• 更新日 : 2026年8月20日

社内起業(社内ベンチャー)とは?メリット・デメリットや作り方・資金調達を解説!

Point社内起業とは何か?

社内起業とは、既存企業の資金・人材・顧客基盤を活用しながら、社員が起業家として新規事業を立ち上げる仕組みです。

  • 会社の支援を受けながら新事業を検証できる
  • リスク分散・人材育成・企業文化改革に効果的
  • 検証段階は社内起業、成長後は子会社化や事業部化などが基本

Q. 社内起業と通常の起業の違いは何ですか?

A. 社内起業は親会社の資金・顧客・ブランドを活用できる点が大きな違いで、リスクを抑えながら事業化を進められます。

大企業は、なぜ急激に変化するマーケットに柔軟に対応できるのでしょうか。それは、社内起業(社内ベンチャー)という仕組みがあるからです。社内起業とは、自社の中で独立した組織を立ち上げることです。

では、社内起業はどのような仕組みで機能しているのでしょうか。どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

本記事では、社内ベンチャーの仕組みや設立方法、実際の成功例を取り上げながら解説します。

社内起業(社内ベンチャー)とは?

社内起業(社内ベンチャー)とは、企業の中で新規事業や新サービスを立ち上げる取り組みのことです。既存事業とは別に、社員が起業家のような立場で企画・検証・事業化を進める点に特徴があります。

社内起業は企業内で新規事業を立ち上げる仕組み

社内起業とは、既存企業の人材、資金、顧客基盤、ブランド、技術などを活用しながら、新しい事業を生み出す取り組みです。一般的な起業と異なり、会社の支援を受けながら進められるため、資金調達やバックオフィス体制の面で一定の安心感があります。

一方で、社内起業は自由に何でもできる仕組みではありません。既存事業との関係、社内承認、予算管理、撤退基準などを明確にしなければ、アイデア募集で終わる可能性があります。事業責任者の権限や意思決定のルールをあらかじめ整えることが重要です。

社内起業は既存資産を活かせるジャンルに向いている

社内起業に向いているのは、自社の強みを活かしやすいジャンルです。たとえば、既存顧客に追加提案できるSaaS・アプリ開発、保有データを活用した分析サービス、業務ノウハウを商品化するコンサルティング、既存商品のサブスクリプション化などが挙げられます。

また、製造業であれば技術や設備を活かした新素材・部品開発、小売業であればECや会員向けサービス、士業・専門サービス業であれば業務効率化ツールや教育コンテンツなども検討しやすい分野です。既存事業と接点があるほど、顧客理解や販売チャネルを活かせるため、事業化の確度を高めやすくなります。

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社内起業と子会社の違いは?

社内起業と子会社の違いは、事業を社内のプロジェクトとして進めるか、別法人として運営するかにあります。社内起業は既存企業の内部で新規事業を育てる方法であり、子会社は親会社とは別の法人格を持つ会社として事業を行う方法です。

【社内起業】社内プロジェクトとして新規事業を進める方法

社内起業は、既存企業の中で新規事業を立ち上げる取り組みです。会社の一部門やプロジェクトとして進めるため、親会社の人材、資金、顧客基盤、ブランド、業務ノウハウなどを活用しやすい点が特徴です。

まだ市場性が不明な事業を小さく試す場合や、既存事業との連携を重視する場合は、社内起業の形が向いています。社内稟議や既存部門との調整が必要になり、意思決定に時間がかかることがあります。

【子会社】別法人として事業を運営する方法

子会社は、親会社が出資して設立または取得する別法人です。親会社とは別の会社として、契約、採用、資金管理、売上管理、損益管理などを行います。法人格が分かれるため、事業ごとの責任範囲や収支を明確にしやすい点が特徴です。

独自ブランドで事業を展開したい場合、外部企業と共同出資したい場合、将来的な売却や上場を見据える場合には、子会社化が適しています。

検証段階は社内起業、本格展開段階は子会社化や事業部化などを検討する

社内起業と子会社・事業部化は、どちらが常に優れているという関係ではありません。新規事業の段階や目的によって使い分けることが重要です。

まだ顧客ニーズや収益性を検証する段階では、社内起業として小さく始めるほうが適しています。事業が成長し、独立した採算管理、外部資本の受け入れ、独自の意思決定が必要になった段階では、子会社化や事業部化などを検討すると整理しやすくなります。

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イントレプレナーとは?

