• 更新日 : 2023年9月8日

学校経営と学校運営の違い|学校経営は儲かる?

学校経営と学校運営の違い|学校経営は儲かる?

学校法人の経営に関わる学校経営とは何を表すのでしょうか。この記事では、学校経営や関連する学校運営の概要、学校経営コンサルタントの意味を解説していきます。学校法人が儲かるのか、学校法人はどのように設立するのかも解説しますので、学校法人の設立の参考にしてみてください。

学校経営とは?

学校経営とは、地域や生徒の実態に合わせてそれぞれの学校が独自性を持って学校教育目標を設定し、設備、予算、教員などのあらゆる資源を活用して、継続的にその目標を達成しようとする営みのことです。

トップである校長には、学校教育目標達成のために教職員に対して働きかけを行い、教職員おのおのが学校教育目標達成のための教育を展開できるようにする責任があります。

学校経営にあたっては、学校を取り巻くさまざまな状況や環境などを意識していくことも重要です。生徒にとって魅力的な学び舎であることだけでなく、学校としての魅力、保護者との連携、教職員が意欲を持てる職場づくりも求められます。

しかし、学校に求められることは多岐にわたりますので、短期間ですべての課題に取り組んでいくのは難しいでしょう。そこで、教育課題や経営課題と照らし合わせながら、学校教育目標の中で特に重点的に取り組みたい内容を設定し、短期間で達成可能な内容を重点目標として示します。

学校運営とは?

学校運営とは、学校業務を回していくことです。学校が組織として一貫して学校経営を行っていくには、学校経営のビジョンを反映させた学校運営が求められます。

組織として学校運営を行うためにも、校長がリーダーシップを発揮し、運営方針を示す教頭へ、さらには教育現場に携わる教職員へしっかり伝達・共有することが必要です。

教職員の中でも教務主任や学年主任など、教職をまとめる役割を持つ役職には、教育目標を実現するための企画や立案、指導や助言、連絡調整などといった役割が求められます。

学校経営計画とは?

学校経営計画とは、学校が学校内部や学校外部の関係者などに対して、学校経営の中で目指す学校像や教育目標、目標を達成するための方策を計画として示したものです。3年間などの中期的な目標、または1年間のやや短期的な目標として計画をまとめます。

たとえば、生徒が自ら考える力を育むという目標を立てたとき、学校としてどのような関わり方をして主体性を伸ばすのか、どのような学習環境や指導を持って主体性を伸ばすのか、ということが学校経営計画として示されます。

学校経営のコンサルティングとは?

学校経営のコンサルティングとは、学校経営を成功させるために、学校の抱える課題を抽出して、課題解決に向けた指導や助言を行うことです。

変化の激しい社会の中において、学校で学ぶ生徒が必要な力を身に付けるためには、教職員が専門性を発揮して充実した教育活動ができるよう、学校の体制自体を見直していくことが求められます。

しかし、複雑化する環境や社会において、学校内部だけで見直しや改善を図ることが難しくなってきました。外部の学校経営コンサルタントの力を借りて改善に取り組む学校も増えてきています。

大学の「学校経営コース」「学校経営学」などでは何を学べる?

学校経営学は、学校経営の現実を捉えて、将来の学校経営の可能性を研究する学問です。大学が提供する学校経営コースは、学校経営を始めとした学校づくりについて学び、高度な学校経営の実践力を身に付けるためのコースをいいます。

現役の大学生向けだけでなく、実際に学校経営にあたる校長、管理職である副校長や教頭など現職を対象に授業を実施している大学もあります。

専門学校や私立学校の経営は儲かる?

文部科学省の公表する「私立学校・学校法人に関する基礎データ」によりますと、私立学校のうち、短期大学など学校数が減少しているものがある一方で、大学など一部は学校数が増えていることがわかりました。

私立大学の学校数が増えているのは、少子高齢化により18歳以下の人口が減少してはいるものの、大学進学率が増え、大学に入学する人が増えているためです。

私立大学の経営状況については、地方の中小大学の約4割が赤字傾向にあるとされているものの、都市部や規模の大きい私立大学は経営が安定しているところも多く見られます。都市部・大規模な私立大学の半数以上、都市部・中小規模では4割以上、数の多い地方・中小規模でも3割以上は、収支10%以上の儲けを出しています。

専門学校は、より実践的な能力を身に付ける学校として位置付けられており、卒業後は身に付けた能力を活かして就職する人も多い学校です。

分野は、工業(情報処理など)、農業、医療(看護師など)、衛生(調理師など)、教育・社会福祉、商業実務(経理など)、服飾・家政、文化・教養(デザインや公務員など)に分けられます。

専門学校は専門が細分化されているため儲けられるかどうかは分野でも変わってきますが、学校のブランディングやトレンドに対応した教育、就職のフォローや就職率など、経営次第で儲けられる可能性があります。

