• 更新日 : 2026年9月4日

定款の認証費用はいくら?合同会社・一般社団法人の認証費用も紹介

Point定款の認証費用はいくら?

定款の認証費用は法人種別や資本金額によって異なり、株式会社は1万5,000円〜5万円、一般社団法人は一律5万円です。

  • 合同会社は定款認証が不要
  • 電子定款なら収入印紙4万円が節約可能
  • 一般社団法人の紙定款は収入印紙不要

Q. 株式会社の定款認証費用はいくらかかる?

A. 資本金100万円未満は3万円(一定要件を満たす場合は1万5,000円)、100万円以上300万円未満は4万円、それ以外は5万円です。

株式会社、合同会社、一般社団法人などを設立する際は、法人の目的や組織、運営方法などの基本的なルールを定めた定款を作成します。また、定款を作成した後は、認証が必要な場合と不要な場合があります。

この記事では、定款の認証とその費用、電子定款における認証手続きの流れについて説明しています。

そもそも定款の認証とは?

定款の認証とは、株式会社や一般社団法人などの設立時に作成する原始定款について、公証人が正当な手続きで作成されたことを確認し、証明する手続きです。株式会社を設立する場合は、設立登記の前に定款認証を受ける必要があります。認証を受けることで、設立時の定款が後から争われるリスクを抑えられます。

定款認証は設立時の定款の真正性を公証人が証明する手続き

定款認証は、公証人が定款の内容や作成手続きに問題がないかを確認し、その定款が正しく作成されたことを証明する手続きです。ここでいう認証は、会社の事業内容の成功可能性や経営の妥当性を保証するものではありません。あくまで、設立時に作成された原始定款について、法律上必要な形式や手続きが整っているかを確認するものです。

定款認証を受けると、定款の作成日や発起人の意思、記載内容の真正性を証明しやすくなります。その結果、設立後に「定款の内容が不明確だった」「発起人の意思に基づいていなかった」といったトラブルを防ぎやすくなります。また、設立登記を進める前提にもなるため、株式会社を設立する際には欠かせない手続きです。

定款認証をすることによって得られるものとして次の4つが考えられます。

  • 定款の内容や作成手続きについて、公証人による確認を受けられる
  • 原始定款が正当な手続きによって作成されたことを明確にできる
  • 定款や法人格の存立をめぐる紛争の予防につながる
  • 将来的な法的紛争やトラブル発生のリスクを低減することができる

定款の認証の内容についてさらに詳しく知りたい方は、下記をご参照ください。

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定款認証が必要な法人・不要な法人の違いは?

株式会社、合同会社、特定目的会社、一般社団法人などを設立する際は、定款を作成します。また、定款は作成するだけではなく、その認証が必要なことがあります。

この記事に出てくる株式会社、合同会社、特定目的会社、一般社団法人について、定款認証について簡単に説明したのが次の表です。これらの特徴を踏まえた上で、定款やその費用について見ていくと理解しやすいでしょう。

会社の種類 定款の認証 根拠法
営利法人 株式会社 必要 会社法
持分会社(合同会社など) 不要
特定目的会社 必要 資産の流動化に関する法律
非営利法人 一般社団法人(非営利型以外) 必要 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律
一般社団法人(非営利型) 必要

株式会社は、会社法第26条に定款の作成について、同法第30条に定款認証について次のように規定されています。

株式会社は、会社法第26条に定款の作成について、同法第30条に定款認証について次のように規定されています。

<会社法>

定款作成
第26条第1項
株式会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
定款認証
第30条第1項
第26条第1項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。

引用:会社法 | e-Gov法令検索

株式会社ではなく、持分会社である合同会社や合資会社、合名会社については会社法第575条において定款の作成が規定されていますが、これら持分会社についての定款認証は規定されていません。

<会社法>

定款作成
第575条第1項
合名会社、合資会社又は合同会社(以下「持分会社」と総称する。)を設立するには、その社員になろうとする者が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。

引用:会社法 | e-Gov法令検索

特定目的会社とは不動産など特定の資産を担保として有価証券を発行し、資金を調達する特殊な法人ですが、会社法ではなく、「資産の流動化に関する法律」がその根拠法となり、特定目的会社においても定款の作成とその認証が必要とされています。

