- 更新日 : 2026年7月15日
猫カフェを開業するには?必要な資格や資金、経営者の年収などを解説
猫カフェ経営者の年収は、小規模店舗で200万〜500万円程度が目安です。
- 開業資金は規模等によって異なるが、600万〜1,500万円程度必要
- 動物取扱責任者の資格が必須
- 月の運営費は80万〜250万円程度
Q. 年収600万円以上稼ぐには何が必要?
A. 利用料金以外にドリンク販売や猫グッズ販売など複数の収益源が必要です。
猫と触れ合いながら癒やしの空間を提供する猫カフェは、多くの猫好きにとって憧れの事業です。しかし、その夢を実現させるには、動物の命を預かるという重い責任と、事業を継続させるための経営知識が不可欠です。
この記事では、猫カフェを開くにはどんな準備や資格が必要か、自宅での開業は現実的なのか、開業資金はいくら用意すべきか、そして経営者の年収はどれくらい見込めるのか、といった疑問に答えていきます。
目次
猫カフェのビジネスモデルは?
猫カフェは、猫と触れ合える空間を提供し、利用料金やドリンク代などを収益にするビジネスです。一般的な飲食店と異なり、猫の飼育管理、衛生管理、動物取扱業の登録などが必要になるため、店舗型か自宅利用型かによって運営方法が変わります。
【店舗型】集客力を高めやすいが固定費が大きい
店舗型の猫カフェは、駅前や商業施設周辺などに物件を借り、猫と過ごせる専用空間を用意して営業する形態です。時間制料金、ドリンク代、物販、猫グッズ販売、貸切利用などを収益源にできます。立地がよければ新規客を集めやすく、SNS映えする内装や猫の紹介投稿で集客しやすい点がメリットです。一方で、家賃、内装費、人件費、猫の飼育費、医療費、清掃費が継続して発生します。飲食店としての管理に加え、第一種動物取扱業の登録も必要です。
【自宅利用型】小さく始めやすいが生活空間との区分が重要
自宅利用型の猫カフェは、自宅の一部を来店者向けスペースとして整備し、予約制や少人数制で運営する形態です。店舗物件を借りない分、家賃や内装費を抑えやすく、小規模に始めやすい点が特徴です。ただし、自宅をそのまま営業に使えるとは限りません。猫の飼育スペース、来客動線、衛生管理、近隣への騒音・におい対策、用途地域や賃貸契約の制限を確認する必要があります。自宅利用型でも、動物取扱業や飲食提供の許認可が必要になるため、保健所や自治体へ事前相談しましょう。
猫カフェの開業に必要な資格と許可は?
猫カフェの開業準備は、法的な要件をクリアすることから始まります。手続きには時間がかかるため、計画の初期段階で全体像を把握し、余裕を持って準備を進めることが大切です。
第一種動物取扱業
猫カフェの運営は、「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」に基づき、第一種動物取扱業(展示)に該当します。保護猫カフェなど譲渡を伴う場合には、「譲渡」「譲受飼養」などの登録も必要になることがあります。営業を開始するには、店舗所在地を管轄する都道府県または政令市の動物愛護センターに申請し、登録を受けなければなりません。
登録の際には、事業所ごとに常勤の動物取扱責任者を1名以上配置することが必須であり、さらに責任者は自治体が実施する年次研修の受講義務があります。
動物取扱責任者
猫カフェの資格が必要と言われるのは、この動物取扱責任者の要件を指すことがほとんどです。動物取扱責任者になるためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。なお、要件の組み合わせ方は自治体によって異なり、たとえば東京都では資格のみでは要件を満たせず、実務経験との併用が必要となるため、開業予定地を管轄する動物愛護センターへ事前に確認することが不可欠です。
- 実務経験猫カフェ、ペットショップ、ブリーダーなど営利性の第一種動物取扱業の施設で、常勤職員として半年以上の実務経験があること
- 学歴獣医学、動物看護学、畜産学など、動物関連分野を教育する大学・短大・専門学校を卒業していること
- 資格自治体が認める民間資格(例:愛玩動物飼養管理士、家庭動物管理士など)を取得していること
食品衛生責任者と飲食店営業許可
店内で飲食物を提供する場合は、「食品衛生法」に基づく飲食店営業許可が必要です。許可を得るためには、各店舗に食品衛生責任者を1名配置しなければなりません。この資格は、各自治体や食品衛生協会などが実施する養成講習会を受講することで取得できます。
なお、衛生上の観点から厨房(作業場)と動物スペースを完全に区画分離することが必須であり、動物が厨房に立ち入れない構造にする必要があります。お客様への飲食提供の安全管理とあわせて、猫たちの衛生管理も徹底することが求められます。この点については食品衛生法に基づく施設基準を満たす必要があるので、具体的な基準は管轄保険所へ確認しましょう。
猫カフェ開業までの手順は?
