- 作成日 : 2023年4月14日
コワーキングスペースの開業から運営までの流れは?経営に成功する秘けつも解説
今、テレワークをされている方や、フリーランスという働き方を選択されている方が増えていて、場所にとらわれない働き方をするいわゆる「ノマドワーカー」も増加しています。それに伴い、コワーキングスペースの需要も高まってきていて、大きなビジネスチャンスが訪れています。
今回はコワーキングスペースを開業するメリットや流れ、開業資金の目安や成功するためのポイントをご紹介します。
目次
コワーキングスペースを開業するメリットとは?
まずはコワーキングスペースを開業するメリットについて考えてみましょう。
商品を提供する必要がない
コワーキングスペースは場所を貸して対価を得るビジネスモデルであり、不動産賃貸経営や駐車場経営と似たようなところがあります。飲食店の場合は料理、デザイナーならデザインといった商品を作って顧客に提供しなければなりませんが、コワーキングスペースの場合は商品を作る必要がないため、労働負担が少なくて済みます。
人脈が広がる
コワーキングスペースにはビジネスパーソンやフリーランス、経営者として活躍している方が多く集まります。さまざまな知識やスキル、バックボーンを持った人と交流できる機会があるので、人脈を広げられる可能性があります。
新しいビジネスに発展する可能性がある
上記のように人脈が広がってお客様との関係が親密になると、さまざまな情報が入ってくるようになります。中には新しいビジネスのヒントになったり起業を持ちかけられたりといったこともあるかもしれません。また、お客様がコワーキングスペースを利用してイベントやセミナーなどを開催するなど、コラボ企画によってコワーキングスペースの知名度がアップする可能性もあります。
コワーキングスペースの開業から運営までの流れは?
コワーキングスペースを開業するためにはどんなことをしなければならないのでしょうか。ここからは開業までの流れについて見ていきましょう。
コンセプト策定・事業計画
まずは「こういう人に利用してほしい」「こういう目的で使ってほしい」「こんなコワーキングスペースをつくりたい」といったコンセプトを策定し、それを具体的に事業計画書に落とし込みましょう。「どのようにコンセプトを実現するのか」「開業のためにはいくら必要で、どのように資金を調達するのか」「どれくらい売上や利益が上がるのか」をまとめます。
資金調達
自己資金で足りない分は融資などを利用して資金を調達します。銀行からお金を借り入れる際には審査を受けなければなりません。そのためにも資金計画はしっかりと立てておきましょう。
物件の選定・契約
資金調達ができたら物件の選定を行います。コワーキングスペースは立地が重要です。通いやすい場所にないとなかなかお客様は集まりません。ターゲットが立ち寄りやすい場所にある物件を選びましょう。良い物件が見つかったら契約を締結します。
内装工事
物件の引き渡しが完了したら内装工事を行います。コワーキングスペースを選ぶ基準として空間の雰囲気を重視している方も少なくありません。コンセプトに合った内装になるよう業者と打ち合わせを重ね、施工中も進捗を確認しましょう。
備品の調達・設置
同時に備品の調達を行います。デスクや椅子、複合機、モニター、電源タップ、スクリーン、プロジェクター、ホワイトボード、インターネット関連設備、文房具、自販機、ウォーターサーバーなど、さまざまな備品が必要となります。チェックリストを作成して調達漏れがないようにしましょう。内装工事完了後に搬入・設置を行います。
スタッフの採用・教育
スタッフを雇用してコワーキングスペースを運営していく場合は、開業前に人材の採用・教育も行う必要があります。求人を出しても応募があって業務を回せるようになるまでには時間がかかるものです。数カ月前までには採用活動を開始されることをおすすめします。
集客
ただ開業しただけではなかなかお客様は来てくれません。チラシや折込広告、ホームページやSNS、ネット広告などを利用して、まずはコワーキングスペースが開業することを周知しましょう。
コワーキングスペースの開業に必要な費用は?
