- 更新日 : 2026年2月27日
歯科開業の事業計画書の書き方は?テンプレートを基に記入例を解説
歯科開業の事業計画書の書き方においては、融資審査の通過と経営の安定化に向けて、客観的な根拠に基づき具体的な指針を立てることが重要です。
- 診療圏の分析:地域のニーズを調査し、狙うべきターゲット層と目標とする自費率を具体化します。
- 設備資金の計上:内装や機器の費用は、業者から取得した見積書を基に根拠のある正確な額を算出します。
- 収支の予測:保険診療費が入金されるまでのタイムラグを考慮し、不足が生じない資金繰りを計画します。
審査では確実な返済能力が問われるため、テンプレートを活用しながら、客観的なデータに基づいた現実的な収支シミュレーションを作成してください。
歯科医院の事業計画書では、根拠に基づいて必要な資金の額を記載し、事業を営む上での強みや戦略を示す必要があります。説得力のある事業計画書によって経営の指針が明確になるとともに、金融機関からの融資判断にも有利に働くでしょう。本記事では、歯科医院の事業計画書を作成するポイントや開業にあたって大切なポイントについて解説します。
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目次
歯科開業に必要な事業計画書とは?
事業計画書は、事業内容や経営の指針、資金計画などを明確に示すものです。開業時に作成が義務付けられているわけではありませんが、金融機関からの融資を受ける場合は事業計画書の作成が求められます。
歯科医院の開業には、物件の家賃や内装・外装の工事、医療設備や広告宣伝などのために数千万円規模の資金が必要です。大規模な融資を受けるためには、金融機関から信用に足ると判断されなければなりません。どのように経営を軌道に載せるのか、資金は何に使うのか、問題なく返済できるのかを事業計画書で説明する必要があります。
歯科開業の事業計画書のひな形、テンプレートは?
事業計画書のフォーマットは決まっていませんが、何もない状態から作成するには手間や時間がかかります。ひな形やテンプレートを利用することで、記載すべき項目がわかるためスムーズに作成できるでしょう。
無料登録後のページにある「会社設立ナビ」にて事業計画書をダウンロードしていただけますので、ぜひお気軽にご利用ください。
歯科開業の事業計画書の書き方・記入例は?
以下では、歯科医院を開業する際の事業計画書について、記載項目を1つずつ見ていきましょう。
創業の動機・目的
開業の動機や目的を記載する項目です。開業を決めた根底にどのような想いがあるのか、事業を通してどのような価値を提供していきたいのかを記載します。他社との差別化につながる独自性やビジョンを記入してもよいでしょう。想いを込めつつも感情的になりすぎず、客観性のある内容にまとめることが大切です。
職歴・事業実績
過去の職歴や事業における実績を記載する項目です。歯科医師になるための勉強をした大学、勤務経験のある医療機関などを記載しましょう。経歴のすべてを記載するのではなく、事業に関する経歴に絞って記載することでアピールとなります。まだ開業しておらず実績の少ない状態では、開業後に活かせる経験がどれだけあるかが信用に大きく影響します。取得した資格やマネジメントの経験、売上管理の経験などもあれば記載しましょう。
取扱商品・サービス
取扱商品・サービスの欄には、保険診療と自由診療の割合や、他社と比べた自社のセールスポイントなどを記載します。ターゲットとして狙う層や、その層の来院者を増やすための戦略も記載するとよいでしょう。
自社のスタンスやコンセプトを明確にするには、創業の動機や目的のほかに、競合の歯科医院や地域の分析も欠かせません。診療内容の違いを打ち出すことで特定の層を狙う、立地条件からファミリー層を狙うといった戦略を策定することが大切です。医療圏調査を行い、1日あたり何人の患者数を見込めるかを見積もることも必要です。
取引先・取引関係
取引先・取引関係の欄には、販売先・仕入先・外注先を記載します。歯科医院の販売先となるのは、個人である場合が一般的です。保険診療と自由診療の割合も試算して記載しましょう。仕入先には医療機器メーカーや薬品会社、外注先には歯科技師や検査を行う会社などが挙げられます。取引先が決まっている場合は具体的に記載し、それぞれについて現金取引または掛取引、締日や支払日や支払方法などの取引条件の記載も必要です。
従業員
従業員の欄には、経営者以外のスタッフの数を記載します。従業員には売上にかかわらず給与を支払わなければならないため、できる限り少ない従業員で開業することが不可欠です。金融機関の融資判断においても、雇用を維持しながら問題なく資金繰りができるかどうかをチェックされるため、無理のない人員計画を立てる必要があります。
借入の状況
すでに借入がある場合は、どこからいくら借りているのかを記載します。融資を受けたいという気持ちから、借入の状況を少なく記載することは、信用を失う原因になりえるため避けましょう。借入の有無や借入額は、信用情報機関から確認できるため、偽らず正確に記入しなければなりません。
必要な資金と調達方法
何に資金が必要で、どのように調達するのかを記載します。歯科医院の開業に必要な費用は、内外装の工事や医療設備、広告宣伝や人件費、その他備品にかかる費用が主なものです。工事や機器にかかる費用は依頼予定の業者に見積りを取るなど、根拠のある具体的な数字を記載しましょう。金融機関に対して融資の妥当性をアピールでき、無理のない資金計画を立てることにつながります。自己資金や家族・友人、金融機関からの借入など、資金の調達先についても記載が必要です。
事業の見通し
事業の見通しの欄には、開業時の収支の見通しを記載します。一か月の売上高から売上原価と経費、借入金の返済額を差し引いて、どれだけの利益が残るかを見積もります。
一か月の売上高は、診療単価×患者数×一か月の営業日数で計算することが一般的です。売上原価や経費も必要な資金と同様に、見積りや実績を基に根拠のある数字を記載することが大切です。現実的な数字を用いて計算した上で、各月の利益がプラスとなるような見通しを立てましょう。
歯科開業の事業計画書作成ポイントは?
