- 更新日 : 2023年11月8日
家庭教師の開業ガイド!必要な資格や起業方法、失敗を防ぐコツを解説
生徒の自宅を訪問し、勉強を教える家庭教師。現役の大学生やフリーランス、あるいは社会人が副業として家庭教師の仕事をするケースもあるようです。最近はオンラインでマンツーマン指導で「オンライン家庭教師」をする方も増えています。本記事では、これから家庭教師の仕事を始める方を対象に、家庭教師の開業について解説します。
目次
家庭教師の開業に必要な資格・許認可は?
家庭教師の開業に必要な資格や許認可はありませんが、個人事業として開業する場合は所管の税務署へ開業届を提出する必要があります。一方、自分の実績や専門性などを証明する学歴や肩書などがあった方がマーケティング的に有利です。例えば、英語に特化した家庭教師で開業する際は留学経験や英検などの資格、あるいはTOEICやTOEFLのスコアなどの実績があった方が有利といえます。また、難関レベルの現役大学生の方が、難関校を希望している生徒の印象が良いでしょう。家庭教師の仕事においては、資格や許認可よりも実績や肩書の方が重要です。
家庭教師の開業方法は?
家庭教師の開業方法にはどのようなものがあるでしょうか。家庭教師の仕事は本質的に個人事業ですが、個人事業として家庭教師を開業する方法に加えて、家庭教師の派遣会社に登録して開業する方法や、最近はZoomやTeamsなどのビデオ会議システムを使ったオンライン家庭教師として開業する方法もあります。
派遣会社に登録して開業する
家庭教師の派遣会社に登録して開業する方法が最もシンプルであり、簡単です。多くの派遣会社がオンラインで登録を受け付けており、自分の情報や指導科目、稼働可能日や時間などを入力できます。派遣会社は、登録された情報を元にマッチする生徒をあっせんしてくれます。
派遣会社のメリットは自分で集客する必要がない点です。ニーズがある教科などでは、それなりの仕事量が確保できます。デメリットは中間マージンを取られることと、経営の自由度があまりない点です。
個人事業で開業する
家庭教師を個人事業で開業するのもベーシックな方法といえます。経営の自由度が高く、教育プログラムや指導方法、指導時間なども自由に設定が可能です。当然のことながら授業料も自分で自由に決められます。
デメリットは、派遣会社に登録して開業するのと違い、自分で生徒を集客する必要があることです。個人で開業する家庭教師のほとんどは知名度がなく、その存在が知られていません。自分のWebサイトを構築し、ソーシャルメディアやネット広告などで宣伝し、集客するには相応のコスト、時間、手間が必要になることもあります。
オンライン家庭教師として開業する
最近はオンラインで家庭教師を開業する方が増えてきているようです。オンラインで家庭教師を開業する場合も、派遣会社に登録する方法と個人事業で開業する方法があります。メリットとデメリットも同じで、派遣会社に登録する方法では自分で集客する必要がない一方、個人事業で開業する場合は自分で集客する必要が生じます。
オンライン家庭教師で開業する場合、別のメリットとして、生徒の自宅まで訪問する時間とコストをセーブできることです。純粋に学習指導に専念できる点では大きなメリットといえるでしょう。
家庭教師の開業資金
家庭教師の開業資金はどのくらいでしょうか。どの方法で開業するかによって違いがありますが、一般論として、家庭教師の開業は学習塾の開業などよりも低コストでできます。学習塾のように教室が必要なく、机や椅子といった備品も必要ありません。内外装工事も必要なければ、仕入れも必要ありません。大きな初期投資が必要なく、ほぼ身一つで開業できる点も家庭教師の仕事の特徴といえるでしょう。
初期費用
派遣会社に登録して家庭教師を開業する場合、初期費用は必要ありません。ほとんどの派遣会社は無料で登録を受け付けており、無料で仕事をあっせんしてくれます。
一方、個人事業で開業する場合、主に広告宣伝費などのマーケティングコストが必要です。具体的には、自分自身のWebサイトやブログの作成費用、ネット広告やソーシャルメディア広告などの広告費用、チラシやフライヤーなどの制作費用、教材を自作する場合といった制作費用などのコストが生じます。
運転資金
派遣会社に登録して家庭教師の仕事をする場合、運転資金は特に必要ありません。基本的には登録アルバイトのようなものなので、何かしら費用が必要になることはありません。一方、個人事業として開業する場合、Webサイトやブログなどのサーバー利用料、インターネットや携帯電話などの通信費、ネット広告やソーシャルメディア広告などの広告費用、生徒の自宅を訪問する際の交通費などが必要になります。また、オンラインで開業する場合、ZoomやTeamsなどのビデオ会議システムの利用料が必要になります。
その他
2020年に小学校でプログラミング教育が必修化されたことにより、小学生の児童を抱えた家庭でプログラミングの家庭教師のニーズが拡大しているようです。
プログラミングの家庭教師を開業する場合、特に有償プログラミングソフトウエアを使う場合、ソフトウエアの利用料、プログラミング教材費用、パソコンやタブレットなどの購入費用が必要になります。
家庭教師の開業の流れ
