• 更新日 : 2023年9月8日

旅館経営は厳しい?実態調査・平均年収・成功事例を紹介

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コロナ禍の状況などもあって、温泉旅館経営は厳しいのではないかと感じている人もいるのではないでしょうか。今回は、旅館を経営したいと考えている人向けに、旅館経営の実態と今後、年収や成功事例などを紹介します。

旅館経営の実態は?データをもとに解説!

旅館業法に定める旅館業は、宿泊料を受け取り宿泊させる営業のことをいい、旅館・ホテル営業、簡易宿泊営業(ゲストハウスなど)、下宿営業に分類されます。

一般的に旅館といわれるのは、旅館・ホテル営業に分類される営業で、旅館営業は和式構造の施設、ホテル営業は洋式構造の施設を表します。

旅館やホテルの施設推移

厚生労働省の「衛生行政報告例」によりますと、旅館の施設数は、2009年に48,966施設、2017年には38,622施設と、年々減少傾向にあります。ホテルは、2013年は9,809施設、2017年は10,402施設と微増となりました。

なお、2018年からは営業種別が変更され、旅館とホテル業が合算となり、2018年の旅館・ホテル業は49,502施設、2021年は50,523施設となっています。

減少傾向が続いていたものの、近年の旅館・ホテルの施設数はやや回復傾向にあることがわかります。

参考:衛生行政報告例|厚生労働省

国内旅行者数と訪日外国人数の状況

観光庁の「旅行・観光消費動向調査 2022年年間値(確報)」によりますと、国内旅行者数(日本人国内延べ旅行者数)については、コロナ前までだいたい60,000万人前後(うち宿泊旅行者は30,000万人前後)で推移していましたが、コロナ禍で約半分程度に減少しました。

しかし、2022年には延べ旅行者数41,785万人(うち宿泊旅行者は23,247万人)と回復の兆しを見せています。

日本を訪れる訪日外国人についてはどうでしょうか。2012年には836万人だった訪日外国人数は、2019年には3,188万人、7年で3.8倍にもなりました。コロナ禍で大きく落ち込んだものの、こちらも回復の兆しを見せています。

参考:旅行・観光消費動向調査 2022年年間値(確報)|観光庁
参考:訪日外客統計|JNTO

売上・利益の状況と変動要因

帝国データバンクの「旅館・ホテル経営業者の動向調査」によりますと、旅館・ホテル業の売上高は2018年に過去最高の5.1兆円を達成したものの、2020年はコロナ禍により、売り上げは2.9兆円、利益に至ってはマイナス6,028億円まで落ち込んだことがわかりました。

大きな打撃を受けた旅館・ホテル業界でしたが、2022年には売上高3.4兆円と、過去最高の2018年の6割程度にとどまるものの、回復の兆しを見せています。

旅行・ホテル業の回復の要因となったのが、全国旅行支援などの政府の支援策です。2023年には、新型コロナが2類から5類へ移行したこと、制限撤廃により国内だけでなく訪日外国人の増加も期待されることから、旅行・ホテル業界には追い風になるとみられています。

参考:旅館・ホテル経営業者の動向調査 (2021)|帝国データバンク
参考:「旅館・ホテル業界」 動向調査(2022年度)|帝国データバンク

平均客数が多いエリア

訪日外国人に限定すると、宿泊者数は三大都市圏に多く、東京都や大阪府、千葉県、京都府などに集中しています。訪日外国人向けのサービスを提供する場合は、海外からの旅行者が多いエリアが有利になるでしょう。

しかし、そうした人気のエリアは競争も激しくなります。地域ブロック別に1施設あたりの1日の平均客数を比較した場合、人気の関東や近畿エリアよりも、北海道、東北、四国、中国、九州エリアの方が多いことがわかりました。

参考:関連データ・資料集|観光庁
参考:旅行業の実態と経営改善の方策|厚生労働省

旅館の経営主体や従業員規模

旅行業の特徴はどのようになっているのでしょうか。

厚生労働省の「旅行業の実態と経営改善の方策」によると、旅館業は株式会社が7割と最も多いものの、個人経営も2.5割とやや多い傾向にあることがわかります。

従業員数は5人以上が7割で、4割近い旅館業者が20人以上の従業員数規模で経営していることがわかりました。

参考:旅行業の実態と経営改善の方策|厚生労働省

旅館経営者の平均年齢

厚生労働省の「旅行業の実態と経営改善の方策」によると、旅館業の経営者の平均年齢は60~69歳が最も多く、全体の36.5%となりました。70歳以上が25.9%、50~59歳が18.6%と続きます。

旅館経営者の高齢化が顕著となっており、国による事業承継の相談や後継者育成・支援など行政の支援も進められています。

参考:旅行業の実態と経営改善の方策|厚生労働省

旅館経営者の平均年収は?

