• 更新日 : 2023年10月5日

個人でネットショップを開業する方法は?おすすめ出店先や注意点を解説

個人でネットショップを開業する方法は?おすすめ出店先や注意点を解説

商品の販売なら、実店舗ではなく、ネットショップで販売する方法もあります。個人でネットショップを開業する方法にはどのようなものがあるのか、ネットショップの出店方法やおすすめのサービス、失敗しないためのポイントを紹介します。

ネットショップは個人でもできるか?

ネットショップは個人でも開業できます。ネットショップの開業にあたっては、Amazonなどのように気軽に出店できるECモールのほか、デザインテンプレートを使うことによりサイト制作の知識がなくてもネットショップを開業できるサービスも充実してきています。個人でも開業しやすい環境になってきているといえます。

ネットショップを開業するメリット・デメリット

個人でネットショップを開業するとはどのようなことなのか、実店舗と何が異なるのか、ネットショップ開業のメリットやデメリットを紹介します。

【メリット】実店舗より低コストで開業・運営できる

ネットショップを開業するメリットは、実店舗よりもコストを抑えて開業できることです。実店舗を開業するには、土地や建物(またはテナントとしての賃料や保証料)、店舗の内装費、レジや商品棚などの設備費などがかかります。その点、ネットショップはWEBサイトの制作費や出店料(形態によっては初期費用無料)程度で済むため、少額の資金でも始めやすいのです。

また、実店舗だとランニングコストとしてかかる家賃や水道光熱費などが、ネットショップはかからないのもメリットといえます。

【メリット】全国のお客様に販売することができる

ネットショップは、全国のお客様を相手に販売できるのも強みです。実店舗のように販売エリアが制限されないため、販売の機会を得やすくなります。物流や言語などに対応できれば、海外のお客様にもリーチできるでしょう。

【メリット】24時間365日商品を販売できる

実店舗のように営業時間がなく、24時間365日商品を販売できるのもネットショップのメリットです。お客様が自分の好きなタイミングで商品を購入できるため、販売機会の損失を防げます。

【デメリット】お客様が手に取って見ることができない

ネットショップ利用時の失敗として「思ったものと違った」というケースがあります。お客様が思ったものと違うと感じやすいのは、ネット上では必要な情報を十分に伝えきれないためです。

オンラインで試着できたり質感を伝えたり、オンラインショッピングを充実させるサービスも増えてきてはいるものの、実物並みの情報を提供できるわけではありません。お客様が実際に目で見て手で感触を確かめられないことから、購入に至らないこともあります。また、お客様がショップ掲載の画像とあまりにも異なると感じた場合、購入後にクレームを受けることもあります。

【デメリット】コミュニケーションが限られる

チャットボットやビデオ通話などでオンライン接客に対応するネットショップもありますが、コミュニケーションが限定される点で課題はあります。

実店舗のように、常にお客様の表情や動きが見えるわけではないためです。ショップ側からの積極的な提案が難しいほか、チャットなどお客様の表情やしぐさが見えないツールではニーズに合った接客が難しい面があります。

【デメリット】価格競争に巻き込まれやすい

ネットショップは価格競争に巻き込まれるリスクが高いといえます。同じような商品やサービスを扱うネットショップすべてが競合になり得るためです。全国のお客様に販売できることをメリットとして取り上げましたが、商圏が競合と重なりやすいことの裏返しでもあります。価格以外の面で差別化ができないと、価格競争によりネットショップを運営するための十分な利益を確保できなくなることもあります。

ネットショップの出店方法や選び方

ネットショップの出店方法は、ECモール型ネットショップ独自サイト型ネットショップに大きく区分できます。

ECモール型ネットショップ

ECモール型は、多くのネットショップが出店するショッピングモールのような場所に出店する方法です。代表的なサービスとして、「Amazon」や「楽天市場」、「Yahoo!ショッピング」があります。多くの利用者が集まるECモールに出店することによって集客をしやすいのが特徴です。

独自サイト型ネットショップ

独自サイト型は、独立したネットショップで出店する方法です。独自サイトを制作する方法として、専門知識がなくてもテンプレートで簡単に独自のショップを持てるASP型、公開されているコードからサイトを構築するオープンソース型、機能がパッケージ化されたパッケージ型などがあります。

個人がネットショップを開業する場合、初期費用を抑えつつ、テンプレートで簡単にネットショップを作成できるASP型が利用しやすいでしょう。ASP型には、「BASE」や「makeshop」などのサービスがあります。

