• 作成日 : 2023年3月31日

コーヒースタンドの開業方法・流れは?必要な資金や資格についても解説!

コーヒースタンドの開業方法・流れは?必要な資金や資格についても解説!

コーヒーが好きな方、カフェで働いた経験があり、独立開業を考えている方は、コーヒースタンドがいいかもしれません。手軽においしいコーヒーが楽しめるコーヒースタンドは今、人気が高まっています。

今回はコーヒースタンドを開業するメリット・デメリットや開業までの流れ、開業に必要となる資金や設備、資格、成功するためのポイントについてご紹介します。

そもそもコーヒースタンドとカフェの違いは?

これまで主流だったカフェあるいは喫茶店は、一般的な飲食店と同じようにお客様が店舗の中でコーヒーを注文してその場で飲んでいきます。テイクアウトにも対応していますが、店内での飲食がメインです。

一方、コーヒースタンドはテイクアウトが中心です。カフェのように何台もテーブルが並んでいるのではなく、コーヒーを提供するまで待ってもらうため、その場で飲みたいお客様にも対応できるよう椅子やベンチが数脚ある程度か、全く座席が設けられていない店舗がほとんどでしょう。

明確な定義はなされていませんが、店内飲食できるのがカフェや喫茶店、テイクアウト専門がコーヒースタンドと考えるとわかりやすいでしょう。本記事もこの点を前提に話を進めていきます。

コーヒースタンドを開業するメリット・デメリットは?

コーヒースタンドの開業にはカフェや飲食店の開業と比較すると良い点が数多くあります。

一方で、注意すべきポイントもいくつかあるため、それも考慮して検討することが大切です。

ここからはコーヒースタンドを開業するメリット・デメリットについて見ていきましょう。

コーヒースタンドを開業するメリット

まず挙げられるのは開業資金とランニングコストが抑えられる点です。テイクアウトが基本なので、カフェほど広いスペースは必要ありません。

そのため、物件の取得や維持にかかるコストを下げることができます。人員もそれほど必要ないため、人件費も少なく済む傾向があります。

また、回転率が高いというのもメリットです。カフェの場合はお客様の滞在時間が長く、満席になれば新規のお客様が入れなくなってしまいます。

コーヒースタンドであれば、出来上がったコーヒーを提供すればお客様はすぐに退店するという流れになるので、回転率が非常に高いといえます。

繁盛店になればカフェよりも高い利益が得られるかもしれません。

コーヒースタンドを開業するデメリット

コーヒースタンドを開業するデメリットとして挙げられるのは客単価が低いという点です。カフェであればコーヒーの他にもフードメニューを提供することができ、滞在時間も長いため、追加の注文も期待できます。

しかし、コーヒースタンドの場合はコーヒーの提供がメインとなり、商品を提供した後はお客様がすぐに立ち去ってしまうため、どうしても客単価が低くなってしまいがちです。

また、カフェであればコーヒーの味だけでなくフードメニューや店内空間の雰囲気、設備やアメニティー、スタッフのサービスなど、さまざまな要素でお客様に訴求することができます。しかし、コーヒースタンドはコーヒー一本で勝負しなければならないため、味が悪いとすぐにお客様が離れてしまいます。

コーヒースタンドの開業方法・流れは?

以上のようにコーヒースタンドを開業するにはさまざまなメリット・デメリットがあります。それらを考慮して開業するかどうかを判断しましょう。

ここからはコーヒースタンドを開業するまでの流れについてご紹介します。

事業計画

何事も計画が大切です。まずは事業計画を立てましょう。

「どんなお店にしたいのか(コンセプト)」「誰をターゲットにするのか」「どのようなコーヒーを提供したいのか」「どこに出店するのか」「開業資金はいくらかかるのか」「どのように資金を調達するのか」「店舗運営にどれだけの経費がかかるのか」「どれだけの売上と利益が見込めるのか」といったことを具体的に考えます。

