• 更新日 : 2024年1月9日

訪問看護の事業計画書の書き方!テンプレートや記入例を基に解説

訪問看護の事業計画書の書き方!テンプレートや記入例を基に解説

訪問看護ステーションを開業する際、金融機関から資金を融資してもらうためには「事業計画書」の作成が求められます。事業計画書には創業の動機・目的、経営者の職歴・事業実績などを記入する項目があり、開業に対する想いや背景を交えて書くことが大切です。この記事では、訪問看護ステーションの開業を考えている方に向けて、事業計画書の書き方を紹介します。

訪問看護の開業に事業計画書が必要な理由

訪問看護ステーション(訪問看護事業所)を開業するときは、事前に事業計画書を作成する必要があります。事業計画書は創業計画書とも呼び、事業のターゲットやサービス内容、掲げるコンセプト、想定される利益や経費などを盛り込んだ書類のことです。医師の指示を踏まえて、患者ごとに作成する訪問看護計画書とは異なり、事業全体について記載します。

事業計画書を作成する目的は、主に下記の3つです。

  • 事業として成り立つか客観的に確認するため
  • 金融機関から必要な資金を融資してもらうため
  • 指定申請書の提出時に添付するため

事業計画書には、収支計画や売上・経費の算出根拠なども記載します。市場調査の結果や実際の金額・料率といった客観的な数値を参考に記載するため、計画しているサービスが事業として成り立つのか見通しを立てるときに役立ちます。

開業にともなう資金調達を行うときも、事業計画書が必要です。金融機関は、事業主に滞りなく返済できる能力や計画があるかを確認した上で融資の可否を判断します。申し込み時の必要書類には事業計画書も含まれており、「高齢者の多い地域だからニーズがあるはず」など漠然とした理由のみでは融資を受けられません。

訪問看護ステーションの場合、上記2つに加えて事業ならではの目的として、指定申請書を提出時に添付することが挙げられます。訪問看護サービスを提供する事業所を創業するときは、介護保険法や健康保険法にもとづいた指定を受けることとなります。

出典:厚生労働省「指定訪問看護の事業を行う事業所に係る健康保険法第88条第1項の規定に基づく指定等の取扱いについて」

指定申請時は添付書類の1つとして、事業計画書が必要です。

訪問看護向け事業計画書のひな形、テンプレート

事業計画書は、作成する業種ごとに書き方のポイントが異なります。抜け漏れなく必要事項を記載するためには、1から自力で作成するのではなく、ひな形・テンプレートの活用がおすすめです。

訪問看護ステーション向けの事業計画書のひな形・テンプレートを、記入例とともに下記のページで無料公開しているので、ぜひ参考にしてください。

訪問看護の事業計画書の書き方・記入例

事業計画書の良し悪しは、訪問看護ステーションの開業に大きく影響します。金融機関が問題なく返済できると判断でき、行政が事業者として指定できると言える書類を作成しましょう。

どのようなポイントに注意して作成すべきか、ここでは訪問看護の事業計画書について具体的な書き方や記入例を紹介します。

創業の動機・目的

訪問看護ステーションを開業したいと思った理由や、サービス創業に至る動機や目的を記載する欄です。動機や目的を淡々と記載するのではなく、開業に対する想いや背景を交えて肉付けすると訴えたいことが伝わりやすくなります。

たとえば「近隣には通所・通院が困難な高齢者が多いにもかかわらず、訪問看護を行っている事業所やクリニックが少ない」など実体験を含めた書き方もおすすめです。訪問看護は高齢者以外の年齢層も対象となるため、事業内容によっては子どもに関する動機や目的を盛り込む書き方も検討しましょう。

経営者の職歴・事業実績

訪問看護ステーションを経営する人物のプロフィールや、過去の実績を記載する欄です。経営者のプロフィールは、事業内容との関連性や、どのような経験を経て開業に至ったのかを確認するために活用されます。記載する内容は、すべてを取り上げるのではなく、創業する事業に関連するものを中心に選ぶことが大切です。

前述の事業所を立ち上げる動機や目的が前職の経験と関連するものであれば、説得力が増します。看護師など、訪問看護に生かせる資格を取得している場合は、あわせて記載します。

取扱商品・サービス

事業所がどのようなサービスを提供するのか、具体的に記載する欄です。まずは事業内容として、訪問看護事業と記載します。

書類を確認する各機関の担当者に詳しい内容が伝わるように、補足情報を加えましょう。たとえば事業所ならではのサービスやセールスポイントは、必ず記載すべき部分です。地域の競合にも触れつつ、想定する顧客はどのような事情を抱える層か、提供するサービスは何か、具体的な経営戦略を追記します。