コワーキングスペースの開業費用の目安は300万円から1,000万円とかなり幅があります。たとえばすでに建物を所有されている場合は、内装工事や設備、広告費用などのみで200万~300万円程度で開業することも可能です。
逆に広い物件を借りて開業する場合は500万円以上、場合によっては1,000万円を超える可能性もあります。
まずは事業計画段階で物件や内装工事、備品の見積もりを取ってみて、いくらかかるのかをシミュレーションしていくことが大切です。
コワーキングスペースの経営は儲かる?
結論からいうと大きく儲けられるケースもあれば、赤字になるケースもあります。常に満席の場合は大きな利益が出るかもしれませんが、誰も利用していないと当然のことながら儲かりません。
ただし、冒頭でも述べたとおりコワーキングスペースの需要は高まっています。仕入れを行って商品やサービスを提供する必要がないため、飲食店や小売店などよりも高い利益率が期待できます。そういった点では儲かりやすい業種といえるかもしれません。
コワーキングスペースの経営に成功する方法は?
せっかくコワーキングスペースを開業するなら儲けたいところです。ここからはコワーキングスペースの経営に成功するためのポイントをご紹介します。
立地にこだわる
前述のとおり、コワーキングスペースはまず利用しやすい立地にあることが第一です。ビジネスパーソンや経営者、フリーランスのノマドワーカーをターゲットとして会議やイベントの開催も視野に入れるとなると、なるべく駅の近くやオフィス街を選んだほうが有利です。
一方で、あえて「落ち着いた環境で仕事をしてほしい」ということで、田舎にコワーキングスペースを開業する例もあります。ただし、その場合でもアクセスがしやすいこと、周辺にターゲット層が多く住んでいることが前提となります。
設備にこだわる
コワーキングスペースの満足度を左右する大きな要素は設備です。いくら立地が良い場所に開業したとしても、ネットが遅すぎたり、デスクや椅子がボロボロだったりしたら、次も利用する気にはなれません。ネットは早くて決して途切れないよう回線を整備し、デスクや椅子も作業がしやすいものを選ぶなど、快適な環境づくりにこだわりましょう。費用は多少かかってしまいますが、これもコワーキングスペース経営に成功するための投資です。
イベントを開催する
ただお客様に場所を貸しているだけでは売上が頭打ちとなってしまいます。そこで、イベントを開催しましょう。異業種交流会やビジネスセミナー、ワークショップなどが挙げられます。これらを開催することでターゲット層がコワーキングスペースに足を運ぶ機会が作れ、認知度が高まって新規顧客の増加が期待できます。
お客様や企業を巻き込む
すでに利用されているお客様や企業とタイアップすることでも集客につながります。たとえばセミナーやイベントの会場、あるいは会議や商談の場として使ってもらうといったことが挙げられます。お客様にYouTuberやブロガーなどのインフルエンサーがいたら、メディアで紹介してもらうのも効果的です。お客様や企業を巻き込むことで、お互いビジネスが大きくなるチャンスが広がります。
コワーキングスペースを開業してみんなが集まる場を創ろう
今後もリモートワークやフリーランスという働き方が浸透していくのは間違いなさそうです。それに伴ってコワーキングスペースの需要も高くなっていくでしょう。また、コワーキングスペースは単に仕事をする場所を提供するだけではありません。人々が交流し、情報交換や発信を行う場でもあります。コワーキングスペースを開業することで、社会貢献にもつながります。
興味があれば、ぜひ開業を検討してみてはいかがでしょうか。
よくある質問
コワーキングスペースの開業から運営までの流れは?
コンセプト策定・事業計画、資金調達、物件の選定・契約、内装工事、備品の調達・設置、スタッフの採用・教育、集客というのが大きな流れです。詳しくはこちらをご覧ください。
コワーキングスペースの経営に成功する方法は?
立地や設備には特にこだわりましょう。また、単に広告やネットで集客するだけでなく、イベントを開催して足を運んでもらう機会を設けましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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