• 作成日 : 2025年2月6日

個人事業主がホームページを持つメリットは?記載内容や活用方法を解説

個人事業主にとって、ホームページの活用は事業成長の大きなカギとなります。手軽にアカウントを作れるSNSだけでは十分に伝わりにくい情報も、ホームページがあることで見込み客や既存顧客にしっかりと説明できるようになります。

本記事では、個人事業主がホームページを持つメリットや作成時の注意点、さらに上手な活用方法を解説します。

個人事業主がホームページを持つメリット

個人事業主がホームページを持つ主なメリットとしては、以下の4点が挙げられます。

  • 顧客の獲得につながる
  • 信用度が向上する
  • 名刺やポートフォリオとして利用できる
  • 集客費用を抑えられる

詳しく見ていきましょう。

顧客の獲得につながる

ホームページは見込み顧客からのアクセスを得るために不可欠な手段といえます。SNSではタイムラインが流動的で、投稿の鮮度が落ちると閲覧されなくなる場合が少なくありません。

一方、ホームページは一度検索エンジンに評価されると継続的に上位表示される可能性があります。検索エンジンを通じて商品やサービスを調べるユーザーは購入意欲も高いため、安定してホームページを訪問してもらえるようになると顧客獲得にも直結しやすくなります。

また、実店舗を持たない個人事業主にとって、ホームページはバーチャル店舗のような役割も担います。オンライン上の窓口を整えておけば、時間的・地理的な制約が小さくなり、全国各地から問い合わせを受けられるチャンスが広がります。

信用度が向上する

ホームページの存在は、信頼性向上にも貢献します。誰でも気軽に作れるSNSのアカウントだけでビジネスを行う場合、ユーザーの側に「この個人や企業は本当に信頼できるのか」という疑問が生じかねません。一方、きちんと独自ドメインのホームページを開設していると、事業主としての公式な情報を明示できるため、ユーザーの安心感が増すことが期待できます。

特に、サービス内容や運営者情報、過去の実績などをわかりやすい形でまとめられていると、初めてアクセスした人でもある程度の信用を得やすくなります。企業規模の大小にかかわらず、「ホームページをきちんと持っている=しっかりした運営者」という印象を与えられるのは、対外的な信用度を高めるうえで非常に重要です。

名刺やポートフォリオとして利用できる

個人事業主のホームページは、インターネット上の「デジタル名刺」としての役割も担います。対面での営業活動が中心だったとしても、後から詳細な説明を送りたい場合や、直接会う機会を作れない相手に対して何かしら情報を見せたい場合などに、ホームページのURLを案内すればスムーズにサービスの概要を伝えられるでしょう。

また、クリエイターやコンサルタント、士業など専門性が高い業種の場合は、これまでの制作事例や実績の具体例をポートフォリオとして示せます。SNSでは伝えきれない詳細な情報も、ホームページなら自由に掲載できるため、見る人が自分のニーズに合ったサービスを提供できる事業主なのかを判断しやすくなります。

その結果、商談や契約成立までのステップの短縮にもつながるでしょう。

集客費用を抑えられる

ホームページでの集客は、従来のオフラインの広告に比べるとコストを抑えやすい傾向があります。名刺やチラシ、看板などを活用する際の印刷費やデザイン費と比べて、ホームページの更新は比較的低コストで行えるのが魅力です。

ホームページを持つこと自体にサーバー代やドメイン費用など多少のランニングコストはかかりますが、一度整備しておけばコンテンツを継続的に活用できます。集客に力を入れたい時期には積極的に更新し、ある程度落ち着いている時期には基本的な運用を続けるだけで十分というスタイルを取ることも可能です。自身の予算やスケジュールに合わせて柔軟に活用できるため、固定費が膨らむリスクを抑えつつ集客を図れます。

個人事業主の集客におけるホームページとSNSの違い

SNSは手軽に始められ、投稿が拡散されれば多くのユーザーに瞬時にアピールできる利点があります。しかし、SNSはあくまで特定のプラットフォームに依存しており、運営元の方針変更やアルゴリズムの更新によって情報の届き方が左右されるおそれがあるのも事実です。

アカウントの凍結など予期せぬ事態に見舞われるケースもあり、それまで積み重ねてきた顧客やフォロワーとの関係が突然断たれてしまうリスクは無視できません。これに対して、独自ドメインで開設したホームページは運営者自身が管理権限を持ち、プラットフォームへの過度な依存がない点が大きな強みといえます。

また、SNSの場合はタイムラインやフィードの流れが速く、新しい情報が積み重なっていくほど過去の投稿が埋もれていきます。それに対してホームページのコンテンツは、サイト構造を適切に設計しておけば古い記事やページであっても探しやすく、検索エンジンからの流入も長期間にわたって見込めます。

