- 更新日 : 2026年2月27日
関連会社とグループ会社の違いとは?定義や範囲、会計、確認する方法
関連会社とグループ会社はいずれもなんらかの関係性を持つ会社のことを指します。同じような言葉で混同して使われているケースもありますが、実は両者には明確な違いがあるのです。
この記事では関連会社とグループ会社の定義や違い、会計処理のポイントや見分け方についてご紹介します。
目次
関連会社とグループ会社の違いとは?
関連会社とグループ会社、いずれもなんらかの関係性がある会社のことを指しますが、明確な違いがあります。
関連会社とは他の会社の財務や事業の方針に対して影響力を与えることができる会社のことを指します。これは会社計算規則第2条3-18で定義されています。
会社が他の会社等の財務及び事業の方針の決定に対して重要な影響を与えることができる場合における当該他の会社等(子会社を除く。)をいう。
一方、グループ会社は法律で定義されている言葉ではありません。ただ、一般的には「関係会社」とほぼ同義の言葉として使われ、親会社、子会社、関連会社などを指します。
当該株式会社の親会社、子会社及び関連会社並びに当該株式会社が他の会社等の関連会社である場合における当該他の会社等をいう。
関連会社はグループ会社(関係会社)の1つといえます。
関連会社やグループ会社の資本・経営支配の違い
関連会社やグループ会社以外にも、子会社や完全子会社といった言葉もあります。これらに関しても定義があり、持ち株割合によって呼び方が異なります。
- 子会社:過半
- 完全子会社:100%
- 関連会社:20%
- 関係会社: 財務諸表提出会社の親会社、子会社及び関連会社並びに財務諸表提出会社が他の会社等の関連会社である場合における当該他の会社等(財務諸表規則第8条8項で規定)
以下でそれぞれの言葉の意味について詳しく見ていきましょう。
子会社
子会社とはある企業に経営支配されている状態の会社を指します。会社の意思決定は株主総会で行われ、議決権の割合は保有している株式の数によって決まります。議決権を過半数保有していると、実質その会社の経営権を支配しているということになるのです。
たとえば、A社の株式をB社が51%以上保有している場合、A社はB社の子会社といえます。ちなみに、経営支配をしている会社のことを親会社といいます。
完全子会社
完全子会社とは親会社がすべての議決権、つまり100%株式を保有している会社のことを指します。前述の子会社の場合でも実質親会社が経営支配をしている状況ですが、少数株主が存在します。完全子会社化することで、少数株主を決議の場から排除でき、親会社が完全に子会社をコントロールすることが可能となります。
関連会社
関連会社とは議決権の20~50%を保有している会社のことを指します。株主となっている会社は経営を支配するまでいかなくとも、関連会社の経営方針や事業に大きな影響を与えることができます。
関係会社(グループ会社)
関係会社(グループ会社)とは、親会社、子会社、関連会社に加え、財務諸表提出会社が他の会社などの関連会社である場合にはその他の会社などが含まれます。これは財務諸表規則第8条8項で規定されています。
グループ会社に含まれる関連会社のメリット
他の企業の株式を取得して関連会社にする、あるいは他の企業に株式を取得させて関連会社になった場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。それぞれの立場で考えてみましょう。
他社の株式を取得し関連会社化することで経営の強化につながります。自社にない技術や設備を共有する、共同で商品やサービスを開発する、事業を多角化する、自社の業務を委託するなど、関連会社が存在することでさまざまな成長戦略がとれます。また、関連会社を設けることで課税所得を分散できるため、法人税などの税負担を軽減できる可能性があるというのも大きなメリットです。
関連会社になって他社の傘下に入ることで、その会社の経営ノウハウや経営資源、ブランドなどを活用し、安定的な経営ができるようになります。また、子会社、完全子会社は経営支配されている状態となりますが、関連会社であれば他社からの影響が比較的少なく、自由な経営がしやすいという点もメリットです。
グループ会社に含まれる関連会社のデメリット
関連会社には以上のようなメリットもある一方でデメリットも存在します。
他社を関連会社にすることで事業拡大が期待できる一方で業績が悪化するおそれもあります 。関連会社が赤字になれば、自社の決算にも大きな影響が出ます。また、関連会社の不正や不祥事、その他トラブルによって、自社のビジネスが影響を受けるリスクもあるでしょう。こうした事態を招かないよう関連会社とも統制をとらなければなりませんが、異なる企業間で意見を調整しながらルールや仕組み、体制を構築するのは容易なことではありません。
関連会社として他社の傘下に入るデメリットとしては経営の自由度が低下する点が挙げられます。子会社や完全子会社と比較すると裁量は大きくなりますが、それでも他社の影響をまったく受けずに独立してビジネスを行なっていくことは難しくなります。
関連会社やグループ会社の会計処理のポイント
関連会社、グループ会社は1つの組織体としてみなして財務諸表をひとまとめにして決算を行う「連結決算」の対象となります。連結決算によってグループ全体の経営状況をリアルタイムに把握できるようになり、経営者や株主、出資・融資元などが正しい判断をしやすくなります。
一方で複数の会社の経理部門が連携して経理処理を行わなければならず、取り扱うデータも膨大なものとなるため、単独決算と比較すると事務作業の手間が大幅に増える可能性があり、ミスや不正経理のリスクも高くなります。
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関連会社と協力会社、兄弟会社の違い
関連会社とは経営方針や事業に影響を与える・与えられる会社のことを指します。一方協力会社は他の企業から事業を請け負う会社のことを指します。業務委託契約などの契約関係はありますが、経営を支配する・されるという関係はありません。そのため、業務を委託する会社は協力会社の経営や事業の方針について関与することもないのです。いわゆる「パートナー企業」「外注企業」「下請け企業」は協力会社に該当します。
兄弟会社とは同じ親会社を持つ会社のことを指します。たとえばA社にB社とC社という子会社が存在している場合、B社とC社は兄弟会社という関係になります。
なお、協力会社は一般的にはグループ会社や関係会社とはいいません。兄弟会社は同じ親会社の傘下に属するため、関係会社やグループ会社に含む場合もあります。
関連会社やグループ会社を確認する方法
関連会社やグループ会社を確認する一番手っ取り早い方法は、その会社のホームページを見ることです。まずは会社概要などのページで関連会社やグループ会社が記載されているかどうかを確認してみましょう。
また、有価証券報告書、事業報告書、連結決算書などでも関連会社の有無を確認することができます。「関連会社の状況」という項目をチェックしてみましょう。
関連会社とグループ会社の意味の違いを知って使い分けよう
関連会社とグループ会社。似たような言葉ですが、両者は明確に違います。ビジネスの場では両者をしっかりと区別できるようにしておきましょう。他にも完全子会社や子会社、関係会社、協力会社、兄弟会社など、会社にはさまざまな種類があり、それぞれの違いについても理解しておくことが大切です。
特に自社が他の企業と関係を築いている場合、一度どの会社がどれに該当するのかを整理してみるのもいいかもしれません。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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