- 作成日 : 2021年10月8日
会社設立のプレスリリースの書き方とコツ・無料テンプレート付き
会社設立の際には設立したことを広く周知させるためにも、プレスリリースを行うことが一般的です。過不足のない情報を報道するための書き方のコツについて、例を挙げつつ解説するのでぜひ参考にしてください。また、プレスリリースの見本と無料で利用できるテンプレート・Word用のフォーマットも紹介します。
目次
プレスリリースを書くための準備
プレスリリースを書く前に、次の3つの準備が必要です。
- 目的の明確化
- メディアリスト作成
- 参考資料作成
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
目的の明確化
プレスリリースは文字数が多いと、言いたいことが伝わりにくくなります。プレスリリースの内容はシンプルなほうが伝わりやすいので、少ない文字数で伝えたいことを伝えるためにも、プレスリリースで達成したい目的を明らかしておきましょう。
会社設立に関するプレスリリースであれば、社名や設立日、住所、業務内容、目玉となるサービスや商品などの必ず伝えたい情報を過不足なくリストアップします。目的が明らかになると、文字数は最小限で、かつ伝えたいことを漏らさず伝えられるプレスリリースが作成できるでしょう。
メディアリスト作成
プレスリリースをメディアに送ることで会社設立を広報することはできますが、むやみやたらにメディアに送っても効果的とはいえません。顧客層や取引先層に合うメディアを選択し、リストを作成してから送るようにしましょう。
参考資料作成
プレスリリースで伝えたい内容が多いときは、すべてを書き込んでしまうと文字数が多くなり、隅々まで読んでもらえなくなってしまいます。プレスリリースをシンプルに仕上げるためにも、詳しい情報は「参考資料」としてURLの記載も検討しましょう。
参考資料を閲覧するのは、興味があり、わざわざURLをクリックした人だけです。伝えることが多ければ多いほど閲覧者に高い満足度を与えるので、プレスリリースとは異なり、極力詳しい情報を提供しましょう。
プレスリリースの書き方・基本構成
プレスリリースは、冒頭、タイトルとリード文、本文、問い合わせ先の4つのパートに分けて作成します。冒頭の左側には「報道関係者各位」、その下には「プレスリリース」と記載し、右側にはプレスリリースを発表する日付と社名を書きましょう。
タイトル、リード文、本文、本文内に含める画像・写真、問い合わせ先については、それぞれ詳しく解説します。
タイトル
タイトルはインパクトがなくてはいけません。プレスリリースの中でももっとも目立つ場所、かつ大きなフォントサイズで記載するため、伝えたいことが分かるように1文でまとめます。
文字数が多すぎるとインパクトに欠け、逆に短すぎると伝えたいことがストレートに伝わらない可能性があるので注意が必要です。何度も推敲し、多くのスタッフに見せて、分かりやすい1文を作成しましょう。
リード文
タイトルの真下にリード文を記載します。リード文はタイトルを補足する文章で、どのような会社なのか、どのような人・企業に必要と関わりが想定されるのかについて解説しましょう。
タイトルほど短くまとめる必要はありませんが、あまりにも長いと、読み飛ばされるかもしれません。2~4行ほどにまとめ、タイトルで紹介している内容がより詳しくわかるようにします。
画像・写真
多くの企業では、文字だけのプレスリリースを出しています。もちろん、それはそれでよいのですが、よりインパクトを強めたい場合は、画像や写真も掲載することがおすすめです。リード文と本文の間、もしくは本文中に適切な画像や写真を掲載しましょう。
例えば、新社屋の写真があれば、会社を訪れる人には役立つ情報となります。また、どのような会社なのか、イメージがわきやすくなるでしょう。
地図も掲載すれば、今後、来社する人に有益な情報を与えることにもなります。目玉となるサービスや商品がある場合は、それらの写真も含めてください。
本文
リード文だけでは伝わらない情報、例えば会社の業務内容や特化している商品、サービスなどを本文で丁寧に記載します。画像や写真を用いるほうがわかりやすいときは、本文中の適切な位置に含めてください。
会社設立の経緯や今後の展望についても詳しく記載すると、より密度が高い情報をプレスリリースの読者に伝えられます。ただし、あまりにも詳しい内容は参考資料に記載するようにしてください。プレスリリース全体は1~2ページにまとめる必要があるため、厳選した情報を掲載します。
5W5Hを意識することで、短い文章でも伝えたい内容を漏らさず伝えることが可能です。
5WとはWHO(誰に、誰が)、WHAT(何を、何が)、WHEN(いつ)、WHERE(どこで)、WHY(なぜ)のことで、余さず盛り込むと理解しやすい文章が完成します。
また、5HとはHow(方法)、How much(お金関係の数字)、How many(数量)、How long(時間関係の数字)、How in future(将来的な数字)のことです。これらを意識して含めることで、本文中の内容に根拠を与え、信頼性の高い文章に仕上げられます。
問い合わせ先
プレスリリースを見て興味を持った人や気になることがある人がスムーズに問い合わせられるように、最後に問い合わせ先を記した欄を作成します。担当者名と電話番号、メールアドレスの3つは基本なので必ず含めましょう。電話番号の横につながる時間を記載しておくと、電話応対の時間を制限できるため担当者の負担を軽減できます。
会社設立のプレスリリースのフォーマット・テンプレート・Word雛形【無料ダウンロード可】
