• 更新日 : 2022年9月16日

株主名簿とは?記載事項や作成方法と必要になる場面について解説!

株主名簿とは?記載事項や作成方法、必要となる場面についても解説!

株主名簿とは、会社設立時に作成するもので、株主の情報をまとめた書類です。会社法で作成が義務付けられており、作成して企業に保管するだけでなく、税務署に法人設立届出書を提出する際にも必要です。株主等の閲覧謄写請求に対応するため、作成するだけでなく定期的に更新する必要もあります。

本記事では、株式名簿が必要なタイミングや書き方、株券番号や金額、質権に関する情報などの記載事項や、保管方法などについて解説します。会社設立に向けて準備している方は必見です。

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株主名簿とは?

株主名簿とは、各株主の情報を記載した書類のことです。会社法に基づき、すべての株式会社が作成する義務を負います。株式名簿は、設立時に作成が必須であり、法人設立届出書を提出する際にも一緒に提出する必要がある書類です。

株式名簿は、譲渡や相続などで株式が移動した場合、名簿の情報も適宜更新する必要があります。株式名簿を適正に整備しない場合、会社法第976条に基づいて100万円以下の過料が科される可能性があるため注意しましょう。

登記の変更申請に必要な株主リストの違いは?

株主リストは、法人・商業登記を利用した違反や犯罪を防ぐために、作成が義務付けられているものです。犯罪や違法行為の未然防止のために作成が義務付けられている書類で、株主名簿と同じように株主の情報を記載します。株式リストは、登記申請や変更申請の際に必要です。

株主リストと株主名簿の違いとして、株主リストには議決権数の記載が必須(場合によっては議決権割合も)であることが挙げられます。また、株主リストは、登記申請時、株主総会の議事録とともに提出が必要です。

株主名簿記載事項証明書の違いは?

株主名簿記載事項証明書は、株券不発行会社で株券の譲受を行う際に必要な書類です。株主名簿記載事項説明書には、株主名簿の情報が記載され、さらに代表取締役(あるいは代表執行役)の署名・記名押印が記されます。株主は、企業に株主名簿記載事項証明書の発行を依頼でき、株主名簿記載事項証明書によって、譲渡する側が株券所有者であることを証明できるのです。

株主名簿が必要となる場面は?

株主名簿は、会社設立時に作成して会社に据え置くものと、法人設立届出書を提出する際に添付するものの2パターンがあります。株主名簿が必要となる場面は以下のとおりです。

  • 税務署に法人設立届出書を提出するとき
  • 株主等から閲覧謄写請求があったとき
  • その他株主の特定が必要なとき

それぞれの場面について、以下で詳しく解説します。

税務署に法人設立届出書を提出するとき

会社設立日から2ヶ月以内に提出する法人設立届出書には、株主名簿の添付も必要です。こちらは税務署に提出するため、会社に据え置くものとは別で作成する必要があります。設立日から2ヶ月以内という期限があるため、会社を設立した際は忘れずに作成するようにしましょう。また、ここで提出する株式名簿には、株式の金額や役職など、固有の記載事項が定められているため注意が必要です。

株主等から閲覧謄写請求があったとき

会社法第125条2項では「株主や債権者は、正当な理由に基づき、株式会社の営業時間中ならいつでも株主名簿の閲覧謄写を請求できる」と定められています。請求があり、その理由が正当であると判断される場合は、速やかに対応することが義務付けられているのです。その際、株式名簿が必要になります。

なお、会社が閲覧謄写請求を拒絶できる事由は、以下のとおりです。

  • 請求者が権利の確保または行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき
  • 請求者が株式会社の業務の遂行を妨げ、または株主の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき
  • 株主名簿の閲覧または謄写によって知り得た事実を、利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき
  • 過去2年以内において、株主名簿の閲覧または謄写によって知り得た事実を、利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき

逆に、これらの事由に該当しない場合は、株主や債権者からの閲覧謄写請求に応じる必要があります。

そのほか株主の特定が必要なとき

株主総会の招集通知や株主が権利を行使する際など、株主の特定が必要な場合も株主名簿を利用します。特に、株主総会を開催する際は、名簿に記載されている人物全員招集をかけるため、株主名簿が必要です。また、株主が権利行使を求めている際は、その人物が本当に株主であるかを確認する必要があります。このように、株主の特定が必要な場面は複数あり、その際に株主名簿が使われるのです。

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株主名簿の記載事項・書き方は?

