• 作成日 : 2023年3月31日

企業のロゴを制作する方法は?デザインのポイントや注意点も解説!

企業のロゴを制作する方法は?デザインのポイントや注意点も解説!

消費者や顧客に自社や自社の製品を想起してもらうシンボルであるロゴ。マーケティングを効果的・効率的に展開するために使われるロゴは、欧米諸国と比べて、日本においてはその重要性が過小評価されている節があります。実際のところ、日本の中小企業においてはロゴがない会社が少なくありません。本記事は、自社のロゴがない企業を対象に、企業ロゴの制作方法や、ロゴをデザインする際のポイント・注意点などについて解説します。

企業のロゴとは?

オックスフォード英語辞典によると、ロゴ(Logo)とは「企業や組織の認知を促すために使用されるデザインやシンボル」です。ロゴの語源はギリシャ語の「ロゴス」(Logos)で、ロゴスとは「言葉」という意味です。ロゴは、企業や企業名のために使われるほか、ブランドや製品にも使われます。

ロゴの役割・目的

ロゴの最大の役割・目的はアイデンティフィケーションです。アイデンティフィケーション(identification)とは、大辞泉によると、「広告で、広告表現・看板・サインなどのコミュニケーション表現要素に統一性を持たせ、より効果的なコミュニケーション活動を行うための方法を表す言葉」です。ロゴがあることで消費者による企業や企業名の想起と認知が簡単になるため、より効果的で効率的なマーケティングの展開が可能になります。

ロゴの種類

ロゴには複数の種類があります。最もポピュラーなのが「ワードマーク」というロゴです。ワードマークは、シンプルに社名をベースにデザインされたロゴで、例としては「コカ・コーラ」「ソニー」「Google」のロゴなどが挙げられます。

一方、社名を使わずにシンボルだけをロゴにする「ロゴシンボル(シンボルマーク)」もポピュラーです。例としては「Apple」「Twitter」「三菱」などが挙げられます。

また、「ワードマーク」と「ロゴシンボル」を組み合わせた「コンビネーションマーク」や、マスコットをロゴにした「マスコット」などもポピュラーです。

企業のロゴを制作する方法は?

実際に企業のロゴを制作する方法ですが、特に決まったやり方は存在しません。ただし、一般論としては、企業のロゴはその企業のアイデンティティを想起させるものであるべきです。企業の実態やありようとまったく関係がないロゴを作ると消費者に違和感を生じさせる可能性があり、マーケティング的に危険です。

これまでにロゴ制作の経験がない企業の場合は、以下のプロセスをたどることをおすすめします。

自社のミッション・ビジョンを確認する

最初のステップは自社のミッション・ビジョンの確認です。例えば、ハウスメーカーで、「我が社のミッションは高品質で手頃な価格の住宅をファミリー層に提供し、お客様の健康で文化的な生活実現に寄与する」といったミッションが確認できたとします。その場合、そのミッションをシンボライズできるロゴの種類としては、「ワードマーク」と「ロゴシンボル」を組み合わせた「コンビネーションマーク」や、「ロゴシンボル」がよさそうだという感じになります。

自社のプライムカスタマーを確認する

次のステップはプライムカスタマーの確認です。プライムカスタマーとは、自社に最大の売上と利益をもたらす顧客層のことです。ロゴは、プライムカスタマーに最も訴求できるデザインにすべきです。例えば、小学生向けの英語塾であれば、プライムカスタマーである小学生とその母親に最も訴求できるデザインにすべきです。

デザイナーにデザインを依頼する

自社のミッション・ビジョンとプライムカスタマーが確認できたら、デザイナーにデザインを依頼します。最近は多くの企業がクラウドソーシングサイトを使い、コンペ方式で複数のデザイナーにロゴのデザインを依頼しています。ここでのポイントは、できるだけ多くのデザイナーにデザインを依頼することです。そして、必ずデザイナーと自社のミッション・ビジョンとプライムカスタマーについての情報を共有してください。

提案されたデザインの中から、自社のミッション・ビジョンを最もシンボライズしているものを選んでください。

企業のロゴを作成するときの注意点は?

