• 作成日 : 2022年9月22日

会社設立後の手続きとは?やること・必要書類・提出期限まとめ

会社設立後の手続きとは?やること・必要書類・提出期限まとめ

法務局での会社設立登記申請を済ませ、会社を設立した後も、さまざまな手続きが控えています。税務署での各種手続き、年金事務所での社会保険の手続き、労働基準監督署やハローワークでの労働保険の手続きなどが必要です。

今回は、会社設立後にやらなければならないことを一覧でまとめました。それぞれの手続きには期限が定められていますので、内容を確認して、スケジュールに余裕をもって手続きを進めていきましょう。また、個人事業主が会社を設立した場合に別途必要となる届出についても解説していきます。

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会社設立後に必要な手続き・やること一覧

次の表は、会社設立後に必要な手続きを一覧化したものです。各提出先で、具体的にどのような手続きを行わなくてはならないのか説明していきます。

提出先
手続き
必須・任意
提出期限
税務署
法人設立届出書必須設立から2カ月以内
給与支払事務所等の開設届出書必要に応じて
(※給与支払いがあるとき)
給与支払いを行う事務所などの開設から1カ月以内
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書任意期限の定めなし
消費税の新設法人に該当する旨の届出書必要に応じて
(※資本金等1,000万円以上のとき)
すみやかに
消費税課税事業者届出書必須
(※基準期間等の課税売上が1,000万円を超えたとき)
すみやかに
青色申告の承認申請書任意設立から3カ月を経過した日の前日、第1期の事業年度終了日の前日のいずれか早い日
都道府県税事務所
法人設立届出書必須設立後おおむね1カ月以内
市町村役場
法人設立届出書必須
(※東京都23区は不要)
設立後おおむね1カ月以内と
年金事務所
健康保険・厚生年金保険 新規適用届必須事実発生から5日以内
健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届必要に応じて
(※加入が必要な従業員などがいるとき)
事実発生から5日以内
ハローワーク
雇用保険適用事業所設置届必要に応じて
(※役員以外の労働者を雇用したとき)
適用事業所になった翌日から10日以内
雇用保険被保険者資格取得届必要に応じて
(※加入が必要な労働者がいるとき)
雇用日の翌月10日まで
労働基準監督署
適用事業報告書必要に応じて
(※労働者を雇用するとき)
すみやかに
労働保険 保険関係成立届必要に応じて
(※労働者を雇用するとき)
保険関係の成立の翌日から10日以内
労働保険 概算保険料申告書必要に応じて
(※労働者を雇用するとき)
保険関係の成立の翌日から50日以内
労働保険 保険料等口座振替納付書送付(変更)依頼書兼口座振替依頼書必要に応じて
(※口座振替納付に変更したいとき)
期限の定めなし
金融機関
新規届出書必要に応じて
(※口座開設時)
口座開設時

税務署への届出書類・提出期限

会社設立後に税務署に提出する代表的な書類には次のようなものがあります。

  • 法人設立届出書
  • 源泉所得税に関する届出書(給与を支払う場合)
  • 消費税関係の届出書
  • 青色申告の承認申請書

法人設立届出書

普通法人や協同組合などを設立したときに提出が必要な書類です。設立登記の日から2カ月以内に、定款の写しを添付して届け出ます。

給与支払事務所等の開設届出書と特例

「給与支払事務所等の開設届出書」は、会社設立にともない給与支払いを開始し、源泉徴収義務者となる場合に提出が必要な書類です。給与支払いを行う事務所などの開設から1カ月以内に届け出を行います。

なお、源泉徴収義務者となった場合、給与支給の翌月10日までに源泉徴収所得税等を納める必要(毎月支給の場合は毎月納付が必要)があります。しかし、毎月の納付は手続きに負担がかかるため、半年ずつ納付(原則1~6月分は7月10日、7~12月分は翌1月20日に納付)することが特例で認められています。特例を適用するには、「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」の提出が必要です。提出期限は特に定められておらず、提出の翌月の源泉徴収所得税等から特例が適用されます。

消費税関係の届出書

資本金または出資金1,000万円以上で会社を設立した場合、消費税の新設法人となるため、すみやかに「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」を提出します。

また、資本金や出資金が1,000万円以下であっても、会社設立後、基準期間または特定期間の課税売上が1,000万円を超えたときには、すみやかに「消費税課税事業者届出書」を提出しなくてはなりません。

青色申告の承認申請書

会社設立直後から、欠損金の繰越控除などの面でメリットがある青色申告の承認を受けたいときには、青色申告の承認申請書の提出が必要です。設立から3カ月を経過した日の前日か、第1期の事業年度終了日の前日のいずれか早い日が提出期限となります。

