• 作成日 : 2024年8月30日

プログラミング教室の事業計画書の書き方・無料テンプレート【簡単解説】

プログラミング教室を開業するためには、誰が見てもわかりやすい事業計画書が欠かせません。プログラミング教室への熱意や将来性を明確に示すことにより、金融機関からの融資や投資家からの出資が受けやすくなるからです。

本記事では、プログラミング教室の事業計画書の書き方をテンプレートに沿って紹介します。事業計画書作成時のポイントも併せて解説しますので、ぜひ、最後まで記事をご覧ください。

プログラミング教室の事業計画書はなぜ必要?

プログラミング教室を開業する際に、事業計画書は重要な書類となります。事業計画書には、次のような目的があるからです。

  • ビジネスの方向性を明確にする
  • 目標を達成するための具体的な計画を示す
  • 金融機関の担当者や投資家などの信頼を得る

プログラミング教室の事業計画書では、主に次の項目が注目されます。

プログラミング教室に関する経験や実績
  • 過去にプログラミングに関わった経験
  • プロジェクトの成功などの実績
市場分析
  • ターゲットとなる受講生のニーズ
  • 競合他社の状況の調査結果
  • 他社との差別化ポイント
カリキュラムと運営計画
  • 教える言語やスキルの詳細
  • 授業の形式や頻度
収支計画
  • 初期投資額の算出
  • 運営コストの見積もり
  • 予想収益の計算

これらの項目を簡潔かつ明確に記載することで、プログラミング教室の成功と継続性を関係者に示せるようになります。

プログラミング教室の事業計画書のひな形、テンプレート

事業計画書 プログラミング教室

マネーフォワード クラウドは、プログラミング教室向けの事業計画書のひな形、テンプレートをご用意しております。事業計画書作成の参考として、ぜひダウンロードして、ご活用ください。

プログラミング教室の事業計画書の書き方・記入例

プログラミング教室の事業計画書の書き方や記入例を、テンプレートに沿って紹介します。お手元にテンプレートを用意すると理解しやすくなりますので、ダウンロードしたうえでご覧ください。

創業の動機・目的

「なぜプログラミング教室をやりたいのか」「将来性はあるのか」をわかりやすく伝えることが、創業の動機・目的の重要なポイントです。「プログラミングを多くの人に知ってもらいたい」「地域の子ども達にプログラミングを学んでもらいたい」などの思いを簡潔に伝えます。

また、プログラミング教室を通じて社会に提供したい価値や、長期的な目標なども記載するとよいでしょう。

明確な動機があれば、難しい状況に直面しても粘り強く続けられると判断され融資を受けやすくなります。

職歴・事業実績

職歴・事業実績では、プログラミング教室を運営する能力と経験があることをアピールします。これまでの仕事の経験や実績を、簡潔かつ明確に記載しましょう。

まず、過去に働いた会社の名称や、担当していた業務を簡単に記載します。「20××年◯月〜20××年◯月:◯◯株式会社でITエンジニアとして勤務」などと記載すると、金融機関の担当者や投資家に伝わりやすくなります。

次に、その仕事で得た学びや実績を明確に示しましょう。「プログラミング講師としてもイベントに多数登場」というように、プログラミング教室につながる実績がおすすめです。

取扱商品・サービス

取扱商品・サービス欄は、プログラミング教室で提供予定のコースやセールスポイントなどを記載します。

取扱商品・サービスの内容「子ども向けコース」「大人向けコース」など具体的に記載し、わかりやすく説明する
セールスポイント
販売ターゲット・戦略
「小学生や情報系の大学生」「プログラミングを学びたい大人」など、誰をターゲットにするのか、サービスをどのように提供するのかを簡潔かつ明確に記載する
競合・市場などの分析「小学校でプログラミングが必須になったことで、プログラミングの需要が高まっている」「◯◯市はファミリー層が多い」など、競合や市場などの分析結果を簡潔にまとめる

取引先・取引関係

プログラミング教室の主な取引先は、一般個人と法人が予想されます。事業計画書の販売先欄には「一般個人」「法人」と記載し、それぞれのシェア率や掛取引の割合も示しましょう。料金の回収・支払い条件については、毎月の予定回収日を明記します。

仕入先や外注先がある場合も、それぞれの欄に記載することを忘れないようにしましょう。たとえば、プログラミング教室の講師を外部に依頼するケースなどが当てはまります。

取引先や料金回収、外注などの情報を具体的に示すことで、プログラミング教室の全体像がより明確になります。

従業員

プログラミング教室で従業員を雇う場合には、従業員欄への記載が必要です。たとえば、創業者自身が講師を務め、アシスタントとしてパート従業員1名を雇用する場合には、次のように記載します。

