• 作成日 : 2024年6月27日

そば・うどん店の事業計画書の書き方とは?ひな形を基に成功のコツを解説

そば・うどん店に特化した事業計画書の作成は、そば・うどん店用のひな形・テンプレートを利用すると便利です。この記事では、おすすめのテンプレートや、事業計画書に必要な項目と書き方のポイントを紹介します。

そば・うどん店の事業計画書とは?

そば・うどんの市場規模は、長らく1兆円前後で推移し、2013年あたりからは上昇に転じ、2019年には1兆3,144億円規模にまで拡大しました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により外食産業が大きく影響を受けたことで、翌年の2020年には9,613億円にまで落ち込み、回復途上にあります。

そば・うどん店で事業計画を書類にまとめた事業計画書を作成するのには、以下の2つの目的があります。

出典:飲食店営業(そば・うどん店)の実態と経営改善の方策 令和元年7月|厚生労働省
出典:令和3年外食産業市場規模推計について|一般社団法人 日本フードサービス協会

事業の見通しを立てる

そば・うどん店を開業するには、資金調達や開業候補地の調査、物件探し、内装工事の依頼、厨房機器や備品の注文と搬入、許認可の申請など、複数の開業のステップを踏まなければなりません。開業までに必要なことを明らかにし、事業がうまくいきそうか事業の見通しを予測するには、事業計画書をしっかり作成することが重要です。事業計画書がその後の開業の指針になります。

金融機関からの融資を受ける

事業計画書は、経営者が事業の計画や見通しを立てるためだけでなく、経営者が第三者から協力を得る目的でも使われます。例えば、日本政策金融公庫などの金融機関から融資を受けたい場合です。事業計画書には、事業運営に関わるあらゆる項目が整理されているため、金融機関が融資額を回収できるかどうか確認のための資料の一つとして提出を求めることがあります。

そば・うどん店の事業計画書のひな形、テンプレート

そば・うどん店の事業計画書の書き方とは?ひな形を基に成功のコツを解説

マネーフォワードクラウド会社設立では、そば・うどん店用の事業計画書のひな形・テンプレートを無料でダウンロードしてご利用いただけます。事業計画書作成の際にご活用ください。

そば・うどん店の事業計画書の書き方・記入例

そば・うどん店の事業計画書はどう書くか、項目別の書き方やポイントを解説します。

創業の動機・目的

そば・うどん店の開業に至ったきっかけや開業の目的を記載します。そば・うどん店ではさまざまなトレンドが生まれています。熟成そば、特産物の活用、テイクアウト商品の拡大などです。そば・うどん店の直接的な労働経験がなくても、創業の動機としてトレンドなども参考になります。

職歴・事業実績

職歴やこれまでの実績を記載する項目です。そば・うどんは、材料や麺づくり、ゆで方などが味に大きく影響を与えます。売れる店舗にするには、顧客が飽きずに訪れるような味が必要です。そば・うどん店でのキッチンの経験などは、アピール材料になります。

取扱商品・サービス

取扱商品やサービス、セールスポイントや戦略、競合・市場分析について記載します。

取扱商品の欄にはメインメニューを価格帯とともに記載します。持ち帰り対応など販売形態が複数ある場合は、販売形態ごとにサービスを記載するとわかりやすいでしょう。

セールスポイント・販売ターゲット・戦略の欄には、どのようなコンセプトで販売するか具体的な方向性を記載します。セールスポイントは、ターゲットの需要と合致していることが重要です。例えば、ランチ利用のビジネスマン向けなら、すぐに提供できるメニューや席(立ち食いなど)の提供などが考えられるでしょう。

競合・市場などの分析の欄には、商圏の競合他社の状況や見込み顧客の動向(どの時間の利用が多いかなど)を記載します。

取引先・取引関係

販売先(そば・うどん店の場合は一般消費者)、仕入先、外注先の名称や掛取引の割合などを記載します。仕入れについては、そば・うどん店は、他社製造の麺を利用するか、自家製麺を製造するかで仕入先が異なります。事業計画の段階で使用する材料をイメージして、仕入先候補を洗い出し、確保しておく必要があるでしょう。

従業員

お店の規模や営業時間、営業日数などを考慮し、従業員の数を決めます。正社員で雇用するのか、アルバイトやパートで雇用するのか、雇用形態を含めてどの程度の人員で運営するか記載します。

