- 作成日 : 2023年2月22日
ドッグランを開業する方法は?開業資金や必要な資格・許可などを解説!
ドッグランを開業する際に必要な資格や許可を知りたいと思った方はいるのではないでしょうか。資格や許可以外にも開業するためにどのくらいの資金が必要か知りたい方もいるでしょう。
この記事では、ドッグランを開業する場合に必要な資格や許可、また開業する方法や黒字化するためのポイントなどについて解説していきます。
目次
ドッグランを開業する方法・手続きは?
ドッグランといってもさまざまな形態の施設があります。ここでは3つのドッグランの形態を解説していきます。
- ドッグラン単体の施設
- ドッグランとカフェなどを併設する施設
- サービスエリアやマンションなどに付帯するドッグラン
ドッグラン単体の施設
ドッグラン単体の施設の場合、資格などは必要なくドッグランを開業することができます。
まず、ドッグランを開業するためには、開業する場所を決めなければなりません。自己所有の土地ではない場所でドッグランを開業する場合は、土地探しからになります。不動産会社にドッグランを開業するための土地を探しているということを伝えて、最適な場所を探しましょう。
ドッグラン用の土地が見つかったら、市役所などの役場に確認を取ることが大切です。
土地には、市街化調整区域、農地などの制約がある場合が多く、ドッグランができそうな場所であったとしても、制限がある土地では開業ができない場合があります。
ドッグランとカフェなどを併設する施設
ドッグランとカフェを併設する場合は、ドッグラン単体の施設とは異なり、保健所の許可が必要になります。飲食店を開業する場合、営業許可申請、食品衛生責任者設置届などの許可が必要です。
また、ドッグラン単体では建設許可が下りても、カフェを併設する場合には行政の許可が下りないケースも考えられます。
候補地が決まったら、保健所と市役所に開業しても問題ないか連絡・相談する必要があります。
サービスエリアやマンションなどに付帯するドッグラン
サービスエリアやマンションなどの建物や施設にドッグランを併設する場合は、そもそも行なっている事業がドッグランを行うことを定款に書いているか、確認が必要です。
もし、ドッグランを行うことをうたっていない場合は、法務局で定款にドッグラン事業を追記する必要があります。定款の追記については、司法書士事務所で相談することもできます。
すでに行なっている事業にプラスして、ドッグランを行うことが問題ない場合には、市役所などに建設許可を取る必要があります。許可を取らずにドッグランを併設してしまうと営業停止処分が下される可能性があるため、慎重に進めた方がいいでしょう。
また、ドッグランと一緒にカフェも併設する場合には、保健所の確認も必要です。飲食店を併設する場合、保健所や市役所にしっかり相談しましょう。
既存事業にプラスして、ドッグランを併設する場合は、事業再構築補助金の対象となって工事費用に補助金が出る可能性もあります。補助金を使ってドッグランを併設しようと考えている場合は、中小企業診断士に補助金の相談をしてみましょう。
ドッグランの開業に必要な資金は?
ドッグランの開業資金について、どの程度の資金が必要になるか考えていきましょう。
ドッグランを始めるにあたって、どの程度の広さにするのかで資金は大幅に変わってきます。
ここでは100㎡の広さを想定して考えていきましょう。
ドッグランを開業するにあたり、以下のような資金が必要になってきます。
- 土地の購入費用
- 土地の造成費用
- フェンスの工事費用
- 人工芝の施工費用
- 水飲み場
- ベンチや日除けパラソル
屋外でドッグランを開業すると考えた場合には、これだけの資金は必要になります。
設備費以外にもさまざまな費用が必要です。
ドッグランを開業するにあたっては、少なくてもこれらのコストは必要になります。
カフェを併設すると考えた場合、さらに以下の設備が必要です。
- 内装工事費
- 厨房機器
- 食器
- テーブル・椅子
- 空調設備
- 厨房設備費
カフェを併設する場合には、ドッグラン単体を開業する以上に資金が必要になります。ゼロから建物を建築する場合には、建築費などもすべて加算されるため、想定以上の資金が発生する可能性もあります。
ドッグランの開業資金の調達方法は?
