- 更新日 : 2023年12月5日
Web制作で開業する方法 開業してもホームページ制作では儲からない?
Web制作の事業は、個人レベルでも比較的開業しやすいといえます。ただし個人事業主として活動を始めても儲かるとは限りません。技術だけでなく営業力なども備わっていないと成功は難しいでしょう。ここでは、Web制作での開業方法や開業資金について、また開業しても儲からない人の特徴などをご紹介します。
目次
Web制作で開業する2つの方法
Web制作の事業を始める際、①個人事業主として開業する方法と、②Web制作会社を設立する方法を選ぶことができます。開業方法別にそれぞれの特徴について詳しくみていきましょう。
個人事業主として開業する
個人事業主として開業する場合、税務署に開業届を提出すればよく、手続きは簡単です。小規模で事業を始める場合、自身のスキルも十分なら、個人事業主としての開業を検討するとよいでしょう。
ただ、個人事業主となり従業員も雇わないなら、自分で経理業務も対応しないといけません。また、社会的な信用が会社に比べると得にくいという難点もあります。その結果、営業をかけても成約に至らなかったり、融資を受けられなかったりといった問題に直面することもあります。
Web制作会社を設立する
Web制作自体は1人で回すこともできますが、取引数が増えてくると個人規模で対応できなくなることもあります。この場合、会社を設立して組織規模で対応することも検討します。
Web制作に関連して、WebマーケティングやSEO、Webデザインなどのサポートも行いたい、そのほかの幅広い関連事業を始めたい場合にも会社設立したほうが対応しやすくなります。
個人事業主であっても従業員を雇うことはできますが、信用の面で会社より劣るため、家族や知人でなければ採用するのが難しいことが多いようです。また事業規模が大きくなって利益も大きくなると、超過累進課税の所得税率に比べて一定税率が適用される法人税のほうが税負担は軽くなるといえます。
ただ、定款の作成や登記申請など、会社設立の手続きが大変です。設立後の運営にも負担がかかりますので、これらのデメリットを上回るメリットが得られると評価できる場合に、会社設立を検討するとよいでしょう。
Web制作の開業に必要な資金は?
Web制作は、数ある事業の中でも比較的初期投資が抑えられる事業であるといえます。Web制作の開業で必要になるものは、次の通りです。
- PCの購入費用
- ネットの開通に関わる諸費用
- 事務所の取得費(前払分の賃料、礼金や敷金、保証手数料など)
PCについては、数万円ほどで購入できるものから数十万円かかるものまでさまざまです。スペックによって大きく価格が異なりますが、PCはWeb制作の事業において最も重要な役割を担うものなので、ビジネス向けとしてメーカーが推奨している、ある程度高いスペックを備えているものを購入したほうがよいでしょう。メーカーにもよりますが、20万円ほどはPCのために資金を用意しておく必要があります。
ネットの通信環境を整えるための諸費用については、最初の資金として多くを用意する必要はありません。ただし、毎月のランニングコストが発生してきますので、契約時に月額料金や通信速度などをよく確認しておく必要があります。
自宅とは別に事務所を借りる場合、事務所の取得費として契約時に初月の家賃と、保証金や礼金・敷金などが必要になります。物件により初期費用は大きく異なりますが、家賃1カ月分の数倍ほどは準備しておきましょう。
なお、自宅で開業をする場合にはこれらの費用は必要なくなります。特に事務所を構える必要がなく、自宅に仕事場を確保できる状態にあるなら、無理に物件を取得する必要はありません。
また、以上の費用に加え、数カ月分の運転資金も開業時に準備しておくと安心です。開業後すぐに売上を出せるとは限りません。契約が取れるようになると思われる期間を想定し、その期間中に発生する経費分を、運転資金として備えておきましょう。
この期間を3カ月と想定した場合、仮に取得した物件の家賃が10万円だとすれば、初期費用のほかに家賃だけでも30万円は運転資金として備えておく計算になります。
ツールの導入にかかる初期費用やランニングコスト、従業員を雇う場合には人件費も発生し、数十万円から100万円を超える額が蓄えとして必要になることもあります。
広告を出せば早期に売上を出すことができるかもしれません。しかし、広告費の負担もかかってきますので、安易に広告を出すのは避けましょう。どのように広告を打てば成約につながるのか慎重に検討を進め、広告費も運転資金として準備しておきます。
Web制作で開業しても儲からない人の特徴は?
