登記申請の手順に関するまとめ

登記申請は、主に不動産・法人について行うものです。

自動車のような動産は引き渡すことによって所有権を主張
することができますが、不動産は「登記」という公示方法によって所有者を明示することになります。

ここでは登記申請の代表的な「不動産登記」と「商業・法人登記」について解説するとともに、登記申請手順も確認していきます。

不動産登記申請15種類と必要書類

不動産登記申請には代表的なものとして以下の15種類がありますが、ここではあまり馴染みのない、抵当権や根抵当権以外の登記申請について解説します。

1.土地地目変更登記申請
2.建物滅失登記申請
3.所有権保存登記申請
4.合筆登記申請
5.贈与による所有権移転登記申請
6.財産分与による所有権移転登記申請
7.売買による所有権移転登記申請
8.相続(法定相続)による所有権移転登記申請
9.相続(遺産分割)による所有権移転登記申請
10.相続(遺言)による所有権移転登記申請
11.登記名義人住所・氏名変更登記申請
12.抵当権登記設定登記申請
13.抵当権抹消登記申請
14.共同根抵当権設定登記申請
15.根抵当権抹消登記申請

1の土地地目変更登記申請は、土地の地目を農地から宅地へ変更する場合などに行うもので、添付書類には都道府県知事等からの許可書や農業委員会の現況証明書、都市計画法の規定による許可書などが必要となります。

2の建物滅失登記申請は、登記されている建物が滅失した場合に行う申請となり、建物を取り壊した工事請負人による「建物滅失証明書」が添付書類として必要となります。

3の所有権保存登記申請は、まだ誰も所有していない建物につき初めて所有権を主張する場合に行うもので、住民票が添付書類として必要となります。

4の合筆登記申請は、登記されている2筆以上の土地を合わせて1筆にする場合に行う申請です。土地の単位は「筆」となるため、合計する場合は「合筆」、分割する場合は「分筆」と表現します。

相互に接続していない土地や地目が異なる土地などは合筆することができない点で注意が必要です。合筆登記申請を行うためには、登記識別情報(又は登記済証)、印鑑証明書を添付書類として提出し、合筆登記申請を委任する場合は加えて代理権限証明情報が必要となります。

5の贈与による所有権移転登記申請は、土地や建物の贈与があった際に行う登記申請です。添付書類には、贈与者の登記識別情報(又は登記済証)、贈与契約書、印鑑証明書、住民票などが挙げられます。

6の財産分与による所有権移転登記申請は、離婚によって財産分与を行なった結果、土地または建物を所有することになった場合に行う登記申請です。添付書類として、登記義務者の登記識別情報(又は登記済証)、財産分与協議書、印鑑証明書、住民票などの提出が求められます。

7の売買による所有権移転登記申請は、売買によって土地や建物を取得した場合に行う登記申請です。3の所有権保存登記申請はまだ誰も所有していない建物に対して行われるのに対し、7の所有権移転登記申請は既に所有権につき登記してある土地や建物の所有権を移転登記する場合に行われるものです。

分譲マンションや分譲戸建て、分譲地などは原則として販売者などによって3の所有権保存登記された物件を、購入者が7の所有権移転登記を行うことによって所有権を移転させる手順をとります。

添付書類には原則として、登記義務者の登記識別情報(又は登記済証)、売買契約書、印鑑証明書、住民票が必要になります。

8、9、10の相続による所有権移転登記申請は、相続によって所有権が移転する場合に行なわれる登記申請となり、相続方法が法定相続か、遺産分割か、遺言によるものかによって添付する書類が異なります。

相続による所有権移転登記申請のすべてに必要な添付書類として、被相続人と相続人すべての戸籍謄本(相続人については戸籍抄本でもよい)と相続関係説明図が必要となります。遺産分割による所有権移転登記申請は上記書類に加えて「遺産分割協議書」の提出が、遺言による所有権移転登記申請は「遺言書」の提出が求められます。(他にも必要な添付書類はあります。)

遺言書には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類がありますが、自筆証書遺言に関しては家庭裁判所の検認手続きを受ける手順が加わります。

11の登記名義人住所・氏名変更登記申請は、婚姻等によって氏名が変更した場合や住所が移転した場合に行う変更の登記申請です。添付書類として住民票(氏名変更の場合には謄本等も必要です。)が必要となりますが、1通の住民票ですべての経緯が証明できない場合には戸籍の附票などの書類も提出する必要があります。

商業・法人登記申請の役割と具体的な登記申請11パターン

会社を設立するためには、商業登記法による商業・法人登記申請を行う必要があります。
会社設立の登記申請を行うことによって、株式会社が成立し、法人格が形成されます。
法人格が形成されることによって、株式引受人は株主としての権利を行使することができるようになるため、会社設立登記は会社の利害関係者にとって重要な意味を持ちます。

また、会社を設立するために行う登記申請以外にも、商号が変更になった場合の変更登記申請などがあります。

商業・法人登記申請を行う会社や法人として
・株式会社
・特例有限会社
・持分会社
・NPO法人
・一般社団法人
・一般財団法人
・その他の法人
・外国会社
があり、それぞれ申請用紙や添付書類に若干の違いはありますが、今回は株式会社について解説します。

株式会社の登記申請には、代表的なものとして以下の11種類があります。

1.株式会社設立登記申請
2.株式会社役員変更登記申請(新たに役員が就任した場合や役員の氏名等が変更した場合)
3.株式会社変更登記申請(商号変更、公告方法変更、目的変更、吸収合併、資本金の額が減少した場合等)
4.株式会社の組織変更の登記申請(株式会社から持分会社へ組織変更した場合)
5.合併による株式会社設立登記申請(新設合併)
6.合併による株式会社解散登記申請(合併により解散した場合)
7.株式会社本店移転登記申請
8.株式会社解散及び清算人選任登記申請
9.株式会社清算結了登記申請
10.株式会社継続登記申請(解散後に会社継続することになった場合)
11.株式会社支店設置登記申請

登記申請手順

登記申請に関する手順は、

1.申請書の作成と添付書類の用意
2.法務局へ提出

となります。

2の法務局へ提出する方法には、

・オンラインによる提出
・郵送による提出
・法務局の窓口へ直接提出

があります。

オンラインによる提出方法は、申請用総合ソフト等の専用ソフトのダウンロードとインストール手順や、申請者情報を登録する手順が加わりますが、登記完了後の登記事項証明書の交付請求もオンラインによる簡単な手順で行なえるだけでなく、窓口による交付請求手数料よりも安くなるというメリットがあります。

(出典:登記ねっと 供託ねっと|登記・供託オンライン申請システム

まとめ

登記申請を行うことによって、所有者の権利を確保し、紛争などのトラブルを予め回避したり軽減したりする効果を期待することができます。

登記申請の手順そのもは必要書類を揃えて法務局へ提出するという流れになります。司法書士に依頼することもできますが、自分で登記申請することも可能です。

法務局のサイトに記載されている記載例を参考に、自分で登記申請してみてはいかがでしょうか。

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監修:加賀爪 優作 (司法書士)

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