• 更新日 : 2024年9月27日

パン屋の事業計画書の書き方とは?テンプレートを基に成功のコツを解説

パン屋を開業する際にはまず事業計画書を作成しましょう。この記事ではテンプレートをもとにパン屋を開業する際の事業計画書の書き方をご紹介します。

しっかりと計画を立てれば事業の成功確率が高まります。また、特に融資などで資金調達を行う場合は、事業計画書の作成は必須です。

パン屋の事業計画書とは?

パン屋とはパンを製造して店舗や卸売りで消費者に販売する業者のことを指します。店舗の場合、工房でパンを作り、出来上がったら店頭に並べて販売します。

パン屋はビジネスとして人気で、街なかでも多くのお店を見かけます。経済産業省が実施した『令和3年経済センサス-基礎調査』によると、2021年現在日本には5万5千事業所もの菓子・パン小売業者が存在し、2020年度の年間商品販売額は1兆6千億円という結果が出ています。

事業の見通しを立てる

パンは老若男女問わず食事として、あるいはおやつとして非常に人気が高く、市場規模も大きいので、成功するチャンスも十分にあります。一方で起業はどうしても失敗するリスクがともないます。

重要なのは「どのように事業を運営していくのか?」「売り上げや利益がどれくらい見込まれるのか?」「開業資金や運転資金はどれくらいかかるのか?」といった見通しを立てることです。事業計画書を作成することで先の見通しが明確になり、後から確認することもできるようになります。

金融機関からの融資を受ける

パン屋は店舗や工房を構え、材料も仕入れなければならないため、開業資金や運転資金もそれなりにかかります。特に開業時には物件調達や設備の導入で出費が多くなるため、資金調達の方法も考えておきましょう。

親族から借りる、出資を受けるなどの方法がありますが、一般的なのは銀行や信金などの金融機関から融資を受ける方法です。自己資金で開業準備を進め、足りない分を借り入れでまかないます。

なお、融資を受ける際には金融機関による審査があり、事業計画書の提出が求められます。事業の収支の見通しについても説明しなければならないため、事業計画書の作成は必須です。

パン屋の事業計画書のひな形、テンプレート

パン屋の事業計画書の書き方とは?テンプレートを基に成功のコツを解説当サイトでははじめて起業される方のために事業計画書のテンプレートをご用意しました。パン屋の事業計画書についても記入例付きのテンプレートがありますので、ぜひ参考にしてご自身の事業計画書を作成してみましょう。

パン屋の事業計画書の書き方・記入例

ここからは事業計画書の書き方やポイントを項目別にご紹介します。テンプレートにもとづいてご説明していますので、ダウンロードしてテンプレートを見ながら読み進めていただくことで、より理解が深まるはずです。

創業の動機・目的

まずは「なぜパン屋を開業しようと思ったのか?」「何のためにパン屋を開業するのか?」といった動機や目的を記載します。ご自身の経験や日頃パン屋というビジネスに対して感じている課題点をもとに書くと説得力が高まります。

職歴・事業実績

これまでのご自身の経歴(学歴、職歴)を記載します。履歴書の学歴・職歴欄のように年次と学校名・勤務先名を記載すれば問題ありません。特に他のパン屋、食品製造、飲食店、小売店など、パン屋開業に関連がありそうな経験がある場合は、経験や実績を具体的に記載するとアピールになります。

取扱商品・サービス

商品の名称(パン、ドリンクなどの区分)や単価といった取扱商品やサービスの概要、セールスポイント、販売ターゲット、経営戦略について記載します。「どのようなパンを、どのように売っていくのか?」という戦略は事業を成功させるうえでは非常に重要な部分です。また、競合他社や市場全体の分析結果についても記載しましょう。

取引先・取引関係

販売先や仕入れ先、外注先などの取引先名、取引シェアや掛け取引の割合、代金の回収や支払いの条件(締め日と回収・支払日)を明らかにします。パン屋の場合、販売先は個人となるケースが多いので、「一般消費者」と記載すれば問題ありません。仕入れ先や外注先は「◯◯株式会社」のように具体的な会社名を記載しましょう。