<資産の流動化に関する法律>

定款作成
第16条第1項
特定目的会社を設立するには、発起人が定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
定款認証
第16条第6項
会社法第30条及び第31条(第3項を除く)(定款の備置き及び閲覧等)の規定は、特定目的会社の定款について準用する。

引用:資産の流動化に関する法律 | e-Gov法令検索

また、一般社団法人とは「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に基づいて設立される非営利を基本とした法人であり、会社法と同様に定款の作成及びその認証について規定されています。

<一般社団法人及び一般財団法人に関する法律>

定款作成
第10条第1項
一般社団法人を設立するには、その社員になろうとする者(以下「設立時社員」という。)が、共同して定款を作成し、その全員がこれに署名し、又は記名押印しなければならない。
定款認証
第13条第1項
第10条第1項の定款は、公証人の認証を受けなければ、その効力を生じない。

引用:一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 | e-Gov法令検索

株式会社・特定目的会社における定款の認証費用は?

株式会社と特定目的会社の定款認証手数料は、資本金の額等によって異なります。株式会社の場合は「資本金の額」、特定目的会社の場合は「特定資本金の額」が基準です。

株式会社・特定目的会社の定款認証手数料は資本金額等で決まる

日本公証人連合会によると、資本金の額等が100万円未満の場合は原則3万円、100万円以上300万円未満の場合は4万円、その他の場合は5万円です。さらに、2024年12月1日以降、資本金の額等が100万円未満の株式会社で一定要件を満たす場合は、1万5,000円に引き下げられています。

項目 金額
資本金の額等が100万円未満で、一定要件を満たす株式会社 1万5,000円
資本金の額等が100万円未満の場合 3万円
資本金の額等が100万円以上300万円未満の場合 4万円
上記以外の場合 5万円
紙の定款の謄本交付手数料 1枚250円
紙の定款に貼る収入印紙※特定目的会社の定款は対象外 4万円
電子定款の収入印紙 不要

1万5,000円の対象になるのは、発起人全員が自然人で3人以下、発起人が設立時発行株式の全部を引き受ける旨の記載がある、取締役会を置かない、という要件を満たす株式会社です。特定目的会社については、この1万5,000円区分ではなく、資本金額等に応じた3万円・4万円・5万円の区分で考えます。謄本交付手数料や、紙の定款を使う場合の収入印紙4万円も別途必要です。

一般社団法人における定款の認証費用は?

一般社団法人を設立する場合も、設立時に作成する定款について公証人の認証を受ける必要があります。株式会社とは異なり、資本金の額によって手数料が変わる仕組みではありません。基本の認証手数料に加えて、謄本交付などの付随費用がかかります。

一般社団法人の定款認証手数料は一律5万円

一般社団法人の定款認証手数料は一律5万円であり、株式会社のように資本金の額等によって変動する仕組みではありません。日本公証人連合会でも、一般社団法人の定款認証手数料は公証人手数料令35条により5万円と定められており、付随する費用が数千円程度発生すると説明されています。

項目 金額
定款認証手数料 5万円
謄本交付などの付随費用 数千円程度
紙の定款に貼る収入印紙 不要
電子定款の収入印紙 不要

株式会社の紙定款では印紙税4万円が必要ですが、一般社団法人の定款は印紙税法上の課税文書に該当しないため、紙で作成しても収入印紙の貼付は不要です。紙か電子かにかかわらず、公証人による認証手数料5万円は必要です。費用を見積もる際は、認証手数料だけでなく、謄本交付などの付随費用も含めて確認しておくとよいでしょう。

電子定款の場合の費用は?