こうした違いを踏まえると、個人事業主としての公式情報やサービス内容はホームページでしっかりと発信し、SNSは補助的に使う形が理想的です。

個人事業主がホームページを作成する方法

個人事業主がホームページを作ろうと思ったとき、制作の手段としては「自作」と「外注」の2つが挙げられます。どちらを選択するかは、予算やスキル、制作にかけられる時間などで異なるでしょう。ここでは、それぞれの方法の特徴を紹介します。

WordPressなどの作成ツールを利用して自作する

ホームページ作成ツールの定番といえるのが、WordPressです。WordPressは無料で利用できるオープンソースのCMS(コンテンツ管理システム)であり、初心者でもわかりやすいマニュアルが用意されているため、導入はそれほど難しくありません。初期費用が抑えられ、デザインの自由度も高く、豊富なプラグインがある点も魅力です。

また、WordPress以外にも、WixやJimdoなどは比較的簡単にデザインされたテンプレートを導入できるサービスとして知られています。こうしたツールを活用すると、高度なプログラミングの知識がなくても比較的簡単にホームぺージの作成が可能です。

プロに外注する

外注でホームページを作る場合は、制作会社やフリーランスのWebデザイナー・エンジニアなどに依頼する形が一般的です。プロに任せることでクオリティやデザイン性、集客効果を高めるための戦略的なアドバイスを得やすい点が利点といえます。

自分が不得意な分野を専門家に任せることで時間と労力を節約できるため、本業に専念したい人にとっては適した選択肢になるでしょう。

ただし、外注にはある程度の制作費用が必要になるほか、サイトの更新や改修を行う度に追加のコストが発生する場合があります。制作を依頼する前に、どの範囲までを制作会社が担当し、どの部分を自分で管理するのかを明確に決めておくことが大事です。

個人事業主のホームページに記載する内容

ホームページには、必要な情報をバランスよく掲載することが大切です。最低限記載するべき項目としては、以下が挙げられます。

  • サービス内容
  • 実績
  • 料金
  • プロフィール
  • 顧客の声
  • 問い合わせフォーム
  • プライバシーポリシー

それぞれについて、見ていきましょう。

サービス内容

提供しているサービスや商品の紹介ページは、ホームページの中核となる部分です。詳細をわかりやすくまとめるのはもちろん、他社との違い、強みなどを示すことが大切です。

抽象的な表現だけでなく、具体的な作業内容やサポート範囲などを示すと、ユーザーの理解が深まり興味を持ってもらうきっかけになるでしょう。

実績

過去にどのようなプロジェクトを手掛け、どのような成果を出したのかを紹介するのも重要です。実績を見ることで、訪問者が自身の目的や要望とマッチしているかを判断しやすくなるためです。受賞歴などがあれば、良いアピール材料になります。

多様な事例を掲載することで信頼感が増し、「この事業主なら任せられる」という安心を与えられるでしょう。

料金

訪問者にとって、料金は大きな関心事です。料金表やサービスの種類ごとの費用を示しておきましょう。

完全オーダーメイドの案件であれば、「ヒアリング後にお見積もり」という形が基本になりますが、おおよその価格帯や最終的な算定基準を明記しておくと納得感が得られやすいでしょう。価格の安さを強調するだけでなく、サービスの質と料金が見合っていることをアピールする工夫も必要です。

プロフィール

事業者自身の経歴などを詳しく紹介すると、依頼を検討している人に安心感や信頼感を与え得る効果が期待できます。どのような経験や資格があり、なぜこのビジネスを始めたのかなど、ストーリー性を持って書くと共感を得やすくなるでしょう。

士業などの専門職であれば、学歴や資格取得の経緯、資格取得後の活動などで専門性の高さを訴求することも可能です。

顧客の声

ユーザーにとって第三者の声は非常に参考度が高く、利用を検討する際の判断材料になります。実際にサービスを受けた顧客の感想やレビューを積極的に掲載し、サービスの価値を証明しましょう。

ただし、顧客の個人情報保護には配慮が必要です。実名を出す場合には必ず同意を得るなど、個人情報保護の観点にも気を使いましょう。

問い合わせフォーム

問い合わせ手段としてメールアドレスだけを載せるケースもありますが、専用フォームがあるとユーザーが連絡を取りやすくなります。必要事項を入力するだけで簡単に送信できる形にしておくと、問い合わせのハードルを下げられるでしょう。

また、フォームの設置にあたっては、セキュリティ対策としてSSL証明書を導入しているサーバーを利用するなど、個人情報が暗号化される仕組みを整えることが求められます。