現在の会社から新たな会社を設立する場合のテンプレートを紹介します。Wordでダウンロードできますので、ぜひお使いください。なお、新しい会社の名称と代表者は△△、元となる会社の名称と代表者は〇〇、設立年月日は〇、プレスリリースの担当者名は◎◎で表記しています。
(事業内容)を主な事業とする株式会社〇〇(所在地、代表取締役社長〇〇)は、〇年〇月〇日に(新事業内容)を行う新会社、株式会社△△を設立しました。
株式会社△△では、株式会社〇〇で手掛けていた(新事業内容)に特化し、よりきめ細かなサービスをお客さまにご提案します。
【特徴1】
(新事業内容の特徴を1~2文で)
【特徴2】
(新事業内容の特徴を1~2文で)
【特徴3】
(新事業内容の特徴を1~2文で)
【新会社概要】
会社名:株式会社△△
代表者:代表取締役社長 △△
所在地:
TEL:
設立日:
資本金:
事業内容:
ホームページ:
株式会社〇〇では、今後もより一層、お客さま一人ひとりに寄り添い、丁寧なコンサルティングに基づくサービスを提供してまいります。
【会社概要】
会社名:株式会社〇〇
代表者:代表取締役社長 〇〇
所在地:
TEL:
設立日:
資本金:
事業内容:
ホームページ:
【本件に対するお問い合わせ】
会社名:株式会社〇〇
担当者:◎◎
TEL:
e-mail:
Word雛形の無料ダウンロードはこちら
まったく新しい会社を設立する場合には、以下のテンプレートをお使いください。
(事業内容)を主な事業とする株式会社△△を設立しました。
株式会社△△では、(事業目的)に特化したきめ細かなサービスをお客さまにご提案します。
【特徴1】
(事業内容の特徴を1~2文で)
【特徴2】
(事業内容の特徴を1~2文で)
【特徴3】
(事業内容の特徴を1~2文で)
【会社概要】
会社名:株式会社△△
代表者:代表取締役社長 △△
所在地:
TEL:
設立日:
資本金:
事業内容:
ホームページ:
【本件に対するお問い合わせ】
会社名:株式会社△△
担当者:◎◎
TEL:
e-mail:
Word雛形の無料ダウンロードはこちら
会社設立のプレリリース見本・成功事例
例えば、SURL株式会社のプレスリリースでは、パーソナルトレーニングジムの新規オープン特典をリード文に取り込むことで、読者を惹きつけることに成功しています。モノクロのスタイリッシュな写真も、おしゃれなイメージの醸成に貢献しているといえるでしょう。
合同会社TWIYOでは会社を紹介する文章は1文だけ、その下にはロゴマークと、メンバー紹介というシンプルで目を惹く構成のプレスリリースを作成しています。会社そのものを際立たせたいときに真似したい手法です。
また、株式会社カンリエでは、カラフルな写真1枚と3文から成る会社紹介文、会社概要という文字が少なくシンプルな構成を採用しています。わかりやすさを重視したプレスリリースの典型といえるでしょう。
参考:SURL株式会社プレスリリース 2021年7月30日
合同会社TWIYOプレスリリース 2021年5月10日
株式会社カンリエプレスリリース 2021年4月1日
プレリリース作成のコツ・チェックポイント
プレスリリースは、本来、多くの情報量を掲載するべきです。プレスリリースを出すことにより多くの人や企業の興味を惹きつける必要があるので、将来的に顧客になりそうなすべての層に訴えかける必要があります。
しかし、文章が読みづらかったり、文章量が多すぎたりすると、一目見ただけで敬遠されてしまい、興味を惹きつけることはできません。
内容の濃さと適切な文章量を両立するために押さえておきたいポイントを紹介します。インパクトの強いプレスリリース作成にお役立てください。
- タイトルは短く、もっとも言いたいことを伝えているか
- リード文がタイトルの補足になっているか
- 本文は誰でも理解できるようになっているか
- 過度の専門用語や抽象的な形容詞を多用していないか
- 詳しい内容は参考資料として添付しているか
- 参考資料のデータは根拠が示されているか
- すぐにつながる問い合わせ先を記載しているか
プレリリースの書き方・フォーマットについて理解できましたか?
プレスリリースはメディアに配信する企業・組織の公式情報です。会社を設立するときにも用いられ、大切な広告手段となります。
会社設立の際のプレスリリースでは、どのような会社を設立するのか、端的にまとめて紹介することが不可欠です。問い合わせにつながるような惹きつける文言を記載することを意識して作成してください。
プレスリリースでは余計な情報は不要ですが、惹きつけるためのプラスアルファは大切です。詳しい内容は参考資料で紹介し、内容の濃いプレスリリースを作成していきましょう。
よくある質問
プレスリリースを作成する前に何を準備すべき?
目的を明確にし、メディアリストと参考資料を作成する。メディアは目的に合うものを選別。参考資料はURLで添付する。詳しくはこちらをご覧ください。
プレスリリースのタイトルで注意すべき点は?
内容が端的に伝わること。細かな情報かつ重要度が高いものはリード文で補足すると、バランスよく仕上がる。詳しくはこちらをご覧ください。
プレスリリースの本文で注意すべき点は?
過度に専門用語を使わず、抽象的な形容詞なども使わず、誰が見ても分かりやすい文章に仕上げること。詳しい内容は参考資料として添付すること。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
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