イントレプレナーとは、企業に所属しながら、起業家のような視点で新規事業や業務改革を進める人材のことです。

イントレプレナーは社内起業を推進する人材

イントレプレナーは、会社員でありながら、起業家のように課題を見つけ、企画を立て、事業化に向けて行動する人材です。社内起業では、新規事業のアイデアを考えるだけでなく、市場調査、事業計画の作成、社内承認、検証、改善まで進める必要があります。

一般的な起業家と異なり、イントレプレナーは自社の資金、人材、顧客基盤、技術、ブランドなどを活用できます。社内稟議や既存部門との調整も必要になるため、発想力だけでなく、社内を巻き込む調整力や実行力も求められます。

社内起業を事業化につなげる役割を担う

社内起業は、制度やアイデアだけでは成果につながりません。実際に顧客課題を検証し、収益モデルを作り、社内外の関係者を動かす人材が必要です。その中心になるのがイントレプレナーです。イントレプレナーは、新規事業開発だけでなく、既存業務の効率化、DX推進、新しい販売チャネルの開拓、社内制度の改善などにも関わります。

自社を退職し、新たに独立する起業家のことをアントレプレナーといいます。アントレプレナーはすべての責任を負い、ゼロからスタートすることになります。イントレプレナーとアントレプレナーの違いは、「自社から独立しているかどうか」ということになります。

社内起業(社内ベンチャー)の目的は?

社内起業の目的について解説します。

従業員が積極的にチャレンジできる環境を作る

ビッグデータやAIといった最新技術の普及によって、マーケットは変化しています。時代に合わせて新製品や新サービスを生み出さなければ、事業のマンネリ化が進むでしょう。マンネリ化を防ぐためには新事業に取り組む必要があり、そのためには従業員にチャレンジする機会を与えなければなりません。チャレンジする機会がなければ、従業員が斬新なアイデアや革新的なサービスを思いついたとしても、新しい芽が出ることはありません。そのため、社内ベンチャーは、そのような成功の種を育てるための環境と言えるでしょう。

変化し続けるマーケットに柔軟に対応できる環境を構築できれば、マンネリ化することなく事業を展開できます。利益向上に行き詰まる前に社内起業を促進して、現場で働く従業員がアイデアを具現化できる仕組みを積極的に構築することが大切です。

人材育成によって潜在能力を引き出す

事業を拡大するためには、人材育成が不可欠です。既存の事業に依存しすぎてしまうと組織が硬直化し、時代の波に取り残されてしまいます。

社内起業は、人材育成に良い影響を与えます。なぜなら、従業員が経営者目線で事業のアイデアを考えられるからです。新事業を立ち上げることになったイントレプレナーは、それまでよりも大きな責任を担うことで潜在能力が引き出されるでしょう。従業員としてではなく、リーダーとして活躍できるチャンスは、潜んでいた才能を開花させるきっかけにもなります。そのような環境のもとで従業員が積極的に新事業に取り組む姿勢は、従業員全体のモチベーションアップにもつながるでしょう。

新しいアイデアの多くは、現場で働く従業員から生まれることがあります。刺激的な環境で人材を育成することで、行動力と実現力を兼ね備えた人材に育つでしょう。

社内起業(社内ベンチャー)のメリットは?

社内起業のメリットは以下のとおりです。

新事業で利益拡大を狙える

社内起業をすると新事業に取り組むことになるため、新しい収入源が生まれる可能性が高まります。それによって既存事業からの利益だけではなく、新規事業からの利益も見込めるため、業績の拡大にもつながるでしょう。マーケットの変化に合わせて新たな領域に参入するので、伸びしろが大きいこともメリットです。

ポジティブな企業文化が浸透する

従業員にとって社内起業はチャレンジの機会なので、モチベーションの向上が見込まれます。

従業員が新しいアイデアを活かし、新事業を生み出す文化が育まれれば、業務が単調になることはないでしょう。新たなビジネスモデルを従業員が生み出す文化が浸透すれば、結果としてポジティブな企業になります。また、自社に属したまま起業できる社内ベンチャーは、企業の風土改革にもなるでしょう。

リスクを分散できる

マーケットの需要は常に変化しているため、大企業でも業績が低迷したり、経営危機に陥ったりすることがあります。「卵は一つの籠に盛るな」という格言があるように、複数の事業を展開することでリスクヘッジを図れるでしょう。既存事業の業績が不振になっても別の事業の利益で補完できるため、業績が安定しやすくなります。

社内起業(社内ベンチャー)のデメリットは?