電子定款を利用すると、紙の定款で必要になる印紙税を削減できます。ただし、定款認証そのものが不要になるわけではありません。定款認証が必要な法人では、電子定款でも定款認証手数料がかかります。また、認証済み電子文書の保存手数料300円が必要です。公証役場から同一内容の書面の交付を受ける場合は、別途手数料がかかります。

電子定款では収入印紙代は不要ですが、認証手数料は別途かかる

電子定款の大きなメリットは、紙の定款に貼る収入印紙代が不要になる点です。株式会社が設立時の定款原本を紙で作成する場合は、原則として印紙税4万円がかかりますが、電子定款には印紙税がかかりません。公証人の定款認証手数料は別途かかります。

なお、特定目的会社や一般社団法人の定款は、紙で作成した場合も印紙税の課税対象外です。

項目 金額
電子定款の印紙税 不要
株式会社の定款認証手数料 1万5,000円、3万円、4万円、5万円のいずれか
特定目的会社の定款認証手数料 3万円、4万円、5万円のいずれか
一般社団法人の定款認証手数料 5万円
謄本交付手数料 700円+書面1枚につき20円
電子署名・電子証明書などの準備費用 利用環境や依頼先により異なる
専門家に依頼する場合の報酬 依頼先により異なる

電子定款を自分で作成する場合は、電子署名を付与できる環境や申請システムへの対応が必要です。専門家や会社設立サービスを利用する場合は、電子定款に対応しているか、報酬に認証手続きのサポートが含まれるかを確認しましょう。

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電子定款の利用率の調査データ

マネーフォワード クラウド会社設立の利用者へのアンケートによると、電子定款の利用者は98.07%(紙定款の利用者は1.93%)というデータがあります。

出典:マネーフォワード クラウド会社設立、利用後のユーザー様へのアンケート(回答者:1449名、集計期間:2022年7月~2025年9月)

電子定款の認証手続きの流れ

法務省の「登記・供託オンラインシステム」を利用した電子定款の認証手続きの流れは次のとおりです。

1. 認証先の確認

まず、電子定款の認証について、認証を受ける公証役場の担当者などと事前に打ち合わせをします。

定款認証は、内容不備により設立登記ができなくなることがあるため、担当の公証人に事前審査を受けることが大切です。その後の公証人とのやり取りについてもこの際に確認しておきましょう。会社の本店所在地を管轄する法務局または地方法務局に所属し、電子公証を取り扱う指定公証人に認証を依頼します。

2. 電子署名ソフトの取得と定款ファイルの準備

電子定款はPDFファイルに変換し、マイナンバーカードなどを利用して電子署名します。電子署名についてはマイナンバーカード(地方公共団体情報システム機構)以外でもありますが、事前に電子証明書を取得しておきましょう。

また、電子署名をするには、電子署名ソフトとしてAdobe Systems 社のAdobe Acrobatなどを使用し、マイナンバーカードなどの電子証明書の読み込みには、カードリーダーライタなどを準備します。

なお、電子署名をしたファイルは、基本的に訂正・変更はできませんのでよく確かめましょう。

3. 電子署名済み定款ファイルの送信(オンライン申請)

法務省が運営する「登記・供託オンライン申請システム」により、電子署名後の定款ファイルを送信します。

ファイル送信するには、「申請用総合ソフト」をダウンロードして利用します。電子署名を付与する場合には「PDF署名プラグイン」などを利用します。

4. 公証人による定款認証

公証人が電子定款の内容や電子署名を確認し、定款を認証します。その際、テレビ電話等を利用するときは、公証人役場に出向く必要がありません。

5. 認証済みデータの取得

テレビ電話等による電子認証の場合は、登記・供託オンライン申請システムなどからダウンロードするか、メールで受け取ります。申告受理・認証証明書の送付方法については、公証役場へ事前に確認しましょう。また、依頼者の請求により、定款書面が同封されることもあります。

参考:電子公証を利用する手順|日本公証人連合会

マネーフォワード クラウド会社設立なら電子定款にも対応!

実際、定款を作成し、電子定款として認証を受けるまでをすべて自社内でするには道のりは長いと言えます。定款そのものが必要な事項を網羅しているかどうかという点から気になるところです。

マネーフォワード クラウド会社設立では、入力した会社情報をもとに定款を作成し、提携行政書士へ電子定款の作成や認証代行を依頼できます。個別の法的判断や定款内容について詳しい助言が必要な場合は、行政書士などの専門家へ別途相談するとよいでしょう。法人設立後は、財務や税務のことも気になります。そこで、立ち上げ当初から先を見越した手当を検討されるとよいかと思います。下記のリンクから総合的な支援が期待できるマネーフォワード社のシステム概要をご覧ください。


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