• 更新日 : 2024年9月27日

ダイニングバーの開業資金はいくら?店舗の運営費用や必要な資格も解説!

美味しい料理やお酒を提供するダイニングバーを開業したいと思っている方は多いのではないでしょうか。

この記事ではダイニングバーを開業する方法や実際に店舗として出すための段取り、開業時に必要な資格や許可の種類、年収や補助金などお金についての知識も詳しく解説します。

これからダイニングバーの開業を考えている方にとって必見の内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。

ダイニングバーの開業資金はいくら?

ダイニングバーを開業するにあたって多くの人が気になるのが、資金面の問題です。どの業種にしても開業をするとなればまとまった資金が必要になりますが、ダイニングバーの場合、何にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。以下から詳しく見ていきましょう。

物件取得費

ダイニングバーの開業時には、大きく分けて3種類の費用がかかります。

まずかかるのが、店舗を経営するために必要な物件を取得する費用です。物件を取得するには、借りる、もしくは買うといった方法がありますが、店を開業する場合、物件を借りるケースが一般的です。賃貸物件を契約する際には、通常の住宅と同じように保証金、初回家賃、仲介手数料、礼金を支払うことになります。

借りる店舗の大きさにもよりますが、これらすべてを合わせると300〜400万円ほどかかります。ここで大切なのが、毎月の賃料を無理なく支払えるかという点です。

賃料は経営状態に関係なく毎月発生するもののため、経営が落ち込んだときでも無理なく支払える金額の物件を選ぶことが大切です。

内装工事費

居抜き物件かスケルトン物件、どちらを選ぶかによって内装工事費は大きく変わってきます。

調理場や客席の状態が整っている居抜き物件であれば比較的初期費用は少なくて済みますが、一から作り上げるタイプのスケルトン物件の場合はトータルで100万円以上かかることが一般的です。

店舗運営費

実際に店舗を運営する費用として、人件費や水道光熱費、雑費など多くの費用が必要となります。

この店舗運営費がもっとも高い金額となるケースが多く、最低でも500万円ほど用意しておくと安心です。

そもそもダイニングバーの種類は?

一口にダイニングバーといっても、さまざまな種類があります。

そもそもダイニングバーとは、食事ができてなおかつお酒の種類も豊富に用意されているレストランのことを指しますが、どのようなタイプのダイニングバーでもメニューのラインナップが固定客をつかむカギとなるでしょう。

ダイニングバーの種類としては、西洋居酒屋タイプ、ワインバータイプ、ショットバーから派生したタイプなどが存在します。

西洋居酒屋タイプは、その名の通り西洋の料理を中心としたメニューをそろえ、居酒屋のフランクさとバーのおしゃれさがバランスよく調和された店舗を指します。比較的リーズナブルな値段と多彩なメニューが特徴で、若年層に支持されるタイプといえるでしょう。

ワインバータイプは、ワインがメインのダイニングバーで、ワインの種類が豊富なのはもちろん、ワインに合う料理やおつまみが多く用意されていることに特徴があります。しっかりと食事を楽しむというよりは、お酒と会話を楽しみながら軽食でお腹も満たすというスタイルが一般的です。

ショットバーから派生したタイプのダイニングバーは、比較的フランクな内装、スタッフの対応が特徴です。ショットバーのようなお酒のラインナップにおつまみや軽食が用意されていることが多く、こちらも若年層に人気があります。

このようにダイニングバーといってもさまざまな形態がありますので、開業前にコンセプトやターゲットをしっかりとイメージしておきましょう。

ダイニングバーの開業方法・流れは?

実際にダイニングバーを開業するなら、どのような流れで進めていけばよいのでしょうか。以下から詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

コンセプトを決める

コンセプトとは「どんな種類のダイニングバーにするのか」「どんな客層をターゲットにするのか」といった、店の根幹となるもので、開業時にしっかりと定めることによって顧客獲得につながります。

なかなかコンセプトが定まらない場合は、まずは成功している店舗に足を運び、どのような工夫がされているのか自分の目で確かめてみましょう。

開業資金を用意する

ダイニングバーを開業するためには数百万円というまとまった資金が必要です。自己資金で用意できる方は問題ないですが、十分な資金が準備できない場合は借入も検討しなければなりません。借入先としては、主に銀行からの融資が考えられます。開業してすぐに経営が軌道に乗るとは限らないため、キャッシュフロー計画を念入りに考えることが大切です。

開業に必要な資格・許可を取得する

開業する際には、どのような事業であっても開業届が必要になります。また、飲食店の場合は別途専用の資格や許可が必要になるため、開業前に必ず取得しておきましょう。

物件を選ぶ

ダイニングバーの立地や物件は、顧客を確保する上でとても重要な要素です。近隣のお店の雰囲気や人の流れなどもよく観察して決めましょう。

内装工事・備品調達

必要に応じて内装工事やグラス、食器類など備品の調達をします。

仕入れ先の選定

お酒は原価が安いとはいうものの、材料をどこから仕入れるかはとても重要なポイントです。上質な材料を提供してくれて、かつ人間関係が円滑な仕入れ先を選ぶと経営に負担がかかりません。

ダイニングバーの開業に必要な資格・届出は?