おすすめのネットショップ開業サービス

メルカリ

メルカリは、個人間で取引ができるフリーマーケットアプリです。個人利用をメインにしており、直感的な操作で出品できることから、個人の商品販売に利用しやすいサービスといえます。匿名配送にも対応しており、プライバシーを守りながら販売できるのも特徴です。

また、メルカリでは、個人間取引だけでなく、メルカリShopsでBtoCのビジネス向けのサービスも提供されています。ある程度の規模で開業する場合は、事業者向けの便利な機能などが充実したメルカリShopsで始めるのもおすすめです。

Amazon(アマゾン)

Amazonは、商品出品型で、国内でもメジャーなECモールのひとつです。毎月49点までの販売に適した小口出品、毎月50点以上の出品に適した大口出品があり、小規模でも始めやすいことから個人のネットショップ開業に向いています。

FBA(フルフィルメント by Amazon)と呼ばれるサービスを提供しているのもAmazonの特徴です。FBAを利用すれば、Amazonの倉庫に商品を出荷することで、商品の保管から注文処理、配送、返品までAmazonに代行してもらうことができます。

楽天市場

楽天市場は、国内EC市場でも流通金額の規模が大きい出店型のECモールです。ポイントバック率が上がるイベントの開催や楽天関連サービス利用によるポイント倍率アップのプログラムを実施していることもあり、多くのアクティブユーザーを抱えています。

特徴は、ネットショップ開業のサポートが充実していることです。ネット販売のプロであるECコンサルタントを1店舗につき1人配置することで、ショップ運営から販売促進までサポートしています。AmazonのFBAに似た、梱包(こんぽう)から配送までを代行する「楽天スーパーロジスティクス」も利用できます。

BASE(ベイス)

BASEは、独自サイト型のネットショップを簡単に開設できるASPカートです。直感的な操作でショップのデザインや商品登録ができることから、ネットショップ開設の経験がない人も使いやすいサービスといえます。

ほかのネットショップ作成サービスではあまり見られないショッピングアプリを提供しているのも特徴です。BASEで作成したネットショップに登録された商品はショッピングアプリにも出品されることから、アプリ利用者の目にも触れやすく、集客の機会を得やすくなります。

makeshop(メイクショップ)

makeshopは、独立サイト型ネットショップを作成できるASPカートです。ネットショップのための多様な機能が提供されており、SNSのショッピング機能連携やGoogle商品リスト広告との連携、SEO設定、外部サイトへの出品サービスなど、集客機能が特に充実しています。

ネットショップ構築やショップ運営について相談できるECアドバイザーの設置、新規出店やスマホ対策などをテーマにした無料セミナーの実施もあり、サポートが充実しているのもポイントです。

個人でネットショップを開業する流れ

ネットショップ開業までの流れを5つのステップに分けて紹介します。

販売する商品を決める

どのようなジャンルの商品を販売するのか決めます。ネットショップと実店舗では売れる商品に違いがありますので、ネットショップでニーズがある商品を軸に品ぞろえを考えると、販売する商品のジャンルを決めやすいでしょう。

例えばネットショップでは、定期購入されやすい商品や、持ち運びがしにくい重量のある商品、対面では買いにくい商品などが売れやすい傾向にあります。また、この段階で、自分で製造したものを販売するのか、卸売業者などから仕入れて販売するのかも決めておくとよいでしょう。

事業計画を作成する

誰をメインターゲットにするのか、どのようなブランドイメージで展開したいのか、ショップ名をどうするかなど、ショップ開業や運営の根幹になる部分を事業計画に落とし込んでいきます。

多様なネットショップが展開する現代において、コンセプトを明確にしておくことは差別化のための重要なポイントになります。しっかり計画を練っていきましょう。

必要に応じて許可や届け出を取得する

ネットショップで取り扱う商品によっては許可や届け出が必要なものもあります。例えば、食品を取り扱う場合は、食品衛生法に定める営業許可が必須です。中古品を販売する場合は古物商許可証を取得しておかなくてはなりません。

販売する商品に許可などが必要ないか確認し、必要書類を集めた上で、出店前に許可の取得や届け出を済ませておきましょう。

出店方法を決める

先述したように、出店方法は大きく分けるとECモール型と独自サイト型の2つです。ECモール型は集客に強いもののコストがかかる、独自サイト型はカスタマイズの自由度が高く顧客データを集めやすいものの集客しにくいなど、それぞれ一長一短があります。

