• 更新日 : 2023年5月12日

アートメイクの開業に必要な資格は?フリーランスで働く方法はある?

アートメイクの開業に必要な資格は?フリーランスで働く方法はある?

眉などにアートメイクを施術する広告などを目にするようになりましたが、個人がアートメイクで開業するためには看護師などの資格が必要なのでしょうか?それとも医師免許が必要なのでしょうか?

この記事では、美容の目的で行われるアートメイクで起業する際に必要な資格や方法について解説しています。

アートメイクで開業するのに必要な資格は?

アートメイクとは、肌にメイクをするのではなく、皮膚に直接色素を注入して、見た目を化粧のような仕上がりにする美容技術のことです。いわゆる「落ちないメイク」として美容サロンで施術されているメイクです。

アートメイクは自然な仕上がりができることや、その後のメイク時間が節約できることなど多くのメリットがありますが、アートメイクで開業するためにはどのような手続きが必要なのでしょうか?

開業には医師免許が必要

そもそもアートメイクは、健康な肌に小さな傷を付け、そこに色素を注入する施術です。したがって、一定の危険性が伴うため、医師免許又は看護師資格を有する者だけが行える医療行為です。

アートメイクとして多い施術は、眉やアイライン、唇に色を注入するものです。皮膚の浅い部分に色を入れるため、アートメイクを施しても数年で消えてしまうものが主流です。

しかしながら、施術部分が化膿したり、角膜に傷が付いたりという被害もあり、アートメイクを医師以外が行うと違法となります。

看護師が施術する方法とは?

医師法第17条には、

「医師でなければ、医業をなしてはならない。」

とあります。

引用:医師法 | e-Gov法令検索

しかし、医師の管轄のもと看護師が施術を行う運営の場合には、看護師資格者が施術を行うことが可能です。つまり、医師が常駐せずに、看護師のみがアートメイクの施術をすることは違法となりますので注意が必要です。

厚生労働省のサイトには、「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」という注意喚起文書があります。その中に「針先に色素を付けながら、皮膚の表面に墨等の色素を入れる行為」を医師免許を有しない者が業として行えば医師法第17条に違反することが明らかにされています。

引用:医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて(◆平成13年11月08日医政医発第105号)|厚生労働省

アートメイクサロンって何?

アートメイクサロンとはアートメイクの施術が受けられる店舗のことです。実際には店舗を持たず、技術者が施術を受ける人のところに出張する形式もあるようです。前述のとおり、アートメイクは医療行為にあたりますので、施術には医師の常駐が必要となります。

サロンでは一般的に、医師が施術前に施術を受ける者の状態を確認します(施術前カウンセリング)。カウンセリング時に、アートメイクのデザインを最終確認しますが、身体の状態によっては施術ができないと判断することもあります。医師または医師の指示のもと看護師が施術をし、施術後は炎症などが起きないように薬を処方したり、生活での注意点を説明したりします。

一般的なサロンのうちどれほどが医師の常駐を行っているかは不明ですが、医師の常駐がないアートメイクサロンは違法の可能性があります。

アートメイクスクールに行けば開業できるの?

アートメイクスクールとは、医療行為となるアートメイクを専門的に学ぶことができる学校です。受講できるのは医師や看護師免許を取得している医療従事者に限られるところもありますので、まずは入学資格を確認しましょう。

民間の団体が発行するアートメイクのライセンスや修了証は技術の証明にはなりますが、医師免許等を保有してからアートメイクでの開業が可能になります。したがって、アートメイクスクールに行けば必ずアートメイクサロンが開設できると考えるのは早計です。

衛生管理や肌の知識は医師免許や看護師資格取得においても習得するものの、直接「顔」に施術するアートメイクはデザイン技術や美容の知識なども必要とされます。

フリーランスのアートメイクアーティストとは

アートメイク看護師としてフリーランスになることは可能です。前提条件としては、「看護師資格」または「准看護師資格」を取得していることです。その上で「アート」の部分をアートメイクスクールやアートメイク専門の医院などで技術を磨き、さらに接客術をマスターする必要があります。

医師が常駐するクリニックと契約をするなどして、アートメイクの施術を専門的に行うことでアートメイクアーティストとしての可能性は広がります。施術するのに大きな機材が不要であることから、遠隔地でも出かけていき施術することもできます。

しかしながら、常にクリニックとの関係性を維持しなければならないことに加え、顧客が施術内容を気に入らず、やり直しとなるなどのトラブルもあり得ます。

アートメイクで働くなら準備と責任をしっかりと

アートや美容に関心がある看護師、夜勤などがない職種に変わりたい看護師などが美容技術を活かしてアートメイクアーティストとして活躍する例もあります。アートメイクアーティストとして働く場合には、資格や働き方などをしっかり確認して、責任ある働き方を選びましょう。

よくある質問

知り合いに病院経営者がいれば開業できる?

単に、知り合いに医師や病院経営者がいればアートメイクアーティストになれるわけではありません。アートメイクは日本においては、「医療行為」であることを認識しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。

アートメイクにはどんな技術が必要ですか?

アートメイクは、眉や目など小さな部分に施術するため、微細な動きを正確に行う技術などが求められます。詳しくはこちらをご覧ください。


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