• 更新日 : 2022年8月8日

会社設立・起業時に必要な法人印鑑の種類とは?実印セットの選び方も解説!

会社設立・起業時に必要な法人印鑑の種類とは?実印セットの選び方も解説!

会社設立には会社の印鑑が基本的に必要です。個人事業主が起業するときには、事業で必要な場合にのみゴム印や銀行印などが必要になります。これに対し、法人では基本的には会社設立の手続きである「登記申請」において会社の実印が必要になり、その会社実印により印鑑証明を取得します。

この記事では、会社設立に必要な印鑑の種類や作成方法を解説しながら、おすすめの書体や角印、セット購入など具体的な注意点を盛り込んでいきます。

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会社設立・起業時に必要な印鑑の種類とは?

会社を設立する場合には、その会社について商業登記が必要です。

商業登記とは、株式会社、合名会社などの会社について、その名称や事業内容、所在地などを公示するための制度です。その登記の申請にあたっては、従来であれば印鑑が必要でした。会社設立時には会社の代表者の実印を登録し、必要なときに会社の印鑑証明書を入手できるしくみでした。

ところが、令和2年7月17日の閣議決定である「経済財政運営と改革の基本方針2020」などにより、政府全体の押印の見直しがなされ、商業登記手続についても押印の見直しが行われました。つまり、行政手続きにおける書面、押印、対面主義からの脱却が加速的に行われたのです。これにより、大きく印鑑の取扱いも変わり、押印を求められていない書面への押印は不要となりました。

令和3年2月15日よりオンラインで登録申請を行う場合は、印鑑の提出は任意になりました。つまり、会社の印鑑の登録が不要な場合もあるということです。

改正により、定款取締役会議事録など押印を要する書面と従来は押印が必要であった書面が分けられて運用されるようになりました。現運用では、従来のように印鑑を登録しておくほか、印鑑の提出を省略できるケースもあるということです。会社の登記申請時に、印鑑を登録する場合には下のような印鑑届書を提出します。

【印鑑届書(書面による申請の場合)】
印鑑届書(書面による申請の場合)

出典:登記事項証明書(商業・法人登記)・印鑑証明書等の交付請求書の様式 |法務局 印鑑(改印)届書を加工して作成

このように以前に比べると印鑑の存在意義が変わってはきたものの、商取引においては従来型の押印を求められるケースは多々あり、やはり実印等は会社設立前に準備するほうが現実的と言えるでしょう。ここでは一般に会社でよく利用される次の4種類の印鑑についてそれぞれ細かく解説します。

代表者印(会社実印)

代表者印とは、印鑑届書を法務局に提出して登録し、会社の印鑑証明用の印鑑となるものです。印鑑の形態としては、一般には直径18mmの丸印が多いようです。

印鑑届書には、「印鑑の大きさは、辺の長さが1cmを超え、3cm以内の正方形の中に収まるものでなければなりません。」と記されていますので、この範囲内に収まるようにしましょう。

引用:株式会社設立登記申請書(取締役会設置会社の発起設立)|法務局印鑑(改印)届書

会社の実印は取引における各種の契約書面や不動産の売買等、あらゆる書面に利用します。
他の印鑑を作成しなくても問題はないとはいえ、以下に紹介する銀行印や角印、ゴム印があったほうが実際の運用においては格段に便利と言えます。また、重要な契約時などに使う会社実印は金庫などに収納し、セキュリティにも配慮しましょう。

銀行印

銀行印は、その名のとおり、銀行の口座を開設する際に必要となる印鑑です。銀行取引の際に使用し、代表者印でも代替は可能です。しかし、銀行取引の際に、代表者印などを紛失したり、悪用されたりするリスクを分散するために、銀行取引専用の印鑑を作ったほうがよいでしょう。

角印

角印とは、一般に「会社印」「社判」「角判」などとも呼ばれる角型の印鑑です。角印は、請求書などに押印される非常によく使う印鑑であり、個人における認印のような位置づけです。

なお、請求書に角印を押印しなくても請求書の効力に変わりありません。角印を作成せず、代表者印を利用しても問題ありません。しかしながら、このように利用頻度が高いものが登録された実印というのは、万が一、悪用された場合を考えると分けておいたほうがよいと言えます。角印には、サイズの制限は特にありません。

ゴム印

会社のゴム印とは、事務の効率化を考えて作成されるスタンプです。ゴム印として作成するのは、会社名、住所、電話番号、代表者名などが記載されており、それぞれが分割できるものが多いかと思います。タテ型、ヨコ型どちらもあり、大きさも何種類か作成しておくとさらに便利です。

ゴム印は申込書などに社名や社長名を記載するときや、領収書、封筒に社名を書くときなどに手書きの手間を軽減できるため重宝します。

会社設立時の印鑑の選び方・注意点は?

