• 作成日 : 2023年4月7日

セラピストとして独立開業するには?方法・手順をわかりやすく解説!

セラピストとして独立開業するには?方法・手順をわかりやすく解説!

セラピストは、広義では知識やスキルを用いて心身を癒す仕事を指します。資格が必要なものからそうでないものまで、セラピストの仕事はさまざまです。

セラピストとして独立開業した場合どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。どういった手順で起業するのか、確定申告関係はどうなるのかなど、セラピストの開業全般について紹介します。

セラピストの仕事内容・年収は?

セラピストとは、知識やスキルにより治療を行ったり、心身を癒したりする職業をいいます。セラピストは、国家資格が必要なものと、国家資格が必要でないものの2つに大別できます。

国家資格が必要なセラピストは、あん摩やマッサージにより治療を行う「あん摩マッサージ指圧師」、ツボを刺激して治療を行う「はり師」「きゅう師」などです。

国家資格が必要ないものには、エッセンシャルオイルを使用する「アロマセラピスト」、美容器具などを使用する「エステティシャン」、足ツボを刺激する「リフレクソロジスト」などがあります。狭義には、このようなリラクゼーション系のみを指してセラピストということもあります。

セラピストにはさまざまな種類がありますので、その仕事内容もさまざまです。リラクゼーション系の場合は、顧客に施術用のベッドに横になってもらったり、椅子に腰かけてもらったりして、独自の施術メニューを行います。

年収の目安はセラピストの仕事の種類によっても異なりますが、300~400万円程度が目安です。独立開業したセラピストの中には、年収1000万円を超えるような人もいます。

セラピストとして独立開業するメリットは?

セラピストが独立開業する主なメリットは、独自のサービスを展開できること、成功すれば収入を伸ばせることです。

オリジナリティーのあるサービスを提供できる

サロン所属のセラピストの場合、サロンの提供するメニューに従ってサービスを提供しなければなりません。自分でメニューを決められる自由度はほとんどないため、独自性は生まれにくいといえます。

その点、自分でサロンを開業すれば、独自のメニューを取り入れることができ、施術料金や施術時間の自由度も高くなります。サロンの独自性が顧客にマッチすれば、リピーター獲得にもつながるでしょう。

成功すれば収入を伸ばせる

一部業績連動で従業員にインセンティブを支払うようなサロンもありますが、セラピストとしてサロンに勤務する場合は給与が固定されていることが多いでしょう。

その点、独立開業すれば仕事を受けた分だけ収入につながりますので、成功すれば収入を大きく伸ばすこともできます。集客やサービス次第で収入が上がる可能性があり、モチベーションを上げられるのもセラピストとして独立開業するメリットです。

セラピストとして独立開業するデメリットは?

セラピストが独立開業するデメリットは、一から集客してリピート客を増やしていく必要があること、セラピスト以外の業務にも時間を取られるようになることです。

顧客がつくまでに時間がかかる

独立開業した場合、自分で集客し顧客を獲得していかなくてはなりません。サロンを気に入ってリピートしてくれるようになる顧客もいますが、リピート客を増やすにはそれなりに時間がかかります。

開業から事業を軌道に乗せるまでに売上が不安定な時期が続き、生活に影響することもあるでしょう。事業や集客の計画がうまくできていないと、開業後にきつい時期が続く可能性があります。

セラピー以外の業務にも時間がかかる

スタッフとしてサロンに勤務していれば、セラピストとしての仕事に注力するだけで済むでしょう。しかし、独立開業するとサロンとして経営していかなければならないため、セラピストの仕事に加え、経営に関わる仕事や雑務も増えます。

毎年の所得や税額を申告する確定申告も行わなくてはならないため、帳簿の作成などの業務も増えますし、予約受付などの雑務も行わなくてはなりません。スタッフを雇用して業務負担を分散させることもできますが、一人で開業する場合は基本的に全ての業務を一人で行わなくてはなりません。

セラピストとして独立開業する方法・手順は?

セラピストとして独立開業するために、次のような流れで開業準備を進めていきます。

資格を取得する

セラピストの種類によっては、あん摩マッサージ指圧師などのように国家資格がないと仕事ができないものもあります。国家資格が必要な場合は、専門の大学や養成学校に通学するなどして資格取得を目指しましょう。

アロマセラピストなどは、業務を行う上で資格は必須ではありません。ただし、資格もスキルもほとんどない状態で開業すると、セラピストとして一定以上のサービスを提供できず顧客を思うように得られない可能性があります。

顧客に利用してもらいやすい状況にするためにも、信頼される資格を取得しておくのが望ましいでしょう。

資格によっては、指定の講習を受けたり、認定スクールで指定のプログラムを修了したりすることが条件になっていることもあります。取得までに時間がかかることもありますので、現在の仕事と並行してスクールに通うなど時間を無駄なく活用してください。

なお、知識だけではなく技術もセラピストとして独立開業するためには重要なものです。サロンに勤務して経験を積むなど開業前にセラピストとしての技術を磨いておきましょう。

サロンの場所を決める

次に、サロンを開業する場所を決めていきます。セラピストの独立開業の方法として主に考えられるのが、自宅の一部を改装してサロンにする方法とテナント契約で店舗を借りて開業する方法です。自宅と店舗のどちらを選択するべきかは後述します。

資金を調達する

開業にあたり、店舗を借りたり、サロンを運営するために必要な機器をそろえたりするために、多額の資金が必要になる可能性があります。自己資金だけでは不足する場合もありますので、資金調達の方法も検討して準備を進めていきましょう。

代表的な資金調達の方法は、日本政策金融公庫の創業融資の利用です。新たに事業を開始する人などを対象にした融資で、要件を満たすことで必要な額の融資を受けられる可能性があります。