借り入れの状況

借り入れの現状として、経営者個人の住宅ローンなども含め、借入先の名称や借入金額、年間の返済金額を記載します。返済計画に無理が生じないか確認のためなどに設けられています。

必要な資金と調達方法

そば・うどん店開業のために必要な設備投資や当面の運転資金、必要な資金を調達する方法を記載する項目です。

そば・うどん店は店舗型の経営になるため、新たに店舗を用意する場合は建築費や工事費、賃貸物件を利用する場合は保証金や礼金などの初期費用、加えて調理のための厨房設備の導入費や看板設置費などが必要です。

運転資金として、仕入れや各種経費の支払いを想定し、工事など見積もりを取れる場合は見積金額を記載します。

事業の見通し(月平均)

創業直後と創業から1年後(あるいは軌道に乗った後)の、収入や費用の予測値を記載する項目です。事業の見通しが立つだけでなく、期待する利益を上げるにはどのくらいの売り上げが必要なのか、売上達成にはどの程度の稼働率や客数が必要なのかなどを把握できます。

そば・うどん店の事業計画書成功のポイント

そば・うどん店の事業計画書をどのように作成すべきか、意識したいポイントや注意点を紹介します。

コンセプト・ターゲットを明確にする

そば・うどんを提供するお店は、全国に多く存在します。出店しようとしているエリア周辺に競合他社が複数存在していることは珍しくないでしょう。そばやうどん自体の味も大切ではあるものの、ユーザーニーズにうまく対応できなければ競合他社に埋もれてしまいます。ターゲット層とコンセプトを明確にして事業計画書に落とし込み、的確な戦略を実行することは事業を継続するために重要です。

そば・うどん店の経営課題として、情報化や多様なニーズへの対応の遅れがよく挙げられます。

情報をインターネットでの検索やSNSから取得するユーザーも増えています。ターゲット層にお店の魅力が伝わるよう、ネットやSNSでの発信なども検討し、事業計画書にもお店の戦略として盛り込むことも検討してみましょう。

立地調査を行い商圏や競合を把握する

立地調査とは、出店を考えている場所や周辺エリアの特性を調査することです。どのような客層の利用が見込まれるか、候補地の通行量はどの程度か、商圏の同業他社の状況はどうかなどを把握するために行います。

立地調査に関わる項目は、事業計画書を作成するためにも必要な項目です。出店後に相当の客数が見込めるかなど、事業の継続に深く関係する部分のため、ある程度時間をかけてしっかり調査することをおすすめします。

客観的な売上予測・価格設定をする

事業計画書に記載する収支項目は、経営者が期待する数値ではなく、現実に即した客観的な数値でなければ意味がありません。期待する数値を並べただけでは、売り上げや利益の見通しが立たないだけでなく、融資にも影響するためです。

売り上げは客単価や客席などの現実的な数値をベースに、費用は日々の影響で発生する分を予測して記載していきます。価格設定も現実的な数値に収めることが必要です。営業にかかる費用などを無視して価格を設定すると、採算が合わずに利益が出ない可能性もあります。

夜の集客やメニューの工夫を行う

ランチには対応しているものの、夜の集客にうまく対応できず、早くお店を閉めざるを得ない状況が、そば・うどん店では見られます。

売り上げを伸ばす方法の一つは、営業時間の延長です。夜の集客もできるように宴会メニューを取り入れるなどの方法も検討してみるとよいでしょう。

また、提供するメニューの工夫も同業他社との差別化につながり、事業計画書でのセールスポイントになります。オリジナルのセットメニューを提供する、トッピングできるメニューを増やす、季節限定商品を考案するなど、メニューについても検討しましょう。

そば・うどん店の開業成功のために事業計画書を作成しよう

そば・うどん店の開業において、事業計画書は融資を受けるため、また経営者が事業の見通しを行うために必要になります。開業を成功させるためには、客観的な視点から、現実とかい離しない意味のある事業計画書を作成することが大事です。本記事でも取り上げた作成のポイントなどを参考に、ひな形・テンプレートを活用して事業計画書を作成しましょう。

そば・うどん店の開業の流れや必要な資金などについては、下記で詳しく解説しています。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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