- 作成日 : 2023年2月22日
コーヒーショップを開業する方法は?成功するためのポイントも解説!
コーヒーショップやカフェを開業したいと考えてはいるものの、「資金が準備できるか」「取っておいたほうがいい資格や許可はあるのか」といった不安や疑問を抱えている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、コーヒーショップを開業したい方のために、取得するべき資格や、開業までに行いたい手続きなどをご紹介します。コーヒーショップの経営を成功させたい方はぜひご覧ください。
目次
コーヒーショップを開業する方法は?
未経験の方がコーヒーショップを開業するためにできることをご紹介します。
カフェで経験を積む
コーヒーショップやカフェでの勤務経験が全くなくても開業はできますが、できれば経験を積んでおくことをおすすめします。
カフェ開業スクールに通えば経営について学べるため、働いてみる必要はないのでは、と思う方もいるかもしれません。しかし、働いたことがないと、忙しい時間の雰囲気やどのようなトラブルが起きるのかが実感できない恐れがあります。
注意点は、開業したいのが働くカフェと同じ業態ではない場合、参考にできない部分があるという点です。例えば、開業したいのが個人店、働くのがフランチャイズ店である場合、忙しい時間のお客様のさばき方については学べるかもしれませんが、メニューやレシピづくりについては学べません。
フランチャイズに加盟する
コーヒーショップやカフェの開業に興味があっても、雰囲気、メニュー等を一からつくる自信がない、という場合は大手チェーン店のフランチャイズに加盟するという方法もあります。
フランチャイズに加盟すると、メニューやレシピだけでなく、内装や食器等も本部の指示に従うことになるため、自分で考える必要はありません。「資金は準備できるけれど、開業したいカフェをどうしたいかが思いつかない」という方におすすめの方法です。また、既存チェーンのブランド力を利用できるため、集客がしやすいというもメリットもあります。
ただし、フランチャイズに加盟した場合は、加盟金やロイヤリティを支払わなければなりません。さらに、独自色を出せない点にも注意する必要があります。
コーヒーショップの開業に必要な資格は?
コーヒーショップやカフェを開店する際には必要な資格がいくつかありますので、押さえておきましょう。
食品衛生責任者
食品衛生責任者は、コーヒーショップやカフェだけでなく、飲食店全般を開業する際に必要となる資格です。都道府県の「食品衛生協会」の開催する講習を受けると取得できます。受講料は1万円程度です。都道府県によってはeラーニングで受講できる場合もあるため、確認してみましょう。
なお、栄養士、調理師、製菓衛生師などの資格を保有する人は講習を受講する必要はありません。また、資格を取得後は、他の都道府県で開業することも可能です。
飲食店営業許可
飲食店を開業するには、所管の保健所に申請して営業許可証を取得する必要があります。厨房・食器棚・トイレ・空調などの規定を順守する必要がありますので、内装の着工前に規定を確認しておきましょう。
なお、飲食店営業許可申請書を提出する際は、「食品衛生責任者手帳」が必要です。先に食品衛生責任者講習を受けてください。
その他の資格・申請
その他、業態や規模によって必要な資格や申請があります。
菓子製造業許可申請
菓子製造許可は、コーヒーショップ、カフェ内でケーキなどの菓子、パンを製造、販売(テイクアウト)、もしくは他の店舗に卸売りする場合に必要となります。
ただし、店舗のメニューとして菓子やパンを提供する場合、または提供するのがドリンクメニューのみの場合はこの申請が不要なケースもあります。不明点は所管の保健所に尋ねてください。
防火管理者
開業するコーヒーショップやカフェの収容人数が30人以上の場合に必要な資格です。日本防火・防災協会の講習を受けることで取得できます。店舗の延べ面積によって受講時間が以下のように異なります。
約10時間(2日間) | |
約5時間(1日間) |
コーヒーショップの開業の流れ・手続きは?
コーヒーショップやカフェを開業する際の流れや手続きをご紹介します。開業までのイメージを具体的に思い描いてみましょう。
業態・コンセプトの検討
まずは、どのような業態・店舗で開業したいかを検討してください。例えば、コーヒーショップやカフェには、以下のような業態・店舗があります。
- ドリンク中心のコーヒーショップ
- フード・スイーツ類が充実したカフェ
- 大手カフェチェーンのフランチャイズ
- メニューだけでなく内装にもこだわりのある店舗
こうした開業する店のコンセプトをきちんと決めることで、実際に開業したあとでも経営について迷うことが少なくなります。
業態や店舗のイメージが決まったら、それに沿ってどの程度の資金がかかるのかを調べましょう。また、取得するべき資格や提出しなければならない申請書についても確認してください。
資金調達
業態が決定し、どの程度の資金がかかるのかが見えてきたら、どうやって資金調達をするかを考えましょう。資金調達の方法には以下のようなものがあります。
- 自己資金
- 助成金・補助金の活用
- 銀行等の融資を利用する
資金調達については、後ほど詳しくご紹介します。
店舗決定・内装設計
業態が決まり、どうやって資金調達をするかが決まったら、店舗の場所や内装についての検討を始めましょう。
店舗を借りる際には、保証金のほか、賃借料の1カ月分程度の敷金や礼金も必要です。また、内装工事をする際はデザイン費、改装工事費だけでなく、厨房や空調の設備費、家具や調度品、什器に関する費用についても考えておく必要があります。
なお、フランチャイズ店の場合は本部と話し合いながら決定することになります。
メニューを決める
決定した業態に沿ってメニューを決めましょう。コスト面だけでなく、コンセプトに合っているか、統一感があるのかも考慮してください。
申請や契約を行う
食品衛生責任者の資格取得や飲食店営業許可申請を行います。必要に応じて、菓子製造業許可申請や防火管理者資格の取得も進めましょう。また、食材の仕入先の決定と契約なども行います。
開業直前になって慌てないよう、申請や契約は開業予定の1カ月前には済ませてください。
コーヒーショップの開業資金はいくらかかる?