資金調達

事業計画が定まったら資金の調達を行います。自己資金で足りない分は銀行で融資を受ける、親族や友人からお金を借りる、助成金や補助金を活用するといった手段で調達します。特に融資や助成金・補助金を利用する場合は審査を受けなければならず、事業計画書の提出が求められます。その意味でも、前述の事業計画はしっかりと立てておくことが大切です。

店舗となる物件を契約する

資金調達が完了したら次は物件探しです。コーヒースタンドの開業が成功するか否かは物件の立地で左右されると言っても過言ではありません。その地域にターゲット層がどれくらいいるのか、周辺にどのような施設があるのか、カフェも含めて競合は出店しているかといった調査を行ったうえで物件探しを行うことが大切です。

内装工事・設備導入

物件の引き渡しが完了したら内装工事を行い、設備を導入します。内装工事に関してもカフェと比較すると大規模なものは必要ありませんが、コーヒースタンドでは店構えが重要です。通りかかった人に「入ってみたい」と思わせるような雰囲気づくりを心がけましょう。

飲食店の「営業許可」を取得する

飲食店を開業する際には保健所から、飲食店の「営業許可」を取得しなければなりません。書類の申請から取得までに2週間ほどかかるため、余裕をもって手続きを進めておくことが大切です。

スタッフを採用・教育する

1人だけあるいは家族や友人・知人と店舗を運営するのであれば問題ありませんが、スタッフを採用する場合は早めに採用活動と教育を行いましょう。人材を採用し、ひと通りの業務ができるようになるまでには少なくとも1カ月程度はかかります。開店の数カ月前から求人を出して募集を開始したいところです。

開業届を提出する

個人事業主として開業するためには税務署に開業届を提出する必要があります。開業届を提出することで青色申告が行えるようになり、大きな節税効果が得られます。ただし、青色申告を行うためには「青色申告承認申請書」も提出する必要があります。

なお、売上が大きく見込める場合や他の事業も並行して開業する場合は会社(株式会社や合同会社)を設立することで税制上のメリットを得られる可能性がありますが、会社設立には資金が必要で経理上の処理も複雑になります。

まずは個人事業主として開業し、売上が拡大したら法人成りを検討してみてもいいかもしれません。

コーヒースタンドの開業に必要な設備は?

コーヒースタンドに必要な設備としては主に以下のようなものが挙げられます。

  • ドリップマシン
  • コールドドリンクディスペンサー
  • コーヒーグラインダー
  • シンク
  • 給湯器
  • 浄水器
  • 冷蔵庫
  • 冷凍庫
  • 製氷機
  • 焙煎(ばいせん)機
  • エスプレッソマシン
  • レジ
  • エアコン
  • 電話
  • 椅子(イートインや待合スペースを設ける場合)
  • ベンチ(イートインや待合スペースを設ける場合)
  • テーブル(イートインや待合スペースを設ける場合)

以上はあくまで一例です。提供する商品・サービスによっては不要なものも含まれている可能性があります。また、逆に上記以外の設備が必要になるかもしれません。

必要な設備をピックアップしてリスト化することで、調達漏れを防ぐことができます。

コーヒースタンドの開業資金はいくらかかる?

一般的な飲食店の開業資金の平均額は900万円程度と言われています。一方で、コーヒースタンドの開業資金の相場は500万円ほどです。前述のとおり、カフェと比較すると物件の規模も小さくて済むこと、イートイン用の設備や家具類が必要ないこと、スタッフの採用を抑えられることなどが、開業資金が低く抑えられる要因といえます。

中には200~300万円ほどの資金で開業したケースもあるようです。

コーヒースタンドの開業に必要な資格は?

コーヒースタンドを含め、飲食店には1名以上の「食品衛生責任者」を設置しなければなりません(常駐の必要はなし)。食品衛生責任者資格は講習会を受講することで取得可能です。調理師や栄養士などの資格を保有していれば、講習会の参加は免除されます。

また、先ほど挙げた飲食店の「営業許可」も必須です。所管する保健所に手続きを行い、検査を受けて合格したら許可が下ります。

他にも「コーヒーインストラクター検定」や「コーヒーマイスター」「コーヒーソムリエ」など、コーヒーに関する資格を取得することで、知識やスキルが増えてよりおいしいコーヒーが提供できるようになる、お客様からの信頼度がアップするといった効果が期待できますので、取得を目指してみるのもいいかもしれません。

コーヒースタンドの開業で成功するためのポイントは?

