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  • 作成日 : 2020年5月8日
  • 更新日 : 2020年5月8日

創立費・開業費とは?それぞれの違いと仕訳方法について解説

創立費」、「開業費」という勘定科目をご存じでしょうか。会社を設立すると、当然ながら会計帳簿に日々の取引を記帳する必要があります。会社を設立して最初に記帳する(仕訳を起こす)勘定科目は、この2つのどちらかである場合が多いのではないでしょうか。今回はこの「創立費」や「開業費」について、どのような費用が該当するのか、また、その仕訳方法について解説していきます。

「創立費」、「開業費」の定義は?

創立費・開業費の定義やその範囲は、会計基準や税法で明確に定められているわけではありませんが、一般的には以下のような費用と考えていいでしょう。

創立費とは?

創立費とは、会社設立前、設立のために要した費用を言います。
例えば、以下のような支出は「創立費」として計上することになります。

  • 定款の作成のための代行手数料
  • 定款の認証手数料
  • 印鑑証明書の発行手数料
  • 認定手数料
  • 設立登記時の印紙代
  • 設立前の事務所賃借費用
  • 設立前の社員の給料
  • 銀行の口座開設手数料
  • 事務用消耗品費名刺、印鑑、封筒作成など)
  • その他(打合せ会議費、交通費など)

など

上記費用については、領収書を保管しておくようにしてください。

開業費とは?

会社設立の後、開業準備のため営業開始の時までに特別に支出した費用を言います。
例えば、

  • 会社のホームページ作成費用や看板などの広告費
  • 事務所の敷金礼金
  • 事務所の椅子・机などの事務用消耗品
  • エアコン、加湿器などの備品類

など

開業準備のために特別に支出した費用が対象ですので例えば、事務所家賃や水道光熱費、社員の給料など毎月一定額発生する費用は、開業準備のために特別に支出した費用と認められないため、開業費とはなりません。

創立費・開業費の会計処理方法

創立費、開業費の会計処理について要約すると以下のようになります。

「繰延資産」として資産に計上する

創立費、開業費は原則として繰延資産に分類されます。繰延資産とは法人が支出する費用のうち、支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶものをいいます。資産計上後、支出した年度に一度に費用として計上するのではなく、支出した費用を翌期以降に繰り延べることが認められています。

翌期以降、状況に応じて費用化する

繰延資産として資産に計上後、翌期以降、数年にわたって費用化(償却)するのが一般的です。

会計上、繰延資産は毎期一定額を規則的に償却することとなっていますが、税務上、中小企業においては、「いつでも好きな事業年度に好きな金額だけ」費用化することが認められています。

したがって、設立当初の利益があまり見込まれない年度においては費用化せず、徐々に利益が増えていったタイミングで費用化することで節税対策につながります。

繰延資産の仕訳例

それでは、創立費・開業費の仕訳について、具体例を用いて見ていきましょう。

例)12月決算の会社をX1年3月に設立した。

<X1年3月>

    • 資本金300万円の払い込みを行った。
      (借方)預金 300万円 (貸方)資本金 300万円

 

    • 定款作成費用として10万円を行政書士に支払った。
      (借方)創立費 10万円(貸方)現金 10万円

 

    • 登記費用として5万円を支払った。
      (借方)創立費 5万円(貸方)現金 5万円

 

  • その他設立費用として5万円支払った。
    (借方)創立費 5万円(貸方)現金 5万円

<X1年4月>

    • 会社ホームページ作成費用として20万円を支払った。
      (借方)開業費 20万円(貸方)現金 20万円

 

  • 事務所の椅子・机の購入費用として30万円を支払った。
    (借方)開業費 30万円(貸方)現金 30万円

<X1年12月決算時>

  • X1年度決算仕訳として、創立費を5万円、開業費を10万円償却する(未償却残高は翌期以降に繰り延べる)。
    (借方)創立費償却 5万円 (貸方)創立費 5万円
    (借方)開業費償却 10万円 (貸方)開業費 10万円

まとめ

創立費や開業費は資産に計上後、いつでも費用化することができます。会社の利益が出てからそれに合わせて費用にすることができるため、節税対策として非常に有効です。

一方で、創立費・開業費は、節税に有効であることから、粉飾決算に利用される可能性があると言えます。それゆえ、その範囲が限定されていることも注意が必要です。創立費・開業費について十分理解し、会計処理を正しく行うようにしましょう。

>>創立費として経費計上できる範囲と繰延資産の償却方法とは
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。

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監修:河野雅人(公認会計士・税理士)

東京都新宿区に事務所を構え活動中。大手監査法人に勤務した後、会計コンサルティング会社を経て、税理士として独立。中小企業、個人事業主を会計、税務の面から支援している。独立後8年間の実績は、法人税申告実績約300件、個人所得税申告実績約600件、相続税申告実績約50件。年間約10件、セミナーや研修会などの講師としても活躍している。趣味はスポーツ観戦。

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