猫カフェを開業するには、通常のカフェ開業に必要な準備に加えて、猫の飼育環境、動物取扱業の登録、衛生管理、近隣対策を整える必要があります。猫と利用者の安全を守るため、物件選びや内装設計の段階から自治体へ確認しながら進めましょう。
1. コンセプトと営業形態を決める
まず、どのような猫カフェにするのかを決めます。店舗型にするのか、自宅の一部を活用するのか、保護猫カフェにするのか、猫との触れ合いを中心にするのかで必要な設備や運営体制が変わります。あわせて、時間制料金、ドリンク提供、物販、貸切利用、譲渡活動の有無など、収益モデルも整理しましょう。
2. 事業計画書と資金計画を作成する
開業費用と毎月の運営費を見積もります。物件取得費、内装工事費、猫用設備、空調、清掃設備、飲食設備、広告費、猫の飼育費、医療費などを整理します。開業後は、家賃、人件費、フード代、猫砂、動物病院費、水道光熱費も発生します。融資を利用する場合は、想定客数、利用単価、稼働率、返済計画を事業計画書にまとめましょう。
3. 物件を選び、自治体や保健所に相談する
猫カフェでは、猫の飼育スペースと客席スペースを安全に分けられる物件が必要です。臭い、鳴き声、換気、清掃、脱走防止、近隣トラブルへの対策も確認しましょう。飲食物を提供する場合は飲食店営業許可、猫を展示する場合は第一種動物取扱業の登録が必要になります。物件契約前に、自治体、保健所、動物愛護担当窓口へ相談することが重要です。
4. 内装・猫用設備・飲食設備を準備する
物件が決まったら、猫が安全に過ごせる内装を整えます。キャットタワー、ケージ、トイレ、爪とぎ、隔離スペース、脱走防止扉、空調、換気設備、清掃しやすい床材などを用意しましょう。あわせて、ドリンク提供用の厨房設備、シンク、手洗い設備、冷蔵庫、レジ、予約管理システムも準備します。猫の健康管理や清掃ルールも開業前に決めておくことが大切です。
5. 必要な許認可を取得し集客準備を行う
設備が整ったら、第一種動物取扱業の登録、食品衛生責任者の設置、飲食店営業許可の取得など、必要な手続きを進めます。保護猫の譲渡を行う場合は、譲渡条件や連携団体との役割分担も整理しましょう。開業前には、Googleビジネスプロフィール、Instagram、X、Webサイト、予約ページで猫の紹介や店舗情報を発信します。開業後は、猫の体調、来店者満足度、衛生状態、口コミを確認しながら改善を続けることが重要です。
猫カフェの開業に必要な資金は?【店舗型の場合】
猫カフェの開業資金は、物件取得費、内装工事費、カフェ設備、猫用設備、動物取扱業登録や飲食店営業許可に関する手続き費用などで構成されます。通常のカフェよりも、猫の飼育環境や衛生管理、脱走防止対策、医療費を見込む必要があります。
初期費用は600万〜1,500万円程度が目安
店舗型の猫カフェを開業する場合、出店場所や規模によりますが、初期費用は600万〜2,000万円程度が一つの目安です。小規模な居抜き物件を活用できれば600万〜900万円程度に抑えられることもありますが、スケルトン物件から内装や猫用スペースを整える場合は2,000万円を超える可能性もあります。
主な内訳は、以下のとおりです。
- 物件取得費:100万〜300万円程度
- 内装工事費:200万〜600万円程度
- 脱走防止扉・猫用個室・隔離スペースなどの猫用内装費:100万〜300万円程度
- キャットタワー、ケージ、猫トイレ、爪とぎなどの猫用設備費:50万〜200万円程度
- カフェ用厨房設備・冷蔵庫・レジなどの設備費:100万〜300万円程度