社内起業のデメリットは以下のとおりです。

新事業に失敗した場合は損失になる

新事業が軌道に乗るとは限りません。既存事業が好調だとしても、別ジャンルの新事業が不調になることはよくあります。これは、既存事業のノウハウのすべてを別ジャンルで活かせるわけではないからです。

新事業の立ち上げには、多くのエネルギーと時間を要します。軌道に乗るまでの間は利益が全く出ないこともあり、投資額も日を追うごとに増えていきます。順調に進んだとしても、大規模のプロジェクトのビジョンが実現するのは数年先のことです。あらゆる手段で頑張ってもビジネスモデルが確立せず、失敗に終わることもあります。その場合は、それまでに費やした資金や時間を失うことになります。多額の資金と膨大な時間を費やしても成功が保証されることはなく、失敗した場合は損失を被ることは大きなデメリットと言えるでしょう。

優秀な人材を既存事業から外すリスクがある

社内起業をする際は、優秀な人材にイントレプレナーを任せるのが妥当です。多くの場合、既存事業で成果を出した経験のある人材がイントレプレナーとして選ばれています。しかし、イントレプレナーが優秀でも新事業が成功するとは限りません。社内起業は自社のリソースを活かせるというメリットがありますが、新事業を立ち上げる場合はゼロベースで考える部分も多いからです。また、これまで経験したことがないトラブルが生じることもあります。新事業と既存事業の関連性が低いほど、新事業は一般的な起業に近しいでしょう。そのため、既存事業で成果を出した人材がイントレプレナーになっても失敗することがあります。

新事業を立ち上げるためにイントレプレナーを任せると、その人材は既存事業のチームから外れることになります。そのため、それまで好調だった既存事業の業績が傾く可能性もあり、最悪の場合は共倒れになることもあるでしょう。

社内起業は限られた人材の中からチームを組織することになるため、全体のバランスが崩れるというデメリットがあります。

社内起業(社内ベンチャー)の手順は?

社内起業は、課題の整理、事業案の検証、社内承認、試験運用、本格展開の順に進めることが重要です。社内の資金や人材を使うため、通常の起業以上に、目的・責任範囲・撤退基準を明確にする必要があります。

1. 社内起業で解決したい課題を明確にする

最初に、社内起業で何を解決するのかを明確にします。新しい収益源を作るのか、既存顧客への提供価値を広げるのか、自社の技術やデータを活用するのかによって、事業案の方向性は変わります。

この段階では、「面白そうなアイデア」ではなく、「顧客が実際に困っている課題」から考えることが重要です。既存顧客へのヒアリング、問い合わせ内容、営業現場の声、競合サービスの不足点などをもとに、事業化できる課題を絞り込みます。

2. 事業案と収益モデルを具体化する

解決する課題に対して、どのような商品・サービスを提供するのかを整理します。対象顧客、提供価値、価格、販売方法、必要な人材、初期費用、収益化までの期間を具体化します。

社内起業では、既存事業との相性も重要です。自社の顧客基盤、ブランド、技術、販売チャネルを活かせる事業であれば、ゼロから市場を開拓するよりも検証しやすくなります。

3. 小さく検証して事業化の可能性を確認する

事業案がまとまったら、すぐに大きな投資をするのではなく、小さく検証します。試作品、テスト販売、無料相談、既存顧客への限定提供などを通じて、顧客が本当に必要としているかを確認します。

検証では、売上見込みだけでなく、顧客の反応、継続利用の可能性、提供にかかる工数、利益率も確認します。反応が弱い場合は、内容を修正するか、早めに撤退する判断も必要です。

4. 社内承認を得て予算と体制を決める

検証結果をもとに、経営層や関係部署へ提案します。提案では、市場性、競合との差別化、収益計画、必要な予算、人員体制、リスク、撤退基準を示します。

社内起業は、既存部門の協力がなければ進みにくい取り組みです。営業、開発、法務、経理、人事など、関係部署の役割を明確にしておくことで、実行段階の混乱を防げます。

5. 本格展開後も改善と撤退判断を続ける

承認後は、本格的に販売や運用を始めます。ただし、開始した時点で成功が決まるわけではありません。売上、顧客数、継続率、利益率、社内工数などを定期的に確認し、改善を続けます。

一定期間たっても成果が出ない場合は、追加投資を続けるのではなく、縮小や撤退も検討します。社内起業では、挑戦を促すことと、事業として冷静に判断することの両方が必要です。

社内起業(社内ベンチャー)の資金調達は?