ドッグランを開業するにあたって、資金はどのように調達すればいいでしょうか。
開業資金の集め方をいくつかご紹介します。
- 銀行から融資を受ける
- 日本政策金融公庫から融資を受ける
- 補助金を使って援助してもらう
- クラウドファンディングを使って開業資金を集める
銀行から融資を受ける
開業資金を集める方法として、もっとも一般的なやり方が銀行から融資を受けるということです。多くの経営者が開業資金として、銀行から融資を受けます。
銀行は大きく分けてメガバンク、地銀、信用金庫の3種類があります。
メガバンクや地銀は、自己資金や頭金が少ないと融資してもらうのが難しいため、初めて開業するのであれば、信用金庫で融資を受ける方法がおすすめです。
ただし、信用金庫で融資を受ける場合は、メガバンクや地銀より金利が高い可能性があります。金利を抑えて融資を受けたいのであれば、ネット銀行もおすすめです。
ネット銀行は店舗を構えていないため、人件費や店舗資金がかかっていない分、金利を安くしてもらえる可能性があります。
また、他県から参入している地銀もおすすめです。本社が他県にある銀行は知名度や人気などで地元の銀行より劣るため、金利を抑えている傾向があります。
銀行で開業資金を借りるのであれば、県外に本社を構える地銀またはネット銀行がいいでしょう。
日本政策金融公庫から融資を受ける
銀行から融資を受ける方法と同じくらい一般的な資金調達の方法に、日本政策金融公庫があります。日本政策金融公庫は国が行なっている機関であるため、銀行よりも融資を受けやすいという特徴があります。
金利も銀行から借りる場合とあまり変わりません。このため、多くのスタートアップの経営者が日本政策金融公庫から資金を借りて資金調達を行なっています。
開業資金を集めるのであれば、銀行と日本政策金融公庫から二重で資金調達をする方法もあります。
銀行から借りられる資金では、運転資金として不安な場合に日本政策金融公庫から借りるのもいいでしょう。
補助金を使って援助してもらう
補助金に関しては、現時点で募集があってもどのタイミングで中止されるかわからないという特徴があります。
ですが、事業再構築補助金や小規模事業者持続化補助金といった補助金を使うことで資金調達する方法があります。
事業再構築補助金は、すでに会社経営をしている人が全く別の事業を始める場合に補助金が出る制度です。例えば、結婚式場を経営している経営者が、コロナ禍で結婚式の需要が急激に下がった場合に、ドッグランという全く新しい事業を始める際に援助してもらえる可能性がある制度です。
事業再構築補助金は、補助金の額が従業員数などにより上限は異なりますが、中小企業者等は資金の2/3(6,000万円を超える部分は1/2)資金援助してもらえるケースもあります。
また、小規模事業者持続化補助金は、これから創業する経営者におすすめの補助金です。創業から3年以内であれば、創業枠という補助金で、資金調達することができます。
金額はあまり大きくないですが、スタートアップの経営者にはおすすめの補助金といえるでしょう。
クラウドファンディングを使って開業資金を集める
クラウドファンディングに代表される例は、2つあります。
- CAMPFIRE
- Makuake
クラウドファンディングは、サービスや商品をリリース前に資金調達をする方法です。
例えば、鎌倉市にペット好きが集まれるドッグランを作りたいと決めて、鎌倉が好きな人やペットが好きな人に情報発信することで資金が集まります。
開業資金を出してくれる人には、以下のようなリターンを提供します。
- 1口5,000円の資金を援助してくれた人にはお礼の手紙を書く
- 1口10万円の資金を援助してくれた人には1年間無料クーポン発行
- 1口100万円の資金を援助してくれた人には半永久使える無料クーポン発行
リターンを事前に用意することで資金を出してくれる人を集めます。
また、Makuakeはガジェットや商品開発に強いクラウドファンディングです。
例えば、犬のお散歩に最適なバッグを開発し、バッグを売ることで、ドッグランの開業資金を調達するという方法もあります。
クラウドファンディングで資金調達しようと考える場合は、それぞれのサイトを調べて運営会社に相談してみましょう。
ドッグランの開業に必要な資格・許可は?
