- 作成日 : 2022年12月22日
日本人が台湾で起業するメリットは?ビザ更新の条件や成功事例も解説!
台湾には小籠包やパイナップルケーキなど日本人の口にも「おいしい」と感じられる人気グルメが多く存在していますね。最近では海外旅行先としてだけではなく、起業や経営を始めるのにふさわしい地としても注目されています。本記事では日本人が台湾で起業する条件や方法をはじめ、メリットやデメリット、ビザ更新の方法、成功事例など、起業をお考えの方に必要な情報を詳しくご紹介します。「海外で起業したい」とお考えの方はぜひご覧ください。
目次
日本人が台湾で起業するメリットは?
日本人が台湾で起業するとどのようなメリットがあるのでしょうか。それぞれのメリットについて詳しくご説明します。
法人税が圧倒的に低く経営に有利
日本で起業すると法人税として利益の約23%を納めなくてはいけませんが、台湾の法人税は20%と圧倒的に低いのが特徴です。経営者にとって、税金は安いに越したことはありませんし、長年会社を経営するとなれば法人税だけでもかなり高額になります。日本と台湾では約3%も税率が異なるため、経営には非常に有利な環境といえます。
日本に近い文化である
台湾は日本と近い文化である国としても知られています。日常の生活スタイルから、食文化、インフラ設備、公共交通機関の種類なども日本とよく似ているため、台湾人と日本人の思考や考え方までも近いところがあります。
欧米諸国は日本とは全く異なる文化のため、日本人が起業や経営を行うのはもちろん、留学などにおいても違和感を覚える場面があるかもしれません。
その点、台湾は日本と似た国民性や文化のため、あまり抵抗なく台湾で生活できるのではないでしょうか。日本人のアイデアや考え方が受け入れられやすいのも大きな魅力です。
ライバルが少なく戦いやすい
世界で生き残ろうとする気持ちは日本人をはじめ、どこの国の人でも持ち合わせていますが、台湾はまだまだ経済成長の途中段階であるため、勝負を仕掛ければライバルが少なく戦いやすいといえます。日本独自の技術や知識を武器にすれば台湾でうまく勝ち残る可能性があるでしょう。
日常生活も送りやすい
海外で起業するということは、同時に、その国で生活をするということでもあります。つまり「どれだけ日常生活を送りやすいか」によって、仕事の生産性や作業効率にも直結してきますが、台湾は日本人にとってかなり生活しやすい国の一つです。生活スタイルや食文化が似ているだけで、プライベートにおけるストレスを大幅に緩和されるでしょう。
コストが低くリーズナブル
どこの国で起業するにしても初期費用やランニングコストは必要不可欠ですが、台湾の魅力は物価の安さです。
例えば、たばこ1箱は200円、映画館の入場料は1,000円と日本のおよそ2分の1〜3分の1程度の物価となっているため、かかる費用を大幅に抑えられます。
親日国であるため商談や人材確保が容易
台湾の魅力はなんといっても親日国であるという点です。他の国で起業をすると「日本人」というだけで敬遠や警戒されるなど距離を取られてしまうことも少なくありません。台湾は、もともと日本人に対して友好的であるため、トラブルになることは比較的少ないでしょう。商談や人材確保もしやすく、スムーズに経営を進めることができます。
日本人が台湾で起業するデメリットは?