社内起業(社内ベンチャー)は、資金調達の面で特殊な部分があります。

基本は親会社からの提供

社内ベンチャーは、親会社の管理下に置かれます。そのため、資金調達は基本的に親会社からの提供になることが一般的です。親会社が事業に出資することで、資金を調達しやすいメリットがあります。ただし、親会社によってスタンスはさまざまです。資金調達について慎重な姿勢を見せる親会社も存在します。

また、社内ベンチャーで資金調達が親会社に偏るデメリットは、親会社の意思決定に大きな影響を受けることです。親会社の方針次第では、柔軟に事業を展開できない可能性もあります。なお、仕組みとして、社内ベンチャーが外部から資金調達を行うケースもありますが、その場合は事業を子会社化したり、外部投資家が出資しやすい体制を整えたりすることが一般的です。親会社の存在もあることから、思うように外部から資金を調達できない可能性があります。

社内起業(社内ベンチャー)のアイデアを評価する基準は?

社内起業のアイデアは、斬新さだけで採用を判断するべきではありません。事業として成立するか、自社の強みを活かせるか、継続的に収益を生み出せるかを確認する必要があります。

顧客課題が明確で市場性があるか

まず確認すべきなのは、誰のどのような課題を解決するアイデアなのかです。顧客像が曖昧なままでは、商品やサービスを作っても利用されない可能性があります。既存顧客へのヒアリング、問い合わせ内容、営業現場の声、競合サービスへの不満などをもとに、実際の需要があるかを確認します。

あわせて、市場規模や成長性も評価します。市場が小さすぎる場合、事業化しても十分な売上につながりにくいためです。

自社の強みを活かせるか

社内起業では、既存企業の資産を活用できる点が大きな特徴です。そのため、アイデアが自社の顧客基盤、ブランド、技術、データ、販売チャネル、人材などと結びついているかを確認します。

自社の強みと関係が薄い事業は、一般的な起業と同じようにゼロから市場を開拓する必要があります。既存事業との相乗効果があるか、現在の顧客に追加提案できるかを見極めることが重要です。

収益性と実行可能性があるか

最後に、収益モデルと実行体制を確認します。想定価格、販売方法、初期投資、回収期間、必要な人員、運用コストを整理し、継続的に利益を出せるかを判断します。

また、社内承認や法務・会計・システム対応など、実行上の障壁も確認が必要です。どれほど魅力的なアイデアでも、必要な人材や予算が確保できなければ事業化は難しくなります。評価時には、魅力度だけでなく、現実に進められるかまで見ることが大切です。

社内起業(社内ベンチャー)を既存事業と両立させるには?

社内起業を進める際は、新規事業だけを優先すると既存事業の人員不足や売上低下を招くおそれがあります。既存事業と両立させるには、人員・予算・評価・意思決定のルールを明確にすることが必要です。

人材配置と業務量を事前に調整する

社内起業では、既存事業で成果を出している人材が担当者に選ばれることがあります。しかし、その人材を突然既存部門から外すと、現場の負担が増え、既存事業の品質や売上に影響する可能性があります。

社内起業の担当者を専任にするのか、兼任にするのかを事前に決める必要があります。兼任にする場合は、通常業務の何割を新規事業に充てるのかを明確にし、既存部門の業務量も調整します。担当者の熱意だけに頼ると、残業や属人化につながりやすいため注意が必要です。

既存部門との役割分担を明確にする

社内起業は、営業、開発、経理、法務、人事など、既存部門の協力を受けながら進めるケースが多くあります。ただし、役割分担が曖昧なまま始めると、「誰が顧客対応をするのか」「既存顧客に提案してよいのか」「費用はどの部門が負担するのか」といった問題が起こりやすくなります。

事前に、協力を依頼する範囲、承認フロー、予算の負担先、成果の帰属を整理しておくことが大切です。既存部門に一方的な負担をかけるのではなく、既存事業にもメリットがある形で設計すると協力を得やすくなります。

評価基準と撤退基準を共有する

社内起業と既存事業では、成果が出るまでの期間が異なります。既存事業と同じ売上基準だけで評価すると、新規事業は早い段階で失敗と判断されやすくなります。一方で、成果が見えないまま投資を続けると、既存事業の資源を圧迫します。

初期段階では顧客ヒアリング数、試作品の反応、商談件数、継続利用率など、検証段階に合った指標を設定します。あわせて、一定期間で達成すべき基準や撤退条件を決めておくことで、既存事業とのバランスを保ちながら社内起業を進めやすくなります。

社内起業(社内ベンチャー)の成功例は?