- テーブル、椅子、空気清浄機、清掃用品などの備品費:50万〜200万円程度
- Webサイト、SNS広告、看板などの広告宣伝費:20万〜100万円程度
- 第一種動物取扱業登録、飲食店営業許可などの手続き費用:数万円〜数十万円程度
ランニングコストは月80万〜250万円程度を見込む
猫カフェでは、開業後も家賃、人件費、水道光熱費、猫のフード代、猫砂、医療費、清掃費などが継続して発生します。店舗規模や猫の頭数によって変わりますが、月80万〜250万円程度を見込んでおくとよいでしょう。
主な内訳は、以下のとおりです。
猫カフェは、空調や換気を常時使うことが多く、通常のカフェより光熱費や清掃費が高くなりやすい点に注意が必要です。
開業資金とは別に3〜6か月分の運転資金を用意する
猫カフェは、開業直後から十分な来店数を確保できるとは限りません。猫の飼育費や医療費、家賃、人件費は売上に関係なく発生します。そのため、初期費用とは別に3〜6か月分の運転資金を確保しておくことが重要です。
運転資金の目安は、以下のように考えます。
- 月のランニングコストが80万円の場合:240万〜480万円程度
- 月のランニングコストが120万円の場合:360万〜720万円程度
- 月のランニングコストが180万円の場合:540万〜1,080万円程度
開業時に内装や猫用設備へ資金を使いすぎると、開業後の医療費や人件費の支払いに困る可能性があります。猫の健康管理費まで含めて資金計画を立てましょう。
猫カフェの開業資金の調達方法は?
猫カフェを開業するには、物件取得費や内装工事費に加え、猫用設備、空調・換気設備、飲食設備、広告費、開業後の運転資金が必要です。通常のカフェよりも、猫の飼育費や医療費が継続して発生するため、資金調達では初期費用だけでなく運転資金まで含めて考えましょう。
日本政策金融公庫や制度融資を活用する
猫カフェの開業資金を借り入れる場合は、日本政策金融公庫の創業融資や、自治体の制度融資を検討します。日本政策金融公庫の「新規開業・スタートアップ支援資金」は、新たに事業を始める方などを対象に、設備資金や運転資金へ利用できる制度です。制度融資では、自治体によって利子補給や信用保証料の補助を受けられる場合があります。融資を受けるには、想定客数、利用料金、滞在時間、猫の頭数、飼育費、医療費、返済計画を事業計画書で具体的に示すことが重要です。
自己資金と運転資金を厚めに用意する
猫カフェは、開業直後から安定して集客できるとは限りません。しかし猫のフード代、猫砂、ワクチン、健康診断、急な治療費、空調費、清掃費などは売上に関係なく発生します。そのため、融資を利用する場合でも、自己資金を一定程度用意し、3〜6か月分の運転資金を確保しておくことが大切です。内装や猫用設備に資金を使いすぎると、開業後の飼育費や人件費に余裕がなくなるため注意しましょう。
クラウドファンディングや補助金も補完的に使う
猫カフェでは、クラウドファンディングを活用して開業資金の一部を集める方法もあります。特に保護猫カフェの場合、譲渡活動や地域猫支援などの目的を伝えやすく、支援者を集めやすい場合があります。リターンには、利用券、猫グッズ、オープニングイベント招待などが考えられます。また、POSレジ、予約システム、省力化設備、Webサイト制作などには補助金を使える場合もあります。ただし、補助金は後払いが多いため、開業資金の中心ではなく補完手段として考えましょう。
猫カフェの収入源と経営者の年収は?
