定款に定める「公告方法」はどう選ぶのが正解?

会社の設立に際して決めなければならない事項のひとつに、公告の方法があります。会社が公告をする方法は、定款の絶対的な記載事項ではありませんが、ほとんどの定款に記載されています。

そこで今回は、公告が必要になる場合や公告方法の種類、おすすめの公告方法など、定款に定める公告方法について解説していきます。

会社には公告義務がある

会社法第440条で株式会社は、貸借対照表を公告しなければならないと定めています。いわゆる決算公告です。この公告を怠ったり、不正な公告をしたりした場合には、100万円以下の過料というペナルティーが用意されています。

そのほか、合併や分割や資本金の減少など、会社の債権者に不利益が出るおそれがある場合にも公告をする義務があると規定されています。これらの公告は、債権者に異議を申し出る機会を与えるためのものであり、債権者保護手続きとして行われています。

公告をするタイミング

会社法には、決算公告は定時株主総会後「遅滞なく」行う必要があると記されています。「遅滞なく」というのは、「直ちに」や「速やかに」ほどの即時性は求められず、急ぐ必要はあるが、やむを得ない理由があれば、多少遅れても仕方がないというようなイメージです。

一方、合併や資本減少など債権者保護手続きのための公告は、当該事項を決定した時点で行います。

3種類の公告方法

会社の公告方法には、次の3種類があります。

  • 官報
  • 日刊新聞紙(時事に関する事項を掲載するもの)
  • 電子公告

官報というのは、政府が毎日発行している新聞のようなもので、約9割の会社が、公告方法として官報を選択しているといわれています。

日刊新聞紙とは、日本経済新聞などの全国紙はもちろん、東京新聞などの地方紙でもかまいません。ただし、スポーツ新聞などはNGです。

電子公告とは、会社のホームページなどインターネット上で情報を公開することによって行う方法です。

どの公告方法を選ぶかは自由ですが、日刊新聞紙または電子公告によって公告する場合には、その旨を定款で決めておかなければなりません。定款で公告方法を決めなければ、自動的に、官報によって行うものとみなされてしまうからです。

電子公告の場合、公告を掲載するアドレスを定款に記載する必要はありませんが、登記は必要です。なお決算公告などは、定款に定めた方法で行いますが、合併時などの債権者保護手続きに関する公告は、必ず官報で行う必要があります。

おすすめの公告方法は?

まず日刊新聞紙による公告ですが、掲載費用が50万円以上必要と、非常に高額であるため、この方法を採用する会社はごく少数しかありません。したがって、これから会社を設立するのなら、官報または電子公告の二択ということになります。

債権者保護手続き等の公告とは異なり、決算公告は毎年必要であるため、公告にどの程度の費用がかかるのかは、公告方法を選ぶ際のひとつの目安になります。官報公告であれば、1年間の費用は6万円程度です。

一方、電子公告は、会社のホームページ上などに掲載すれば良いので、ほとんど費用はかかりません。つまり、決算公告に限れば、電子公告が圧倒的にお得ということになります。

ところが、債権者保護手続きに関する公告については事情が異なります。電子公告の場合、「法律で定められた公告期間中、継続的に公告が掲載されていた」ことを証明しなければならず、そのため、専門の機関に調査委託する必要があります。そして、この費用が10万円以上することもあり、多くの場合、官報よりも高額になります。

つまり、決算公告は電子公告で行い、債権者保護手続きについては、官報で行うというのが理想的と言えます。いかにも都合の良すぎる考え方ですが、会社法はそれを認めています。

具体的な方法としては、まず、定款に定める公告方法を、「官報に掲載する方法により行う」とします。その上で、「貸借対照表に係る情報の提供を受けるために必要な事項」として、広告を掲載するアドレスを登記するのです。

こうすることによって、決算公告には費用をかけず、債権者保護手続きの際にも最低限の費用で公告を行うことができるようになります。

ただし、官報等による決算公告では、貸借対照表の要旨を掲載するだけで良いところ、電子公告による場合は、貸借対照表の全てを、5年間掲載しなければならないため注意が必要です。

なお、合同会社の場合には、決算公告の義務がなく、電子公告を選択するメリットがないので、官報公告がおすすめです。

公告方法の変更の仕方

会社の公告方法を変更することは可能ですが、ほとんどの会社では定款に記載されているため、株主総会の特別決議が必要です。

また、登記事項であるため、変更するには変更登記を申請しなければならず、その際には登録免許税3万円を納付しなければなりません。

おわりに

公告方法によっては、思わぬ費用がかかったり、余計な手間が必要になったりするおそれがあります。ほとんどの会社が官報を選んでいるからと安易に考えるのではなく、これから会社を設立するのであれば、公告方法もしっかりと検討して決めるようにしましょう。

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監修:外崎健(司法書士)

平成15年に司法書士試験合格後、司法書士事務所に勤務。平成18年より独立開業し、現在はコンサルティング会社の役員としても活動している。
お客さま第一の業務を心がけ、顧問先さまからは会社法務だけではなく、従業員の方のプライベートな部分について相談を受けることも。
会社法務に必要な書類のほか、相続手続、簡裁訴訟代理関係、家事調停書類作成なども担当している。