ドッグランを開業する場合、特別な資格は必要ありません。しかし、カフェなどの飲食店を併設させて開業する場合には、食品衛生責任者資格を取得する必要があるので注意してください。
開業に必要な許可は、市役所で事前に取る必要があるでしょう。開業の許可が下りないこともあるため、土地を購入する前に市役所に相談しましよう。
また、自己所有の土地であったとしても入場料などをいただく場合には、市役所に相談に行い許可を取りましょう。
ドッグランの経営を黒字化するポイントは?
- コストをかけすぎない
- マネタイズの方法を複数用意する
- サブスクリプション型の課金方法を用意する
コストをかけすぎない
倒産する多くの企業がコストをかけすぎるために失敗しています。例えば、立地のいい場所に土地を借りたため、家賃が払えなくなるというケースです。
今はインターネットやSNSが発達しているため、立地があまり良くなくても人気店にできるケースは増えています。
また、必要以上に人件費をかけすぎたために、赤字になるケースも非常に多いです。人件費は家賃などと同様に経営を苦しめます。人員は必要最小限に抑えることがおすすめです。コストは最低限に抑えることで黒字化できるため、気をつけましょう。
マネタイズの方法を複数用意する
経営資金となる収益化の方法を複数用意することが大切です。例えば、ドッグランとなると入場料のみ徴収するケースが多いですが、入場料以外にもマネタイズする方法はたくさんあります。
ドッグランのフェンスに看板をつけて、看板広告を出してくれるスポンサーを探すのもいいでしょう。看板設置費用として毎月1万円を集めるだけでも経営が安定します。
また、オリジナルのドッグフードを用意して提供するのもいいでしょう。ドッグランオリジナルの首輪や洋服があってもいいかもしれません。
過剰在庫になると経営を苦しめることになるため、発注数は慎重に決める必要がありますが、収益化の方法はたくさん考えられるため、しっかり計画することが必要です。
サブスクリプション型の課金方法を用意する
毎月会員制にするなど、毎月必ず売上が出る仕組みづくりは経営を黒字化するためには重要です。オープン時にたくさん集客することができても、1回きりだと黒字化はできません。
例えば、犬のしつけ教室を会費制にすることで、毎月来てもらうこともできます。
少額でも毎月課金してもらうことができれば、経営は安定して黒字化できることでしょう。
ドッグランを開業する方法
今回はドッグランの開業の方法や必要な資格、黒字化するポイントなどについて解説しました。
どの方法で開業するかによって届出を行う方法などは異なりますので、事前にしっかり下調べを行い、どの方法で開業するか決めましょう。
黒字化を目指すなら最初から大きく伸ばそうとするのではなく、スモールスタートがおすすめです。従業員を入れるのは経営が安定してからでも大丈夫です。まずは1人で始められる方法を模索する方がいいでしょう。
オリジナルグッズなどを作る場合も一度に大量に作ると倉庫が必要になったり、在庫が余ったりするケースも充分考えられます。最初は、低コストでの最小ロットで始める方法がいいでしょう。
よくある質問
ドッグランを開業する方法・手続きは?
詳しくドッグラン単体で開業する場合、市役所に行って届出をすれば開業することができます。ただし、カフェなどを併設する場合には保健所などから許可を取る必要もあります。詳しくはこちらをご覧ください。
ドッグランの開業に必要な資金は?
開業資金には、土地代、フェンス代、水道代、ゴミ処理代、電気代、ベンチ・パラソルなどの費用が必要です。カフェなどを併設する場合は、別途厨房機器代なども必要になります。詳しくはこちらをご覧ください。
※ 掲載している情報は記事更新時点のものです。
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