- 更新日 : 2024年1月9日
結婚相談所の開業は難しい?必要な資金や失敗を防ぐコツを解説
女性の社会進出が進んでいる近年、パートナーを探したりコミュニケーションをとったりすることが難しくなっていることが実情です。そこで注目されているのが、結婚相談所です。
結婚相談所とは、結婚を希望する利用者同士の出会いを仲人(結婚カウンセラー)が手厚くフォロー・サポートするサービスであり、今後も需要の伸びる産業でもあります。
今回は、結婚相談所の開業難易度や開業に向けた基礎知識、さらに開業の流れ、失敗を防ぐためのコツなど、結婚相談所開業に関する有益な情報を豊富に紹介します。婚活ビジネスへの参入を検討している方は、ぜひご覧ください。
目次
結婚相談所の開業は難しい?
結論から述べると、結婚相談所の開業自体は決して難しくありません。その理由としては、主に下記が挙げられます。
- 低コストで開業できる
- 特別なノウハウや経験がなくても開業できる方法が多くある
また、結婚相談所が提供するサービスは独自性が高く、近年では結婚願望のある人々からのニーズがさらに伸びています。こうした点も、結婚相談所の開業難易度がその他の事業と比較して低い理由の1つと言えるでしょう。
結婚相談所を開業する前の基礎知識
結婚相談所ビジネスへのスムーズな参入を目指すためには、いくつかの基礎知識をおさえておく必要があります。
ここからは、結婚相談所を開業する前に習得しておくべき基本的な知識・ポイントを詳しく紹介します。
結婚相談所の開業に資格は必要?
結婚相談所を開業するために必要な資格はありません。また、特別なノウハウや経験がなくても、誰でも開業することが可能です。
しかし、「心理カウンセラー」をはじめとしたカウンセリングスキルを証明できる資格があれば、利用者からの信頼度向上が期待できるほか、相談を受ける際にも大いに活躍します。
結婚相談所のサービス・仕事内容
結婚相談所で提供するサービスや主な仕事内容は、下記の通りです。
- お互いの条件にマッチした利用者(会員)の紹介
- お見合いのセッティングと結果の取次
- 交際の進展やプロポーズ・成婚のフォロー
このように、結婚相談所では利用者の相手探しから交際・成婚までを一貫してお手伝いします。
結婚相談所の料金相場
結婚相談所の入会者が支払う一般的な料金の項目と相場は、下記の通りです。
費用項目 | 概要 | 料金相場 |
---|---|---|
入会費 | 入会時に発生する費用 | 約3万~10万円 |
月額料金 | サービスの契約中に毎月発生する費用 | 約5,000~2万円 |
お見合い費 | お見合いを組んだときに発生する費用 | 約5,000~1万円 |
成婚費 | 結婚相談所から出会った相手との成婚時に発生する費用 | 約0~10万円 |
上記の相場はあくまでも全体相場であり、実際には企業や規模によっても細かに異なります。
結婚相談所の独立開業は儲かる?年収の目安
結婚相談所を独立開業し、入会費5万円・月額料金1万円で20名の会員を集めた場合、年間の売上は最低でも340万円になります。ここからさらにお見合い費や成婚費を含めると、500万円は超えるでしょう。会員数が多いほど、大きな利益が期待できます。
なお、実際に手元に残る収入は、どこで開業するか・どれくらいの経費が必要なのかによっても異なります。
結婚相談所の開業方法や選び方
結婚相談所の開業とひとくちに言っても、さまざまな形態があります。開業を検討しているなら、自分にはどのような開業スタイルが適しているかを考えて最適な選択をしましょう。
ここからは、結婚相談所の開業方法について詳しく紹介します。
個人・法人で開業する
結婚相談所を開業する際は、まず「個人」で開業するか「法人」で開業するかを決めましょう。
初めて結婚相談所を開業する方のほとんどは、個人事業主を選択しています。法人での開業の場合は赤字でも税金を支払わなければならなかったり、社会保険加入が義務付けられたりするため、軌道に乗ってから法人化をするケースがほとんどです。
本業・副業で開業する