参考:私立学校・学校法人基礎データ|文部科学省

学校の種類

学校の種類は、主に「一条校」、「専修学校」、「各種学校」の3つに分けることができます。

一条校

一条校とは、以下のように、学校教育法第1条に規定された学校のことです。

”第一条 この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。”

引用:学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)|e-Gov

学校教育法の第二条において、学校は、国、地方公共団体、私立学校法第三条に規定する学校法人のみが設置できるとしていますので、一条校は、一般に「学校」といわれる、公の性質を持った学校を表すことになります。

専修学校

専修学校は、一条校以外の学校で、職業や実生活で必要となる知識やスキルの向上を目的とした学校をいい、専門課程(入学資格が高等学校卒業程度)、高等課程(入学資格が中学校卒業程度)、一般課程(入学資格がない)の3つに区分されます。

代表的なものに、情報処理関係の学校、看護師や歯科衛生士などの資格取得を目指した学校、デザイン関連の学校などがあります。

修業年限1年以上、1年間の授業時間800時間以上、常時40人以上に組織的な教育を行う施設であるなど、一定の基準が設けられているのが特徴です。

各種学校

学校教育に類する教育を行う学校のうち、一条学校にも、専修学校にもあたらない、多様な教育を施す学校を各種学校といいます。

専修学校ほど要件は厳しくないものの、各種学校として認められるには、授業時間や教員数、設備などの各種学校規定などの一定の基準を満たし、都道府県知事の認可を受けなくてはなりません。インターナショナルスクールの多くは、各種学校に該当するものです。

なお、一条校、専修学校、各種学校のいずれにも該当しない教育機関は無認可校となり、学歴として認められません。

学校法人と準学校法人の違い

学校の運営主体は、学校法人や準学校法人に分けることができます。

学校法人とは、民間や公的な機関が所轄する財団法人など、私立学校を設置し運営する主体のことをいいます。学校法人を設立する場合、私立大学や私立高等専門学校は文部科学大臣から、高等学校以下は都道府県知事から認可を受けなければなりません。審査の上で認可が決定されます。

準学校法人は、専修学校や各種学校の設置や運営のみを目的とした主体のことです。準学校法人の設置においても、施設や設備、運用財産、修業年限や授業時数、生徒定数、教員、などの要件を満たした上で認可を受ける必要があります。

営利を目的とした営利企業的な学校は、学校法人や準学校法人としては認められません。

学校法人を設立する際の流れ

ここでは、学校法人を設立するときのおおまかな流れを紹介します。

1.土地や校舎の準備

学校法人を設立するためには、校地として使用できる土地や校舎を有している必要があります。土地や校舎は学校経営の継続性や安定性の観点から、借用しているものではなく、原則として自己で所有されているものであることが望ましいとされます。

2.調査や打ち合わせ

校地や校舎が要件を満たしているか、学校法人の態様に変更が可能かなど、専門家への調査依頼や打ち合わせを行います。次に設立許可申請の流れへと移りますが、スムーズな設立のためにも各都道府県の担当課などに事前に相談するのが一般的です。

3.学校法人設立認可申請書を提出

学校を設置する各都道府県で学校法人設立認可の申請を行います。

4.現地調査など

学校法人設立認可の申請が受理されたあとは、役所側で書類調査や現地調査などが行われ、さらに審議会へと持ち越されます。審議会では、部会調査が行われたあとに本審議が行われる流れとなります。

5.認可証の交付

設立認可の申請から数カ月ほどかけて審査が行われ、学校法人設立の認可が下りたときは認可証の交付が行われます。

なお、学校法人を設立するためには、学校設立の認可のほか、寄付行為(学校法人の設立者が学校に対し寄付をすること)が規定に違反していないかなど学校法人としての認可を受けなくてはなりません。私立大学や私立高等専門学校を設置する学校法人は文部科学大臣、それ以外は都道府県知事の認可が必要です。学校法人としての認可は設置認可と同時に行われ、設立登記により成立することになります。

6.学校法人の設立登記

認可証の交付が行われたら、法務局にて学校法人の設立登記をします。設立登記では、名称や所在地、目的や代表権者、資産の総額、などを明記して登記申請を行います。

7.寄付の実施

学校法人名義の口座開設や土地建物移転登記などの寄付行為(学校法人設立のための行為)を行い、学校開設を進めていきます。

8.各種規定等の書類提出

設立登記完了届や就業関係の書類など、規定される書類の提出を行います。

学校経営とは学校教育目標を達成しようとしていくこと

学校は、公的な学校だけでなく、実生活や職務を意識したものまで多様化しています。社会も複雑化する中、学校として生き残るには、学校経営に力を入れていくことも重要です。

学校経営とは、学校教育目標を継続的に達成しようとする営みのことで、学校経営をメインにした大学のコース、学校経営のコンサルティングなども発達してきています。学校法人を設立する場合は、外部の力も取り入れながら、学校経営を考えることも大切です。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。

関連記事