• 更新日 : 2024年1月9日

婚活ビジネスとは?開業・起業の方法や注意点を解説

婚活ビジネスとは?開業・起業の方法や注意点を解説

2007年ごろに「婚活」という言葉が誕生して以降、婚活スタイルは徐々に多様化しました。現在、人々にとって婚活は結婚相手を探す方法の1つとして主流となっており、婚活ビジネスに参入する事業者も非常に増加しています。

また、国や自治体は少子化や未婚化の加速による人口減少を防ぐためにも、結婚相談所の開業・婚活パーティーの開催を後押ししていることも特徴です。

そこで今回は、婚活ビジネスの概要から年収の目安、さらに開業に向けた準備と失敗を防ぐためのコツまで詳しく紹介します。

婚活ビジネスとは?

婚活ビジネスとは、結婚を希望する男女の利用者の出会いを支援し、お見合いのセッティングや交際への進展、さらに成婚までをサポートするサービス全般を指します。

結婚相手を探す方法の1つとして主流となっている近年、本業としてはもちろん、副業として婚活ビジネスに参入する事業者も非常に増加しています。

また、婚活ビジネスとひとくちに言っても、具体的には「結婚相談所ビジネス」と「婚活パーティービジネス」の2つのスタイルがあることも特徴です。

結婚相談所ビジネス

結婚相談所ビジネスとは、一人ひとりの会員に担当の結婚カウンセラーをつけて、相手選びからお見合いから交際・プロポーズ・成婚に至るまでを手厚くサポートするサービスです。

結婚相談所事業は簡単に言うと「仲人型婚活ビジネス」であり、会員からの入会金や月額料金、さらにお見合い費用や成婚費などが主な収益源となります。

婚活パーティービジネス

婚活パーティービジネスとは、婚活パーティー・お見合いパーティーや合コン・街コンを開催し、独身の一般男性・一般女性に出会いの場を提供するサービスです。

婚活パーティービジネスは「イベント型婚活ビジネス」に分類され、結婚相談所が運営元となり集客の手段として開催するケースもあります。主な収益源は婚活パーティー参加者からの会費のみと、結婚相談所ビジネスと比較して利益率が低いことも特徴です。

今、婚活ビジネスが注目されている理由

婚活ビジネスが注目されている最大の理由には、「社会的な婚活ニーズの高まり」が挙げられます。

2007年ごろに誕生した婚活ビジネスは年々拡大しており、人々にとっても「男女の出会いを活発化させる有効な方法」として広く知られるようになりました。加えて、未婚化による人口減少を防ぐためにも、国や自治体は婚活ビジネスを後押ししていることも特徴です。

パソコンと電話があれば始められる婚活ビジネスは副業としても開業しやすく、定年後も安定して続けられる点も魅力と言えるでしょう。

婚活ビジネスは儲かる?年収の目安

婚活ビジネスの収入目安は、起業規模や会員数によって大きく異なります。例えば、入会費3万円・月額料金1万円・お見合い費5,000円・成婚費20万円で運営する結婚相談所の場合、会員が10名と25名のケースでは下記のような年収の違いが生じます。

会員が10名の結婚相談所約210万~270万円
会員が25名の結婚相談所約590万~760万円

このように、会員数は利益率を高めるための重要なポイントです。また、成功報酬である成婚費も大きな利益となるため、会員数が多いほど・成婚率が高いほど大きな収入が期待できるでしょう。

婚活ビジネスに資格は必要?

婚活ビジネスを始めるにあたって、必ず取得すべき資格はありません。資格や特別な経験がなくても参入できる点は、婚活ビジネスの魅力と言えるでしょう。

しかし、婚活のスペシャリストであることを証明する「婚活アドバイザー資格」や、心理学にもとづくカウンセリングスキルを証明できる「心理カウンセラー」といった資格を取得していれば、会員からの相談を受ける際に活かせるほか、信頼度向上にも大いにつながります。

婚活ビジネスを開業するための準備

婚活ビジネスは、本業に限らず副業でも始めやすいことが特徴ですが、しっかりと準備をしたうえで開業しなければ失敗する可能性もあります。

ここから紹介する準備を参考に、スムーズな婚活ビジネスの開業を目指しましょう。

開業資金の準備

婚活ビジネスの開業にまず欠かせないのが、開業資金の準備です。

婚活ビジネスを開業するにあたって必要となる資金目安は50万~250万程度と、その幅は広くなっています。主な内訳は、下記の通りです。

パソコン・スマホ代約0~40万円
インターネット回線・電話回線代約1万~2万円
事務用品代約3万~5万円
事務所の初期費用・賃料約30万~50万円
連盟加盟金約50万~80万円

自宅開業で事務所を借りず、連盟にも加入しない場合は50万円程度で済みますが、婚活ビジネスは連盟への加入が一般的となっているため、最低でも100万円以上の自己資金は用意しておくと良いでしょう。