結婚相談所を本業で開業するか副業で開業するかは、人によって大きく異なります。
本業にする場合は、結婚相談所の売上が主な収入源となります。開業当初は会員が少なく売上も低い状態が続くため、赤字を乗り越えられるほどの資金がない場合は副業で開業することがおすすめです。
自宅・事務所で開業する
結婚相談所の開業場所に特に定めはなく、事務所での開業はもちろん自宅開業も可能です。
事務所を借りた場合、入会希望者や会員との面談は事務所内で完結する一方で、敷金・礼金・仲介手数料といった初期費用や毎月の賃料が発生します。
結婚相談所はパソコンと電話さえあれば開業できるため、最初のうちは開業費用を大幅に抑えられる自宅開業を選択する方も少なくありません。
連盟やフランチャイズへの加盟で開業する
結婚相談所は個人開業だけでなく、連盟やフランチャイズに加盟しての開業も可能です。
フランチャイズとは、独立した2つの事業所間(「フランチャイザー」と「フランチャイジー」)で締結するパートナー契約です。結婚相談所の開業者は、フランチャイザーの経営ノウハウやネームバリューを用いて事業を行う代わりに、一定の対価を支払います。
結婚相談所の開業資金
結婚相談所を開業するにあたって必要な資金は、大きく「初期コスト」と「ランニングコスト」に分類されます。
ここからは、各コストの具体例や相場について詳しく説明します。
初期コスト
結婚相談所の開業に必要な初期コストは、約50万~250万円が相場です。
自宅開業でデスク・チェアとパソコン、電話のみを揃える場合は、最低ラインの50万円程度で開業できます。
一方で、事務所を借りる場合は最低でも100万円以上の費用がかかります。また、連盟に加入する場合は加盟金として50万~80万円程度が必要となることも覚えておきましょう。
運営・経営のランニングコスト
結婚相談所運営・経営に必要なランニングコストは、約2万~15万円が相場です。
ランニングコストは月による支出の変動が少ないため資金計画は立てやすいものの、開業場所やフランチャイズ契約の有無によってその額は大きく異なることも覚えておきましょう。
結婚相談所の開業の流れ
結婚相談所の開業ハードルは低いものの、きちんと段階を踏んで開業しなければ思わぬトラブルに見舞われる可能性があります。
次に紹介する結婚相談所の開業準備・手順をおさえ、スムーズな開業を目指しましょう。
結婚相談所連盟に加入する
開業の前に、まずは結婚相談所連盟に加入することが基本です。結婚相談所連盟とは、各結婚相談所とその会員をつなぐ会員ネットワークシステムであり、加入すれば複数の加盟相談所の会員データベースにアクセスできます。
このデータベースシステムは、会員が求める条件にマッチした相手を探すときに活躍します。連盟に加入しない場合、紹介する会員は自社会員に限られます。開業当初は会員数も少ないため、紹介できる会員がほとんどおらず、結婚相手を本気で探している会員が他の結婚相談所に流れてしまう可能性もゼロではありません。
そのため、結婚相談所を開業する場合は忘れずに連盟に加入しておきましょう。
事業計画を立てる
次に、結婚相談所の開業にあたって事業計画を作成します。事業計画には、会員の利用料金や細かなサービスなどを記載していきます。
「どれほどの利益を求めるのか」「どのようなサービスを展開していきたいか」など、自分自身の目標を明確化することで事業計画を立てやすくなります。
事業計画書についての詳細は下記記事をご覧ください。
集客方法を考える
結婚相談所の開業においては、適切な集客方法の決定も欠かせません。
結婚相談所の集客方法には、SNS・ホームページやWeb広告、さらにチラシや婚活イベントの開催など幅広くあります。
会員のペルソナも明確にしたうえで、費用対効果の高い集客方法を組み合わせましょう。
事務所や事務機器の準備
自宅開業ではなく事務所での開業をするなら、なるべく早い段階で事務所を探しておきましょう。事務所の賃貸契約には、賃料3~5か月分の初期費用が必要となります。
