- 作成日 : 2024年9月4日
株トレーダーは開業届を出すべき?個人事業主と認められないケースも解説
本業・副業を問わず、株式投資を行っている「株トレーダー」や「デイトレーダー」の方は、投資で利益が出た際には所得税を計算し納税しなければなりません。この場合、トレーダーであっても「開業届」を提出する必要があるのでしょうか?今回は、株トレーダーと開業届について解説します。開業届の書き方も紹介しますので、参考にしてください。
目次
株トレーダーは開業届を出すべき?
株トレーダーであっても、開業届を提出しなければなりません。ここでは、開業届の概要と提出するタイミングを解説します。
そもそも開業届とは?
事業としてトレーダーを開始する場合、所轄の税務署長に対して開業届を提出する必要があります。開業届は所得税の届出書の1つであり、「いつ」「誰が」「どこで」事業を開始するかを報告するためのものです。個人事業主の住所や氏名、事業で使用する屋号(会社名)、開業日などを記入して提出します。
なお、トレードを事業として行う場合、開業届の提出は必須であり、提出を省略することはできないため注意してください。
株トレーダーが開業届を出すべきタイミングは?
所得税では開業届の提出期限を「事業開始等の事実があった日(開業日)から1月以内」と規定しています。ここでポイントとなるのが、開業日をいつにするかです。
新たにトレーダーとして事業を始める際、トレード用の口座を開設した日やパソコン等の周辺機器を準備した日、実際に株式投資を行った日など、開業日がいつなのか迷うところです。所得税では開業日について、事業主が任意に決めることを認めています。自分が覚えやすい日やキリのよい日を開業日にすると忘れずに済むでしょう。
ただし、開業届を出していなくても、その年分で利益(儲け)が出た場合、確定申告はしなければなりませんので注意してください(源泉徴収ありの特定口座を利用する場合は原則として申告不要です)。
株トレーダーは開業届を出しても個人事業主と認められない?
ここで、株トレーダーはそもそも個人事業主として認められるのかという疑問があります。次に、事業として株トレーダーが認められるケースについて解説します。
開業届の提出=個人事業主とは限らない
結論から言うと、開業届を提出すれば必ず事業(個人事業主)になるわけではありません。株トレードによる所得が事業所得に該当するかの判断は開業届の提出ではなく、営利性や取引の継続性・反復性など、株トレードの実態により総合的に判断されます。
事業所得に該当すれば、青色申告制度の各種特典を適用できるため、税制面での優遇を受けられます。一方、該当しなければ特典のない雑所得として申告しなければなりません。例えば会社員が時間のあるときだけ、副業で株トレードを行っているようなケースでは、本業ではない分、事業としての継続性・反復性を立証するのが難しくなります。
事業所得として認めてもらうには?
株トレードを事業所得として認めてもらうための明確な基準はありません。認めてもらうためのポイントは、「株トレードによって得た所得で生計を立てていること」「トレードを継続・反復して行っていること」「事業として成立していること」などを自身で立証することが挙げられます。最終的には税務当局の判断になりますが、本業として株トレーダーを営んでいる方は、上記のポイントを理解しておきましょう。
株トレーダーの開業届の書き方は?
次に、株トレーダーの方が開業届を書くときに注意すべき点について解説します。
職業欄の書き方
開業届に自身の職業を記入する欄がありますが、株トレーダーとして生計を立てている場合には「株トレーダー」と記入します。株トレーダーの職業を「自営業」と書く方もいますが、これでは事業の内容がわかりません。取引を事業規模で行っている場合には必ず株トレードを生業としていることを明記しましょう。
屋号の書き方
屋号とは、具体的には事業で使用する会社名を指します。株トレーダーとして証券会社やその他取引先に屋号を周知していれば、その屋号を記入します。なお、個人事業主の場合、屋号を使うことは必須ではないため、使っていない場合は記入を省略できます。
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