ロゴの作成方法は自由です。自社のアイデンティティを象徴できるロゴを作ることが最大のポイントですが、一般論として以下の二点にも気をつける必要があります。

可能な限りユニバーサルなデザインにする

第一のポイントは、可能な限りユニバーサルなデザインにすることです。ユニバーサルなデザインとは、誰にでも理解可能で受け入れられるデザインと言う意味です。例えば、山田工業株式会社という会社のロゴを「山田工業株式会社」という漢字の社名をベースにした「ワードマーク」ロゴにしてしまうと、海外のほとんどの人が理解できないロゴになってしまいます。英語のワードマークの Yamada Industry の方が、より多くの人が理解可能なユニバーサルなロゴになるでしょう。

できるだけシンプルなデザインにする

第二のポイントはできるだけシンプルなデザインにすることです。デザインをシンプルにすることで視認性を確保し、認知と理解を得られやすくできるからです。複雑なデザインだと認知と理解が得られにくくなるばかりか、ストレスを感じられてネガティブなイメージを持たれるリスクが生じてしまいます。また、ロゴに自社のスローガンなどを載せるのも、同様の理由から避けた方がよいでしょう。ロゴに何らかの「文字」を載せる場合、文字数は可能な限り少なくしてください。

人気企業のロゴ事例は?

世界の有名なロゴの多くが、それぞれ独自のアイデンティティやストーリーを持っています。そんな有名なロゴのうち、世界的な人気企業のトヨタとAppleの事例をご紹介します。

事例1 トヨタ

現在のトヨタのロゴは、1989年10月に会社創立50周年を記念して発表されました。デザインの各要素は楕円(だえん)で統一されていて、タテとヨコに組み合わせた2つの楕円はトヨタの「T」であり、背後の楕円は空間として、トヨタの先進技術のグローバルな広がりと未来・宇宙に羽ばたく無限の可能性を表しています。

当時海外でも知名度を上げつつあったトヨタにふさわしいロゴを作るため、デザインには約5年の時間をかけられました。デザインに際して特に重視されたポイントは、遠くからでも「トヨタのクルマ」だとわかること、そして他メーカーのクルマと並んだときにいっそう輝いて見えるような強い個性があることだったそうです。

左右対称でバックミラーを通しても「トヨタ」とはっきり認知できる形状は、今では世界中でトヨタのシンボルとして広く認知されています。

事例2 Apple

Appleのロゴは、これまでに6回リデザインされていて、現在使われているロゴは2017年にリデザインされたものです。Appleのオリジナルのロゴは、1976年にAppleの共同創業者ロナルド・ウェインがデザインしたもので、リンゴの木の下でアイザック・ニュートンが座っている姿を描いた絵画風ロゴでした。そのオリジナルのロゴはわずか一年でお役御免になり、翌1977年には現在のロゴの原型となる「かじられたリンゴ」のデザインになっています。

Appleという社名は創業者スティーブ・ジョブズが発案したもので、その理由については諸説あるものの、当時果食主義を貫いていたジョブズがAppleという言葉が「パワフル」に聞こえたので名づけたという説が有力です。ジョブズはロゴも社名に合わせるべきと考え、デザイナーのロブ・ジャノフに依頼して「かじられたリンゴ」のロゴをデザインしてもらったそうです。

自社の思いをロゴに詰め、ステークホルダーで共有しよう

以上、企業ロゴの制作方法や、ロゴをデザインする際のポイント・注意点などについて解説しました。ロゴをデザインする上で重要なのは、自社のミッション・ビジョンがシンボライズされたロゴをデザインすることです。いわば自社の思いをメッセージとして顧客に伝達できるロゴが優れたロゴです。自社の思いをロゴに詰め、社員・顧客・取引先・株主といったステークホルダーで共有しながらマーケティングを効果的・効率的に進めていきましょう

よくある質問

企業のロゴを制作する方法は?

企業のロゴを制作する方法としては、①自社のミッション・ビジョンを確認し、②自社のプライムカスタマーを確認し、③デザイナーにデザインを依頼する、といったプロセスを経ることがおすすめです。詳しくはこちらをご覧ください。

人気企業のロゴ事例は?

人気企業のロゴ事例としてトヨタの事例が挙げられます。左右対称でバックミラーを通しても「トヨタ」とはっきり認知できる形状は、今では世界中でトヨタのシンボルとして広く認知されています。詳しくはこちらをご覧ください。


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