• 作成日 : 2023年2月17日

心理カウンセラーとして独立開業する方法は?必要な資格やメリットも解説!

心理カウンセラーとして独立開業する方法は?必要な資格やメリットも解説!

新型コロナウイルス感染症の拡大、ロシアによるウクライナ侵攻など、不安と混迷が世界に広まる現代は、VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)の時代と呼ばれています。また、差別やいじめ、SNSなどを通じた誹謗中傷などが社会問題化する中、心を病んだ人を癒やし、心理的支援を行う心理カウンセラーを目指す人が増えています。

本記事は、心理カウンセラーとして独立開業する方法などを解説します。

心理カウンセラーとして独立開業する方法は?

心理カウンセラーは、心の悩みや苦しみを抱えた人、ストレスに苛まれている人の相談に乗り、解決を手助けする心のケアのスペシャリストです。社会的なストレスの増加などにより心のケアを求める人が増加、それに呼応するように心理カウンセラーとして開業する人が増えています。それでは、心理カウンセラーとして独立開業するにはどうすればよいのでしょうか。

自分でカウンセリングルームを開く

心理カウンセラーとして独立開業する最も一般的な方法は、自分でカウンセリングルームを開く方法です。カウンセリングを行う場所を借り、内装工事などを施して店舗としてオープンするイメージです。カウンセラーの中には、自宅の空きスペースを利用してカウンセリングを行っている人もいます。物件取得費や内外装工事費などの初期投資を抑えたい場合は、レンタルルームやレンタルスペースを借りてカウンセリングを行う方法もあります。

電話やZoomなどオンラインでカウンセリングをする

実店舗ではなく、電話やZoomなどを使ってオンラインでカウンセリングを行う方法もあります。コロナ禍の影響で、オンラインだけでカウンセリングを行うカウンセラーが増えてきているのです。

オンラインであれば、場所や時間に拘束されず、いつでも好きな場所で好きな時間にカウンセリングすることが可能です。また、最近はカウンセリングルームとオンラインのハイブリッドでカウンセリングを行うカウンセラーも少なくありません。

スクールカウンセラーになる

スクールカウンセラーになることで、心理カウンセラーとしてのキャリアを開始する方法もあります。スクールカウンセラーは、学校現場で児童や生徒、保護者、教師の相談や支援を行う学校専属のカウンセラーです。

スクールカウンセラーは、「不登校や、いじめなどの問題行動の未然防止、早期発見および対応」などを主な職務とし、配置数は年々増加しています。厚生労働省も児童の「心の危機」に対応するため、スクールカウンセラーの配置を求めています。

副業心理カウンセラーから独立開業を目指す

いきなり心理カウンセラーとして独立開業するのではなく、最初は副業として心理カウンセラーのスキルと経験を積み、独立しても大丈夫だという確証を得てから開業するという方法もあります。

副業心理カウンセラーとして企業、学校、医療福祉施設などで幅広く仕事を経験することで自分の専門性を見極め、その専門性を高められる点がメリットです。産業カウンセラーやスクールカウンセラーなど、さまざまな領域で心理カウンセラーとしての仕事ができます。

心理カウンセラーとして開業する手順は?

実際に心理カウンセラーとして開業するには、どのような手順を踏めばよいのでしょうか。心理カウンセラーの仕事は、飲食業のように多額の設備投資や仕入れなどが必要ありません。極端にいえば、カウンセリングをする場所、またはZoomなどの通信環境があれば開業できる仕事です。在庫を持つ必要がなければ、無理に人を雇う必要もなく、身軽に始められる仕事といえるでしょう。それでも最低限、以下の準備はしておきましょう。

事業計画を策定する

心理カウンセラーとして開業する際に、最も重要なことの一つが事業計画の策定です。事業計画とは、どのような内容のカウンセリングを、誰に対して、どのような方法で、いつ、いくらで提供するかを明確にしたものです。事業計画なしに開業することは、登山計画なしに登山をすることと同じといってもよいでしょう。事前にマーケットリサーチを十分に行い、自分のカウンセリングに対する需要はどのくらいあるのか、しっかりと確認した上で開業しましょう。