また、自宅開業・事務所開業のいずれにおいても、事務機器の準備が必要です。必要な事務機器には、通信機器やプリンター、パソコン、デスク・チェア、さらにペンやコピー用紙といった消耗品が挙げられます。
開業に必要な届出・許可
個人事業主として結婚相談所を開業する際は、開業から1か月以内に税務署にて開業届を提出する必要があります。
しかし、開業届を提出しなくても特に罰則はなく、確定申告をすれば自動的に開業届を提出したとみなされます。
結婚相談所の開業に活用できる助成金・補助金
結婚相談所を開業したいものの自己資金が足りない、またはもう少し資金面に余裕をもたせたいという場合は、中小企業庁が実施する「小規模事業者持続化補助金」といった補助金制度や、各自治体・団体による助成金制度を活用することも一案です。
なお、補助金制度は限られた予算内で実施される制度であり、先着・抽選で対象者が決められる一方、助成金制度は条件を満たせばほぼ確実に受給できる制度となっています。
結婚相談所の開業・経営で失敗を防ぐコツ
結婚相談所は参入障壁が低いため、気軽に開業して失敗に終わるというケースも珍しくありません。失敗を防ぐためには、ここから紹介するいくつかのコツをおさえておきましょう。
自宅で副業から始める
結婚相談所の開業・経営を着実に成功させるためには、「自宅×副業」のスモールスタートが最も有効です。
結婚相談所は、副業に向いたビジネスと言えます。自宅開業で初期費用を大きく抑えつつ、本業の収入を維持したまま開業することで、キャッシュフローも悪化しにくく少ない経済的・身体的負担で事業を進められます。
連盟に加入する
結婚相談所連盟に加入せず開業した場合、会員データはすべて単独で収集しなければなりません。会員同士の出会いをスムーズにサポートするためにも、連盟加入がおすすめです。
また、連盟によっては経営ノウハウや開業・運営・集客のサポートも提供しているため、加入しておいて損はありません。
SNSやホームページを活用する
インターネットが普及した近年、SNSやホームページを活用した集客は必須です。
また、単純にSNSアカウントやホームページを作成するだけでは集客効果は期待できません。そのため、必要に応じてWeb広告を出稿したり、ネット集客に知識のあるWebマーケティング会社に依頼したりすることもおすすめです。
口コミや紹介を活用する
商品・サービスの口コミを見てから購入を判断するという一般消費者が増えた近年、集客において口コミの活用は欠かせないものとなりました。
より多くのユーザーからの信頼度を向上させるためには、ホームページに「成婚者の声」コンテンツを掲載したり、その内容をSNSやブログに掲載したりして、実際の利用者の感想を活用することがおすすめです。
経理・経営の知識をつける
結婚相談所に限らずどのビジネス分野においても、開業にあたって経理・経営の知識は欠かせません。経理・経営の知識が乏しければ、起業するといずれ起こるであろう重要な経営判断を下さなければならない場面で失敗する可能性が格段に上がります。
特に身につけておくべき知識が、会計管理や決算書の読み方・つくり方です。これらの知識を身につけることで財務状況が常に理解でき、適切な資金計画・経営戦略も立てられるようになります。
結婚相談所の開業難易度は低いが成功に導くためには知識も必要
結婚相談所の開業難易度は、その他の事業と比較して低いとされています。なぜなら、特別な資格やノウハウ、知識は必要がなく、低コストで開業できるためです。昨今における結婚相談所の需要の高まりも、開業難易度を低める理由の1つでしょう。
しかし、結婚相談所の開業・経営を成功させるためにはいくつかのポイントやコツもおさえておかなければなりません。特に、結婚相談所連盟への加入や経理・経営知識の習得は、開業を検討する方の資金状況、開業規模を問わず重要です。ここまでの内容を参考に、結婚相談所の開業を成功に導きましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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