ダイニングバーを開業するにあたって必要な資格や届出があります。もし無許可・無資格で営業をした場合、罰則を受けたり、最悪の場合業務停止処分を言い渡されたりすることもあります。どのような業種であっても「開業届」は必須ですが、ダイニングバーはその他にどのような資格や届出が必要なのでしょうか。

食品衛生法に基づく営業許可

ダイニングバーに限らず、飲食店全般に必要な許可です。食品衛生法では、1つの店舗に必ず1人、食品衛生責任者を置くことが義務付けられています。

食品衛生責任者は経営者本人である必要はありませんが、調理師や栄養士など食に携わる資格を持っていない場合は、食品衛生責任者のための講習会を受講しなければなりません。講習会とテストでほぼ丸1日かかりますが、講座を受講すれば大半の人が取得できる資格です。

食品衛生責任者を1人在籍させていることが確認できると、所管の保健所の食品衛生課で営業許可の申請が可能になります。

深夜酒類提供飲食店営業の届出

深夜も営業する場合、深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要になります。最寄りの警察署の公安委員会に届け出てください。

防火管理者選任届

飲食店で火事が発生しないよう、「管理者を専任している」という証になる届出です。ダイニングバーはお菓子やおつまみだけではなく、パスタやピザなど火を使った料理を提供することもあるため、この届出は必要不可欠でしょう。

食品衛生法に基づく営業許可、深夜酒類提供飲食店営業の届出と合わせて手続きを行います。

どの資格もダイニングバーの開業、経営には欠かせない大切なものです。開業前に余裕を持って準備を進めましょう。

ダイニングバーの開業で使える補助金はある?

ダイニングバーを開業するには、資金が必要になります。資金は開業時だけでなく、その後も毎月のランニングコストがかかるため、経営が軌道に乗るまで一定の期間が必要になることも考えると、自己資金だけでは不安という人もいるでしょう。こうした開業資金を準備するために、補助金や助成金といった国の制度を活用するといった選択肢があります。ダイニングバーの開業に使える補助金を一覧にしましたので、ぜひ参考にしてください。

地域創造的起業補助金(創業補助金)

地域創造的起業補助金は創業補助金ともいわれる補助金で、日本の経済を活性化させることを目的に設けられました。

新たに飲食店を開業する際に初期費用や経費の一部を助成してくれるものですが、外部資金調達がある場合とない場合で上限額が異なります。外部資金調達がある場合は50〜200万円、ない場合は50〜100万円が支給されます。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者の持続・発展を助けるための制度です。補助上限額は50万円ですが、複数人で設備投資をした際には最大500万円が支給されます。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、生産性を向上させるサービスの開発や試作品開発・生産プロセスの改善を行う際に設備投資等を支援することを目的とした補助金です。上限額は1,000万円で、補助率は2分の1となっています。

ダイニングバーの開業に成功すると年収はいくら?

初めて開業する場合、どのくらい稼げるのか、年収について気になる方は多いのではないでしょうか。

「開業したものの、思ったよりも年収が少ない」となれば、開業自体を後悔することにもなりかねません。キャッシュフローの計画を立てるためにも、ダイニングバーの開業で成功した場合の年収を知っておくことは非常に大切です。

ダイニングバーで開業し、仮に成功した場合、一般的に年収は300〜500万円ほどになるといわれています。

この数字を見ると「少ない」と感じるかもしれません。その理由は酒類の原価は比較的安いものの、料理を提供するとなるとあらゆる食材を仕入れなければならないからです。どのような料理を提供するかによって仕入れにかかる金額は大きく異なりますが、仕入れが困難な食材や高級食材などを提供する場合は、黒字経営にするのは至難の業といえるでしょう。

また、昨今の物価上昇により多くの食材の価格が高騰している中、どのような食材であっても今までのように安く大量に仕入れることは難しいという現状があります。

その一方でダイニングバーを開業して成功している経営者で、年収1,000万円を達成している人も少なくありません。そういった経営者の多くは、賃料が安い物件を借りたり、必要経費を削減したりといった経営努力をしています。

メニューの単価を上げると利益が伸びるように感じられるかもしれませんが、お客さんは「高い」と思った瞬間、他のお店を選ぶようになります。似通ったお店が多く存在するため、よほど凝ったメニューを提供したり、経費を抑えたりといったことが利益を伸ばすコツといえるでしょう。

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ダイニングバー開業成功のコツは細かな工夫と売上管理

何も考えずに行き当たりばったりでダイニングバーの開業を進めると、思うように利益が出せずに赤字経営となってしまう可能性は十分にあります。

しかし、コンセプトをしっかりと考え、固定客がつくようなメニューや売りを考えるといった細かな工夫をすれば、ダイニングバー開業の成功は十分に叶えることができるでしょう。

お酒は原価が安く、また保存がきくという点で無駄にすることなく使い切ることができます。また、オーダーをもらってからお酒を用意するため、ドリンクに関してはさほど心配することはないでしょう。

ただし、ダイニングバーはお酒だけを提供するのではなく、お客様のお腹を満たす料理も一緒に提供する場所です。料理は仕入れに高い費用がかかり、食材ロスも出やすいため、しっかりと戦略を練って無駄や損がないようにしなければいけません。

ダイニングバーを初めて開業する方は、まず成功しているダイニングバーに実際に足を運び、お店のコンセプトやテーマ、メニューの種類などを見ておくとよいでしょう。完全にコピーするのはよくありませんが、参考にして自分なりにアレンジすれば年収1,000万円も夢ではありません。

ダイニングバーを開業しようと考えている方は、ぜひしっかりと熟考した上で他にない素敵なお店を作り上げてください。

よくある質問

ダイニングバーの開業資金はいくら?

ダイニングバーの開業資金は店舗の大きさや物件の状態にもよりますが、およそ500〜1,000万円くらい必要です。詳しくはこちらをご覧ください。

ダイニングバーの開業に必要な資格・届出は?

ダイニングバーの開業に必要な資格や届出は「開業届」「食品衛生法に基づく営業許可」「深夜酒類提供飲食店営業の届出」「防火管理者選任届」の4つです。詳しくはこちらをご覧ください。


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