- 更新日 : 2024年1月9日
監査計画書・個別監査報告書とは?ひな形を基に書き方を解説
企業の内部監査を実施する際には、個別監査計画書と個別監査報告書を作成する必要があります。これらの書類は、内部監査を実施する担当者が作成するものです。この記事では、個別監査計画書と個別監査報告書について、概要とひな形・テンプレートを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
個別監査計画書・個別監査報告書とは?
個別監査計画書や個別監査報告書は、内部監査に関わる書類のことです。内部監査とは独立した企業内の監査組織が、公正な立場で業務や財務会計などについて調査や評価をし、報告・支援をする業務のことです。
内部監査実施の目的としては、起こり得るリスクの特定や早期発見による不祥事の発生防止などの「リスクマネジメント」があげられます。また、業務の有効性や効率性の向上を図り、経営目標の達成に向け、企業がより一層発展するための「ガバナンス強化」の狙いもあります。
さまざまなビジネスリスクの発生が予想される現代において、内部監査の実施は企業の成長に欠かせない業務と言えるでしょう。
一般的な内部監査の流れは以下の通りです。
- 社内のリスクや懸念点について調査し、内部監査に関する情報収集をする
- 内部監査対象の範囲を設定し、個別監査計画書を作成する
- 「予備調査」と「本調査」に分けて、内部監査を実施する
- 内部監査の総合的な評価・分析をして、個別監査報告書を作成し、取締役会や監査委員会において報告する
- 指摘した重要事項に関して、対象部署の改善状況を継続的にモニタリングして、内部監査をフォローアップする
問題点を把握し、改善提案後のフォローアップを繰り返すことで、健全な企業成長が期待できるでしょう。
個別監査計画書・個別監査報告書は誰が作る?
個別監査計画書・個別監査報告書は、経営者に委任された企業の監査役や社内担当者が行います。内部監査の結果は経営者に報告され、経営改善のために活用されます。
内部監査の業務として、内部統制報告書の作成があります。内部統制とは、企業の従業員すべてが遵守すべき社内のルールや仕組みのことです。内部統制報告書には、内部統制が遵守されているかを評価して記載します。作成された内部統制報告書は、外部の公認会計士により内部統制監査を受け、最終的に金融庁に提出されチェックされます。
個別監査計画書・個別監査報告書の作成は義務?
内部監査は任意の監査で、直接監査内容を定めた法令はありません。ただし、会社法や金融商品取引法によって、必然的に内部監査を実施する必要がある企業があります。
内部監査を実施する必要がある企業は、取締役会を設置している企業や資本金5億以上、または負債総額200億円以上の株式会社、新規上場企業です。ただし、内部監査を実施する必要のない企業でも、事業内容によっては社会的な信用を得るために、内部監査を実施している企業も存在します。内部監査の意図と効果を念頭に置き、実際に実施するか判断するようにしましょう。
個別監査計画書・個別監査報告書のひな形、テンプレート
個別監査計画書・個別監査報告書に決まった書式はありません。書き方に迷う場合は、下記のリンク・ページのテンプレートをぜひご利用ください。
丁寧で分かりやすい解説とテンプレートの無料ダウンロードが可能です。初めての方でも簡単に個別監査計画書・個別監査報告書の作成ができます。
個別監査計画書・個別監査報告書の書き方
内部監査をスムーズに実施するためには、個別監査計画書と個別監査報告書の作成が欠かせません。以下では、個別監査計画書と個別監査報告書の書き方について詳しく解説します。
個別監査計画書の書き方
調査情報に基づき社内のリスクや懸念点を明確にした後に、内部監査が必要とされる重要な項目や注意点を考察し、内部監査のスケジュールや計画を立てます。
個別監査計画書には、監査名・監査区分、監査の実施時期、被監査部門、監査担当者名を記載します。被監査部門への事前通知の有無についても、記入できるようにしておきましょう。さらに、監査事項および監査内容、監査方法も明記する必要があります。簡潔に分かりやすく記載してください。
内部監査人を選ぶ際は、内部監査の公平性を担保することが不可欠です。内部監査人は対象となる部門から独立していることはもちろん、客観的で公正な対応や考え方ができる人物を選任する必要があります。
個別監査報告書の書き方
調査が完了したら、規定に基づき公平な立場で内部監査報告書を作成します。個別監査報告書には、監査名や監査の実施時期、監査事項・内容、監査の結果を記載しなければなりません。監査の結果では、対象となった部門に対して「優れた取り組み」「改善すべき点」「発見事項」などに分けて、内部監査の結果や問題点を説明します。
個別監査報告書では、発見事項しか記載しなかったり、問題を大袈裟に述べたりすることがないよう気をつけてください。なお、内部監査は人事評価ではありません。個人のスキルや知識などに問題の原因を求めることは、避けるのが無難でしょう。
内部監査により改善すべき点が見つかった場合、具体的な期限を設定して早急に改善施策を実行することが大切です。早期に問題解決できるように、フォローアップできる報告書の作成を心がけましょう。
適切な内部監査に欠かせない個別監査計画書・個別監査報告書
企業の内部監査を実施する内部監査人が監査の計画と報告をするために作成する書類が、個別監査計画書と個別監査報告書です。適切に内部監査をするためには、これらの書類を正しく作成する必要があります。ひな形・テンプレートを用いれば、適切な内容・形式の個別監査計画書と個別監査報告書を作成できるので、ぜひ活用しましょう。
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