歯科医院を開業する際の主なポイントは、患者数の見積りやキャッシュフローの現実的な見通しを立てることです。開業地の立地条件や特徴を理解することで、地域にマッチした歯科医院として多くの患者を集められる可能性があります。こうした外的な条件に加えて、歯科医院の内部で入出金の管理を徹底し、より現実的な見通しを立てることで、早期に事業を軌道に乗せられるでしょう。それぞれのポイントを以下で解説します。
地域の状況や強みに基づいてターゲットを設定する
歯科医院を開業する際には、立地条件や競合の状況を知ることがポイントの1つです。開業予定の地域に多い世帯の種類やニーズ、競合にない自社の強みなどから、どのような患者層を狙いたいのかを決めましょう。地域の状況を知るには診療圏調査が欠かせません。自らが地域に足を運んで、人通りや雰囲気を体感することも、より現状に即した事業計画を立てることに役立ちます。さまざまな条件を総合的に考慮したターゲットの設定が必要です。
保険診療と自由診療の入金タイミングに気を付ける
保険診療の場合は、窓口では診療報酬の一部しか受け取れません。多くの場合、健康保険負担の診療報酬は、診療月の翌々月に入金されます。診療を行ってから入金されるまでにタイムラグが発生するため、患者数は十分であるにもかかわらず、現金が手元になくなる可能性もゼロではありません。そのため、キャッシュフローの管理に気をつかう必要があります。
事業の見通しは根拠に基づき現実的な数字を記載する
事業計画書では、根拠に基づいた現実的な見通しが必要です。売上高は楽観視しすぎず、診療報酬の単価や患者数を複数パターン想定し、売上高の多い月・普通の月・少ない月といったケースを考えておくとよいでしょう。支出は見積書やこれまでの経験を踏まえて見積もることで、実際の支出額との誤差を減らせます。支出を少なくするには、固定費を抑えると効果的です。逆に変動費はゆとりをもって多めに見積もると、予想外の出費に備えられます。
歯科医院を開業するにあたっては、以下の記事も参考にしてください。
歯科開業の事業計画書はテンプレートを活用して確実性を高めよう
マネーフォワードは、事業計画書の作成に関する調査を実施しました。
同調査では、事業計画書の作成において最も困難だと感じたセクションは財務・資金調達計画で、35.5%でした。次いで販売戦略・マーケティング計画が30.3%となっています。
歯科医院の開業においても、多額の設備投資を伴う資金計画や、地域のニーズに合わせた集客戦略の策定は大きな壁となります。
テンプレートの活用と根拠ある計画づくり
事業計画書を作成または依頼した人のうち、Web上の事業計画書テンプレートを使用した割合は55.5%でした。多くの方がテンプレートを活用して作業の効率化を図っていることがわかります。
一方で、金融機関等への提出時に、フィードバックや再提出の指示がなく一発で審査を通過した割合は31.7%にとどまりました。約45%の人が再提出や内容の指摘を受けています。
歯科開業の事業計画書を作成する際は、テンプレートを利用して項目を網羅しつつも、客観的な根拠に基づいた現実的な数値を記入することが重要です。
出典:マネーフォワード クラウド、事業計画書に関する調査データ(回答者:809名、集計期間:2026年1月実施)
歯科の事業計画書は根拠に基づき現実的に作成しよう
歯科医院の開業では、多額の資金を必要とします。融資を受ける場合は、金融機関に納得してもらえるために、根拠に基づいて現実的な見通しを立てなければなりません。
開業する前にビジネスプランや資金計画をしっかりと立てることで、開業後も先を見通しながら落ち着いて事業を展開できるでしょう。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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※本サイトは、法律的またはその他のアドバイスの提供を目的としたものではありません。当社は本サイトの記載内容(テンプレートを含む)の正確性、妥当性の確保に努めておりますが、ご利用にあたっては、個別の事情を適宜専門家にご相談いただくなど、ご自身の判断でご利用ください。
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