• 更新日 : 2023年8月23日

花屋経営は難しい?年収・小さな花屋を開業する流れも紹介

花屋経営は難しい?年収・小さな花屋を開業する流れも紹介

花屋はカフェやベーカリーと並び、女性が起業して店を開業するときの選択肢として人気です。しかし、花屋経営は難しいとも言われます。

ここでは、花屋経営が難しい理由や花屋を個人経営している人の年収、小さな花屋を開業する流れなどを解説します。未経験から花屋開業にチャレンジしたいという方はぜひ参考にしてください。

花屋の経営は難しいと言われる理由

花屋は「花が好き」という熱意だけで、経営を成り立たせるのは難しい商売です。ここでは、その理由を解説します。

生花の品質管理が難しい

生花は品質が良いうちに売る必要があります。生花の寿命は約1週間程度のため、店頭で花が開ききってしまうと販売できず、廃棄するしかありません。花は一般的に気温が上がると花が開くので、店頭で花が開かないように温度管理をします。花の種類によって適温が異なるため、花を扱うには豊富な知識が要求されます。

大きな店舗では、フラワーキーパーという生花用の冷蔵庫を使って温度管理をしますが、小さな店では自然管理を行っているところも少なくありません。自然の条件の中で花の品質管理をするには、こまめに水をやったり水を切ったりしなければならず、大変手間がかかります。

シーズンの移り変わりが早い

入学式や卒業式、母の日、クリスマス、盆と彼岸など、イベントと連動して売れ筋の花は1年の中で目まぐるしく変化します。イベントごとの繁忙期は2〜3週間と短く、1年間で短い繁忙期が何度も訪れるイメージです。

短期間の繁忙期のために売れ筋の花を適切量仕入れ、いかに廃棄率を低く抑えて売り切れるのかが勝負になります。

個人客だけだと利益が出にくい

個人客だけをターゲットにすると、利益がなかなか出せません。花を買う機会は母の日や誕生日、盆や彼岸などのイベント時だけという個人客は少なくありません。

そこで、個人客だけではなく会社や学校、冠婚葬祭業者など、法人の顧客を開拓し、経営を安定させる必要があります。

花屋経営で扱う商品・サービス

花屋の形態には実店舗とオンライン専門ショップがありますが、ここでは実店舗の花屋が扱う商品・サービスについて解説します。

店頭で花を販売する以外に、店頭の花を使って花束やブーケなどをつくるフラワーアレンジメントの依頼も引き受けます。

特定の花を買い求めるお客さんもいますが、「卒業式のお祝いに、3,000円の予算で花を見繕ってほしい」という注文をする人も少なくありません。花を贈るシーンや予算に合う花を選ぶのも花屋の大切な仕事です。

また、花に関するお客からの疑問に応えたり、花器や花のケア用品、花にちなんだ雑貨なども販売して「花のある生活」を提案したりするなど、ソフト面のサービスも提供する必要があります。

花屋を個人経営している人の年収はどれくらい?

個人で花屋を経営している人の年収(売上)について、公的機関や業界団体による数字は見当たりませんが、開業支援を手がける業者などによると、おおよそ200~400万円ではないかと推察されています。

ちなみに、農林水産省の調査によると、平成26年における花き専門小売業(花屋)の国内事業者数は1万5,903店、花き専業小売業による同年の年間販売額は3,683億円です。単純に販売額を事業者数で割ると、約2,315万円となります。

ただし、事業者には個人もあれば法人もあります。大手の法人のなかには年間売上が百億を超える事業者もあることを考えると、事業者の平均年間販売額が2,315万円というのは実情に合っていません。個人経営の花屋の年収は上記で述べた金額が妥当でしょう。

参考:花き振興コーナー|農林水産省、「花きの現状について

花屋開業に必要な資金は?

花屋を開業するには、店舗を借りて内装工事を行い、必要な什器や車が必要になります。開業に必要な資金は、数百万から約1,000万円までと幅があります。どのようなことにお金が必要になるのか、具体的に見てみましょう。

物件取得費

店舗用の物件を借りるには、保証金(敷金)、礼金、仲介手数料、前家賃といった費用が発生します。それぞれの目安は以下のとおりです。

  • 保証金(敷金)…家賃の3~6か月分
  • 礼金…家賃の1か月分
  • 仲介手数料…家賃の1か月分

上記3つの項目で家賃の5〜8か月分が必要になります。たとえば、家賃20万円の物件なら、100〜160万円の物件取得費が必要です。

内装・外装工事費

店舗の体裁を整えるには、店内の天井や空調、水道、電気などの内装工事や、店の外に看板を取り付けたり、壁を塗ったりする外装工事が必要です。内装・外装合わせて100〜400万円程度かかります。