日本人が台湾で起業するとあらゆるメリットがあることがわかりましたが、一方でデメリットは存在するのでしょうか。
メリットとデメリットどちらも把握しておくことで想定外のトラブルを防ぐことができます。
ビザ更新の条件が厳しい
日本人が海外で起業をする際にはもちろん、生活をするにしてもビザが必要です。台湾では外国人経営者に対して独自のルールを設けています。それは、設立初年度から年間300万元(1,200万円)以上の売上がないとビザの更新ができないというものです。
ビザの更新ができなければ当然現地にとどまることはできませんし、ビザの有効期限が切れているにもかかわらず台湾に居座り続けた場合は不法滞在、いわゆる「オーバーステイ」になってしまいます。オーバーステイはもちろん違法で、摘発や強制送還の対象となります。
そうなれば起業や経営どころではなく、通常の生活を送ることも危うくなりますので、このような事態は絶対に避けなければなりません。つまり、ビザ更新を確実に受けられるよう初年度から1,200万円の売上を継続して達成できるよう、綿密に計画を立てておく必要があるのです。
仮に1,200万円の売上が達成できず、ビザ更新も不可能となってしまった場合、「現地にとどまらずに経営を続ければよいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そのようなやり方は不可能ではないものの、現地で取引している法人などから報酬を受け取ることができなくなるため、いずれにしても経営を続けることは難しいでしょう。起業前に細かいところまで入念に計画を立て、信頼できるネットワークやコミュニティーを構築しておくことが重要です。
自然災害が多い
これは台湾に限ったことではありませんが、現在どこの国でも温暖化などの影響により自然災害が多発しています。
日本でも地震や台風、大雨など大きな被害が起こることが多く、災害の規模によっては日常生活に支障をきたすことも珍しくありません。
台湾は日本に比べて同じくらいかそれ以上に自然災害が多いことで知られています。特に地震や台風の被害は大きくなりやすく、日本よりも脆弱で耐震性が低い建物も目立つため、起業をする際にはオフィスや作業場所にも気を配るべきでしょう。地震による津波の影響を受けづらい高いビルや、耐震性のある建物を選ぶと安心です。
少子高齢化が加速している
台湾では現在少子高齢化が加速しており、その進行度合いは日本を超えるといわれています。日本でも若年層が少なく高齢者が増加している現状がありますが、台湾の状況は日本よりもさらに深刻であるため、将来的な若年層への負担が懸念されます。
高齢者が増えると当然、国の医療費負担が大きくなり、その結果、健康保険料の引き上げやGDPへの影響もあるでしょう。少子高齢化を理由に台湾での起業を諦める必要はありませんが、国の情勢や経済動向は常に頭に入れておく必要があります。
日本人が台湾で起業する方法は?
日本人が台湾で起業するにはいくつか手順を踏む必要があります。以下から順番に見ていきましょう。
台湾法人の会社名(商号)と業務内容の仮申請
まずは使用したい会社名がすでに存在していないか、業務内容に問題がないか仮審査を受ける必要があります。
業種によって異なりますが、最低でも50万元(約200万円)を用意しなければなりません。
外国法人設立許可申請
いわゆる外国人が台湾で法人となる場合に必要な許可を取得します。
就労ビザ取得
台湾で法人設立が認められると就労ビザの取得が可能になりますので、必ず取得してください。
資本金送金のための口座開設・送金
起業するためには資本金を海外送金することが必要となります。口座を開設した後に資本金を送金します。
資本金審査
定められた書類を添付し、資本金を送金すると政府による着金審査が行われます。
会社設立
資本金の着金が確認されると会社設立の公文書と登記簿を手に取ることができます。この時に各種保険申請や税樹番号申請が可能になります。
管轄国税局面談
会社が設立されると代表者が管轄国税局に面談に行き、自己紹介と事業内容の紹介を行います。問題がなければ業務を開始することができ、晴れて台湾でのビジネスライフのスタートとなります。
日本人が台湾で起業するために必要な費用は?
地域や業種問わず起業には多くの費用がかかりますが、台湾では以下の費用がかかります。
資本金
台湾では起業をしたり、会社を設立したりする場合には必ず資本金50万元以上を用意する必要があります。
オフィス賃料
事業を営むためには事務所となるオフィスが必要です。首都・台北市の信義区、中正区でレンタルオフィスが展開されています。
会社設立登記料
会社を設立したら登記や登録が必要ですが、日本円では17,000円ほどの費用がかかります。さらに、専門家にサポートしてもらう場合は、3〜6万円ほどの費用が加算されます。
法人税
台湾では法人税(営利事業所得税)として20%を支払う必要があります。
ビザ申請手数料
ビザ申請手数料は、日本にいる間にビザを取得すれば約7,000円です。
会社運営費用
現地で台湾人を雇用する場合、1人あたり約85,000円の給料を支払う必要があり、人件費が最も経費として大きくなります。
日本人が台湾で起業に成功した事例はある?
台湾で起業して成功している日本人のAさん。現在、大卒4、5年目くらいの給料をコンスタントに稼いでおり、不自由のない生活を送っています。日本では取引できないような日系の大企業や上場企業とのつながりができたことをはじめ、安いコストで経営が続けられるのも大きな魅力だそうです。
海外で起業するなら台湾も選択肢の一つ
海外での起業を考えているなら、コストが安く、治安もよい台湾を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。親日国である台湾だからこそ、商談や人材確保もスムーズに進み、円滑な経営を目指すことが十分に可能です。
よくある質問
日本人が台湾で起業するメリットは?
親日国であるため友好的な取引が可能である上、人件費やオフィス賃料などコストが安く、継続的な負担が少ない点が挙げられます。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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