- 更新日 : 2022年1月21日
会社設立代行は自分で手続きするより安い?0円のサービスについても解説!
初めて会社設立を行うとなると、「必要最低限決めておくことに不足はないか」「定款に問題はないか」「会社設立の手順は合っているか」など、不安に思う点が多々出てくるかと思います。会社設立の不安や手間を考えたら、創業者が自ら手続きを行うのではなく、代行者に代行してもらったほうが良いかもしれません。
この記事では、代行と自分で手続きを進めた場合の費用差、代行業者の種類の比較、0円の会社設立代行サービス、代行を依頼するときのポイントなどについて解説していきます。
目次
そもそも会社設立の代行は依頼できる?
会社設立の手続きは非常に複雑であり、すべての手続きを創業者が自ら行うのは現実的ではありません。会社設立に必要なあらゆる資料や手続き方法を把握しなければならず、専門的な知識が必要とされる手続きもあるためです。
そのため、多くの会社では設立サポートを行っている専門家に手続きを依頼しています。
会社設立の代行費用は、自分で手続きするよりも安い?
会社設立の代行を依頼するには、代行手数料が必要です。法律の専門家に依頼するため、手数料は決して安くはありません。創業前に多額の出費が発生することを考えると、自分で手続きを行い、費用を抑えたいと考えたくなるでしょう。
しかし、手続きの方法によっては自分で手続きを行うよりも、代行業者への依頼のほうが安く済む場合があります。その理由は、電子定款です。紙の定款で登記を行う際には約4万円の収入印紙が必要ですが、電子定款では不要とされています。
自分で電子定款を作成することもできますが、手続きに使用するICカードリーダーライターやPDF化ソフトウェアなど、必要な機材やツールの購入費用が収入印紙代を超える恐れがあります。代行業者に依頼する費用が収入印紙代に収まる程度で済むなら、手続きの手間を省略できる分お得といえるでしょう。
会社設立にかかる費用については、以下の記事を参照ください。
会社設立代行業者の種類を徹底比較!
会社設立の代行は、どのような専門家や業者へ依頼できるのか、それぞれの得意分野なども踏まえて紹介します。
税理士
税務の専門家である税理士の中には、会社設立代行業務をサービスとして提供していることがあります。これは、会社設立業務を税理士が行うのではなく、税理士事務所と提携している行政書士や司法書士の窓口となっているのです。
会社設立を税理士事務所に依頼するメリットは、決算や資金調達など、税理士が得意とする税務分野の相談がしやすいことです。費用は自由報酬(税理士会の規定を基準に定められることが多い)のため、税理士ごとに異なります。顧問契約を結ぶ前提で会社設立手続きの代行を依頼する場合は代行手数料を無料とする場合もありますので、設立後の税務処理も視野にいれた代行依頼を検討すると良いでしょう。
司法書士
司法書士は、登記申請や裁判事務など、司法に関わる法律の専門家です。会社設立に必要な登記申請の代行は、司法書士の独占業務のひとつとされています。
司法書士に会社設立の代行を依頼するメリットは、登記申請の専門家ということもあり、安心して依頼できることと、スピーディーな対応を期待できることでしょう。また、登記申請の専門家なので、株式会社で設立したほうが良いか、合同会社で設立したほうが良いか、といった相談がしやすい点もメリットといえます。
司法書士に依頼した場合の手数料は自由報酬(報酬設定は自由ですが、司法書士の報酬は会則で、算定方法や諸費用を明示し、依頼者との合意で決めることとなっています)であるため、会社を設立する地域などで大きく変わってきます。顧問契約を前提に会社設立のサービスを提供している税理士などは、他の専門家と比べると手数料が割高になる傾向があります。
行政書士
行政書士は、許認可に関わる書類など、行政に提出する書類の申請を代行する専門家です。司法書士の独占業務である登記申請はできませんが、登記申請で必要な定款の作成業務は行政書士の業務に含まれます。
事務所ごとに提供しているサービスは異なり、登記に必要な定款の作成業務だけを行っているところもあれば、司法書士と提携して会社設立の登記代行まで行っているところもあります。
行政書士に依頼するメリットは、許認可が必要な業種で会社設立を行う場合、許認可の申請もあわせて依頼できること。会社設立代行や定款作成代行にかかる費用は自由報酬(事務所の見やすい場所に掲示する規定があります)のため、行政書士によって異なります。登記申請まで依頼せず、定款作成代行のみ依頼をすれば、費用を抑えられるでしょう。
その他の会社設立代行業者
会社設立に関しては、士業以外でもサービスを提供しているところがあります。会社設立代行業者に依頼するメリットは、専門家に直接依頼するよりもコストを抑えられることでしょう。業者によってサービス料が異なりますが、手数料1万円以下で依頼できることもあります。
ただし、司法書士と提携している業者を除き、登記申請まですべてを代行してもらうことはできません。公証役場での定款認証手続きや法務局への書類提出などは自ら行う必要がありますので注意しましょう。
なお、ここで紹介した税理士、司法書士、行政書士の会社設立に関する依頼については、以下の記事でも紹介していますので、こちらもご覧ください。
0円の会社設立代行サービスは怪しい?