ほかにも、棚卸資産の評価方法の届出書や減価償却資産の償却方法の届出書など、法定評価方法や法定償却方法以外を選択したいときには、任意で届け出を行います。

会社設立時の税務署での手続きについては、以下の記事で詳細を解説していますので、こちらもご覧ください。

都道府県税事務所への届出書類・提出期限

会社設立後は、法人事業税などに関連する手続きとして、都道府県税事務所に「法人設立届出書」(※都道府県により名称が異なることがあります)を提出します。提出期限は、会社設立の日からおおむね1カ月以内(東京都23区は設立の日から15日以内)です。

例えば、東京都23区内で会社を設立した場合、法人設立届出書のほか、定款の写しや登記事項証明書の写しを提出しなければなりません。期限や提出書類については都道府県により異なることがありますので、ホームページなどで事前に確認しておきましょう。

市町村役場への届出書類・提出期限

法人市町村民税に関する手続きとして、設立した会社の所在地がある市町村役場に「法人設立届出書」(※市町村により名称が異なることがあります)を提出します。東京都23区に関しては、都税事務所と別に提出する必要はありません。

法人設立届出書の提出期限は設立からおおむね1カ月以内で、定款の写しと登記事項証明書の添付を求められるケースが多いです。しかし、市町村により提出期限や提出書類が異なることもありますので、事前にホームページなどで確認することをおすすめします。

年金事務所への届出書類・提出期限

事業主1人のみであっても、常時従業員を使用する法人は、社会保険(健康保険および厚生年金)への加入が義務付けられています。そのため、会社を設立したら、年金事務所で社会保険の手続きを行わなければなりません。

社会保険の新規適用届

「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」は、社会保険に加入すべき事業者が行う手続きです。加入が必要となる事実が発生した日から5日以内に年金事務所に提出します。法人の場合、登記簿謄本と法人番号指定通知書のコピー(ない場合は国税庁法人番号公表サイトで確認した法人情報画面のコピー)が必要です。

社会保険の被保険者資格取得届

社会保険(健康保険および厚生年金)に加入すべき従業員などがいるときは、事実発生から5日以内に「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を提出します。正社員はもちろん、所定労働時間が正社員の4分の3以上になるなど一定の要件を満たすときには、パートタイマーやアルバイトも社会保険への加入が必要です。

被保険者に社会保険の被扶養者に該当する家族がいるときには、「健康保険 被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)」も提出します。

ハローワークへの届出書類・提出期限

1人でも労働者を雇用した場合、事業主は労働保険に加入することが義務付けられています。労働保険とは、労災保険と雇用保険のことで、ハローワークで行うのは雇用保険についての手続きです。

雇用保険適用事業所設置届

「雇用保険適用事業所設置届」は、適用事業所に該当する場合、つまり労働者が1人でもいる場合に必要な届け出です。労働基準監督署において労働保険に関する手続きを行った後に手続きを行います。

手続きにあたって、次の添付書類が必要です。

  • 労働保険 保険関係成立届の事業主控え
  • 登記事項証明書など
  • 労働者名簿
  • 賃金台帳
  • 出勤簿またはタイムカード
  • 雇用契約書

提出期限は、適用事業所になった日の翌日から10日以内です。

雇用保険被保険者資格取得届

「雇用保険被保険者資格取得届」は、雇用保険に加入する労働者がいるときに提出する書類です。前述の「雇用保険適用事業所設置届」は労働者が1人以上いるときに必要な書類ですので、基本的にはこれと一緒に提出します。

以前に雇用保険に加入したことがある人を雇用するときには、雇用保険被保険者証を提示します。提出期限は、雇用日の翌月10日までです。

労働基準監督署への届出書類・提出期限

労働基準監督署では、労働保険のうち、労災保険に関する手続きを行います。前述のように、労働保険の手続きは、労働者が1人以上いる場合に必要です。

適用事業報告書

「適用事業報告書」は、労働基準法の適用を受ける事業所(労働者を使用することになったとき)が提出しなくてはならない書類です。事業開始後すみやかに提出します。後述の保険関係成立届と一緒に提出するのが一般的です。

労働保険 保険関係成立届

「労働保険 保険関係成立届」は、労働者を1人以上雇用した場合に必要な届け出です。登記事項証明書と賃貸借契約書等(事業所の実在を確認できる書類)を添付して提出します。提出期限は、保険関係の成立の翌日から10日以内です。