開業資金を準備する

心理カウンセラーの仕事は、身ひとつあればできる、大きな投資を必要としない仕事です。しかし、開業当初から店舗を構え、内装などもそれなりに準備するとなると、相応の資金が必要になります。

ある程度の開業資金が必要な場合でも、まずは自己資金を投じることを検討しましょう。最初は副業で心理カウンセラーとしてお金を稼ぎ、それから開業資金を貯めていけると理想的です。まずは自己資金を念頭に、足りない場合に日本政策金融公庫などからの借入を検討しましょう。

開業届を提出し、営業を開始する

心理カウンセラーとして開業したら、所轄の税務署に開業届を提出し、営業を開始しましょう。開業届は、開業した日から1カ月以内に提出する必要があるため、注意してください。

営業を開始したら、あらゆる手段を活用し、集客しましょう。ホームページ、ブログ、FacebookやTwitterなどのSNS、YouTubeなどのインターネットメディアに加えて、Google広告やSNS広告、YouTube広告などのインターネット広告や、チラシ、ポスティング、折込広告、フリーペーパーなどのオフラインメディアなど、活用できるものはすべて活用して宣伝することをおすすめします。

心理カウンセラーとして開業するために必要な資格は?

心理カウンセラーとして開業するために必要な資格はありません。資格を何も持っていない人が「心理カウンセラー」を自称し、心理カウンセラーとして仕事をすることは可能です。しかし、心理カウンセラーとして仕事する上では、関連する資格を持っている人のほうが信頼を得られやすいでしょう。そのため、多くの心理カウンセラーが以下の資格を持っています。

公認心理師

公認心理師は、2017年に始まった日本初の心理職の国家資格です。公認心理師法に基づき、心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析、心理に関する支援を要する者の相談に応じ、助言、指導、その他の援助などを行います。

公認心理師試験を受験するには、大学と大学院において必要な科目を履修しているか、または大学卒業後特定の施設で2年以上の心理関連の実務経験を持つ必要があります。

臨床心理士

臨床心理士は、日本臨床心理士資格認定協会が認定する心理職の民間資格です。臨床心理士に求められる専門性として、種々の心理テスト等を用いての心理査定技法や面接査定に精通していること、一定の水準で臨床心理学的にかかわる面接援助技法を適用して、その的確な対応・処置能力を持っていることなどがあります。

臨床心理士試験を受験するには、臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了するか、指定大学院を修了し所定の条件を満たすなどの必要があります。

認定心理士

認定心理士は、公益社団法人日本心理学会が認定する心理学の民間資格です。4年制大学で心理学の標準的な基礎知識と基礎技術を修得していることを認定するものです。一定数の心理学の単位を修得した上で申請すれば資格を取得できます。試験はありません。

認定心理士は、あくまでも心理学の基礎資格であり、心理職の資格ではありません。よって心理カウンセラーの世界では、公認心理士や臨床心理士に比べ、やや低めに評価される傾向にあります。

心理カウンセラーとして開業するメリットは?

心理カウンセラーとして開業することの最大のメリットは、仕事の自由度が高いことです。心理カウンセラーは基本的に自由業で、いつでもどこでも好きなときに仕事ができます。例えば、子育て中の方でも家事や育児の合間を縫って仕事をすることが可能です。また、Zoomなどを活用すれば、夜間にカウンセリングを行うこともできます。

さらに、比較的ローコストで開業できるのもメリットです。自宅の空きスペースなどを利用して開業すれば、初期費用がほとんどかかりません。在庫はなく、人を雇わなければ人件費も必要ありません。

心理カウンセラーとして開業するデメリットは?