旅館経営者の平均年収を示す公的なデータはありませんが、旅館業でどのくらい利益が出ているか、従業員の給与がどのくらいか、などのデータは経営者の年収を予想する参考になります。

中小機構の「中小旅館業の経営実態調査」によりますと、償却前利益(本業の利益に減価償却費を加えたキャッシュベースに近い利益)の概況は、小規模旅館で約30%が黒字、約32%が赤字という結果でした。中規模旅館は約54%、大規模旅館は約69%が黒字と回答しているため、規模が大きい旅館ほど経営者の年収も高くなることが予想されます。

一方、宿泊業者の給与額は、全産業の平均と比較すると低いこともわかっています。従業員の給与があまり高くないことを考えると、全産業と比較した場合の旅館経営者の平均年収は低い可能性があることが考えられます。

参考:中小旅館業の経営実態調査(2017年3月)|中小機構

温泉旅館経営の成功事例とポイント

温泉旅館の経営では、どのような意識が成功につながるのでしょう。中小機構の「中小旅館業の経営実態調査」から、旅館の成功事例とポイントをいくつか紹介します。

参考:中小旅館業の経営実態調査(2017年3月)|中小機構

【稼働率の改善】日本料理 島宿真里(香川県)

「日本料理 島宿真里」は、全7室(29人)、1泊2食付き3万円の価格帯で営業する、香川県の北東に位置する瀬戸内海の島にある旅館です。

「日本料理 島宿真里」では、稼働率の改善を行うことで売り上げアップを実現しました。注目したのは、趣のある建物とおもてなしです。

建物は、和室と和洋室のほか、有形文化財にも登録されている離れを丸ごと利用した特別室を用意しています。趣向を凝らした造りと自前の天然温泉が癒やしの空間を作り上げています。

また、地元の新鮮な料理を有形文化財の食事処・母屋で提供したり、自家製果実酒サービスを提供したり、すみずみまで行き届いたおもてなしで島外からの利用者を増やし、稼働率の向上に成功しました。

【リピート率の改善】HATAGO 井仙(新潟県)

「HATAGO 井仙 」は、全16室(55人)、1泊朝食付き1.2万円前後の価格帯で営業する、新潟県の越後湯沢駅近くの旅館です。

「HATAGO 井仙」は、宿屋としての原点に立ち返り、リピート率を増やす取り組みに力を入れたことで旅館経営において成功を収めています。

稼働率を重視すると従業員も疲れてしまうという理由で、稼働率ではなく、また利用してもらえる旅館を重視する経営へと変えました。お客様に声をかけられる前に察知して動くこと、お客様との積極的な会話を心掛けることを従業員に意識させ、ニーズに合ったおもてなしを実現しています。

【ITの導入】鶴巻温泉 元湯陣屋(神奈川県)

「鶴巻温泉 元湯陣屋 」は、全20室(120人)、1食2食付き4.8万円の価格帯で営業する神奈川県の鶴巻温泉にある旅館です。「鶴巻温泉 元湯陣屋 」では、ITを活用することで生産性の向上を実現しています。

当初は、予約台帳をデータに切り替える目的で、予約・管理にITを利用していましたが、主要業務のほとんどをIT化し、業務効率の向上やサービス向上に役立てています。

「鶴巻温泉 元湯陣屋 」では導入にあたり高齢の従業員についてどうするかといった課題がありましたが、勤怠管理システムとの連動させることなどで、全員参加を実現しました。

【宿泊プランの見直し】つなぎ温泉 愛真館(岩手県)

「つなぎ温泉 愛真館 」は、全111室(526人)、1泊2食付き10,500円程度の価格帯で営業する、岩手県の温泉街にある旅館です。

「つなぎ温泉 愛真館 」は、多彩な宿泊プランを設けることによって集客アップを実現しています。

「つなぎ温泉 愛真館 」は客室数が多い特徴を利用して、観光客だけでなく、地元の人にも利用してもらえるような宿泊プランの提供に力を入れました。盛岡市街地から車で30分という立地も活かして、「チェックインから飲み放題プラン」、「自分時間プラン」、「同級会・同窓会プラン」なども用意し、多様なニーズに対応して利用者を増やしています。

温泉旅館を経営したい場合に必要な許可

温泉旅館を経営する場合、以下の許可が必要になる可能性があります。

  • 旅館営業許可
  • 飲食店営業許可
  • 酒類販売営業許可
  • 公衆浴場許可

温泉旅館経営で必ず必要になるのが、「旅館営業許可」です。和室中心の客室が5室以上、床面積が1室あたり7平方メートル以上の場合に必要になる営業許可です。旅館営業許可を申請する場合は、玄関帳場設置など一定の要件を満たす必要があります。

このほか、飲食物を提供する場合は「飲食店営業許可」、酒類を提供する場合は「酒類販売許可」、一般客(宿泊者以外)にも大浴場を開放する場合には「公衆浴場許可」などの許可が必要になることがあります。

温泉旅館の経営をはじめよう!

コロナ禍もあって、旅館業やホテル業は大きな打撃を受けました。しかし、コロナが5類に移行され、制限も解除されたことで、観光や宿泊業は回復してきています。国内の旅行者だけでなく、2018年まで増加していた訪日外国人の流入も期待できるでしょう。

一方、旅館業やホテル業界の競争の激化も予想されます。今回紹介した成功事例なども例に、工夫を取り入れた経営がより重要になるでしょう。


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