最後に、コーヒースタンドの開業で成功するためのポイントについてご紹介します。以下のことも意識して開業準備を進めてみましょう。

ターゲットと物件選定が肝

コーヒースタンドを開業する際にはターゲットと物件の選定が重要となります。たとえばオフィス街に開業するのであれば出勤前や休憩中の会社員がターゲットになり得るでしょう。大規模なオフィスビルや通勤客が多く乗降する駅の近く、あるいは駅からオフィスビルまでの通勤ルート上にお店を構えれば、お客様が寄ってくれる可能性が高くなります。

主婦・主夫をターゲットにするなら、買い物ついでに寄れるようにスーパーやショッピングセンターの近くにお店を設けるのがいいかもしれません。

このように、しっかりとターゲットを定め、お客様が立ち寄りやすい立地を考慮して物件を選びましょう。

中古設備を導入して開業資金を抑える

他の飲食店と比較してコーヒースタンドは少ない資金で開業することができますが、工夫次第でさらに開業資金を抑えられる可能性があります。たとえば、冷蔵庫や冷凍庫などの厨房機器を中古でそろえれば大幅な節約となります。内装工事や仕入れも相見積もりをして安い業者を選ぶなどの工夫ができます。

開業直後はどうしても運転資金に余裕がなくなりがちです。抑えるところは抑えて利益を確保しましょう。

SNSや口コミを使って集客しよう

コーヒースタンドに限らず、お店を開業する際には、まずはお店の存在を知ってもらわなければいけません。特にコーヒースタンドの集客と相性がいいのはSNSです。おしゃれな店構えやおいしそうなコーヒーの写真をアップし続けることで、ファンが増える可能性があります。SNSは無料で使えるので、広告費を抑えることも可能です。

また、口コミも非常に重要です。キャンペーンなども利用して積極的にSNSやGoogle マップなどに口コミを書いてもらいましょう。

大切なのはコーヒーへのこだわり

コーヒースタンドで何よりも大切なのはやはり味です。他にも缶コーヒーやインスタントコーヒーといった手軽で安上がりな選択肢もある中で、「おいしいコーヒーが飲みたい」「ひきたてのコーヒーを楽しみたい」と思ってお客様はわざわざコーヒースタンドを利用されるのです。

そうした方はコーヒーの味に対してシビアです。期待に添った商品を提供できなければ、すぐにお客様は離れていってしまうでしょう。豆の種類やブレンド、焙煎方法などに強いこだわりをもって、探究し続けていく必要があります。逆に、こだわりをアピールしておいしいコーヒーが提供できれば、SNSや口コミが広がって繁盛する可能性が大いに高くなります。

少ない資金で開業可能!こだわりのコーヒースタンドを開業しよう

コーヒースタンドは少ない資金で開業できる可能性が高いため、他の飲食店と比較してもハードルは低いといえます。コーヒーが好きな方、カフェで働いた経験がある方は、検討してみてもいいかもしれません。繁盛店になれば大きな利益が得られる可能性も十分あります。

一方で、店舗の立地が悪かったりコーヒーがまずかったりすれば、すぐにお客様が来なくなってしまいます。しっかりと事業計画を立てて、おいしいコーヒーを追求してみましょう。

よくある質問

コーヒースタンドの開業方法・流れは?

ざっくりと「事業計画」「資金調達」「物件の選定・契約」「内装工事」「設備導入」「飲食店の営業許可申請の届出」「スタッフの採用・教育」「開業届を提出」といった流れになります。詳しくはこちらをご覧ください。

コーヒースタンドの開業資金はいくらかかる?

目安としてはだいたい500万円ほどです。中古設備を導入するなどの工夫で200~300万円程度で開業した例もあるようです。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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