心理カウンセラーとして開業することのデメリットは、競争が激しいことでしょう。心理カウンセラーとして仕事をするために必要な資格はありません。それゆえ、インターネット上では「心理カウンセラー」を自称する人がひしめいています。

また、心理カウンセラーとして開業してから売上が安定するまでに相応の時間がかかることもデメリットの一つです。心理カウンセラーの業界は競争が激しく、集客が難しい傾向にあります。開業当初から顧客が付くことはまれで、多くの心理カウンセラーはあの手この手で集客して少しずつ顧客を増やしているのです。売上が安定するまではランニングコストが持ち出しになるリスクがあります。

心理カウンセラーが集客に成功するためのポイントは?

心理カウンセラーの業界は競争が激しく、集客が難しい傾向にあります。そのため、心理カウンセラーが集客するには、ホームページ、ブログ、Facebook、Twitterなどのインターネットメディアに加え、チラシやポスティング、あるいはフリーペーパーなどのオフラインメディアも活用する必要があります。どのようなメディアを活用するにしても、以下のポイントを押さえることが集客を成功させるカギとなるでしょう。

専門性を明確にする

1つ目のポイントは、専門性を明確にすることです。闇雲に「どんなお悩みでもご相談ください」とするのではなく、「ビジネスパーソンに特化した認知行動療法に強い」「中学生の予防的カウンセリングを専門にしている」など専門性を明確にしたほうが、メッセージがしっかりと伝わり、高い訴求効果が期待できるでしょう。

また、各種メディアを活用する際も、専門性を明確にしたほうが、広告文などのメッセージが組み立てやすくなり、結果的にコストパフォーマンスも高くなります。

顧客とのリレーションシップを構築する

2つ目のポイントは顧客とのリレーションシップを構築することです。心理カウンセラーは集客が難しい中、せっかく集客した顧客を1度で失ってしまえば大きな機会ロスとなってしまいます。集客した顧客にリピートしてもらい、安定した売上をもたらしてもらうのが理想的です。

リピーターを上手く確保できれば、売上は徐々に安定してくるでしょう。顧客とのリレーションシップを構築するには、CRM(顧客関係管理)システムなどを活用することをおすすめします。

SNSやYouTubeを活用する

Facebook、Twitter、InstagramなどのSNSやYouTubeを活用することもポイントです。心理カウンセラーには厳格な守秘義務が求められており、顧客の情報を発信することはできません。しかし、心理カウンセラーが自己紹介をしたり、心理カウンセリングについての一般的な情報や知識を発信したりすることは可能です。

発信した情報に対してコメントなどのエンゲージメントが獲得できれば、顧客へ誘導できる可能性が生まれます。

心理カウンセラーが独立開業する際の注意点は?

心理カウンセラーが独立開業する際の注意点は、何といってもコストをかけすぎないことでしょう。心理カウンセラーは開業コストが低く、参入障壁も低い職種といえます。資格や免許なども必要ないため、新規参入する人があとを絶ちません。そのような状況で開業時に大きな資金を投じてしまうと、その後のオペレーションにおいて大きな重石となってしまい、競争上不利になります。初期コストとランニングコストもそれぞれ可能な限りコストを下げる、ローコスト経営に徹しましょう。

自分の専門性を高めて心理カウンセラーとして成功しよう

心理カウンセラーとして成功するために最も重要なポイントは、対象とするマーケットにおけるニーズの内容と種類を把握し、それにマッチした専門性を高めることです。

専門性を高め、適切にマーケティングを行えば、成功する確率は高くなるでしょう。対象とするマーケットを知り、自分の専門性を高めて、心理カウンセラーとして成功を目指してください。

よくある質問

心理カウンセラーとして独立開業する方法は?

自分でカウンセリングルームを開く、電話やZoomなどでカウンセリングを行う、スクールカウンセラーになる、副業カウンセラーから独立開業を目指す、などがあります。詳しくはこちらをご覧ください。

心理カウンセラーとして開業するために必要な資格は?

心理カウンセラーとして開業するために必要な資格はありませんが、現場で働く多くの心理カウンセラーが公認心理師、臨床心理士、認定心理士などの資格を保有しています。詳しくはこちらをご覧ください。


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