内装・外装工事費の金額幅が大きいのは、業者に頼らずに自分でできるところはDIYする、あるいは内装を最低限に絞ることで費用を抑えられるからです。

什器・備品費

以下のような什器や備品が必要です。すべて揃えると100万円を超える場合もあります。

  • 作業台…花をラッピングしたり、フラワーアレンジメントしたりする
  • ショーケースや棚…花を陳列する
  • ロールスクリーン…窓からの日差しを遮る。直射日光に弱い花を置く場合に必要
  • フラワーキーパー…花の鮮度を保つ専用冷蔵庫

車両費

花の仕入れや配達のために車が必要です。ワンボックスの軽自動車は、花を積むのに便利です。すでに車を持っている場合、費用はかかりませんが、購入する場合は100~200万円程度用意しておきましょう。

広告宣伝費

開店を告知するためのチラシをつくったり、ネットなどに公告を出したりするための費用として、数万円〜数十万円の費用がかかります。

花屋開業の流れ

では、花屋を開店するまでの流れを見てみましょう。

花屋のコンセプトを決める

コンセプトとは「どんな花屋にしたいのか」ということです。店のコンセプトによって、メインで扱う花の種類や店の立地、店舗や看板のデザインなどが決まるため、コンセプトを固めることが花屋経営を成功させるための第一歩といっても過言ではありません。コンセプト例として、下記のようなものが挙げられます。

  • 日常生活の中で気軽に楽しめる植物を提案したい
  • フラワーアレンジメントのスキルを活かして、特別な日に贈る花を提案したい
  • 販売だけでなく、フラワーアレンジメントのレッスンができるアトリエを併設したい

事業計画書の作成

事業計画書とは、事業内容や事業展開、収益の見込み、開店に必要な資金の調達方法などをまとめた計画書です。具体的には店のコンセプトやターゲット層、市場分析と自店舗の強み、仕入れ方法、中長期的な売上や利益の予想額などを計画書に落とし込みます。

事業計画書を作成することで、どのように花屋を経営し、どのような方向に発展させたかを整理できます。また、金融機関などに融資を受ける際に、事業計画書が必要になります。

事業計画書に決まったフォーマットはありませんが、政府系金融機関である日本政策金融公庫の公式サイトで「創業計画書」のフォーマットが提供されています。

参考:各種書式ダウンロード|日本政策金融公庫、「創業計画書

仕入れルートの確保

花を仕入れる先として、以下の3つがあります。

  • 生産者
  • 仲卸業者
  • 花き市場

生産者から仕入れると費用を最も抑えられますが、販売実績のない人が生産者から仕入れることは難しいでしょう。実際は花き市場か、花き市場にいる仲卸業者から仕入れることになります。いずれのルートで仕入れる場合でも、仕入れる花の種類や量、仕入れのタイミングを細かく決めましょう。

仲卸業者は卸売業者から花を買い付け、小売業者に卸している業者です。廃棄のロスを抑えながら多品種の花を仕入れるなら、仲卸業者から買うのが最適です。

花き市場で卸売業者から競り(せり)で買い付ける方法もありますが、参加するには参加権が必要となるケースがあります。開業直後には参加権を得られない場合もあるので、市場に問い合わせましょう。

立地調査・物件選び

花屋を開業する場所として、駅前や商店街、住宅地などがあります。出店を検討するエリアに競合店はあるか、どんな施設があるかなど調査し、店のコンセプトに合致するか検討しましょう。

出店エリアが決まれば、物件を探します。物件選びは時間がかかるので、事業計画書の作成や仕入れ先の選定と並行して進めるとよいでしょう。

内外装の工事・設備導入

物件が決まれば、内外装の工事や設備の導入を進めます。内外装や什器、設備は店のコンセプトに合わせることが理想ですが、費やせる資金には限りがあるため、バランスを取ることが大切です。中古品でカバーしたり、DIYで対応したりするなどの工夫もしましょう。

開業届の提出

個人事業主として事業を始めたことを税務署に知らせるために、「開業届」を提出します。罰則はありませんが、開業1か月後までに提出しましょう。

なお、個人事業主は1年間の収入や費用、儲け(所得)を申告書に記載して、税務署に提出する「確定申告」を行い、所得に応じて納税する必要があります。

コンセプトと事業計画をしっかり立てて、儲かる花屋を目指そう

花は生モノであるため、扱いの難しい商品です。しかし、単に花を販売するだけでなく、フラワーアレンジメントを施して付加価値をつけたり、花器や雑貨なども販売して花のあるライフスタイルを提案したりして、個性のある店をつくれば、大きな収益をあげられる可能性もあります。

オーナーが思い描くような花屋を実現するには、コンセプトや事業戦略をしっかり練ることが重要です。金融機関の融資を受ける、受けないに関わらず、時間をかけて事業計画書を作成しましょう。


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