談するのが近道です。
よくある質問
助成金とは?
厚生労働省の雇用関係助成金などがよく知られており、助成額は少額なものが多いですが、基本的には要件を満たせば受給できます。詳しくはこちらをご覧ください。
補助金とは?
政策目的で実施されており、多額の補助を受けられる可能性もありますが、受給のハードルは高く、要件を満たして申請しても受給できないことがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
会社設立時に活用できる助成金や補助金は?
地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)、研究開発型ベンチャーの技術シーズの事業化への助成金、事業承継・引継ぎ補助金、小規模事業者持続化補助金、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、IT導入補助金、キャリアアップ助成金、地域雇用開発助成金、などがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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