プライバシーポリシー

個人情報保護法に基づき、個人情報の取り扱い方法を明示することはホームページ運営者としての責務です。

フォーム経由で取得した個人情報をどのように保管し、何の目的で利用するのか、第三者への提供の有無などを明記しましょう。アクセス解析ツールを利用している場合も、その旨やCookieの使用状況を示す必要があります。

個人事業主がホームページを作成する注意点

ホームページは「一度作成して終わり」というものではなく、運用を続けてこそ効果を発揮します。目的やターゲットを明確に設定し、こまめな更新作業や法的要件の遵守などに気を配りながら運営を継続することが重要です。

ここでは、作成時に注意すべきポイントを解説します。

目的とターゲットを明確にする

ホームページを作成する際には、まずどのような目的を達成したいのかを明らかにする必要があります。

例えば、新規顧客の獲得なのか、既存顧客とのコミュニケーションを重視するのか、あるいはブランディングが目的なのかで、設計やコンテンツの方向性が異なるでしょう。目的を定めたうえで、想定するターゲット層も設定することが欠かせません。

年齢層や居住地、興味・関心など、ある程度絞り込むことでサイトのデザインや文章のトーンも考えやすくなります。

継続的な更新と運用を行う

ホームページは作りっぱなしだと検索エンジンからの評価が下がり、集客効果が薄れてきます。また掲載内容が古くなってしまうと、ユーザーから見ても「このサイトはすでに運営されていないのでは……」と不安を与えかねません。

定期的に、商品情報やお知らせなどを更新しましょう。新鮮な情報が追加され、検索結果での上位表示を維持しやすくなります。新たな実績やサービス内容の変更があれば積極的に反映させ、常に最新情報を提供する姿勢を持つことが大切です。

法的要件とセキュリティ対策を遵守する

ホームページを持つ個人事業主には、特定商取引法や個人情報保護法などの法令を遵守する責任があります。特にインターネットを介して商品販売や有料サービスの提供を行う場合は、販売業者の名称や所在地、連絡先、販売価格などをわかりやすく表示しなければなりません。

さらにユーザーから個人情報を収集する際には、どのように情報を管理し、目的外で使わないかを明確に示すことが求められます。

セキュリティ対策の面でも、脆弱性を悪用されてサイトが改ざんされる事例などが報告されています。WordPressなどを利用している場合は、こまめなシステム更新を行い、不要なプラグインを放置しないよう心がけましょう。SSL(TLS)を導入して通信を暗号化することも、ユーザーの安全と安心につながります。

個人事業主がホームページを活用する方法

ホームページは、「作る」ことが目的ではありません。作成後集客ツールとして運用し、事業に貢献できるよう育てていく必要があります。

ホームページ作成後どのように活用していけばよいか、いくつか具体例を紹介します。

オフラインツールとの連携

名刺やフライヤー、封筒などの紙媒体にホームページのURLやQRコードを掲載することで、オフラインからオンラインへの誘導がスムーズになります。

イベントやセミナーで配布する資料にもホームページへのリンクを掲載しておけば、帰宅後に改めてアクセスしてもらえる可能性が高まるでしょう。

SNSとクラウドソーシングの活用

SNSは短期的な情報発信や拡散力に優れ、フォロワーとの交流も深められます。ホームページに書ききれない日々のトピックやリアルタイムの進捗状況、キャンペーン情報などをSNSで発信し、最終的に詳細をホームページで確認してもらう流れを作ると効果的です。

SNSからホームページへの導線を用意し、サービス申し込みやお問い合わせにつなげましょう。クラウドソーシングを利用している個人事業主は、自身のプロフィール欄や提案文にホームページを記載しておくことをおすすめします。

継続的な情報発信と分析

ホームページを通じた集客を安定的に続けるためには、継続的な情報発信が欠かせません。新しいサービスプランの開発ストーリーやユーザーの成功事例、実際に行ったイベントのレポートなど、何かしら有益なコンテンツを更新していくことが大切です。検索エンジンだけでなく、リピーターが定期的にサイトを訪れてくれるようになることで、長期的なファンを築ける可能性が高まります。

さらに、Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを導入し、どのページが多く閲覧されているのか、どの検索キーワードからの流入が多いのかなど、定量的なデータを把握する習慣をつけるとよいでしょう。数字に基づいてページ構成やコンテンツの方向性を見直すことで、より効果的な改善施策を打ち出せます。

うまく活用すればホームページは強力な営業ツールになる

ホームページの作成は、信用度の向上、安定した顧客獲得の経路、ポートフォリオとしての活用など、多くのメリットを得られます。また、SNSやオフラインツールと組み合わせると相乗効果も期待できるでしょう。

ただし、ホームページは作成して終わりではなく、常に最新の情報を発信し、継続的に運営していく必要があります。事業の特性に合わせて適切に活用し、ビジネス拡大のチャンスを逃さないようにしましょう。


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