社内起業の成功例を紹介します。

無印良品

大手スーパーマーケット西友の無印良品事業は、社内ベンチャーの成功例として有名です。現在でも不動の地位を確立している「無印良品」は、1980年に西友のプライベートブランドとして誕生しました。

当時の「無印良品」が掲げたコンセプトは、「わけあって、安い。」でした。バブル崩壊によりマーケットが急激に変化し、安くて質の良いものを求めるニーズが増加します。「無印良品」のコンセプトは時代にマッチし、新事業スタートからわずか5年で年商約150億円を達成します。1995年には株式上場を果たし、最前線を走り続けます。

その後、親会社の大手西友は1996年2月期に最終赤字に転落し、経営不振に陥ります。一方、順調に業績を拡大した「無印良品」は2000年2月期に売上高1,054億円を達成し、「無印神話」としてメディアから称賛されました。

スタディサプリ

「スタディサプリ」は、リクルートホールディングスの新事業コンテスト(Ring)で生まれた学生向けの学習サービスです。新事業コンテストで入社5年目の社員が提案したアイデアは、オンライン学習サービスでした。2012年に事業を開始し、教育コンテンツをデジタル化するという発想は時代のニーズをつかんだ展開が評価され、2020年度の有料利用者は150万人を突破しました。

リクルートホールディングスは別ジャンルの事業に積極的に取り組み、新しいビジネスモデルの構築に成功した実績があります。従業員の起業家精神を大切にする企業文化が根付いているため、革新的な新事業が生まれたと言っても過言ではありません。

社内起業(社内ベンチャー)における資金調達の傾向と課題

社内起業(社内ベンチャー)の資金調達は親会社からの提供が基本となりますが、事業の展開によっては外部からの資金調達を検討するケースもあります。マネーフォワード クラウドでは、創業時の資金調達の実態について独自のアンケート調査を実施しました。

資金調達で重視されるポイントと実務上の障壁

調査によると、創業時の資金調達において手法を選定する際に実務上重視した項目として、最も多いのは「金利や手数料などのコストの低さ」で、30.5%でした。次いで「調達までのスピード(即時性)」が26.1%となっています。

また、資金調達を進めるにあたって実務上の障壁となったことについては、「事業実績がないため、将来性の証明が難しかった」という回答が22.1%でした。

社内ベンチャーにおいて外部の投資から追加の資金提供を受ける際も、実績の証明が課題となりやすい現状があります。そのため、事業の将来性を論理的に証明できる精緻な事業計画を作成し、事前準備を行うことが求められます。

出典:マネーフォワード クラウド、創業時の資金調達において、手法を選定する際に実務上重視した項目は何ですか。【資金調達に関する調査データ】(回答者:資金調達の実務経験者等610名、集計期間:2026年4月実施)

社内ベンチャー制度を活用する企業は柔軟性が目立つ

社内ベンチャー制度に積極的な企業に共通する要素は、柔軟性があることです。既存の仕組みに固執することなく、従業員の斬新なアイデアを受け入れる体制が整っています。そのような柔軟な発想が社内に浸透しているため、マーケットの変化にも柔軟に対応できていると言えるでしょう。

別ジャンルの新事業を展開するために、自社のリソースを活用することはリスクが伴います。しかし、リスクを恐れてばかりいると思考が凝り固まり、既存事業のマンネリ化が進むでしょう。その結果、従業員のモチベーションが低下し、業績の低迷を招きます。自社の業績の拡大を目指すなら、社内起業で新しいビジネスモデルを構築する必要があるでしょう。

成功例として挙げた「無印良品」や「スタディサプリ」のような社内ベンチャーが、すぐに軌道に乗るとは限りません。たとえ軌道に乗らなかったとしても、人材育成に寄与することは間違いありません。

既存事業が安定しているなら、本記事で取り上げた社内起業のメリット・デメリットを正しく把握したうえで、導入を検討しましょう。社内起業で新しいビジネスモデルを構築し、軌道に乗せてから子会社を設立するという流れがセオリーです。

よくある質問

社内起業(社内ベンチャー)とは?

社内に設置される独立した組織で、主に新しいビジネスモデルを構築する目的で設置されます。詳しくはこちらをご覧ください。

イントレプレナー(社内起業家)とは?

社内起業をする際に、チームのリーダー的存在になる人材のことです。 多くの場合、既存事業で成果を出した経験を持つ優秀な人材が選ばれます。 詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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