取引先・取引関係

どのような取引先があるのか、収益はいつ得られるのかを記載する欄です。訪問看護の主な取引先は、利用者にあたる個人に加えて介護保険と医療保険が挙げられます。

取引先情報もほかの記入欄と同じく、詳しく記載することが大切です。介護保険や医療保険の例で挙げると、自己負担・介護報酬・診療報酬の3つがいつ回収できるのかを記載できます。回収できる資金の割合や時期は、人件費の支払いにも影響します。従業員の給与の締め日や支払日も、取引先・取引関係の欄に記載しましょう。

従業員

訪問看護ステーションを円滑に運営するためには、訪問看護師や事務スタッフなど従業員を確保する必要があります。総数ではなく、どのような職種の人材を何名雇い入れるのか詳しく記載します。どのような資格の保有者を雇用するのかも、必要な情報です。

従業員の情報は、前述の取扱商品・サービス欄と整合性があるか確認されます。事業内容に適した人材や人数が記載されているかに加えて、資金の内訳とバランスが取れているかどうかも大切です。

借入の状況

事業計画書を提出する時点で、すでになんらかの借入金がある場合に記載する欄です。融資が通りやすくなるようにと故意に借入状況を誤魔化しても、審査の段階で発覚します。

審査時は個人信用情報機関を介して現在や過去の借入状況はもちろん、延滞や破産などマイナス面も調べられます。不必要に信用を落とさないように、借入状況は漏れなく記載しましょう。開業資金用に受けた融資のみならず、プライベートな借入金も対象です。

借り入れている金額のほか、目的や現在の残額、年間返済予定額も記載します。住宅や車のローンのみならず、消費者金融や親族・知人からの借金の記載も必要です。

必要な資金と調達方法

開業から安定的に収益を得られるようになるまでの間、何の用途でいくら資金が必要なのかを記載する欄です。事務所にかかる費用を挙げると、開業時は賃借料に加えて契約料や保証金、改装料などの初期費用が発生します。

資金を記載するときは、運転資金も忘れずに算出しましょう。経営が安定するまでは、運転資金から賃借料や人件費などを支払います。金融機関からの借入金はいくらか、自己資金をいくら用意できるかなど、資金の調達方法も併記します。

事業の見通し

借入金を計画通りに返済でき、事業として収益を出せることを説明するための記入欄です。借入金は、元本の返済に加えて利息の支払いが発生します。返済が円滑に行われるかを客観的に判断する材料として、創業年度と次年度以降の収支計画書や予算を作成しましょう。

事業運営の安定性を証明するためには、計画内容に対して根拠のある数値を記載することが大切です。事業開始後は実績値と比較して、経営改善に役立てる資料にもなります。

事業計画書の事業(利益)の見通しの考え方

融資を申し込むときに提出する事業計画書は、金融機関があらかじめ様式を指定している場合があります。決まった様式がある場合も、事業の見通しは別紙にて詳しい内容を用意しましょう。

事業計画書の事業の見通し部分は、利益に関する実現性や事業資金の妥当性を説明するための重要な資料です。売上計画と経費、どちらも信ぴょう性のある情報を記載することが大切です。

売上計画を記載するときは、可能な限り現実味のある売上予想を立てましょう。最低限、季節や曜日、月ごとの営業日数は考慮すべきポイントです。前職で看護に関係する業務経験がある場合、経験にもとづいて季節要因を予測すれば、訪問看護ステーションならではの売上計画が完成します。

経費は、下記の通り多くの名目で発生します。

  • 人件費
  • 事務所の賃借料
  • 借入金の返済額
  • 納税資金
  • その他の経費

注意点は、その他の経費にあたる費用です。事業計画書では、消耗品費、ガス代、電気代など項目ごとに分けて詳しく記載しましょう。項目を省略せず記載することで、見込める利益とのバランスや用途の正しさが各機関の担当者に伝わりやすくなります。

事業計画書に関する追加情報や、さらに詳しい書き方の説明は、下記の記事で解説しています。

訪問看護の開業に必要な事業計画書には具体的な内容を記載する

訪問看護ステーションを開業するには、金融機関から融資を受けるために事業計画書の作成が必要です。創業の動機や目的、取扱商品やサービス、取引先や取引関係、借入の状況、必要な資金と調達方法などの項目があるので、具体的な内容を記載しましょう。事業の見通しでは、計画内容に対して根拠のある数値を記載することが重要です。


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