Web制作をする上では、当然WebサイトやWebサービスを立ち上げる技術、Webに関わる広い知識が必要です。ただ、こうした専門的なスキルだけがあっても事業として成功できるわけではありません。特に「ヒアリング能力が不足している」「営業スキルが不足している」「ホームページ制作にしか対応できない」といった方は、そのままだと儲からないリスクが大きいといえます。
ヒアリング能力が不足している
Web制作を進めるにあたっては、顧客の求めることをしっかりと把握することから始めなくてはなりません。事業者側が作成した既製品を売却するというスタイルではなく、顧客の求める通りのWebサイトやWebサービスを提供するのが基本だからです。
そのため顧客が何を求めているのかを聞き出す「ヒアリング」が重要です。まずは「何のためにWebサイトを作りたいのか」という目的を把握することが大切です。その上で、目的を達成するためにはどのような機能が必要なのか、どのようなデザインがよいのか、といった詳細を固めていきます。
ヒアリングが十分にできていないと納品後に再度修正の手間が生じるだけでなく、顧客に不満が生じてしまいます。取引が円滑に進められませんし、リピーターにもなってもらえないでしょう。
営業能力が不足している
自分のWebサイト上で「Web制作事業を始めました」と宣伝しているだけではなかなか顧客はやってきません。積極的に営業をかけていく姿勢も重要です。
とはいえ、がむしゃらにメールや電話をかけたのでは逆効果です。どのタイミングでどのような方法でアプローチをかけるのが効果的なのかを考える、営業能力も磨く必要があります。
営業に関しては、特にコミュニケーション能力が重要です。Web制作に限った話ではありませんが、顧客とのコミュニケーションのうまさが売上に大きな影響を与えます。いくらWeb制作のスキルがあっても、コミュニケーションが苦手だと信頼を得ることができず、制作を行う段階にまで至らない可能性もあります。
ホームページ制作のみを行っている
昨今、ホームページビルダーなど、簡単にWebサイトを作れるサービスが多く登場しています。簡単なWebサイトなら無料で作ることも可能です。そのため、ホームページ制作にしか対応していない場合にはなかなか儲けを出すのは難しいといえます。
そこで例えば制作に加えてWebサイト・Webサービスの管理や維持にも対応し、顧客を逃さないようにするなど、工夫を凝らす必要があります。ホームページ制作1本に頼らず、多方面から売上が出せるようにしておくと、事業を安定させやすくなります。
Web制作会社を起業する手順・流れは?
ここまでは個人事業主として行うWeb制作事業について言及してきました。しかし上述の通り、開業の方法にはもう1つ「Web制作会社を立ち上げる」という道も残っています。
Web制作の事業そのものに対する準備、例えばPCや通信環境などの準備は、個人事業主と違いはありません。ただ、事業主体が法人になるため、法人格を取得するための形式的な手続きや、組織として活動するための体制なども整える必要があります。
資本金の準備
会社設立をする場合、資本金を準備する必要があります。形式的には資本金が1円であっても設立自体は可能です。しかし資本金1円の会社と資本金1,000万円の会社では、信用の面で差があります。資本金が大きいほど信用できる会社、ということではありませんが、同類の会社と比べて極端に資本金が小さいと「怪しい会社ではないか」とマイナスの印象を持たれる可能性があります。そのため競合他社を参考に、ある程度まとまった額は確保しておくのが無難です。
チームの編成
1人で会社設立することもできますが、組織化して事業の規模を大きくしていくなら、同じチームとして活動する人材集めも必要です。
デザインやセキュリティなど、特定の分野に特化した人材がいると事業の幅も広がります。また、バックオフィスを担う人材も獲得しておくと、エンジニアが本業に注力できます。
登記申請と各種届出
会社設立をするには、まず発起人と呼ばれる起業者が定款を作成します。定款は会社の根本原則であり、商号や目的などの基本事項もここで定めることになります。
その後上述の資本金の払い込みをし、法務局で登記申請を行うことで、法人格が与えられます。つまりここまでの手続きを経て、ようやく会社が設立されるのです。
この点、個人事業主の開業とは大きな差があります。また、設立後に提出すべき書類もたくさんあります。
・税務署に提出して、会社が設立されたことを通知する ・提出期限は、会社設立から2カ月以内 | |
・税務署に提出して、法人税につき青色申告を行うことを申請する ・提出期限は、会社設立から3カ月 ※設立から3カ月以内に事業年度が変わるときは事業年度内が提出期限 | |
・税務署に提出して、給与支払事務所になることを通知する ・提出期限は、最初の給与を支払う日まで | |
・労働基準監督署に、作成した就業規則を提出する ・常時10人以上の従業員を雇い始めたとき、就業規則の作成と届出が義務になる |
上記に挙げたのはあくまで一例であり、その他、年金事務所や市役所での手続きを要するものもあります。設立後の各種書類提出も忘れずに行いましょう。
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Web制作での開業には幅広いスキルと安定した収益を出す工夫が必要
Web制作事業で開業をすること自体は、難しいことではありません。特に個人事業主としての開業であればPCと通信環境を整えて税務署に開業届を出せば、最低限の環境は整います。
しかしヒアリング能力が足りていない、営業が十分にできていない状況だと、儲かりません。また昨今は、簡単なホームページであれば誰でも簡単に作成できるサービスやツールが登場しています。そのためWeb制作事業で安定した収益を出し続けるには、ホームページを制作するだけでなく、Web制作に関連して売上を出せる仕組みを考える必要があります。
よくある質問
Web制作で開業する手順・流れは?
Web制作ができるスペックを備えたPCと通信環境を整え、税務署に開業届を提出すれば事業を始められます(会社設立の場合は、定款の作成や登記申請などが必要)。詳しくはこちらをご覧ください。
Web制作で開業しても儲からない人の特徴は?
ヒアリング能力が不足しており、取引先とのコミュニケーションがうまく取れない人、またホームページ制作にしか対応できない人は注意が必要です。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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