会社設立時の印鑑を準備するにあたって、どのような点に注意すればよいでしょうか?
印鑑は印影だけでなく、使い勝手や耐久性なども考慮したほうがよいので、次の点に注意しましょう。

銀行ではカードで足りることが多いため、敢えて銀行印を作成せず、代表者印(丸印)・角印とゴム印の組み合わせもよくあります。

大きさ

代表者印の大きさは、一般的には18mm程度の丸印であることが多いようです。先述の「辺の長さが1cmを超え、3cm以内の正方形の中に収まるもの」というルールもありますので、印鑑を作る際には注意してください。それぞれの印鑑の大きさは、「角印>代表者印>銀行印」となるように作成するのが一般的です。

書体

書体については好みによりますが、篆書体(てんしょたい)などは定番です。その他印相体、古印体、隷書体などがありますが、可読性が低いものがよいとされます。

丸印が定番の代表社印については、印面は二重円になっており、外側が会社名、内側が役職名(「代表取締役印」など)になっているものが多いです。銀行印の場合も二重円になり、外側は丸印同様に会社名、内側は「銀行之印」などの文字が配置されることが多いです。さらに角印の場合は、縦書き3列で右から「会社名+之印」などのパターンが多いと言えます。

書体とともに位置や文字感覚、文字の太さや大きさなど、バランスよく配置しましょう。

【書体の例】
書体の例

素材

印鑑の素材についても好みによりますが、長年の業務に支障のないよう、耐久性の高いものをおすすめします。チタンや黒水牛、柘(つげ)など種々の素材があり、さらに同素材でもグレードがあります。丸印には同素材のサヤがついてくるのが一般的です。

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会社設立時の印鑑の購入方法は?セット買いがおすすめ?

印鑑はその会社とともに歩むといっても過言ではないほど、ずっと使い続けるものです。
途中、社名変更や会社の形態(合同会社が株式会社に変更など)があれば印鑑を変更せざるを得ませんが、そうでなければ会社設立時に揃えた印鑑を使い続けることになります。できれば、印鑑の購入は代表者印、銀行印、角印などのセットで購入したほうがよいでしょう。

契約書等には代表者印だけでもよいのですが、慣例的に社名の横に角印をセットで押印することが多いため、これらはまとめて準備することをおすすめします。インターネットでの印鑑販売もありますが、素材などをよく見て、助言の得られる店舗で購入するのもよいかと思います。購入の際は、耐久性のある印箱(印鑑を収納する箱)や朱肉、マットも併せて揃えておきましょう。

マネーフォワード クラウド会社設立なら、会社設立時に必要な手続きを一連の流れの中で進めることができます。もちろん、代表社印や角印などの印鑑セットの購入も可能です。是非、会社設立の流れと方法をご参照ください。

会社設立時は印鑑証明書の発行手続きも必要!

冒頭にお伝えしたように、会社の登録申請における印鑑の提出は任意となりました。

会社の設立登記は、不備がない場合には一週間程度で完了します。登記完了と同時に、会社の印鑑証明書の発行依頼をしておきましょう。登記申請時に、法務局に印鑑カード交付申請書を提出することによって、登記以降の印鑑証明書の取得ができます。

登記が完了したら次の手続きに入ります。税務署、市区町村役所、税事務所などへの手続きもありますが、金融機関の法人口座の開設も急がれます。

会社の印鑑証明書は本人確認のために種々の場面で提出を求められるのですが、法人口座開設時もその1つです。また、不動産の売買契約、取引先からの本人照会、営業車両の車庫証明等で印鑑証明書を求められることがあります。

なお、印鑑証明の取得方法については、法人が印鑑証明を取得するための4つの方法 | マネーフォワード クラウド会社設立をご参照ください。

個人事業主・フリーランスも印鑑が必要?

個人事業主やフリーランスなどについても、書面での契約書において印鑑を求められることがあります。

個人の印鑑証明は、その人が住む自治体によって、その印鑑の正当性や信頼性を保証するものです。会社同様、事業用の不動産の契約などもありますので、個人の実印を自治体に登録し、印鑑証明書を取得できるようにしておきましょう。

印鑑登録が完了すると、印鑑証明書の発行はマイナンバーカードを使ってマルチコピー機のあるコンビニなどでも発行することができます。

補助金などの行政手続きは電子申請へと移行していますが、1つのアカウントで複数の行政サービスを利用できる認証システムとしてデジタル庁が運用するGビズIDというものがあります。このGビズIDのアカウント申請などにも個人の印鑑証明書が必要となります。

なお、個人事業主やフリーランスについてさらに詳しいことは、開業届の印鑑は認印で大丈夫?個人事業主に必要な印鑑まとめをご参照ください。

会社設立登記の前に印鑑の作成を忘れずに!

ハンコレスの社会が進みつつあるものの、実際の商取引の現場では印鑑を使ったものが多いと言えます。会社の設立登記の前に印鑑セットを作成し、いろんな取引に対応できるよう準備をして、事業取引の幅を広げておきましょう。

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よくある質問

会社設立の登記申請には印鑑は必要?

印鑑の取扱いも変わり、行政手続きにおいては押印を求められていない書面への押印は不要となっており、令和3年2月15日よりオンラインで登録申請を行う場合は印鑑の提出は任意になりました。詳しくはこちらをご覧ください。

印鑑を作成しなくても会社として問題はない?

以前に比べると印鑑の存在意義が変わってはきましたが、従来型の押印を求められるケースは多々あり、やはり会社の実印等は会社設立時に準備するほうが無難と言えるでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。

会社設立時の印鑑の購入方法は?

代表社印に加え、銀行印や角印、ゴム印があったほうが実際の運用においては格段に便利なため、登記申請前にセットで購入しておくとよいでしょう。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:岡 和恵 (税理士 / CFP)

大学卒業後、2年間の教職を経て専業主婦に。システム会社に転職。 システム開発部門と経理部門を経験する中で税理士資格とフィナンシャルプランナー資格を取得。 2019年より税理士事務所を開業し、税務や相続に関するライティング業務も開始。

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