株主名簿には、以下のような事項を記載します。

  • 株主の氏名または名称および住所
  • 株主の有する株式の種類と数
  • 株主が株式を取得した日
  • 株券の番号(株券発行会社の場合に限る)
  • 質権者の氏名または名称および住所(株式に質権を設定している場合)
  • 質権の目的である株式の数(株式に質権を設定している場合)

株式名簿には規定のフォーマットは用意されていません。必要事項さえ記載すれば、独自のフォーマットで作成できます。以下の記載例を参考にしてください。

株式会社〇〇 株主名簿

氏名または名称住所株式種類株券番号株式取得日株式の数備考
〇〇〜〜〜普通株式20XX年X月X日
200株
株券不発行
△△〜〜〜普通株式20XX年X月X日
200株
株券不発行
××〜〜〜普通株式20XX年X月X日
100株
株券不発行
合計
500株

20XX年X月X日
上記の株主名簿に間違いはない。
株式会社〇〇 代表取締役社長 〇〇

株式数と株式の種類は重要

株主名簿では、株主ごとに保有株式数を記載します。また、株式には、普通株式以外に優先株や劣後株といった種類株式が存在します。「第1種優先株式100株」のように、種類別の株式数を記載することが必要です。株式数と株式の種類について記載することで、どの株主がどの株式をどのくらい持っているのかが、明らかになります。

株券発行会社の場合は株券番号、不発行の場合はその旨を記載

株券を実際に発行している株券発行会社の場合は、株券番号を明記する必要があります。また、株券不発行の場合は、備考に「株券不発行」と記載しましょう。なお、2006年の会社法改正で、日本では株権不発行会社が原則になりました。株券を発行しているのは、定款に株券発行会社である旨を記載している企業のみなので、基本的には「株券不発行」と記載する、と理解しても問題ありません。

株式に質権を設定している場合は要注意

会社法第146条では、有する株式に質権を設定できる、と定められています。質権とは、債権者が債務者に対して設定する担保物権のことで、債務を返済できなかった場合に売却し、売却価額から債務を返済するものです。株式に質権を設定している場合は、質権者の氏名や住所、質権を設定している株式の数を名簿に記載しましょう。

法人設立届出書に添付する株主名簿には、金額や役職名・間柄も記載

会社設立時に作成して会社に保管しておく株主名簿と、設立後に法人設立届出書に添付して提出する株主名簿は、記載事項が若干異なります。後者には、保有株式数だけでなく株式の金額も記載する必要があるので注意しましょう。また、「代表取締役」や「取締役」といった役職名や、役員・ほかの株主との間柄についても明記することが定められています。

株主名簿を作成しないとどうなる?

前述のとおり、株主名簿は、会社の規模や業態にかかわらず、どの会社も会社法に基づいて作成が義務づけられている書類です。一人会社であっても作成が必須なので、注意してください。株式名簿未作成の場合、会社法第976条にもとづき「100万円以下の過料」が課せられる可能性があります。また、後述のとおり株式名簿には更新が必要です。更新を怠った場合も、ペナルティが課される場合や、企業としての信頼を失う可能性があるため注意しましょう。

株主名簿を更新するタイミングは?

株主名簿は、作って終わりではありません。株式の相続や譲渡など、変更があった場合は、それに合わせて株主名簿の情報を更新する必要があります。主に、以下のタイミングで速やかに更新しましょう。

  • 株主の住所に変更があった場合
  • 株式の相続・譲渡で移動が生じた場合

株式名簿や、株主や債権者からいつ開示依頼があっても対応できるよう、情報を最新の状態にしておくことが求められるのです。

株主名簿の管理方法は?

株主名簿の管理方法には、以下の2通りがあります。

  • 企業の本店に保管する
  • 管理人や管理会社の営業所に保管する

株式名簿は、原則企業の本店に据え置くことで、開示請求があった際に速やかに対応できるようにしましょう。また、管理者を別途定めることで、管理人や管理会社の営業所に保管もできます。株式の売買が盛んな上場企業の場合は、後者が一般的です。

企業の本店に保管する

株式名簿の管理方法は会社法第125条で定められており、原則企業の本店に保管しましょう。株主名簿は、株主や債権者から閲覧・コピーなどの請求があった場合、その理由が正当なら迅速に対応する必要があるからです。そのため、本店に保管することが求められます。

管理人や管理会社の営業所にも保管できる

株主名簿の管理者を別途定めている場合は、管理人や管理会社の営業所に保管することも可能です。特に、株式の売買が盛んに行われ、株主や株式数が日常的に変動するような上場企業の株式名簿は、株式振替制度のもと、証券会社などの口座管理機関を通じて保管します。

株主名簿には会社法で決められた内容を正しく記載しましょう

本記事では、株式名簿とは何かについて、株式名簿が必要なタイミングや書き方、記載事項や保管方法などについて解説しました。株式名簿は、会社法ですべての企業において作成が義務付けられている重要な書類です。株主名簿には、記載事項や保管方法などが定められており、会社設立時に提出し、保管する必要があります。また、適切なタイミングで情報を更新することも理解しておきましょう。

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よくある質問

株主名簿とは何?

株主名簿とは、各株主の情報を記載した書類です。会社法に基づき、すべての株式会社が作成する義務を負います。会社設立時に作成して据え置くだけでなく、法人設立届出書を提出する際にも添付する必要があります。詳しくはこちらをご覧ください。

株主名簿には何を記載する?

株主の氏名や住所などの情報や、株式の種類・保有株式数、取得日などを記載します。株券発行会社の場合は、株券の番号も必要です。また、株主が質権を設定している場合は、質権者の情報や株式数を記載します。詳しくはこちらをご覧ください。

株式名簿はいつ必要?

株式名簿は設立時に作成して会社に保管する必要があります。そのほか、税務署に法人設立届出書を提出する際添付が必要です。また、閲覧謄写請求があったときや、株主の特定が必要なときにも使用します。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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