• 作成日 : 2020年1月30日
  • 更新日 : 2020年7月20日

会社設立の際、資本金はいくらにすべき?

株式会社や持分会社(合同会社等)の利益追求をする法人は、出資をする人がいなければ設立することができません。今回は、その資本金をいくらにすればいいのか? どんな基準で考えるのかについて解説します。

資本金とは

株式会社などには、必ず「持ち主」=「出資者」がいます。必ずしもこの出資者と経営者が同一とは限りませんが、ここでは事業者と出資者が同一なものとして解説していきます。

資本金とは、事業者が準備した会社の運転資金(設備投資含む)のことをいいます。平成18年に商法(会社法)の改正があり、会社を設立登記する際の資本金は1円からでもできることになりました。

それ以前では、株式会社1000万円以上、有限会社300万円以上という基準がありましたが、現在では少ない資金でも、登記できることとなっています。では実際のところ、いくらくらいの資本金で会社を設立すればいいのでしょう。

設立後、どれくらいの資金がかかるのか

まずは初期投資と運転資金で、どれくらいかかるのかが基準になります。初期投資に満たない金額で設立することももちろん可能ですが、そうすると足りない金額は事業者が自己資金から会社に資金を貸すことになります。

そうなると、役員借入金となって貸借対照表負債の部に勘定されます。つまり、役員借入金が増えると、会社の自己資本比率が下がるのです。

決算書は会社の成績表です。自己資本比率が低いということは、成績が悪い会社と見られる可能性が高くなります。そのため、会社を設立する際には、きちんと事業計画書を作成し、初期投資及び半年分の運転資金くらいは、資本金として計上している会社が多いように思います。

資本金=信用度

会社設立直後はもちろん決算書がありません。なので、取引先や銀行が会社の信用度をはかるには、資本金がどれくらいあるのかを見るしかないのです。資本金を1円で設立したとして、その会社は一体その資本金で何ができるでしょう。

会社を大きくするために1円で投資できるものがあるでしょうか。事業者の自己資金がある、と言っても口先だけで取引先は確認のしようがありません。

「商品を買いたい」と言ってもその買うお金がどこにあるのかわからなければ、商品は売ってもらえません。ちゃんと「安定した経営ができます」という証拠のためにも、ある程度の資本金は計上する必要があるといえます。

銀行融資を受けたい

銀行融資を受けるにも、資本金が大切です。お金が返ってこなさそうな会社に融資はしませんよね。創業時には各銀行で「創業融資」という枠があります。各金融機関でいくらまで、と決まっていますが、さらに自己資金「〇分の〇」という基準が設けられています。

日本政策金融公庫であれば、現在初期投資及び運転資金に対して自己資金10分の1の基準となっているので、100万円の自己資金で最大900万円の融資が受けられます。ただし、これはあくまで「最大」であって必ず受けられるわけではありません。

事業計画の内容から回収可能性を考えて融資額を決定していくのです。つまり、融資額に対して自己資金の比率が高ければ高いほど回収可能性が高い、と判断してもらえます。

初期投資と運転資金も銀行借り入れに頼る会社なのか、初期投資とある程度の期間の運転資金を準備した上で、「何かあったときのために」借入をしておく会社なのかで、金融機関の印象が変わってきます。

あくまで「安すぎる」資本金では、取引先からも金融機関からも信用を得られないと考えたほうがいいでしょう。

許認可が取れない場合もある

事業によっては最低資本要件が決められているものもあります。例としては有料職業紹介事業(500万円以上)、一般労働者派遣事業(2000万円以上)があげられます。

資本金を決める前に、まず許認可が必要か、それには資本要件がないのか、は調べておかなければなりません。

資本金によって税金が変わる?

法人は、その名の通り「法によって生まれた人格」です。私たちのような人間のことを法律上は「自然人」といいます。私たち自然人は、必ずどこかに居住地を置いてそこに住んでいますよね。そしてその住んでいる地に「住民税」を支払っています(ふるさと納税は特例です)。

法人も、「人」である以上、その住んでいる地に住民税を支払わなければならないのです。
この住んでいる地というのは本店所在地や、営業所がある地域になります。この住民税をどれくらい課税するのか、の基準になっているのが資本金です。

最低の基準で1000万円以下7万円、1000万円超で18万円です。このため、法人住民税(「均等割」と呼ばれることもあります)を最低基準で抑えておくために初期投資がそれ以上かかろうとも、資本金を1000万円としている会社もあります。

おわりに

資本金を考える上ではさまざまな基準がありますが、決めるときには前述の順位で考えてみてはいかがでしょうか。

1.初期投資と運転資金 2.受けたい融資金額 3.許認可が取れるか

それらをすべてクリアした上で、1000万円以下ですむのであれば、税負担が大きくなるので1000万円以下で十分問題ないかと思います。

 

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監修:大西千桜里(司法書士)

北海学園大学法学部卒業。卒業の年の司法書士試験に合格し、埼玉県の司法書士法人にて約1年半勤務。
その後、北海道札幌市にて司法書士大西千桜里事務所を開業。現在開業7年目を迎える。
会社法が好きなことから、開業時より商業登記を中心に受託。自身の父が亡くなったときに“争族”があったことから最近は争族対策にも力を入れている。

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