• 更新日 : 2024年1月9日

目的変更・目的変更登記とは?書き方・必要書類を紹介

目的変更・目的変更登記とは?書き方・必要書類を紹介

設立した会社の目的を変更する場合、目的変更登記が必要です。正しく会社の目的を登記することは、取引先や債権者など利害関係者との信頼関係を構築していく上で欠かせません。この記事では、目的変更登記の申請の流れ・方法について、詳しく解説します。また、登記申請に要する費用も取り上げるため、ぜひ参考にしてください。

目的変更登記とは?

目的変更登記とは、法人の定款や登記簿に記載された目的を変更することを指します。目的とは、法人を運営する上での事業内容のことです。法人は、定款に記載された目的の範囲内で権利能力を有すると考えられており、事業内容に変更がある場合は、目的変更登記を行う必要があります。

目的変更登記は、取引先企業の信頼を得る上でも重要です。新たに企業と取引を行う場合、取引先企業は、登記された目的を参考に相手企業の信頼性を調査する場合があります。目的が明確に記載されていることは、自社の事業内容を取引先企業にアピールし、安心感を与えることにつながります。

会社の目的変更が必要になるケース

目的変更登記は、法人が新規事業を展開する際に行うケースが多いです。法人の設立時には、定款に事業目的を記載します。設立後に事業内容に変更が生じたり新規事業を展開したりする場合は、その都度目的の変更が必要です。

目的変更登記をせずに新規事業を展開しても、法律によるペナルティが課されるわけではありません。しかし、目的に記載のない事業を営んでいると、登記簿謄本を確認した取引先企業からの不信感や取引の見直しにつながるリスクがあります。事業内容に変更が生じた場合は、適切に目的変更登記を行うことが大切です。

目的変更の登記申請の流れ・方法

目的変更をするには「株主総会の開催」→「株主総会議事録・株主リストを作成」→「変更登記申請書を作成」→「目的変更登記の申請」の流れで手続きを行います。

目的変更をする場合、定款の変更が必要です。まずは、定款変更に必要な株主総会を開催しましょう。定款の変更には、発行済株式総数の過半数を有する株主の出席と、議決権の3分の2以上の賛成による特別決議が求められます。決議後は、目的変更登記に必要な株主総会議事録と株主リストを作成してください。

変更登記申請書やその他の添付書類を準備し、管轄の法務局に郵送または持参で登記申請を行えば、手続きは完了です。

目的変更の登記申請に必要な書類

法務局に目的変更登記を申請する場合「目的変更登記申請書」「株主総会議事録」「株主リスト」という3種類の書類を準備しましょう。

目的変更登記申請書には、法人の情報や登記事項を記載した上で、印鑑を押してください。申請書の提出には、登録免許税納付のための収入印紙または金融機関での支払後に交付される領収証書が必要です。

あわせて、定款変更の特別決議を行った株主総会議事録と株主リストを添付しましょう。代理人に申請を委任する場合は、委任状の添付も求められます。

目的変更の登記にかかる費用

目的変更登記をする際は、登録免許税として1件につき30,000円の納付が必要です。登録免許税を納付するには、郵便局や法務局で収入印紙を購入するか、金融機関を訪れて現金で支払う方法があります。

収入印紙や領収証書は、目的変更登記申請書の収入印紙貼付台紙に貼り付けましょう。収入印紙の場合、汚したり割印をしたりすると印紙として使用できなくなるため注意が必要です。

司法書士に依頼する場合の費用

目的変更登記は自身で行う以外に、登記の専門家である司法書士に依頼する方法があります。依頼にかかる費用は司法書士により異なりますが、20,000円〜30,000円程度が目安です。

トータル費用は、登記時に必ず発生する登録免許税30,000円とあわせて、50,000円〜60,000円程度と見積もっておくとよいでしょう。自身で手続きするより費用がかかるものの、書類作成や申請の手間を省きたい場合は、司法書士に相談するのも1つの手です。

目的変更における株式会社変更登記申請書の書き方

目的変更登記申請書(株式会社変更登記申請書)には、以下の事項を記入します。

  • 会社法人等番号:会社法人等番号を記入(分かる場合のみ)
  • 商号・フリガナ:会社名とフリガナを記入
  • 本店:本店の住所を記入
  • 登記の事由:「目的の変更」と記入
  • 登記すべき事項:変更後の目的を記入

登記すべき事項には、変更後の事業目的を漏れなく記入してください。

【事業目的の記載例】

  1. 飲食店の経営
  2. 食料品の加工、製造および販売
  3. 食料品および飲料品の小売業
  4. 酒類の販売

記載事項に迷ったときは、同業他社の事業目的を参考にするのもおすすめです。

目的変更登記のテンプレート

法務局では、目的変更登記申請書(株式会社変更登記申請書)の書き方の見本を公表しています。申請方法に迷った際に参照してみてください。

出典:法務局|株式会社変更登記申請書

また、マネーフォワード クラウド会社設立でも「目的変更登記申請書のテンプレート」のテンプレートを用意しているので、ぜひご活用ください。(無料でダウンロード可能です)

会社の目的に変更が生じた場合は目的変更登記を忘れずに

会社の目的を変更する場合は、目的変更登記が必要になります。目的変更登記には、自分で登記申請を行う場合でも、申請1件につき30,000円の登録免許税が発生します。費用は発生するものの、会社の目的は重要であるため、目的変更がある場合は、忘れずに登記申請を行いましょう。


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