• 更新日 : 2024年1月9日

資本金の額の計上に関する証明書とは?書き方・雛形を紹介

会社設立時に作成する書類には、さまざまなものがあります。資本金の額の計上に関する証明書も、会社設立時に代表取締役を務める人が作成する必要のある書類です。会社設立以外にも、作成が求められるケースがあります。この記事では、資本金の額の計上に関する証明書とは何か概要を説明しつつ、書き方・注意点を解説するため、ぜひ参考にしてください。

資本金の額の計上に関する証明書とは?

資本金の額の計上に関する証明書とは、資本金額が法律に則って計上されていることを示すために、法務局へ提出する書類の1つです。会社設立時に、代表取締役を務める者が作成する必要があります。

資本金の額の計上に関する証明書は、資本準備金の計上や現物出資を行う場合に、提出が求められます。資本金が1円などの少額の場合でも、資本準備金の計上や現物出資を行う場合は証明書が必要となるため注意が必要です。

ただし、会社設立時に出資する財産が金銭のみに限定される場合は、資本金の額の計上に関する証明書の提出が必要ありません。

資本金の額の計上に関する証明書が必要となるケース

資本金の額の計上に関する証明書が必要なケースの具体例として、次の4つを紹介します。

  • 株式会社の設立
  • 募集株式の発行
  • 新株予約権の行使
  • 組織再編行為

上記で解説したように、株式会社設立の際に債権や不動産による現物出資を行う場合は、証明書の作成が必要です。また、募集株式発行の登記申請手続きの際にも、当該証明書が求められます。募集株式の発行は、新株を発行するケースと自己株式を処分するケースに分類可能です。出資された財産の2分の1を限度に、資本金ではなく資本準備金への計上が認められています。

新株予約権の行使によって、増資を行った際にも証明書が求められます。ただし、新株予約権を行使しても資本金が増えない場合は、資本金の額の計上に関する証明書の提出は不要です。資本金が増えない具体例としては、自己株式を処分する場合が挙げられます。

さらに、吸収合併や新設合併などの組織再編行為によって、資本金の額が増えるケースもあります。合併対価として株式が交付され、資本金の額が増加した場合も、当該証明書の提出が必要です。

資本金の額の計上に関する証明書の書き方

資本金の額の計上に関する証明書を記載する際の書き方を解説します。次の枠内は、資本金の額の計上に関する証明書の記載例です。

資本金の額の計上に関する証明書

 

当会社の資本金の額は、下記の通り会社法及び会社法計算規則の規定により計上されたことを証明します。

 

①払込みを受けた金銭の額                      金〇〇円

(会社計算規則第14条第1項第1号)

②給付を受けた金銭以外の財産の給付があった日における当該財産の価額 金〇〇円

(会社計算規則第14条第1項第2号)注1

③資本金等増加限度額(①+②)                   金〇〇円
資本金の額〇〇円は、会社法445条及び会社計算規則第43条の規定に従って計上されたことに相違ないことを証明する。注2
令和◯年◯月◯日

東京都文京区千駄木◯丁目◯番◯号

〇〇株式会社

代表取締役〇〇〇〇     印(会社の実印を押印)

注1 出資をした者における帳簿価額を計上すべき場合(会社計算規則第14条第1項第2号イ、ロ)には、帳簿価額を記載する。

注2 資本金等増加限度額(③の額)の2分の1を超えない額を資本金として計上しないこととした場合は、その旨を上記証明書に記載するとともに、その額を決定したことを称する取締役会議事録等の添付を要する。

上記①の会社計算規則第43条第1項第1号に基づく「払込みを受けた金銭の額」には、発起人から金銭出資を受けた額の合計を記載します。

②の「給付を受けた金銭以外の財産の給付があった日における当該財産の価額」は、会社計算規則第43条1項第2号に基づく項目です。発起人からお金以外の不動産などで出資された金額の合計を記入します。さらに、③にはお金による出資である①と、お金以外による出資である②の合計額の記載が必要です。

最後に、払込証明書の日付と本店所在地、会社名を記載して会社実印を押印します。本店所在地は、省略しないで正確に記載する必要があります。会社名についても、定款に記載のある正式名称を記入する必要があるため、注意しましょう。

資本金の額の計上に関する証明書を書く際の注意点

現物出資の場合、資本金の額の計上に関する証明書の他にも、以下2つの書面を別途作成する必要があります。

  • 現物出資財産引継書
  • 調査報告書

また、現物出資の内容は必ず定款に組み込む必要があるため、注意しましょう。

資本金の額の計上に関する証明書のテンプレート

資本金の額の計上に関する証明書は、税理士などの専門家に作成を依頼する方法や、法務局が公表しているひな形を使って自分で作成する方法があります。

出典:法務局|資本金の額の計上に関する証明書

また、マネーフォワード クラウド会社設立でもテンプレートを用意しているので、ぜひご活用ください。(無料でダウンロード可能です)

正しく資本金の額の計上に関する証明書を作成しよう

株式会社の設立時や募集株式の発行時などには、資本金の額の計上に関する証明書の作成が必要です。法令で定められた内容・手続きにより、資本金の額の計上に関する証明書を記載する必要があります。公開されているテンプレートなどを使用して、正しく資本金の額の計上に関する証明書を作成しましょう。


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