また、従業員を雇用する場合は人件費(給与)の支払い条件についても記載します。

従業員

雇用する従業員の人数を記載します。常勤役員の人数、3カ月以上継続雇用する従業員数、そのなかで家族従業員、パート従業員の人数を記載します。

借り入れの状況

代表者の借り入れ状況について記載します。パン屋の開業に関わるものはもちろん、住宅ローンや自動車ローン、教育ローン、カードローンなど、個人の借入残高や年間返済額も記載します。

必要な資金と調達方法

パン屋の開業に必要な資金とその調達方法について記載します。必要資金は設備資金、運転資金に分けて記載し、さらに「内装工事費」「機械購入費」「人件費」「原材料費」というように内訳を明らかにしましょう。

資金調達法については自己資金のほか、借り入れ先(親族や知人、日本政策金融公庫、銀行や信金など)別に金額を明記します。

必要資金の合計と調達資金の合計が一致するように計画を立てましょう。

事業の見通し(月平均)

開業直後と1年後、それぞれの売上高や原価、各経費の見通しについて、具体的な金額を記載しましょう。また、その根拠についても明らかにします。こちらも特に融資を受ける際の審査時に注目される項目です。どのくらい利益が出るのか?どの見通しをどのように算出したのか?を明らかにすることが大切です。

パン屋の事業計画書成功のポイント

パン屋を起業して成功させるためにはいくつかのポイントがあります。ぜひ、以下のような事柄を意識して事業計画を立ててみましょう。

コンセプトを明確にする

まずはパン屋のコンセプトを明確にしておきましょう。「どのようなパンを提供したいのか?」「どういうお店にしたいのか?(内外装も含めて)」「どんな人に来ていただきたいのか?」を明確にしておくことで、開業するパン屋の個性や強みも明らかになってきます。

ブランドイメージを反映した店名(屋号)にする

パン屋は一般消費者向けのビジネスなので、お店のネーミングも重要です。ブランドイメージや想いが伝わるような店名を考えましょう。加えて覚えやすく、インパクトがあるユニークな店名であれば、注目されて記憶にも残り、リピーターも増える可能性があります。

立地調査を行い商圏や競合を把握する

パン屋を開業する際には立地も重要です。たとえば近隣にすでにパン屋がある場合、顧客の奪い合いになってしまう可能性があります。一方で見込み客が少ないエリアに出店してもなかなか集客にはつながりません。

候補となる出店地に関して、「近隣に競合がどれくらい存在しているか?」「どのような人が生活しているか?」「通いやすい場所か?」を検討しましょう。競合はパン屋の他にもコンビニやスーパーマーケットについても調査しておくことをおすすめします。

客観的な売り上げ予測・価格設定をする

前述のとおり、事業の見通しは特に融資の審査でシビアに見られる項目です。また、見通しが甘いと失敗するリスクが高くなります。「だいたいこれくらい売れるだろう」ではなく、明確な根拠に基づいた見通しを立てましょう。

また、商品の価格設定もパン屋を運営するうえでは重要となります。競合他社の状況や原価、利益率など、さまざまな要素を考慮して価格を決めましょう。

オリジナル商品で差別化する

他社と同じようなことをしていても、なかなか売り上げにはつながりません。ベーシックな商品に加えてオリジナリティーがあふれる商品についても開発していきましょう。おいしさにこだわったパン、素材にこだわったパン、健康にいいパン、見た目が美しくてSNS映えするようなパンなど、さまざまな角度からアプローチできるはずです。個性的な商品を創り出せば、メディアに取り上げられたり近隣住民の間で話題になったりして、大成功する可能性もあります。

パン屋の開業は事業計画書から

老若男女問わず愛されるパン。需要が高く大成功するチャンスもある一方で、競争も厳しく失敗するリスクもともないます。

何事もしっかりとした計画から。パン屋を開業する際には明確な根拠にもとづいた計画を立て、それを1枚の事業計画書にまとめましょう。

また、パン屋開業までの流れや必要資金、収入に関してはこちらの記事でも詳しくご紹介していますので、本記事と併せてお読みいただくことをおすすめします。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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