労働保険 概算保険料申告書

労働保険料の見込み額を納付するための書類です。保険関係の成立の翌日から50日以内に提出します。

このほか、常時10人以上を雇用するときには「就業規則」、時間外労働や休日労働がある場合には「時間外・休日労働に関する協定届(36協定届)」などの提出が必要です。

口座振替に変更したいとき

労働保険料の納付は、金融機関の窓口で行います。しかし、納付忘れのリスクなどがあることから、口座振替納付に変更することも可能です。口座振替納付に変更する場合には、「労働保険 保険料等口座振替納付書送付(変更)依頼書兼口座振替依頼書」を法人口座のある金融機関の窓口に提出します。

法人口座開設のための届出書類・提出期限

銀行や証券会社など、金融機関で口座を開設する場合には、口座開設時に金融機関に「新規届出書」を提出しなければなりません。特定法人に該当するときには、法人を実質的に支配する人(代表取締役など)の居住地国なども記載する必要があります。なお、特定法人とは、上場法人や上場法人の関係法人、持株会社、また設立から2年を経過していない法人で事業を開始していない法人、などに該当しない法人などのことです。

個人事業主が会社設立した場合は別途届け出が必要!

個人事業主が会社を設立する場合、会社設立後に通常必要な手続きに加え、個人事業主の廃業に関わる手続きが必要になります。具体的には、税務署や地方自治体に、次のような届け出を行わなくてはなりません。

  • (税務署)個人事業の廃業届
  • (税務署)所得税の青色申告の取りやめ届
  • (税務署)給与支払事務所等の廃止届
  • (税務署)消費税の事業廃止届
  • (都道府県税事務所や市町村役場)事業廃止届

個人事業の廃業届

個人事業の廃業を税務署に届け出るためのものです。「個人事業の開業・廃業等届出書」に必要事項を記入し、廃業から1カ月以内に提出します。

必要に応じて行う税務署への届け出

所得税の青色申告を選択している場合には、取りやめようとする年の翌年3月15日までに「所得税の青色申告の取りやめ届出書」を提出します。

従業員に給与を支給していたときには、廃業から1カ月以内に「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」の提出が必要です。

さらに、消費税の課税事業者で、廃止する事業以外に課税所得がない場合には、「事業廃止届出書」をすみやかに提出する必要があります。

地方自治体への事業廃止届

都道府県税事務所や市町村役場などに個人事業税に係る開業届を提出している場合には、その自治体に事業廃止届(※自治体により名称が異なることがあります)を提出します。提出期限はおおむね廃業から1カ月程度ですが、自治体により期限や提出書類が異なりますので、ホームページなどで確認しておきましょう。

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会社設立後のスケジュールを事前に確認しておきましょう!

会社設立登記申請を行った後も、事業開始にあたってさまざまな届け出が必要になります。この記事で取り上げたように、届け出先や必要書類、提出期限などを確認し、届け出を円滑に進められるようにしておきましょう。

個人事業主が法人成りする場合には、さらに必要な届け出が増えますので、提出期限内に届け出ができるよう、あらかじめスケジュールを立てておくと良いでしょう。

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よくある質問

会社設立後、手続きを行う先は?

法人税や所得税関連などで税務署、法人事業税や地方税関係で都道府県税事務所や市町村役場、社会保険関係で年金事務所、労働保険関係でハローワークや労働基準監督署、法人口座開設で金融機関での手続きが必要です。詳しくはこちらをご覧ください。

会社設立後、税務署で行う手続きは?

「法人設立届出書」のほか、必要に応じて「給与支払事務所等の開設届出書」、「消費税の新設法人に該当する旨の届出書」、「青色申告の承認申請書」などの手続きを行います。詳しくはこちらをご覧ください。

個人事業主が会社設立したときは?

会社設立後に通常必要な届け出のほか、税務署に提出する個人事業の廃業届や地方自治体に提出する事業廃止届などの手続きが別途必要です。詳しくはこちらをご覧ください。


※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

監修:萱谷 有香(税理士)

叶税理士法人 東京事務所代表。不動産投資に特化した税理士事務所で働きながら収益物件について税務と投資面で多くの知識を得られたことを活かし、自らも不動産投資を手掛ける。
大手管理会社、ハウスメーカーや賃貸フェアなどで講演実績があり、記事執筆も行う。
不動産投資の規模を拡大していくために、なくてはならない金融機関からの融資についても積極的に紹介やアドバイスを行う。
金融機関から融資を引きやすい、または金利交渉しやすい決算書の作成を得意とする。
物件購入前、物件保有中、物件売却時、相続時、どの時点で相談を受けても必ず投資家にプラスになるアドバイスを心掛けている。
著書に『減価償却節税バイブル』(技術評論社)がある。

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