また、開業当初は在籍会員数も少なく、赤字が続く可能性もあります。キャッシュフローを悪化させないためにも、数か月分の運営資金も確保しておきましょう。

市場調査

婚活ビジネスに参入する前には、「どのエリアで開業するか」「どの層をターゲットにするか」といったことも踏まえて市場調査を行いましょう。

地域によって、人々の婚活ニーズや結婚への意識は大きく異なります。あらかじめ市場調査をしておくことによって、ビジネスの方向性を定められるようになるほか、適切な事業計画の作成もできるようになります。

競合の調査

婚活ビジネスの開業時は、市場調査と同時に競合を調査しておくことも重要です。Web上で「結婚相談所+開業を検討するエリア」のキーワードで検索し、どのような特徴をもつ結婚相談所があるのかをしっかり読み込んでおきましょう。

競合となる婚活ビジネスを把握することで、これから自身が開業する婚活ビジネスは何を売りにすべきかが分かるほか、競合との差別化を図ることにもつながります。

集客方法を考える

婚活ビジネスにおいては、集客が非常に重要です。特に開業直後は実績がなく知名度も低いことから、あらゆる媒体での集客が欠かせません。

集客媒体を決める際は、開業する婚活ビジネスのターゲットに合わせることが大切です。例えば、20~30代の若者がターゲットならYouTube広告をはじめとしたネット集客、40~50代のミドル層をターゲットとするならチラシやパンフレットの配布も有効です。

また、婚活パーティーを開催する場合はポータルサイトへの登録もおすすめと言えるでしょう。

婚活ビジネスの開業で失敗を防ぐコツ

婚活ビジネスの失敗を防ぐためには、徹底した開業準備を行うことはもちろん、開業後にもいくつかのコツ・ポイントをおさえて運営していくことも大切です。

最後に、婚活ビジネスの開業で失敗を防ぐコツをいくつか紹介します。

自宅やレンタルオフィスなど初期コストを抑える

婚活ビジネスの開業当初は知名度が低く、思うように会員を増やせないというケースも多々あります。万が一赤字となっても事業を継続させられるよう、自宅やレンタルオフィスを活用して初期コストや固定費を抑えることが大切です。

特に、自宅開業の場合は仕事スペースに費用をかける必要がなく、大幅なコスト削減につながります。しかし、「自宅に入会希望者や会員を呼ぶのは気が引ける」という場合は、事務所の賃貸契約を結ぶよりもコストを抑えられるレンタルオフィスがおすすめです。

結婚相談所では連盟に加入する

結婚相談所開業時は、各加盟相談所と会員をつなぐ結婚相談所ネットワークシステムの「連盟」へ加入するケースが一般的です。連盟に加入した結婚相談所同士で会員データを共有・相互紹介できるため、開業後すぐから条件にマッチした会員を相談者に紹介することが可能です。

それだけでなく、加入した連盟による「結婚相談所の運用・集客方法」や「ブランディング方法」など、婚活ビジネスを成功させるためのノウハウも学べます。連盟によっては研修会やセミナーも開催しているため、独立開業後も婚活ビジネスや結婚相談事業に関する全面的なサポートを受けたいという方にとっては非常におすすめです。

SNSやホームページを活用する

インターネットが普及した近年、婚活ビジネスに限らず幅広いビジネス分野において「SNSやホームページを活用した集客」は欠かせません。SNSやホームページを活用することによって、認知度の向上や新規顧客の開拓につながります。

しかし、単純にSNSやホームページをつくるだけでは効果が期待できません。インターネット広告を活用したり、Webマーケティングを実施したりして、作成したSNSやホームページの露出度を高めることも必須です。

口コミや紹介を活用する

商品やサービスを実際に購入・利用したユーザーの声は、その商品やサービスの購入・利用を検討するユーザーにとって重要な判断基準です。婚活ビジネスの認知度向上・新規顧客獲得を目指すなら、会員からの口コミ収集も欠かせません。

また、自社の営業活動によるものではなく、成婚者による紹介で新規顧客を獲得できるケースもあります。「友人や知人に紹介したい」と思ってもらうためには、会員からの信頼度を高めることも重要です。

経理・経営の知識をつける

婚活ビジネスに限らず、すべてのビジネス分野において経理・経営の知識は欠かせません。経理・経営の知識がなければ、資金状態の把握ができていないことによってキャッシュフローが悪化し、最悪の場合倒産を招く可能性もあります。

婚活ビジネスを開業する前には、ある程度の経理・経営の知識を身につけることが大切です。また、経理・経営作業をすべて自分1人でこなすことが困難な場合は、経理システム・外部リソースの導入も検討すると良いでしょう。

必要な資金と知識をもって婚活ビジネスの開業の成功を目指そう

社会的な婚活ニーズの高まりや国・自治体による後押しによって、婚活ビジネスは非常に注目されています。副業としても始めやすく、初期投資の負担が少ない点も魅力ですが、徹底した開業準備と適切な運営を行わなければ失敗に終わる可能性もあります。

婚活ビジネスを成功に導くためには、事業の基盤となる経理・経営知識を身につけることも大切です。経理・経営作業を1人でこなすことに不安がある場合は、経理システム・外部リソースを導入してみましょう。


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