ほかにも、自治体による制度融資や民間の金融機関から融資を受ける方法、ビジネスローンを利用する方法、クラウドファンディングを活用する方法などがあります。

必要な機材をそろえる

サロンを開業するには施術に使用する機材をそろえなくてはなりません。どのような機材が必要かはセラピーの種類で変わってきます。施術用のベッドや待合室用のソファなど、必要な機材や備品を一つひとつ洗い出してリストアップし購入を進め、開業までに漏れがないように準備を進めていきましょう。

必要に応じてスタッフを雇用する

セラピストとして一人で開業することもできますが、一人だとどうしても業務負担が大きくなります。テナントとして出店する場合は、同じビルのほかのテナントに合わせて、営業時間を長くすることもあります。その場合は人手が必要になるかもしれません。

開業時点でスタッフを雇用する可能性があるときは、開店準備に並行してスタッフの雇用や雇用に関連する手続き(労働保険や社会保険の加入など)も進めていきます。従業員を雇うのではなく、業務委託契約でフリーのセラピストに仕事を委託する方法もあります。

セラピストとして独立開業した後に必要な手続きは?

セラピストとして独立開業した後は、開業届を提出し、毎年行う確定申告に向けた準備を進める必要があります。

開業届を提出する

税務署に提出する「個人事業の開業・廃業等届出書」を一般的に「開業届」といいます。個人が開業したことを税務署に知らせるための書類です。

開業届は事業開始の日から1カ月以内に提出することとなっていますので、サロンを開業したら早めに管轄の税務署に提出しましょう。

なお、開業届を提出することによって、屋号で銀行口座の作成ができたり、創業融資の審査を受ける際に必要書類として提出できたりといったメリットがあります。

開業届のほかに、都道府県に事業の開始を知らせる「個人事業開始申告書」という書類もありますので、こちらも忘れずに都道府県税事務所の窓口に提出しておきましょう。

確定申告の準備をする

原則として、その年の所得に対して納付すべき所得税額がある場合、セラピストとしてサロンを営む個人事業主は確定申告をしなければなりません。

一方、納付すべき所得税額がない場合、つまり事業が赤字の場合や所得金額所得控除額の合計額(基礎控除社会保険料控除など)を下回る場合は、サロンを経営する個人事業主であっても確定申告の義務がないことになります。

しかし、確定申告の義務がない年であっても、サロン経営などで事業所得がある人は、記帳・帳簿などの保存制度により帳簿書類を保存しておかなくてはなりません。

確定申告の際にも、事業所得を計算する必要がありますので、日々の取引を帳簿類に記録しておくことは重要です。会計ソフトを利用するなどして、確定申告に向けて日々の取引の記帳をしましょう。

セラピストとして独立開業するなら自宅と店舗のどっち?

自宅の一部を改装して独立開業するか、店舗を借りて独立開業するか。結論からいうと、どちらを選択すればよいかは目的やサロンのコンセプトで変わってきます。

まず、自宅を改装して独立開業する場合です。自宅での開業は必要な開業資金を抑えられるほか、自宅にいながら仕事ができるため育児や介護などと両立しやすいメリットがあります。

プライベートサロンにするなど、顧客との距離を縮めやすいのもポイントです。自宅開業はコストを抑えて開業したい人、家庭との両立を重視したい人に向いているでしょう。

テナントは商業ビルなど利用者が多いエリアに出店しやすいことから、集客を有利に行える可能性があります。また、自宅サロンと比べてブランドを打ち出しやすいこともメリットです。サロンとしてのブランド力を上げることで、事業の拡大を検討している人などに向いています。

セラピストとして独立開業後に失敗しないポイントは?

知識や技術を身につけておく

セラピストとしての知識や技術力は強みになります。顧客の悩みに寄り添えることが第一ではありますが、そこに説得力を持たせるためにも、開業前に必要な知識や技術は身につけておきましょう。

開業後も新たに資格を取得するなど、知識や技術を磨いていくことも大切です。新たに習得した技術をメニューに追加することで、顧客満足度を上げていくことができます。

スモールスタートで始める

はじめから大きな店舗を借りて事業をスタートすると、開業資金やランニングコストも多額になりますので、失敗したときのリスクも大きくなります。そのためスモールスタートで始めるのも方法の一つです。サロンをシェアできるシェアサロンサービスなどもありますので、うまく活用してみるとよいでしょう。

モニターを活用して開業する

利用者の率直な意見を聞く機会を設けることは、失敗を防ぐためにも必要です。開業前にモニターになってくれる人を募集して、施術や店の雰囲気に関する意見や感想をもらいましょう。開業前にモニターの意見も参考にしながら軌道修正を図ることで、失敗を最小限に抑えられます。

セラピストとして独立開業する準備をしよう

セラピストの独立開業には課題もありますが、サロン勤務よりも収入を大きく伸ばせる可能性があるなどのメリットもあります。独立開業することを決めたら、物件を探したり、資金調達を行ったり、開業に向けた準備を進めていきましょう。
開業後は確定申告も必要になりますので、スムーズに申告できるように記帳しやすい環境も整えておくとよいでしょう。

よくある質問

セラピストとして独立開業するには?

必要またはあった方が良い資格を取得した上でサロンの場所を決め、資金調達を行って、必要な機材の購入や人材雇用など開業に必要な準備を済ませて独立開業します。詳しくはこちらをご覧ください。

セラピストとして独立開業した後に必要な手続きは?

開業届を提出した後、毎年の確定申告に向けた準備を進めていきます。詳しくはこちらをご覧ください。


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