会社設立代行サービスの中には、手数料0円を売りにしているものもあります。ここでいう0円は、会社設立にかかる一切の費用が0円になるのではなく、代行手数料0円を表すのが一般的です。
登記には人件費や各種費用もかかるため、0円でのサービス提供は無理があるはずです。それでも手数料0円でサービスを提供できるのは、会社設立後にほかのサービスを利用してもらうことを前提としているためです。
前述のように、税理士が会社設立代行手数料0円をうたうような場合は、一定期間の顧問契約を条件にしていることがほとんどです。ほかにも、指定ソフトウェアの年間契約や一定額以上のオフィス用品購入契約など、他のサービスの利用が条件になっていることもあります。
会社設立代行の手数料が0円のサービスは基本的に条件付きなので、何が条件になっているかよく確認してから契約することをおすすめします。
会社設立代行業者を選ぶポイントは?
会社設立代行を利用したい場合、どのような点に注目すれば良いか、業者選びのポイントを4つ紹介します。
どこまで代行してもらえるか
会社設立の代行は、定款作成を含めた会社設立の登記申請全体を代行しているのか、定款作成のみを代行しているのか、サービスによって代行する範囲が異なります。依頼した後に「こんなはずではなかった」と後悔しないように、以下の手順のうち、サービスでカバーしてもらえる範囲をあらかじめ確認しておきましょう。
- 会社概要の決定
- 定款の作成
- 定款の認証(持分会社は不要)
- 資本金の払い込み
- 登記申請書類の作成
- 会社設立登記
なお、どこまで代行してもらうかは、コストや設立までのスピードを考えて決めると良いでしょう。できるだけコストを抑えつつ代行業者を利用したいなら定款のみの作成代行を依頼する、早期に会社設立を行いたいなら登記申請全体の代行を依頼するなど、依頼する範囲をよく検討した上で依頼しましょう。
電子定款に対応しているか
登記申請に必要な定款は、紙での提出と電子定款による提出があります。電子定款は前述したように収入印紙代が不要となるため、創業費用のコストカットにつながります。会社設立費用をできるだけ抑えたいなら、電子定款がおすすめです。
自身で電子定款を作成する場合は、ICカードリーダーライター(NFC機能によりスマートフォンでもICカードリーダーライターとして利用できるものがあります)などの準備が必要になりますが、すでに電子定款に対応している業者に依頼すれば、電子定款作成に必要な準備を考えなくて済みます。電子定款での会社設立を考えているなら、業者が電子定款に対応しているかどうかも確認しておきましょう。
顧問契約などは必要か
会社設立代行の手数料を低額または0円にする代わりに、顧問契約などが必要になる場合もあります。思わぬ出費を防ぐためにも、代行の条件に顧問契約などがないか確認しておきましょう。
たとえば、税理士の顧問契約であれば、税務面でサポートを受けられるため、便利ではあります。しかし、決算及び確定申告のみ代行してもらうこともできるため、設立当初は顧問契約にあまり必要性を感じられないこともあります。
設立後、必要に応じて顧問契約を結ぶこともできますので、設立当初からの必要性を感じないのであれば、顧問契約のない代行業者を選んだほうが良いこともあります。
アフターサポートはどうか
「法的に問題ないように定款変更したいけど、どうすれば良い?」「資金調達の方法はどこに相談すれば良い?」など、会社設立後も専門家の知識が必要な問題に直面することがあります。その都度専門家への依頼を考えるのも大変ですので、会社設立後の定款変更の相談ができるかどうかなど、業者選択の際はアフターサポートがどうなっているかも確認しておくと良いでしょう。
マネーフォワード クラウドなら自分で簡単に会社設立ができる!
会社設立のための定款作成や登記申請は、専門家などに代行を依頼できます。自分ですべて行うとなると時間も手間もかかりますので、必要に応じて代行の利用を検討してみましょう。
会社設立の代行以外なら「マネーフォワード クラウド会社設立」のサービスを利用する方法もあります。代行ではなく、自分で書類を作成するサービスになりますが、フォーム入力で作成できるため、自分でも簡単に会社設立ができます。利用料金は無料です。
電子定款作成の代行(料金は5,000円、マネーフォワード クラウドの有料契約をする場合は無料)のサービスがあるほか、経営に必要なサービスをお得に利用できるなど登録後のサービスも充実しています。コストを抑えつつ、自分の手で簡単に会社設立を進めたいなら、「マネーフォワード クラウド会社設立」の利用がおすすめです。
よくある質問
会社設立は代行してもらえる?
会社設立のサポートを行っている専門家に手続きを代行してもらえます。詳しくはこちらをご覧ください。
会社設立の代行はどこに依頼できる?
登記申請の専門家は司法書士ですが、ほかにも税理士や行政書士、会社設立代行業者などでサービスを提供しています。詳しくはこちらをご覧ください。
0円の会社設立代行サービスとは?
会社設立代行手数料0円という意味で、一定期間の顧問契約など条件付きで0円になっているケースがほとんどです。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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