- 更新日 : 2024年4月23日
IT業成功のための事業計画書の書き方は?テンプレートを基に記入例を解説
設立した会社が将来、どのように成長していくかを説明する資料の1つに事業計画書があります。許認可の取得や創業資金の融資を受ける際はもちろんのこと、社員と将来のビジョンを共有するためにも作成するメリットがあります。今回は、IT業を設立する際の事業計画書作成のポイントを、テンプレートに添って解説します。
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目次
IT業の事業計画書のひな形、テンプレート
画像:IT業向け事業計画書のテンプレート(こちらからダウンロード可能)
事業計画書に定型の様式はありません。一般的には自由な様式で作成できます。
無料登録後のページにある「会社設立ナビ」にて、IT業向け事業計画書を含む、40種類以上の事業計画書をダウンロードしていただきますので、ぜひお気軽にご利用ください。
IT業の事業計画書とは?
はじめに、事業計画書とはどのような資料なのか、どのようなケースで作成するのかといった基礎的な部分を解説していきます。
事業計画書とは「将来の自社像」を示す資料
事業計画書は、会社がどのような方針で事業を進め、どう発展していくかを示す資料であり、「将来の自社像」を文書化・数値化したものです。
IT業を設立し事業を始める際に、設立当初の資金調達や販路拡大など、重要項目をどのようなビジョンで進めていくのか、創業者自身や外部の利害関係者、社員などと共有するために作成します。
事業計画書を作成するメリット
IT業を設立するにあたって、事業計画書は必ずしも作成する必要はありません。結論から言えば、商業登記さえかけてしまえば会社を設立すること自体は可能です。
しかし、事業を進めていく上で、資金調達や設備投資、マーケティングや人材確保といった段階的に起こり得る様々な問題点を逐次解決していかなければなりません。将来の問題点を事業開始前に予測し、事前に対策を立てておくためにも事業計画書は欠かせないものです。
事業計画書に記載する内容は?
一言でIT業といっても、対象となる市場は「情報処理」「通信」「ソフトウェア開発」「ハードウェア開発」など、多岐に渡ります。事業計画書に記載する内容はいくつかありますが、重要なのは「自社がターゲットとする市場はどこなのか」「どのようなマーケティング戦略を持っているのか」などをしっかりアピールすることです。
事業計画書の提出先である金融機関や行政機関などに対して、事業内容や顧客のターゲット層、必要な資金の調達方法などの根拠を示しながら1つずつ説明できる内容でなければなりません。では次に、実際のテンプレートを例に挙げながら事業計画書の記載項目について詳しく解説していきます。
IT業の事業計画書の書き方・記入例
次に、前章で紹介したテンプレートを使った事業計画書の書き方や記入例について解説していきます。
創業の動機・目的
はじめに、創業の動機や目的について記載します。IT業を立ち上げるにあたって、「なぜ創業しようと思ったのか」「その目的は何なのか」といった志望動機を、熱意をもって分かりやすく伝えましょう。
職歴・事業実績
創業前にIT企業に勤務していた、IT製品の開発業務に携わった経験がある等、IT業の知識やノウハウを持っていることを積極的にアピールしましょう。複数の事業を展開している経営者の方がIT業を立ち上げるケースでは、その他事業の経営実績を記載するのも1つの方法です。
取扱商品・サービス
IT業のなかでも、自社の商品がどのジャンルに属するものかを示しつつ、商品やサービスが他社にない新しいものであること、差別化が可能であることなど、競合優位性がある点をアピールしていきます。提供する商品やサービスは会社の将来を担う重要項目のため、長所を積極的にアピールしていきましょう。
取引先・取引関係
会社がすでに確保している得意先や外注先、これから取引を始めたい顧客などを挙げていきます。会社設立直後で得意先が確保できていない場合には、営業方針としてどのような客層をターゲットにしていくのかを記載しましょう。
従業員
経営者や従業員の人数を記載します。勤務形態別に「役員」「正社員」「パート」といった区分で人数をカウントします。また、家族従業員がいれば内書きとして人数を記載します。事業拡大に伴い人員を増やす計画がある場合は、人員確保の予定などもあわせて記載するとよいでしょう。
借入の状況
代表者自身の借入状況を記載する項目です。創業時に個人名義で借り入れた事業性ローンや個人の住宅ローン、マイカーローンなど、プライベートな借入も漏れなく記載します。
必要な資金と調達方法
一般的にIT業は初期投資が比較的少額で済むといわれていますが、パソコンやサーバーといった設備投資は必須です。また、オフィスの入居費用、営業保証金などが必要になるケースもあります。
事業計画書には、これらの必要資金を使用する目的別に記載します。必要な資金を自己資金で賄いきれず金融機関や家族、知人などから借り入れした場合は、その借入先も全て記載します。
事業の見通し
創業直後から数年間の収支計算を年度別に予測し記載していきます。収支予測は大まかなものではなく、実現する可能性が高いことに根拠を示しながら明らかにする必要があります。
「〇年後には売上高が倍増する」「〇年目で黒字経営に転換する」といったように、将来的に収益力が上がることをアピールしていきましょう。
IT業の事業計画書作成のポイント
次にIT業の事業計画書を作成する際に、注意すべきポイントを列挙してみましょう。
あくまで実現可能な範囲で計画を立てる
自社の事業計画を客観的な視点で予測することは意外に難しいものであり、どうしても楽観的な事業計画を立ててしまいがちです。予想であっても事業計画書は将来の自社像を社内外に伝えることを目的に作成するものであるため、その計画はあくまで実現可能なものでなければなりません。
実際に事業を開始してから計画と現実がかけ離れてしまっては、事業計画書を立てた意味が薄れてしまいます。第三者的な視点に立って、実現可能な範囲の計画を立てることをおすすめします。
先見性を持った事業計画を
「生成AI」「DX(デジタルトランスフォーメーション)」といった最新の先端技術に見られるように、IT業界のトレンドは日々変化しています。創業にあたって取り組む市場が今後、成長していく可能性があるか、自社の技術や人材が市場のニーズに対応していけるのかなど、先見性を持った計画を立てる必要があります。資金調達や技術開発、人材確保など、長いスパンで事業計画書を作成しましょう。
「5W1H」を意識しながら作成する
情報が正しく伝わる文章を作成するポイントとして挙げられるのが「5W1H」です。「Why(なぜ)」「What(何を)「Who(誰に)」「Where(どこで)」「When(いつ)」「How(どのように)」販売するのかを常に意識しながら事業計画書を作成することが重要です。
金融機関などの利害関係者や社内の従業員などと将来の自社像を正しく共有することができれば、事業計画書に沿った会社の成長もより現実味を帯びてくるでしょう。
創業時には必ず事業計画書の作成を
会社設立にあたって、事業計画書の作成は必須項目ではありません。しかし、事業計画書を通して利害関係者や従業員と将来のビジョンを共有できることは大きなメリットとなります。解説したポイントを押さえながら、用意したビジネスプランや成長戦略、IT業にかける情熱などが伝わる事業計画書を作成しましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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