猫カフェの経営を志す上で、経営者の年収は誰もが気になる点でしょう。収益構造を正しく理解し、安定した利益を生み出すための戦略が不可欠です。
猫カフェの主な収入源は入場料
主な収入はお客様からの入場料ですが、これだけに頼る経営は不安定になりがちです。安定した収益を確保するためには、ドリンクやスイーツなどの飲食メニュー、オリジナルグッズの販売、猫のおやつ販売といった形で、収入源の多角化を図ることが重要です。客単価を向上させる工夫が、年収アップに直結します。
年収は小規模な猫カフェでは年収200万〜500万円程度
個人経営の小規模な猫カフェでは、経営者の年収は200万〜500万円程度が一つの目安です。たとえば、1時間1,200円の利用料金で、1日20人が来店し、月25日営業した場合、月商は約60万円です。ドリンク代や物販を加えて月商80万〜120万円程度になっても、家賃、人件費、猫の飼育費、医療費、光熱費を差し引くと、経営者の手元に残る金額は限られます。
年収を左右するのは来店数と固定費
猫カフェは、通常のカフェよりも固定費が重くなりやすい業態です。家賃や人件費に加え、猫のフード代、猫砂、ワクチン、健康診断、治療費、空調費、清掃費が継続して発生します。特に猫の健康管理費は削れない費用です。来店数が少ない月でも支出は発生するため、売上を伸ばすだけでなく、無理のない物件選びと人員配置が重要です。
年収600万円以上を目指すには複数の収益源が必要
猫カフェ経営者が年収600万円以上を目指すには、利用料金だけに頼らない収益づくりが必要です。たとえば、猫グッズ販売、ドリンク・軽食、貸切プラン、写真撮影イベント、保護猫の譲渡活動、会員制度、SNSを活用した集客などを組み合わせる方法があります。ただし、猫の負担が増える営業は長続きしません。収益性と動物福祉を両立できる範囲で、客単価とリピート率を高めることが大切です。
猫カフェの開業を成功させるための戦略は?
猫カフェは、猫と触れ合える体験を提供できる一方で、猫の健康管理、衛生管理、固定費の負担が大きい業態です。成功させるには、集客だけでなく、猫の負担を抑えながら継続的に利益を出せる運営体制を作ることが重要です。
ターゲットに合うコンセプトを明確にする
猫カフェでは、誰に来店してほしいのかを明確にすることが大切です。観光客向け、近隣住民向け、保護猫の譲渡を目的とする店舗、写真撮影を楽しめる店舗、静かに過ごせる予約制店舗など、方向性によって内装、料金、猫の頭数、接客方法が変わります。単に「猫がいるカフェ」では差別化しにくいため、利用者が選びたくなる理由を作りましょう。
猫の健康と衛生管理を最優先にする
猫カフェの信頼性は、猫の健康状態や店内の清潔感に大きく左右されます。猫の休憩スペース、隔離スペース、ワクチン・健康診断、空調管理、トイレ清掃、消毒ルールを徹底しましょう。猫が疲れているのに接客させ続けると、体調不良や事故につながる可能性があります。利用者満足度だけでなく、動物福祉を守る運営が長期的な評価につながります。
予約制や時間制で収益を安定させる
猫カフェでは、混雑しすぎると猫にも来店客にも負担がかかります。予約制や時間制を導入すれば、来店人数を管理しやすく、売上予測も立てやすくなります。平日限定プラン、貸切プラン、会員制度、猫グッズ販売、ドリンク・軽食などを組み合わせることで、利用料金だけに頼らない収益づくりも可能です。
SNSと口コミで継続的に集客する
猫カフェは、Instagram、X、TikTok、Googleマップなどとの相性が高い業態です。猫の紹介、日常の様子、譲渡情報、イベント情報を継続的に発信することで、来店前からファンを作れます。ただし、過度な演出や猫に負担をかける投稿は逆効果です。自然な魅力を伝え、口コミには丁寧に対応することで、安心して来店できる店舗として認知を高めましょう。
準備を徹底して理想の猫カフェを開業しましょう
猫カフェの開業は、単に動物が好きという気持ちだけでは成り立たない、専門知識と経営戦略が求められる事業です。自宅での開業や保護猫カフェといった多様なビジネスモデルも視野に入れつつ、ご自身の理想とするお店の形を具体化していくことが大切です。この記事で得た知識をもとに、お客様と猫たちの双方にとって幸せな空間を創造してください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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