開業したい店舗の規模や業態によって開業資金は異なります。例えば、数坪の極小スペースでドリンクのみを提供するようなコーヒースタンドであれば、数十万円で済むケースもあるでしょう。
また、10坪程度、賃借料10万円程度のカフェの場合は開業までに500万円前後かかることもあります。
そして、フランチャイズの場合は、設備や内装費とは別に、チェーン本部に数百万円の加盟金を支払わなければなりません。なお、開業後は一定のロイヤリティが毎月かかります。
コーヒーショップ・カフェの場合、収入が安定するまで1年程度見ておきましょう。その間の運転資金についても準備しておくことをおすすめします。
コーヒーショップの開業資金を調達する手段は?
ここでは、コーヒーショップの開業資金の調達手段を詳しく見ていきましょう。
自己資金
自分の預貯金を開店資金に充てるという方法です。自己資金を使う場合は、全てを開業資金にするのではなく、開店直後から1年間程度の運転資金や生活資金は別に確保しておきましょう。
助成金・補助金を活用する
コーヒーショップ・カフェを開業する人のための助成金・補助金も活用することをおすすめします。まずは助成金と補助金の特徴や違いを押さえておきましょう。
自治体 |
どちらも返済不要ですが、目的や支給条件が異なります。また、一定の条件を満たせば支給される助成金に対し、補助金は審査に通過しなければ支給されません。なお、助成金や補助金は後払いという点には注意しましょう。
助成金・補助金については以下の公的機関のサイトもチェックしてください。
中小企業庁「補助金等公募案内」
厚生労働省「事業主の方のための雇用関係助成金」
融資を利用する
金融機関からの融資を利用するという方法もあります。融資を受けるためには、事業計画書を提出し、審査を受けることになります。
また、日本政策金融公庫でも融資を受けることが可能です。こちらは保証人・担保なしで融資が受けられるという特徴があります。
例えば、新たに事業を始める人、または事業開始後おおむね7年以内の人が受けられる「新規開業資金」は融資限度額が7,200万円(うち運転資金4,800万円)です。審査結果によって限度額は異なりますが、保証人・担保なしでまとまった資金が準備できる点は注目すべきでしょう。なお、日本政策金融公庫から融資を受けるには、一定の自己資金が必要です。
コーヒーショップの開業に成功する人・失敗する人の違いは?
コーヒーショップ・カフェの開業に成功する人と、失敗してしまう人とではどこに違いがあるのでしょうか。
開業に成功する人
開業に成功する人の特徴は次の通りです。
- しっかりコンセプトを決めて店づくりをしている人
- リピーターが多い店づくりをしている人
- 集客しやすい場所に店舗を構えた人
客層などのターゲットをしっかりと決め、その人たちが満足する店をつくることができれば成功する確率は高くなります。また、リピーター獲得も成功のためには重要な要素です。何度も通ってくれるお客さんをより多くつくりましょう。
また、成功のためには集客しやすい場所に店舗を構えることも重要です。
開業に失敗する人
開業に失敗する人の特徴もご紹介します。
- メニュー・内装などにこだわりすぎている人
- コストを抑えるために立地について妥協しすぎた人
「おしゃれな内装」や「店主こだわりの味」など個性を前面に打ち出すことは、成功するポイントのように感じられますが、反対に「おしゃれすぎて入りづらい」「原材料にコストがかかりすぎる」といった問題の原因にもなります。こだわりすぎも経営には悪影響となる場合もあるので注意しましょう。
また、コストを抑えようとして、店舗の立地について妥協しすぎることもおすすめできません。味や雰囲気は良くても、立地条件が悪いとお客さん自体が来ない可能性もあるためです。
コーヒーショップの開業を考える際はコンセプトをしっかり決めよう
コーヒーショップやカフェを開業する際は、食品衛生責任者や飲食店営業許可申請など、必要な資格や申請があります。しかし、それらを取得・提出する前に、まず大事なのは店舗のコンセプトを決定することです。コンセプトが決まっていないと、どのような店舗にするか、メニュー等も決められないためです。また、どの程度の資金が必要かも見当がつきません。
コーヒーショップ開業を成功させるためにも、慌てずにどのような店にしたいかをじっくり考えてみてください。
よくある質問
コーヒーショップの開業の流れ・手続きは?
業態やコンセプトの決定→資金調達→店舗・内装の決定→メニューの決定→各種申請・資格取得、という流れで手続きを行います。詳しくはこちらをご覧ください。
コーヒーショップの開業に成功する人・失敗する人の違いは?
しっかりとコンセプトを決め、より良い立地を選ぶことが集客につながり、成功する確率が高くなります。ただし、こだわりすぎは失敗のもととなる可能性もあるため気を付けましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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