家庭教師の開業の流れはどうなっているのでしょうか。どの方法で家庭教師を開業するかによって違いがありますが、個人事業として開業する場合や、オンラインで開業する場合は、一般的に以下の流れで開業するケースが多いようです。
市場調査
家庭教師開業の第一ステップは市場調査です。家庭教師の仕事は、家庭教師に対するニーズがないと成立しません。マクロ的な調査とミクロ的な調査をそれぞれ行い、家庭教師に対する全体的なニーズのトレンドと、自分が教えようとしている教科や科目に対する、対象地域におけるピンポイントなニーズをそれぞれ把握します。オンラインで開業する場合は、インターネットユーザーの検索トレンドや、教育系サイトの人気ランキングなども併せて確認しておきましょう。
コンセプト作り
確認されたニーズに対応する形でコンセプトを作ります。ここでのコンセプトとは、「何を、誰に対し、どのように教えるか」を明文化したものです。例えば、小学生相手にプログラミングを教える場合のコンセプトとして、「必修化された小学生プログラミング教育に対応した基礎的学習方法と各種のスキルを、プログラミング教育を苦手とする小学4年生から6年生の男女児童に対して、児童の自宅へパソコンとプログラミングソフトウエア持参のうえ、指導する」といった感じで明文化します。
開業準備
コンセプトができたら開業準備です。個人事業としてオンラインのハイブリッドで開業する場合、ホームページやブログなどを開設して情報発信を開始します。事業者名、講師についての情報、コンセプト、対応可能日時、月謝などの受講料といった基本的な情報を必ず掲載しましょう。また、オンラインの授業用にZoomやTeamsなどのビデオ会議システムのアカウントを開設し、利用できるようにしておきます。また、X(旧Twitter)、Facebook、Instagramなどのソーシャルメディアのアカウントも開設しておきましょう。
開業
準備ができたらいよいよ開業です。開業は集客が何よりも重要です。対象エリアにおけるチラシやフライヤーなどのポスティング、地元掲示板での告知、タウン誌などへの広告掲載、インターネット広告やソーシャルメディア広告を使っ告宣伝、メーリングリストでの情報発信など、使えるツールは全て使って告知・集客します。また、個人事業として開業した場合は、開業の日から1カ月以内に所管の税務署へ開業届を提出しましょう。
家庭教師の開業・経営に失敗しないために
家庭教師の開業には、特に大きな資金が必要なく、かつ参入障壁がありません。誰でも参入できる業界であり、新陳代謝が著しい業界といえるでしょう。実際のところ、業界内の競争は激しく、生き残りは簡単ではありません。では、家庭教師の開業を成功させ、経営に失敗しないためには何をしなければならないでしょうか。
生徒の学習ニーズに対応する
家庭教師の開業を成功させ、経営に失敗しないための最大のポイントは生徒の学習ニーズに対応することです。小学生を対象にしたプログラミング教育の家庭教師が増加している旨を上述しましたが、それは実際に小学生の間で家庭教師のニーズが増加しているからです。一方、ギリシャ語の文法と会話に精通している方が小学生を相手に家庭教師の仕事を始めたとしても、実際に仕事を得ることは困難でしょう。生徒の学習ニーズが合わなければ、家庭教師の仕事は成立しません。
実績を積み上げる
家庭教師としての実績を積み上げることも重要なポイントです。生徒や保護者が家庭教師を選定する際は、肩書や保有資格など一緒に、教師の過去の実績が評価されます。肩書や保有資格などがどれだけ素晴らしくても、実績が伴っていなければ選定されません。受験専門の家庭教師であれば過去の合格実績を、TOEIC専門家庭教師であれば生徒のTOEICスコアと伸び率を、小学校プログラミング教育専門の家庭教師であれば生徒の成績や制作実例を、実績として積み上げましょう。
マーケティングを行う
マーケティングを行うことも重要なポイントです。ここでいうマーケティングとは、家庭教師としての自分自身の存在を認知させ、ターゲット層を集客し、実際に顧客になってもらうための一連の行動のことです。特に個人事業として家庭教師を開業した人の多くが、マーケティングをせずに世の中に埋もれています。マーケティングを全く行わず自分自身を売り込むことは不可能であり、マーケティングを行うことは家庭教師開業・成功のための必要条件といえるでしょう。
ニーズをしっかりと把握して家庭教師開業を成功させよう
以上、これから家庭教師の仕事を始める方を対象に、家庭教師開業について解説しました。家庭教師といえば、これまでは多くが小中学生や高校生を対象にしているという認識が一般的でしたが、最近は社会人にオフィスソフトの使い方を教える家庭教師や、司法試験受験者にオンラインで試験対策を教える家庭教師、主婦に本格的な料理を教える料理人の家庭教師なども登場しているそうです。家庭教師の仕事のジャンルは広がっています。家庭教師で開業を目指す方は、ニーズをしっかり把握し、開業を成功させましょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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