  • 従業員数(3ヶ月以上雇用者):1名
  • うちパート従業員:1名

人員計画は収支に大きく影響するため、現実的で柔軟な計画を立てることが審査通過のポイントになります。

借入の状況

借入の状況には、現在の借入金について正確に記載します。車や家のローンなど、事業に関係ない個人の借入についても記載します。

借入の状況を記載するときに、借入額を偽ってはいけません。金融機関の担当者は信用情報機関で事業主の借入状況を照会できます。そのため、嘘はすぐに見つかり、信頼の失墜につながるのです。

住宅や車のローンなど、日常生活において受ける融資に関しては、創業時の融資に大きな影響はないといわれています。

必要な資金と調達方法

プログラミング教室の開業に必要な資金は、設備資金と運転資金に分けて考えます。

【プログラミング教室の開業に必要な資金(一例)】
設備資金
  • パソコン本体
  • 机などの備品
  • ソフトウェア導入費用(買い切りの場合)など

※設備資金は、契約書や見積書など書類を参考に、正確な金額を算出する

運転資金
  • 家賃
  • 従業員の給与
  • ソフトウェア利用(サブスクリプション契約の場合)
  • 通信費
  • 広告費など

※運転資金は、通常3〜4ヶ月を見込んで計算する

資金調達方法としては、日本政策金融公庫やほかの金融機関からの借入、知人からの借入などが挙げられます。自己資金は、経営者がプログラミング教室に出資する金額のことです。

すべての項目を記載した後は、必要な資金と調達方法の合計金額が一致しているか確認しましょう。

事業の見通し(月平均)

事業の見通し(月平均)は、プログラミング教室の開業当初と1年後の月平均利益を示す必要があります。

一例として、次のような項目が挙げられます。

  • 売上高:月平均の総売上
  • 人件費:従業員の給与や役員報酬(法人の場合)
  • 家賃:施設の賃貸料(施設を借りて行う場合)
  • 支払利息:借入金の利息
  • その他の経費:広告費・光熱費・販促費・ソフトのサブスクリプション代・PC等のリース料・FC加盟料など
  • 合計(経費の合計):経費の合計
  • 利益:売上高から経費の合計を引いた金額

費用については、契約書や見積書など根拠となる書類を添付しましょう。

見通しを立てる際は、月々の利益が返済予定額を上回るよう設定することが重要です。これにより、金融機関担当者や投資家にアピールできます。

プログラミング教室の事業計画書作成のポイント

事業計画書を作成するときは、別途収支計画書を複数年分作成するようにしましょう。

収支計画書は、毎月の売上や経費を予測します。事業計画書で予測した月平均の見通しを、より明確に把握可能です。そのうえで累積収支の予測をすることにより、具体的な事業計画を立てられるようになります。

別途、収支計画書を用意する

収支計画書は、事業の将来的な収入と支出を月ごとに予測し金銭の流れを示す資料です。事業計画書で記載した月平均の見通しを、収支計画書でより詳しく予測し、プログラミング教室における将来の財務状況を可視化します。

次のポイントに注意すると、誰が見てもわかりやすい収支計画書が作成できます。

  • 粗利率が現実的か
  • 固定費を適正化しているか
  • 繁忙期および閑散期を考慮しているか

収支計画書を作成することにより、売上の多い月や少ない月を把握できるようになり、設備投資や事業拡大などのタイミングが掴みやすくなります。

また、収支計画書は、発生ベース(請求書を作成した時点で売上・受け取った時点で経費を計上する)ではなく、現金ベース(入出金が発生した時点で売上・経費を計上する)で作成するとよいでしょう。現金ベースで記載することで、キャッシュフローがより把握しやすくなります。

なお、収支計画書の作成期間に決まりはありません。

累積収支を予測する

収支計画書を複数年分作成することで、長期間における収支(累積収支)が把握できるようになります。プログラミング教室の事業計画書にて累積収支の予測を具体的に記載することは、次の点で重要となります。

金融機関の担当者や投資家へのアピール事業の収益性や経営者の能力を評価するための判断材料になる
キャッシュフローの把握年度全体の収支を理解し、長期的な視野で資金計画を立てられる
事業運営の指針予測にもとづいて事業を進めることで、実際の経営に反映させるための重要な資料となる
リスク管理売上が予測と大きく変動した場合の影響を事前に把握し、適切な対応策を立てられる

※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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