メリットとデメリットを比較して、よりメリットのある方法を選択しましょう。複数管理する手間はかかりますが、ECモールと独自サイトの両方を利用して出店する方法もあります。

ネットショップを開設する

出店方法が確定したら、ネットショップのデザインを決めていきます。ある程度自由にデザインしたいなら、テンプレートからデザインを選択することで簡単にネットショップを作成できるASPがおすすめです。

デザインが完成したら、ネットショップで販売する商品を登録していきます。商品説明や画像を登録することで、ネット上で商品を販売するための準備が整います。注文があったらすぐに対応できるように、梱包資材や配送の準備も進めておきましょう。

開業の手続きをする

個人事業主としてネットショップを開業する場合、税務署への開業届などを行います(法人を設立する場合は、税務署への届け出のほか法務局での法人設立登記などが必要です)。

複式簿記による記帳を行うことを条件に、青色申告特別控除事業所得の計算上、最大65万円を控除できる)などの特典が利用できる青色申告制度もありますので、青色申告者の承認申請もあわせて検討してみるとよいでしょう。

  ネットショップ運営で失敗しないために

ECモールやASPカートなどのサービスで個人でもネットショップを作成しやすくなった半面、競争に巻き込まれやすく失敗するリスクもあります。ネットショップ運営でつまずかないためにはどうすればよいか、5つのポイントを紹介します。

サービスにかかるコストを確認しておく

選択する出店方法や利用するサービスで、初期費用や月額費用は異なります。思いのほかコストがかかって利益を必要以上に圧迫しないためにも、サービス選定時にコスト面の比較や収支シミュレーションでコスト感を把握しておきましょう。

例えば、商品の原価や広告費、梱包資材や配送にかかるコストのほかに、選択した出店方法にかかる利用料などが発生します。想定する売り上げに対してどのようなコストが発生するか洗い出し、利益がどのくらい残りそうか確認しておくことも重要です。

集客をする

ネットショップで売り上げを作るには、商品やショップの存在を知ってもらうことが重要です。顧客の流入が見込めるECモールでも、集客する必要はあります。

代表的な集客の方法は、ブログやSNS運用、メールマガジン、コンテンツSEO、広告です。無料で集客できるSNS運用やコンテンツSEOは成果が出るまでに時間がかかりますが、有料で集客できる広告は短期間での集客が期待できます。状況に応じて集客方法を使い分け、ネットショップに訪問してもらえるような環境を構築していきましょう。

在庫管理をする

在庫管理が適切に行われていないと、在庫切れで注文にすぐに対応できなかったり、過剰在庫により保管スペースを圧迫してしまったり、商品が見つからずに配送が遅れたりする可能性があります。

在庫管理システムを利用したり、自己で在庫を持たないサービスを活用したりするなど、適切に在庫管理できる環境にしておくことも、成功のために意識しておきたいポイントです。

顧客対応をおろそかにしない

ネットショップでの適切な顧客対応は、ショップ運営の改善やファンの獲得にもつながります。顧客対応は後回しにせず、素早く丁寧に行うのがポイントです。

また、販売する商品自体に問題はなくても、販売サイトに掲載されている情報に不備があったり、わかりにくかったりすることが原因で問い合わせが来ることもあります。

必要なときに素早く丁寧に顧客対応できるようにするためにも、問い合わせが頻繁に来ないように、明確な商品説明や商品画像の掲載を心掛けるなどの予防策も同時に行いましょう。

必要に応じて外部サービスや外注を活用する

個人でネットショップを開業する場合、対応できる範囲には限りがあります。サービスの質に影響させないためにも、先に紹介したAmazonのFBAのほか、顧客対応代行、ネットショップ運用代行など、必要に応じて外部サービスの利用や外注の活用を検討するとよいでしょう。

ポイントを押さえてネットショップを開業しよう!

Amazonや楽天市場などのように手軽に出店できるECモールや、独自のネットショップを簡単に作成できるASPなどのサービスも充実してきているため、個人でもネットショップを開業しやすくなりました。開業しやすくなった一方で、競争も激しくなってきています。ネットショップの開業で失敗しないためには、集客や顧客対応などのポイントを押さえて運営することが重要です。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談していただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事