どう決める? 発行可能株式総数・発行済株式総数

会社を設立するには、決めなければならないことがたくさんあります。中でも発行する株式数や発行可能株式総数、1株あたりの金額など、株式に関連する事項に頭を悩ませるかもしれません。そこで今回はこれらについて、わかりやすくご説明していきます。なお、ここでの記載は、株式に譲渡制限を設けている非公開会社が対象です。

株式の意味

株式を所有している人のことを株主と言い、株主には一般に「株主権」と呼ばれる以下の2つの権利があります。

自益権

会社からの配当を受ける権利のことです。配当は1株に対してその金額が決められますので、所有株式数が多いほど配当金も多くなります。

共益権

株主が会社の運営に参加できる権利で、株主総会の議決権や取締役の違法行為の差止請求権などがあります。株主総会の議決権などは、所有株式数が多いほど株主総会で行使できる議決件数も多く、会社運営に大きな影響力を持ちます。

1株あたりの金額の決め方

1株あたりの金額をいくらにすべきか、という点について法律には規定がありません。額面株式1株の金額が5万円と決まっていた旧商法の影響で、いまでも1株5万円としている会社が多くありますが、基本的には発起人が自由に決めることができます。ただし、1株あたりの金額を決める際には、以下の点について注意が必要です。

既存株主が不利益をかぶらないようにする

例えば発起人Aが、1株あたり10万円で200万円を出資して会社を設立した場合、Aは20株を所有することになります。

その後、増資のため株式を発行する際、1株10万円では高すぎるため、1株1万円で募集をし、Bが100万円で100株を取得した場合には、BはAの半額の出資で、5倍の株式を所有してしまいます。

これではAが不利益をかぶることになりますので、1株あたりの金額を決める際には、設立後の株式の発行も念頭に置きましょう。

1株あたりの金額を低くしすぎない

1株あたりの金額を低く設定すると、株式を発行する際に募集がしやすいというメリットがあります。ですが一方では、不特定多数の株主の増加につながり、株主総会のコントロールなど、会社を経営する上で不都合が生じる可能性もあります。

発行可能株式総数とは?

発行可能株式総数は、会社が発行できる株式数の上限という意味ではなく、株主総会の決議なしで発行できる株式の数のことです。発行可能株式総数に上限は決められていません。

発行可能株式総数を決めておく2つの理由

ただし、発行可能株式総数をあらかじめ決めておかなければならない理由が以下のように2つあります。

1.速やかな資金調達
資金調達の方法として株式の発行がありますが、株式を発行すると各株主の持株比率に変化が生じる可能性があり、これは会社にとって非常に重要な問題です。

そのため本来であれば、会社の最高意思決定機関である株主総会の決議によるべきですが、株主総会の開催には時間がかかり、急を要する資金調達の場合は間に合いません。そこで、発行可能株式総数をあらかじめ決めておくことによって、株式発行の権限を取締役会に与え、速やかな資金調達を可能にしているのです。

2.取締役の権利乱用防止
資金調達を素早く行いたいのであれば、上限など決めずに取締役会に株式発行の権限を与えれば良いということになりますが、その場合には別の問題が出てきます。

もし、取締役が際限なく株式を発行してしまうと、既存の株主の持株比率が大きく低下し、既存株主が大きな不利益をかぶることになります。そのため、発行可能株式総数を設定し、取締役の株式発行の権限を制限する必要があるのです。

発行可能株式総数の決め方

では、どのように発行可能株式総数を決めたら良いかを考えていきます。もし設立後に、どんどん株式を発行するというのであれば発行済株式総数の100倍や1000倍にすることも可能です。逆に一切株式を発行しないというのであれば、発行済株式総数と同じ数にすることもできます。

ただし通常は、将来予定している増資の金額が明確にあるなら、それにあわせて決めるようにします。明確でないなら、発行済み株式総数の10倍程度にするのが一般的でしょう。

発行可能株式総数を少なくするデメリット

発行可能株式総数に余裕がないと、新たに発行できる株式数が少なくなり、それ以上に株式を発行したい場合には、発行可能株式総数を変更しなければならなくなります。

発行可能株式総数は定款記載事項であり、登記事項でもあるため、変更するには株主総会の決議と登記手続・費用が必要になります。したがって発行可能株式総数は少なくせずに、できるだけ余裕を持たせるようにした方が良いでしょう。

おわりに

1株あたりの金額は旧商法の影響で、今も5万円にしている会社がたくさんあるとお話ししましたが、持株数をわかりやすくするため、1万円に設定するのもおすすめです。

また今後、事業の拡大を視野に株式を発行する予定があるのでしたら、発行可能株式総数は、多めに設定しておいた方が良いでしょう。
設立しようとしている会社や行う事業について、将来的にどの程度の株式発行が想定されるのか、判断が難しい場合には専門家に相談することをおすすめします。

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監修:外崎健(司法書士)

平成15年に司法書士試験合格後、司法書士事務所に勤務。平成18年より独立開業し、現在はコンサルティング会社の役員としても活動している。
お客さま第一の業務を心がけ、顧問先さまからは会社法務だけではなく、従業員の方のプライベートな部分について相談を受けることも。
会社法務に必要な書類のほか、相続手続、簡裁訴訟代理関係、家事調停書類作成なども担当している。