- 更新日 : 2024年7月2日
会社設立に必要な「発起人」とは?意味や役割を解説!
会社には、取締役、監査役、会計参与、執行役などの役割を持った人がいます。これらはまとめて株式会社の機関と呼ばれますが、それとは別に、会社には「発起人」が存在します。発起人は、会社設立の場面でしか登場しませんが、発起人なくして会社の設立は不可能です。今回は、発起人の役割や、どういった人がなれるのかなどを解説していきます。
※「マネーフォワード クラウド会社設立」では、出資者および役員に未成年を含む会社の設立は対応しておりません。
目次
会社設立登記における発起人とは?
発起人とは、実質的には「会社を設立する人」であり、法律的には発起人として「定款に署名または記名押印した人」です。
株式会社の発起人と株主の違いは?
発起人は、会社が成立するまでの役割であり、会社成立後は株主という立場になるわけですが、もともとの発起人であることには変わりありません。一方、株主は会社への出資者であり、もとの発起人が株主になることはあっても、発起人でなかった株主が、後から発起人になることはありません。
発起人と役員の違いは?
発起人と役員の違いを押さえておきましょう。
発起人とは、会社の設立を検討して具体的な手続きを行う人のことです。設立に必要な資金を出資し、会社設立後は株主となります。
役員は、設立された会社の運営、管理を行う人です。会社設立時には発起人が役員を選出します。発起人自らが役員になることも可能です。
なお、株式会社の役員について、会社法では以下のような役職の人とされています。
- 取締役
- 会計参与
- 監査役
発起人と取締役の違いは?
発起人は、あくまでも会社が成立するまでの手続きを行う人であり、取締役は会社成立後に会社が利益を上げられるように経営していく人です。もちろん、発起人が会社成立後に取締役となることも可能で、小規模な会社ではそういったケースもよくあります。
会社設立登記における発起人の役割とは?
発起人には以下のようなさまざまな役割があります。
- 定款の作成
定款には、商号や本店所在地、事業内容などを記載しなければなりません。これらを決定するのは発起人の役割です。
- 出資
発起人は、最低1株以上の株式を引き受けなければならず、その株式と引き換えに負担部分について出資をしなければなりません。
- 設立時取締役の選任
発起人は、各人が持つ総議決権の過半数をもって会社設立時の取締役を決めます。監査役を設置する会社であれば、同様に監査役も決めます。法律上は、この取締役等役員の選任をもって発起人の役割は終了し、これ以後の手続きは選任された取締役が行います。
発起人は必ず1株以上の株式を引き受けていますので、会社成立後は株主になります。
会社設立登記における発起人の責任とは?
発起人は、なすべき役割とともに、以下のような一定の責任を負っています。
- 払込みが仮装された場合や、現物出資の財産が定款に記載された価額に著しく不足する場合には、その不足分を支払う義務を負います。
- 会社の設立手続きについて、発起人が自分の役割を怠り会社に損害を与えた場合には、その損害を賠償する責任を負います。
- 会社が成立しなかった場合、設立に関する行為について責任を負い、支出した費用を負担しなければなりません。
なお、会社成立後、総株主の同意があれば、以上の責任を免除することができます。
会社設立登記における発起人の決定方法は?
発起人は自由に決めることができます。資格なども必要なく、自然人のほか、法人も発起人になることができます。ただし、注意点もあるので確認しておきましょう。
発起人に資格は必要?
外国籍の人はもちろん、未成年者でもなれますし、極端に言えば一度自己破産した人でも発起人になることができます。ただし、定款認証の際に、公証役場へ発起人全員の印鑑証明書を提出する必要があるため、印鑑登録が認められていない15歳未満の未成年者は、発起人になることができません。
発起人の人数は?
発起人は1人でも複数でもよく、何人までという上限もありません。発起人1人だけの資金で会社を設立する場合、定款の内容を思うように決められるうえ、会社成立後は1人株主となり、自分の思うように経営することができます。一方、発起人が複数いれば、出資者が多い分、事業開始後の運転資金が豊富で、設備投資や事業拡大なども行いやすくなるでしょう。
法人も発起人になれる?
法人も発起人になることができますが、会社の目的の部分については注意が必要です。
会社は定款に記載された目的の範囲内でしか権利能力が認められていません。例えば、A社の目的が「不動産の賃貸・管理」で、新たに設立するB社の目的が「食料品の販売」だとします。
「不動産の賃貸・管理」と「食料品の販売」は事業内容として関連性がないので、A社がB社の発起人になるのは、法人としての権利能力の範囲外となり、認められません。
このような場合には、B社の目的に「不動産の賃貸・管理」を書き加えることによって、A社とB社に関連性を持たせてから、定款の認証を行う方法があります。また、定款作成や認証などの「発起行為」も当該法人の目的の範囲内になっていなければなりません。
発起人が複数いる場合の注意点は?
上記のとおり、発起人の人数が多い方が資金面においてはメリットが大きいのですが、「意見がまとまらない」「出資が予定どおりに進まない」など、人数が多いゆえのデメリットもあります。資金を多く調達したいという気持ちは理解できますが、まずは確実に理解し合える少人数で出発するのがおすすめです。
発起人の役割や責任を理解して会社設立登記をしましょう!
以上、発起人の役割や責任などについてご説明してきました。発起人はあくまでも会社が成立するまでの存在ではありますが、会社がうまく滑り出せるかどうかは、発起人が滞りなく設立手続きを行えるかどうかにかかっています。
発起人には多くの役割と重い責任がありますので、そのことを十分に理解したうえで手続きを行いましょう。
よくある質問
会社設立登記における発起人とは?
発起人とは、実質的には「会社を設立する人」であり、法律的には発起人として「定款に署名または記名押印した人」です。詳しくはこちらをご覧ください。詳しくはこちらをご覧ください。
会社設立登記における発起人の役割は?
定款の作成や出資、設立時取締役の選任などの役割があります。詳しくはこちらをご覧ください。 詳しくはこちらをご覧ください。
発起人に資格は必要?
発起人は自由に決めることができます。ただし、15歳未満の未成年者は発起人になることができません。詳しくはこちらをご覧ください。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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